JPH04189363A - 骨セメント組成物および硬化体 - Google Patents

骨セメント組成物および硬化体

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JPH04189363A
JPH04189363A JP2282518A JP28251890A JPH04189363A JP H04189363 A JPH04189363 A JP H04189363A JP 2282518 A JP2282518 A JP 2282518A JP 28251890 A JP28251890 A JP 28251890A JP H04189363 A JPH04189363 A JP H04189363A
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methacrylate
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bone cement
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宣男 中林
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一彦 石原
Takashi Yamamoto
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 及肌段吸亘芳1 本発明は、骨および人工骨等の接着に特に適した骨セメ
ント組成物およびこの組成物の反応硬化体に関する。
発明の技術的背景 従来から、金属で作られた人工関節を骨に固定する際に
は、過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物と第3
級アミンとを組み合わせた触媒を使用して、メチルメタ
クリレート(以下「MMAJと記載する)を常温で重合
硬化させる方法が採られている。
しかしながら、この硬化体と骨との間の接着力はなく、
そのうえこのMMAの硬化反応は発熱反応であり、しか
も反応速度が大きい場合には、MMAが硬化する際には
、重合熱によって骨の組織が変性される可能性がある。
すなわち、MMAが重合する際に、例えば従来から一般
的に使用されているBPOとアミンの組合せによる重合
開始剤を使用して重合を行うと、反応が急激に進行して
、短時間に反応熱が放出されるため、MMA (あるい
はその硬化体)の温度が一時的に相当高温になる。従っ
てMMAの硬化体と接触する骨の組織が変性される可能
性が高いのである。
このような従来の骨セメントは骨との接着力がない上、
仮に上記のようにして骨の組織が変性されればこの部分
から新生骨が発育することは困難になり、人工関節とし
て埋め込まれた金属および骨白体は実質的に接合力を有
していないことになるため、時間の経過と共に人工関節
などの人工骨と接着剤あるいは接着剤と骨との境界面で
ゆるみが生じてしまうという問題があった。
このような状況下に、人工骨自体に骨との親和性をもた
せ、時間の経過と共に成長した骨が人工骨表面と結合す
ることにより、人工骨と骨とを一体化させる方法が提案
されている。すなわち、骨に対して親和性の高いハイド
ロキシアパタイト(以下[HAPJ と記載する)など
のリン酸カルシウムで人工骨の表面を被覆することによ
り、人体側に時間の経過と共に成長してくる新生骨とリ
ン酸カルシウムとを一体化させることにより人工骨を固
定するとの試みである。
しかしながら、このような人体の自然治癒力に期待して
人工骨を骨に固定する方法は、新生骨の成長に長時間を
要するため、この間、患部を固定しなければならない。
こうした固定によって、筋力および関節の運動機能の低
下などの副作用が発生し、低下した機能を回復させるた
めには、相当期間リハビリティジョンを行う必要があり
、患者にとって相当の負担であった。特に高年齢者は、
新生骨の成長か遅く、治療に長時間を要するため、この
ような負担は深刻である。
他方、骨と比較的近似した組織を有する歯の修復の分野
において、金属からなる補綴物と歯質との接着の際に、
4−(2−メタクリロイルオキシエチル)トリメリット
酸無水物(以下r 4−METAJと記載する)または
これを加水分解した4−(2−メタクリロイルオキシエ
