JPH0419226B2 - - Google Patents
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- JPH0419226B2 JPH0419226B2 JP10467984A JP10467984A JPH0419226B2 JP H0419226 B2 JPH0419226 B2 JP H0419226B2 JP 10467984 A JP10467984 A JP 10467984A JP 10467984 A JP10467984 A JP 10467984A JP H0419226 B2 JPH0419226 B2 JP H0419226B2
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
本発明は、1,1−ビス(メチルチオ)−2−
ニトロエチレンの新規な製法に関するものであ
る。 1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチ
レンは、農薬あるいは医薬の原料として有用な化
合物である。 従来、1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニト
ロエチレンの製法としては、先ず、ニトロメタン
と二硫化炭素を水酸化カリウムの存在下に反応
し、ニトロジチオ酢酸カリウムを合成し
(Berichtedeutsche chem.Gesellschaft、64、542
(1919))、更に、これを硫酸ジメチルで、ジメチ
ル化する方法(Chem、Berichte、100、591
(1967))が知られている。 この反応では、前者の収率が55%、後者の収率
が79%であり、全体の収率は43%と低収率とな
り、結晶の単離、精製等の操作が繁雑となり、必
ずしも工業的に満足できる方法とは言えない。 本発明者らは、1,1−ビス(メチルチオ)−
2−ニトロエチレンを工業的に有利に製造できる
方法を確立することを目的とし、鋭意研究を行つ
た。 その結果、式(1) (式中X1およびX2は、同一または相異なるハロ
ゲン原子を示す。)で表わされる1,1−ジハロ
−2−ニトロエチレンを、不均一溶媒中で塩基の
存在下に、メチルメルカプタンと反応させれば、
極めて工業的に有利に、1,1−ビス(メチルチ
オ)−2−ニトロエチレンを製造できることを見
い出し、本発明を完成するに至つた。 本発明によれば、公知法に比較し、高収率で目
的物が得られ、かつ目的物の単離、精製が容易で
ある。 式(1)において、X1およびX2で示されるハロゲ
ン原子としては、塩素原子、臭素原子、フツ素原
子、およびヨウ素原子のいずれでもよく、また、
X1、X2は同一のハロゲン原子であつてもよく、
相異なるハロゲン原子であつてもよい。 式(1)で表わされる化合物の具体例としては、
1,1−ジクロル−2−ニトロエチレン、1,1
−ジブロム−2−ニトロエチレン、1,1−ジフ
ルオロ−2−ニトロエチレン、1,1−ジヨード
−2−ニトロエチレン、1−ブロム−1−クロル
−2−ニトロエチレン、1−クロル−1−フルオ
ロ−2−ニトロエチレンを挙げることができる。
これらの中でも、工業的に入手が容易な化合物と
いう点から、特に1,1−ジクロル−2−ニトロ
エチレンが便利に使用される。これら、1,1−
ジハロ−2−ニトロエチレンは、1,1−ジハロ
エチレンとニトリル化合物との反応により、容易
に合成することができる。 本発明におけるもう一方の原料であるメチルメ
ルカプタンは、1,1−ジハロ−2−ニトロエチ
レン1モルに対して、通常1〜10モル、好ましく
は2〜3モルの割合で使用することができる。 本発明において使用に供される塩基としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バ
リウムあるいは水酸化マグネシウムなどのアルカ
リ土金属の水酸化物などが有用である。これら塩
基は、使用に供される1,1−ジハロ−2−ニト
ロエチレン1モルに対して、通常2モル以上、好
ましくは2〜3モルの割合で用いることができ
る。 本発明における反応は、不均一溶媒中で行われ
る。使用に供される溶媒としては、1,1−ジハ
ロ−2−ニトロエチレンを溶解させ、生成物であ
る1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチ
レンをほとんど溶解されず、しかも、反応に不活
性な有機溶媒と、水との不均一溶媒が有用であ
る。その具体例としては、ベンゼン、トルエンな
どの芳香族炭化水素と水の系、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの脂肪族炭化水素と水の系あるいは、四塩
化炭素、テトラクロルエタンなどのポリハロアル
カンと水の系などを挙げることができる。 有機溶媒と水との割合は、0.1〜10倍の範囲が
好ましいが、塩基の濃度により、この範囲以外で
も実施可能である。例えば、塩基濃度が高い場合
は、有機溶媒の使用量を水の使用量の10倍以上に
することもできる。 また、不均一溶媒は、1,1−ジハロ−2−ニ
トロエチレンの濃度が、1.0〜80重量%、好まし
くは5〜40重量の範囲になるように用いられる。 不均一溶媒中の1,1−ジハロ−2−ニトロエ
チレンの濃度が過度に低いと、反応が遅くなり、
また過度に高濃度であれば、生成物が固体として
多量析出するため撹拌が困難となるなど操作面で
問題となる。 本発明における1,1−ジハロ−2−ニトロエ
チレンと、メチルメルカプタンとの接触方法に
は、特別の制限を設ける必要はない。 例えば、1,1−ジハロ−2−ニトロエチレン
と、メチルメルカプタンを溶媒に溶かした液に塩
基を添加する方法、あるいは、溶媒中でメチルメ