チル)トリメリット酸(以下r4−METJと記載する
)と、MMAおよびトリ−n−ブチルボラン(以下「T
BBJと記載する)とからなる接着剤が使用されている
歯質と骨の成分とは、比較的近似しており、本発明者は
、現在歯科の領域で利用されている接着技術を、人工骨
の分野で利用しようと試みたが、このような接着技術を
利用したとしても、接着剤と骨との親和性が充分ではな
く、水中に長期にわたり浸漬しておくと接着力が低下す
る傾向がある。
従って歯科の領域で利用されている接着技術を人工骨の
埋め込みの際に利用し、骨組織を変性させずに強固に接
着することは困難であった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術の有する課題を解決し
ようとするものであって、例えば金属から形成される人
工骨と骨を良好に接着することができる骨セメント組成
物およびこの骨セメント組成物から得られる反応硬化体
を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る骨セメント組成物は、炭素原子数1〜4の
アルキル基を有するメタクリレートから誘導されるポリ
アルキルメタクリレートと、HAPなとのリン酸カルシ
ウムと、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するアルキ
ルメタクリレートと、4−METAおよび/または4−
METと、重合開始剤とからなることを特徴としている
本発明に係る反応硬化体は、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基を有するメタクリレートから誘導されるポリアルキ
ルメタクリレートと、HAPなとのリン酸カルシウムと
、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタ
クリレートと、4−METAおよび/または4−MET
と、重合開始剤とからなる組成物の反応硬化体である。
本発明の骨セメント組成物に配合されたリン酸カルシウ
ムは骨の成分と近似した構造を有しているため、成長し
た新生骨がこのリン酸カルシウムと一体化する。しかも
、特定のポリアルキルメタクリレートを主成分とする接
着剤は、金属に対しても優れた接着性を示すため、人工
関節等の人工骨を長期間使用したとしても、人工骨と骨
との間にゆるみが生ずることは極めて少ない。さらに、
重合開始剤としてトリ−ローブチルボラン(TBB)を
用い、さらにこれに反応性成分として、4−METAな
どを含有する組成物は、TBBが水分や酸素を有効に活
用して硬化するため、水分を多く含む生体に対して有効
に使用することができる。また、リン酸カルシウムを配
合することによって、重合熱が分散し、硬化による反応
温度が低く抑えることができる。従って、本発明の骨セ
メントを用いて人工骨を骨に接着することにより、接着
した初期には骨と硬化物が高い接着力で接着しており、
さらに長期的には、新生骨の成長が阻害されることがな
いので硬化物と骨とが接合し、その結果人工骨、骨セメ
ントの硬化物および骨が接着した初期及び長期的には非
常に強い接着力で一体化する。このため、本発明の骨セ
メントを使用することにより、従来のように患部を長期
間固定する必要がなくなり、患部周囲の機能低下が非常
に少なくなる。
発明の詳細な説明 次に本発明の骨セメント及びその反応硬化体について具
体的に説明する。
本発明の骨セメント組成物において、ベースとなるポリ
マーは、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するポリア
ルキルメタクリレートである。
このようなペースポリマーの具体的な例としては、ポリ
M M A、  ポリエチルメタクリレート、ポリプロ
ピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートを挙げ
ることができる。このようなペースポリマーは、単独で
使用することもできるし、組み合わせて使用することも
できる。
これらのペースポリマーの中でもポリMMAは、人体に
対する為害性(人体に対して害を及ぼす蓋然性)が極め
て低いため、ペースポリマーとして特に好ましい。
このようなペースポリマーとしては、GPCにより測定
したポリスチレン換算の分子量が、通常は103〜1o
8、好ましくは104〜106のポリアルキルメタクリ
レートを使用する。
このようなポリアルキルメタクリレートは、粉末の状態
で使用するのが好ましい。
本発明の組成物中にはリン酸カルシウムが配合されてい
る。
このリン酸カルシウムは、骨の成分と比較的近似した構
造を有しているため、骨の成長にともなっで最終的には
新生骨と一体化して骨セメントと骨との間に非常に高い
接合力を発現させる。
本発明で用いられるリン酸カルシウムとしては、具体的
には、ハイドロキシアパタイト(HAP)、フッ素アパ
タイト、リン酸二カルシウム、リン酸化カルシウムなど
が挙げられ、これらとたとえば酸化カルシウムとの混合
物であってもよい。
また、本発明で用いられるリン酸カルシウムは、熱処理
をしたものでも熱処理をしていないものでもよく、さら
に多孔質であっても緻密質であってもよい。
本発明においては、種々の形状のリン酸カルシウムを使
用することができるが、特に1〜20μmの平均粒子径
を有するリン酸カルシウムを使用することにより、骨と
骨セメント硬化体との接着強度および圧縮強度が非常に
高くなる。特に好ましくは2〜15μmの平均粒子径を
有するリン酸カルシウムを使用することにより、接着強
度および圧縮強度がさらに優れた硬化体を形成し得る組
成物を得ることができる。
このリン酸カルシウムは、ポリアルキルメタクリレート
粉末と混合しておくことが好ましい。この場合、リン酸
カルシウムとポリアルキルメタクリレートと[成分(P
)]は、重量比で、通常は、0.1:99.9〜90:
10の範囲内、好ましくは10:90〜80:20の範
囲内の混合比率で混合されて使用される。
本発明の骨セメント組成物では、重合性の単量体成分と
して、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するアルキル
メタクリレートを使用する。このようなアルキルメタク
リレートの例としては、MMA、  エチルメタクリレ
ート、プロピルメタクリレートおよびブチルメタクリレ
ートなどのアルキルモノメタクリレートまたはエチレン
ジメタクリレートおよびプロビルジメタクリレートなど
のアルキルジメタクリレートを挙げることができ、これ
らは単独で、あるいは組み合わせて使用することができ
る。これらの内でも、MMAは、重合物の人体に対する
為害性が少ないので、本発明においては、単量体成分と
してMMAを使用するこ一袷一 とが好ましい。
さらに、本発明の骨セメント組成物では、単量体成分と
して、次式で示す構造を有する4−METAおよび/ま
たは4−METを使用する。
上記のアルキルメタクリレートと4−METAおよび/
または4=METとは、通常、液体状態で用いられ、前
述のポリアルキレンメタクリレートおよびリン酸カルシ
ウムとは別に、液状のメタクリレート中に4−META
および/または4−METを予め溶解させて使用するこ
とが好ましい。
この場合、この液体状の成分(L)は、アルキルメタク
リレートと4−METAおよび/または4−METとを
、通常は99.9:0.1〜85:15の範囲内の重量
比、好ましくは99.5:0.5〜90:10の範囲内
の重量比で混合することにより調製される。
4−METAおよび/または4−METとアルキルメタ
クリレートとを上記のような割合で使用することにより
、組成物の接着強度および硬化物の強度が特に高くなる
さらに、上記の固体状(粉末状)である成分(P)と、
液体状である成分(L)とを、成分(P)/成分(L)
の値が、通常は、0.01〜10の範囲内、好ましくは
0.1〜5の範囲内で含むように配合する。
本発明で使用される重合開始剤としては、アクリル系重
合体を常温付近で製造する際に一般に使用されているベ
ンゾイルペルオキシド(BPO)とアミンの組合せによ
るレドックス系の重合開始剤、アルキルボロン等を使用
することができるが、特にTBBおよび/またはその部
分酸化物を使用することが好ましい。このTBBおよび
/またはその部分酸化物を使用することにより、この化
合物が大気中などにある酸素および水と反応してラジカ
ルが発生し、このラジカルによって組成物中に含まれる
アルキルメタクリレートおよび4−METAおよび/ま
たは4−METの重合反応が進行し、本発明の骨セメン
ト組成物が水や酸素の存在下で硬化する。