ルカプタンと塩基とを予め反応させ、メチルメル
カプタンの塩にした後、その溶液中に1,1−ジ
ハロ−2−ニトロエチレンを添加する方法によつ
て実施することができる。 本発明の反応は、通常100℃以下の温度、好ま
しくは−10〜50℃の温度にて、0.5〜10時間、好
ましくは1〜5時間で行うことができる。 反応終了後、生成する1,1−ビス(メチルチ
オ)−2−ニトロエチレンの単離は、濾過、再結
晶などの公知の操作を適宜採用することによつて
容易に行うことができる。 次に、本発明の実施例を示す。なお、各例にお
ける1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエ
チレンの収率は、いずれも使用した1,1−ジハ
ロ−2−ニトロエチレン基準である。 実施例 1 水40mlに水酸化ナトリウム2.98gを溶解させ、
これにメチルメルカプタン3.58gを加えた後、溶
液を10℃に冷却した。 この溶液を撹拌しながらその中に、1,1−ジ
クロロ−2−ニトロエチレン4.59gを四塩化炭素
26gに希釈した溶液を30分を要してゆつくりと滴
下した後、30分間反応を行つた。この間、液温を
10℃に保持した。更に、30℃で30分間撹拌をつづ
けた。 反応混合物を濾過することにより、1,1−ビ
ス(メチルチオ)−2−ニトロエチレン4.87g
(収率91%)を得た。 実施例 2 水酸化ナトリウムに代えて、水酸化カリウム
4.18gを用いた他は、実施例1と同様の操作で実
験を行つた。その結果、1,1−ビス(メチルチ
オ)−2−ニトロエチレン4.80g(収率90%)を
得た。 実施例 3〜5 四塩化炭素に代えて、各種溶媒(使用量は、い
ずれも18ml)を用いた他は、実施例1と同様の操
作で実験を行つた。
ニトロエチレンの新規な製法に関するものであ
る。 1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチ
レンは、農薬あるいは医薬の原料として有用な化
合物である。 従来、1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニト
ロエチレンの製法としては、先ず、ニトロメタン
と二硫化炭素を水酸化カリウムの存在下に反応
し、ニトロジチオ酢酸カリウムを合成し
(Berichtedeutsche chem.Gesellschaft、64、542
(1919))、更に、これを硫酸ジメチルで、ジメチ
ル化する方法(Chem、Berichte、100、591
(1967))が知られている。 この反応では、前者の収率が55%、後者の収率
が79%であり、全体の収率は43%と低収率とな
り、結晶の単離、精製等の操作が繁雑となり、必
ずしも工業的に満足できる方法とは言えない。 本発明者らは、1,1−ビス(メチルチオ)−
2−ニトロエチレンを工業的に有利に製造できる
方法を確立することを目的とし、鋭意研究を行つ
た。 その結果、式(1) (式中X1およびX2は、同一または相異なるハロ
ゲン原子を示す。)で表わされる1,1−ジハロ
−2−ニトロエチレンを、不均一溶媒中で塩基の
存在下に、メチルメルカプタンと反応させれば、
極めて工業的に有利に、1,1−ビス(メチルチ
オ)−2−ニトロエチレンを製造できることを見
い出し、本発明を完成するに至つた。 本発明によれば、公知法に比較し、高収率で目
的物が得られ、かつ目的物の単離、精製が容易で
ある。 式(1)において、X1およびX2で示されるハロゲ
ン原子としては、塩素原子、臭素原子、フツ素原
子、およびヨウ素原子のいずれでもよく、また、
X1、X2は同一のハロゲン原子であつてもよく、
相異なるハロゲン原子であつてもよい。 式(1)で表わされる化合物の具体例としては、
1,1−ジクロル−2−ニトロエチレン、1,1
−ジブロム−2−ニトロエチレン、1,1−ジフ
ルオロ−2−ニトロエチレン、1,1−ジヨード
−2−ニトロエチレン、1−ブロム−1−クロル
−2−ニトロエチレン、1−クロル−1−フルオ
ロ−2−ニトロエチレンを挙げることができる。
これらの中でも、工業的に入手が容易な化合物と
いう点から、特に1,1−ジクロル−2−ニトロ
エチレンが便利に使用される。これら、1,1−
ジハロ−2−ニトロエチレンは、1,1−ジハロ
エチレンとニトリル化合物との反応により、容易
に合成することができる。 本発明におけるもう一方の原料であるメチルメ
ルカプタンは、1,1−ジハロ−2−ニトロエチ
レン1モルに対して、通常1〜10モル、好ましく
は2〜3モルの割合で使用することができる。 本発明において使用に供される塩基としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バ
リウムあるいは水酸化マグネシウムなどのアルカ
リ土金属の水酸化物などが有用である。これら塩
基は、使用に供される1,1−ジハロ−2−ニト
ロエチレン1モルに対して、通常2モル以上、好
ましくは2〜3モルの割合で用いることができ
る。 本発明における反応は、不均一溶媒中で行われ
る。使用に供される溶媒としては、1,1−ジハ
ロ−2−ニトロエチレンを溶解させ、生成物であ
る1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチ
レンをほとんど溶解されず、しかも、反応に不活
性な有機溶媒と、水との不均一溶媒が有用であ
る。その具体例としては、ベンゼン、トルエンな
どの芳香族炭化水素と水の系、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの脂肪族炭化水素と水の系あるいは、四塩
化炭素、テトラクロルエタンなどのポリハロアル
カンと水の系などを挙げることができる。 有機溶媒と水との割合は、0.1〜10倍の範囲が