上記のような重合開始剤は、重合反応を引き起こすに足
りる量で使用すればよく、4−METAおよび/または
4−METとアルキルメタクリレートとの合計重量1重
量部に対して、0.1〜1重量部の割合で使用される。
特にTBBを使用する場合には、0.3〜0.4重量部
の割合で使用することが好ましい。このようなTBBの
使用量は、歯科用接着剤組成物の重合開始剤として使用
される場合の使用量よりも多く、このような量で用い、
4−METAおよび/または4−METとHAPなどの
リン酸カルシウムとを併用することにより、本発明の骨
セメントが、特に人工骨と骨を強固に接着するのに適し
た硬化性、接着強度および圧縮強度などの特性を有する
ようになる。
本発明の骨セメント組成物は、それぞれの成分を個別に
用意し、使用する際にこれらの成分を混合して用いるこ
ともできるが、上述のように予め固体成分と液体成分と
重合開始剤とを別々に調製し、これらを使用直前に混合
して用いるのが有利である。
この場合、固体成分は、ベースポリマーであるポリアク
リルメタクリレートおよびリン酸カルシウムを混合する
ことにより得られるが、この固体成分中には、硫酸バリ
ウムのようなX線像影剤、抗生物質あるいは他の充填剤
等を配合することもできる。さらに、上記のような固体
成分としては、滅菌処理したものを使用することが好ま
しい。なお、重合開始剤として、ベンゾイルペルオキド
などの過酸化物系の重合開始剤を使用する場合には、こ
の固体成分中に重合開始剤を配合することができる。
また、液体成分は、アルキルメタクリレートと4−ME
TAおよび/または4−METとを相互に溶解させるこ
とにより得られる。なお、この液体成分中には、保存中
における上記単量体成分の重合反応を抑制するために、
ハイドロキノンなどの重合禁止剤を配合することもでき
るし、さらに抗生物質、X線像影剤などを配合すること
もできる。また、液体成分中にN、N−ジメチル−p−
)ルイジンなどを配合することにより、生体内における
骨セメントの硬化反応を促進させることができる。
重合開始剤は、上記のように固体成分中に混合されるか
、あるいは上記の液体成分とは別に保存・移送される。
殊にTBBのように、大気中の酸素あるいは水分と反応
してラジカルが形成される重合開始剤を使用する場合に
は、例えばアンプルなどに密封して保存・移送するのが
一般的である。
例えば上記のようにして固体成分、液体成分および重合
開始剤にそれぞれパッケイジングされた本発明の骨セメ
ント組成物を使用直前に混合することにより、硬化反応
が進行しはじめ、使用可能な状態になる。
上記のようにして調製された本発明の骨セメント組成物
は、例えば次のようにして使用される。
−迅一 第1図に、本発明の骨セメント組成物で接着された人工
股関節の例を模式的に示す。
まず、大腿骨1に人工関節2を挿入するための空洞3を
形成した後、この空洞3に骨セメント組成物4を充填す
る。次いで、この骨セメント組成物が充填された空間3
に人工関節2を挿入する。
こうして挿入された人工関節2は、骨セメント組成物が
硬化すること伴い、骨セメント硬化体に発現する化学的
な接着力によって大腿骨1に接着される。このような接
着が完了するまでの時間は、使用する骨セメントの組成
によっても異なるが、通常は、0.5〜3時間程度であ
り、従来の骨セメント組成物を使用した場合よりもやや
長い。このため、本発明の骨セメント組成物は、上記の
ようにして硬化する際の発熱温度が低く、骨セメント硬
化体と接触している大腿骨の生体組織が破壊されること
が少ない。このため、新生骨の成長が期待できる。そし
て、本発明の骨セメント硬化体中に含まれるリン酸カル
シウムは、この新生骨の成分と非常に近似した構造を有
しているため、最終的に硬化体中のリン酸カルシウムと
成長した新生骨とが一体化する。この、ように本発明の
骨セメント組成物を使用することにより、大腿骨と人工
関節とは、単に骨セメント硬化体の有する化学的な接着
力だけでなく、新生骨とリン酸カルシウムとが一体化す
ることに伴う接合力によっても結合されるため、長期間
の使用に際してもゆるみが発生しにくいのである。
本発明の骨セメント組成物は、」1記のように人工関節
の接着のために使用される他、骨の欠損部に充填して代
用骨としても使用することもできる。
発明の効果 本発明の骨セメント組成物には、HAPなとのリン酸カ
ルシウムが含有されており、このリン酸カルシウムは骨
の構造と近似した構造を有しているため、成長した新生
骨が、このリン酸カルシウムと一体化する。しかも、特
定のポリアルキルメタクリレートを主成分とする接着剤
は、金属に対しても優れた接着性を示すため、移植用材
料、たとえば人工関節等の人工骨を長期間使用したとし
ても、移植用材料とこれが移植される骨との間にゆるみ
が生ずることがない。
本発明の骨セメントを用いて移植用材料を骨に接着する
ことにより、新生骨の成長が阻害されることがないので
、移植用材料、骨セメントの硬化物および骨とが短時間
で非常に強い接合力で一体化する。このため、本発明の
骨セメント組成物を−使用することにより、従来のよう
に患部を長期間固定する必要がなくなり、患部周囲の機
能低下が非常に少なくなる。
さらに、本発明の骨セメント硬化体では、単量体成分で
あるアルキルメタクリレートと4−METAおよび/ま
たは4−METの溶出量が非常に少なく、これらの成分
の溶出に伴う人体の刺激も少なくなる。
本発明の骨セメントを骨の表面に塗布して硬化させた後
、この接着面を走査型電子顕微鏡で観察することにより
、骨と本発明の骨セメント硬化体とが強固に接着してい
ることが確認できる。
次に本発明を実施例を示してさらに詳細に説明・ する
が、本発明は、これら実施例によって限定的に解釈され
るべきではない。
実施例1〜4および比較例1 ポリメチルメタクリレート(アクリベース、ME−3F
、藤倉化成(財)製)93gと硫酸バリウム7gとを混
合してポリアルキルメタクリレート成分を調製した。
この粉末0.8gと、平均粒子径5μmの多孔質球状の
HAP  O,2gを混合して、HA P (Ca/P
=1.67)の含有率が20重量%の固体成分(P)を
調製した。
別に、MMA  19.0gと4−META  1 、
0 gとを混合して液体成分を調製した。
上記の液体成分0.4gに、TBBを3滴(約o、15
〜0.20g)加えてよく混合し、次いで、上記固体成
分(P)Igを配合して混和して本発明の骨セメント組
成物を調製した。
上記のようにして調製した骨セメント組成物を用いて4
.0□×4.01×3.01および直径6mm、長さ8
mmの硬化体試料を調製し、前者はそのまま、後者は2
力月間水中に浸漬した後、オート−乙− グラフ(■島津製作所製、DSS500)を使用して圧
縮強度を測定した。なお、圧縮強度は、試料が破壊され
るときの強度である。
上記と同様にして固体成分(P)中のHAPの含有率を
、40%(実施例2)、60%(実施例3)、80%(
実施例4)とした骨セメント組成物を調製し、この組成
物を用いて硬化体試料を調製し、圧縮強度を測定した。
なお、対照としてHAPを配合しない組成物(比較例1
)を調製し、この組成物を用いて硬化体試料を調製し、
圧縮強度を測定した。
結果を表1に示す。
実施例5〜7 実施例1〜4において、平均粒子径15μmのHAPを
20重量%(実施例5)、40重量%(実施例6)、6
0重量%(実施例7)と変えた以外は同様にして骨セメ
ント組成物を調製し、この組成物を用いて硬化体試料を
調製し、この硬化体試料の圧縮強度を測定した。
結果を表1に併せて記載する。
表1 粒径  配合量 (μm)  (重量%)乾燥状態 水中浸漬後実施例 よ敷遣 表1から明らかなように、HAPを添加すると、圧縮強
度が高くなり、今回の配合率の範囲では、HAPの配合
率の増加とともに硬化体の強度が高くなる傾向にある。
このことは、HAPには、硬化体の圧縮強度を向上させ
る役割があることを示唆している。さらに、HAPの配
合量を多くすることにより、骨セメント硬化体と骨との
親和性が向上することから、本発明の範囲内で、HAP
を配合させると、骨と骨セメント硬化体との接着強度を
長期間維持することができる。
実施例8〜IO ヒトの大腿骨の断面にマスキングテープを貼着し、大腿
骨をQ、22cm2露出させた。
直径511INのアクリル棒に実施例1〜3で製造した
骨セメント組成物を盛り、上記大腿骨の露出部分に圧接
しながら垂直に固定して、30分間放置した。
次いで、このアクリル棒が接着している大腿骨を1日間
水中に浸漬した後、オートグラフを用いて、クロスヘツ
ドスピード2 mm/分で大腿骨とアクリル棒との接着
強度を測定した。