好ましいが、塩基の濃度により、この範囲以外で
も実施可能である。例えば、塩基濃度が高い場合
は、有機溶媒の使用量を水の使用量の10倍以上に
することもできる。 また、不均一溶媒は、1,1−ジハロ−2−ニ
トロエチレンの濃度が、1.0〜80重量%、好まし
くは5〜40重量の範囲になるように用いられる。 不均一溶媒中の1,1−ジハロ−2−ニトロエ
チレンの濃度が過度に低いと、反応が遅くなり、
また過度に高濃度であれば、生成物が固体として
多量析出するため撹拌が困難となるなど操作面で
問題となる。 本発明における1,1−ジハロ−2−ニトロエ
チレンと、メチルメルカプタンとの接触方法に
は、特別の制限を設ける必要はない。 例えば、1,1−ジハロ−2−ニトロエチレン
と、メチルメルカプタンを溶媒に溶かした液に塩
基を添加する方法、あるいは、溶媒中でメチルメ
ルカプタンと塩基とを予め反応させ、メチルメル
カプタンの塩にした後、その溶液中に1,1−ジ
ハロ−2−ニトロエチレンを添加する方法によつ
て実施することができる。 本発明の反応は、通常100℃以下の温度、好ま
しくは−10〜50℃の温度にて、0.5〜10時間、好
ましくは1〜5時間で行うことができる。 反応終了後、生成する1,1−ビス(メチルチ
オ)−2−ニトロエチレンの単離は、濾過、再結
晶などの公知の操作を適宜採用することによつて
容易に行うことができる。 次に、本発明の実施例を示す。なお、各例にお
ける1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエ
チレンの収率は、いずれも使用した1,1−ジハ
ロ−2−ニトロエチレン基準である。 実施例 1 水40mlに水酸化ナトリウム2.98gを溶解させ、
これにメチルメルカプタン3.58gを加えた後、溶
液を10℃に冷却した。 この溶液を撹拌しながらその中に、1,1−ジ
クロロ−2−ニトロエチレン4.59gを四塩化炭素
26gに希釈した溶液を30分を要してゆつくりと滴
下した後、30分間反応を行つた。この間、液温を
10℃に保持した。更に、30℃で30分間撹拌をつづ
けた。 反応混合物を濾過することにより、1,1−ビ
ス(メチルチオ)−2−ニトロエチレン4.87g
(収率91%)を得た。 実施例 2 水酸化ナトリウムに代えて、水酸化カリウム
4.18gを用いた他は、実施例1と同様の操作で実
験を行つた。その結果、1,1−ビス(メチルチ
オ)−2−ニトロエチレン4.80g(収率90%)を
得た。 実施例 3〜5 四塩化炭素に代えて、各種溶媒(使用量は、い
ずれも18ml)を用いた他は、実施例1と同様の操
作で実験を行つた。
【表】
実施例 6
1,1−ジクロル−2−ニトロエチレン4.59g
に代えて、1,1−ジブロム−2−ニトロエチレ
ン7.46gを用いた他は、実施例1と同様の操作で
実験を行つた。その結果、1,1−ビス(メチル
チオ)−2−ニトロエチレン4.53g(収率85%)
を得た。
に代えて、1,1−ジブロム−2−ニトロエチレ
ン7.46gを用いた他は、実施例1と同様の操作で
実験を行つた。その結果、1,1−ビス(メチル
チオ)−2−ニトロエチレン4.53g(収率85%)
を得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 式(1) (式中X1およびX2は、同一または相異なるハロ
ゲン原子を示す。)で表わされる1,1−ジハロ
−2−ニトロエチレンを、不均一溶媒中で塩基の
存在下に、メチルメルカプタンと反応させること
を特徴とする、1,1−ビス(メチルチオ)−2
−ニトロエチレンの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10467984A JPS60248660A (ja) | 1984-05-25 | 1984-05-25 | 1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチレンの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10467984A JPS60248660A (ja) | 1984-05-25 | 1984-05-25 | 1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチレンの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60248660A JPS60248660A (ja) | 1985-12-09 |
JPH0419226B2 true JPH0419226B2 (ja) | 1992-03-30 |
Family
ID=14387154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10467984A Granted JPS60248660A (ja) | 1984-05-25 | 1984-05-25 | 1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチレンの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60248660A (ja) |
-
1984
- 1984-05-25 JP JP10467984A patent/JPS60248660A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60248660A (ja) | 1985-12-09 |
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