同様に、人工骨の素材の一つであるステンレス(5us
−304)との接着強度を測定した結果を表2に示す。
実施例11〜13および比較例2 ヒトの大腿骨の断面にマスキングテープを貼着し、大腿
骨を0.22cm2露出させた。
直径5闘のアクリル棒に実施例5〜7で製造した骨セメ
ント組成物を盛り、上記大腿骨の露出部分を圧接して、
30分間放置した。
次いで、このアクリル棒が接着している大腿骨を1日間
水中に浸漬した後、オートグラフを用いて、大腿骨とア
クリル棒との接着強度を測定した。
結果を表2に示す。
同様にステンレス(sus−304)との接着強度を測
定した。
また、対照としてHAPを配合しない場合の接着強度を
測定した。
−乙一 表2 粒径  配合量 人の  ステンレス (μm)  (重量%)大腿骨 (sus−304)実
施例 8  5   20    4.1   7.19  
5   40   11.1  12.010  5 
  60    9.6  10.311 15   
20    5.5   7.312 15   40
   10.3  12.213 15   60  
  9.9  11.6比較例 2−    0   8.5   7.8実施例2で製
造した骨セメント組成物のうち、4−META濃度蚤濃
度体成分に対して3重量%(実施例14)、10重量%
(実施例15)、0重量%(比較例3)に変えた以外は
同様にしてヒト大腿骨とステンレス(SUS−304)
とを接着させて、接着強度を測定した。
結果を表3に示す。
表3 配合量    人の  ステンレス (重量%)   大腿骨 (sus−304)実施例 14     3     10.8   −9   
  5     11.1  12.015    1
0     7.6   −比較例 3     0     5.7    04−MET
Aは、人大腿骨およびステンレスの接着に極めて有効で
あり、今回の濃度範囲では、4−META濃度が3〜5
重量%の範囲で特に有効性が高かった。
実施例16〜18および比較例4 実施例1〜3で調製した骨セメントを円柱状(直径6 
mm、長さ8mm)にして硬化させた。
次いでこの円柱状の硬化体をメタノール中に1週間浸漬
した後、メタノール中に溶出した単量体(MMA、 4
−META)の量を測定した。
対照として、HAPを配合しない組成物に次いても同様
に溶出量を、液体クロマトグラフ(WATER8Mic
ro Bordapac 18;MeOH:H20=7
:3.1ml/分)で測定した。
結果を表4に示す。
実施例19〜21 実施例5〜7で調製した骨セメントを円柱状に硬化させ
た。
次いで、この円柱状の硬化体をメタノール中に1週間浸
漬した後、メタノール中に溶出した−ん− MM、Aの量を実施例16と同様にして測定した。
対照として、HAPを配合しない組成物に次いても同様
に溶出量を測定した。
結果を表4に示す。
表4 実施例 16  5   20    0.32  1.091
7  5   40    0.21  0.7018
  5   60    0.17  0.5419 
15   20    0.32  0.8220 1
5   40    0.32  0.6921 15
   60    0.24  0.42比較例 4  −    0   0.48  0.84−田一 実施例22〜24 HAPの代わりに下記の多孔質リン酸カルシウムを用い
た以外は、実施例1と同様にして骨セメント組成物を得
た。
a)950℃で4時間熱処理したCa/P=1.5のリ
ン酸三カルシウム(実施例22)、 b)950℃で4時間熱処理したCa/P=1.60の
HAPとリン酸三カルシウムとの混合物(実施例23)
、 c)950℃で4時間熱処理したCa/P=1.75の
HAPと酸化カルシウムの混合物(実施例24)。
得られた実施例22〜24の骨セメント組成物は、いず
れも実施例1の組成物と同様の良好な効果を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の骨セメント組成物で接着された人工
股関節の例を模式的に示す図である。 1・・・大腿骨 2・・・人工関節 3・・・空洞 4・・・骨セメント組成物

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素原子数1〜4のアルキル基を有するメタクリ
    レートから誘導されるポリアルキルメタクリレートと、
    リン酸カルシウムと、炭素原子数1〜4のアルキル基を
    有するアルキルメタクリレートと、4−(2−メタクリ
    ロイルオキシエチル)トリメリット酸および/またはそ
    の無水物と、重合開始剤とからなることを特徴とする骨
    セメント組成物。
  2. (2)上記組成物が、 リン酸カルシウムとポリアルキルメタクリレートとを0
    .1:99.9〜90:10の範囲内の重量比で含む成
    分(P) および アルキルメタクリレートと4−(2−メタクリロイルオ
    キシエチル)トリメリット酸および/またはその無水物
    とを99.9:0.1〜85:15の範囲内の重量比で
    含む成分(L)を、 成分(P)/成分(L)の値が0.01〜10の範囲内
    になる量で含有しており、かつ該組成物中における重合
    開始剤の量が、前記成分(L)1重量部に対して0.1
    〜1重量部の範囲内にあることを特徴とする請求項第1
    項記載の骨セメント組成物。
  3. (3)ポリアルキルメタクリレートが、メチルメタクリ
    レート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
    トおよびブチルメタクリレートよりなる群から選ばれた
    メタクリレートの単独重合体またはこれらの共重合体で
    あり、アルキルメタクリレートが、メチルメタクリレー
    トであることを特徴とする請求項第1項記載の骨セメン
    ト組成物。
  4. (4)リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトであ
    る請求項第1項記載の骨セメント組成物。
  5. (5)リン酸カルシウムの平均粒子径が1〜20μmの
    範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の骨セ
    メント組成物。
  6. (6)重合開始剤が、トリ−n−ブチルボランおよび/
    またはその部分酸化物であることを特徴とする請求項第
    1項記載の骨セメント組成物。
  7. (7)炭素原子数1〜4のアルキル基を有するメタクリ
    レートから誘導されるポリアルキルメタクリレートと、
    リン酸カルシウムと、炭素原子数1からのアルキル基を
    有するアルキルメタクリレートと、4−(2−メタクリ
    ロイルオキシエチル)トリメリット酸および/またはそ
    の無水物と、重合開始剤とからなる組成物の反応硬化体
  8. (8)上記組成物が、 リン酸カルシウムとポリアルキルメタクリレートとを0
    .1:99.9〜90:10の範囲内の重量比で含む成
    分(P) および アルキルメタクリレートと4−(2−メタクリロイルオ
    キシエチル)トリメリット酸および/またはその無水物
    とを99.9:0.1〜85:15の範囲内の重量比で
    含む成分(L)を、 成分(P)/成分(L)の値が0.01〜10の範囲内
    になる量で含有しており、かつ該組成物中における重合
    開始剤の量が、前記成分(L)1重量部に対して0.1
    〜1重量部の範囲内にあることを特徴とする請求項第7
    項記載の硬化体。
  9. (9)ポリアルキルメタクリレートが、メチルメタクリ
    レートもしくはエチルメタクリレートの単独重合体また
    はこれらの共重合体であり、アルキルメタクリレートが
    、メチルメタクリレートであることを特徴とする請求項
    第7項記載の硬化体。
  10. (10)リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトで
    ある請求項第7項記載の硬化体。
  11. (11)リン酸カルシウムの平均粒子径が1〜20μm
    の範囲内にあることを特徴とする請求項第7項記載の硬
    化体。
  12. (12)重合開始剤が、トリ−n−ブチルボランおよび
    /またはその部分酸化物であることを特徴とする請求項
    第7項記載の硬化体。
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