JPH041869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、レバー操作式のポンプ注液式液体容
器に関するものである。

（従来技術） 従来の一般的なレバー操作式のポンプ注液式液
体容器においては、ポンプ操作レバーは、エアー
ポンプの上方位置においてレバーの一端が蓋体内
に枢着され、他端（操作部）が蓋体外に突出した
状態で設置されている。ところが、このような従
来のレバー操作式のポンプ注液式液体容器では、
ポンプ操作レバーの操作部が常時蓋体外方に突出
しているため、梱包時あるいは不使用時に該ポン
プ操作レバーの操作部が邪魔になるという問題が
あつた。

又、この種のレバー操作式のポンプ注液式液体
容器の中には、不使用時にはポンプ操作レバーを
蓋体上面部分に格納して該ポンプ操作レバーが外
方に突出しないようにし、又使用時にはポンプ操
作レバーの操作部が蓋体上面より上方に突出して
該操作部を押圧操作し得るようにしたものがあ
る。ところが、このようにポンプ操作レバーが蓋
体の上面から上下に出没するようにしたもので
は、ポンプ操作レバーの格納状態では該ポンプ操
作レバーの操作部が蓋体外方に突出しなくなる
が、使用時においてはポンプ操作レバーの操作部
が蓋体上面より上方に突出して蓋体上方から押圧
操作しなければならなくなり、例えばポンプ注液
式液体容器をキヤビネツトなどの天井つきのスペ
ース内に収容した状態でポンプ操作をしようとす
ると天井が邪魔になつてポンプ操作がしにくくな
りしかも該収容スペースの天井と蓋体上面との間
の間隔が小さいときにはポンプ操作が不能になる
という問題があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記したレバー操作式のポンプ注液
式液体容器の問題点に鑑み、レバー操作式であつ
ても不使用時にはポンプ操作レバーを蓋体内に格
納できしかも使用時にはポンプ操作レバーの操作
部を蓋体の外側面より水平方向前方において押圧
操作し得るようにしたポンプ注液式液体容器を提
供することを目的とするものである。

（目的を達成するため手段） 本考案は、蓋体内に設けたエアーポンプをポン
プ操作レバーで押圧操作し得るようにしたポンプ
注液式液体容器において、前記ポンプ操作レバー
を、前記蓋体に対して水平方向にスライド自在に
設け、しかもポンプ操作レバーの内方スライド状
態においては該ポンプ操作レバーの操作部が蓋体
の外側面に沿つて位置され且つポンプ操作レバー
の外方スライド状態においては該ポンプ操作レバ
ーの操作部が蓋体の外側面より外側前方に突出す
るようにして位置させていることを特徴してい
る。

（作用） 本考案のポンプ注液式液体容器によれば、エア
ーポンプを押圧操作するためのポンプ操作レバー
を蓋体に対して内方にスライドさせると該ポンプ
操作レバー全体が蓋体内に格納されるとともにそ
の操作部が蓋体外側面に沿うようになり、またポ
ンプ操作レバーを蓋体に対して水平方向外方にス
ライドさせると該ポンプ操作レバーの操作部が蓋
体の外側面より外側前方に突出するようになる。
そして、使用時には、ポンプ操作レバーを外方に
スライドさせた状態で操作部を押し下げることに
よりポンプ操作し得る。このとき、ポンプ操作レ
バーの操作部は蓋体の外側面より外側に突出する
位置にあるので、ポンプ操作時に蓋体の側方にお
いて操作部を押圧操作できるようになる。

（考案の効果） 従つて、本考案のポンプ注液式液体容器によれ
ば、梱包時あるいは不使用時にはポンプ操作レバ
ーを蓋体内方に格納しておくことにより、レバー
操作式のものであつてもコンパクトに構成でき、
しかもポンプ操作レバーの内方スライド状態にお
いては操作部が蓋体外側面に沿つているので、蓋
体にポンプ操作レバーを設けたものであつても蓋
体外側面に不要な凹凸が形成されなくなつて意匠
感が良好となり且つ蓋体外側面がレバー操作部の
安全ガードとなつて不用意なポンプ操作を防止す
ることができ、又ポンプ操作レバーの外方スライ
ド状態では該ポンプ操作レバーの操作部が蓋体の
外側面より水平方向前方に突出しているので、液
体注出時に蓋体の側部外方から操作部を操作で
き、蓋体の直上方に手を差し入れるスペースがな
いような場合でもポンプ操作を行うことができる
（ポンプ注液式液体容器の設置可能場所を拡大で
きる）という効果がある。

（実施例） 第１図ないし第３図を参照して本考案の実施例
を説明すると、この実施例のポンプ注液式液体容
器は、外ケース４の上部に環状の肩部材５を設け
さらに該肩部材５の上部に皿状部材６を設けた外
装体内に真空断熱二重構造の内容器７を収容して
なる液体容器本体１と、該液体容器本体１の上部
に蝶番装置９によつて弧回動自在に枢着された蓋
体２と、該蓋体２内に取付けられたエアーポンプ
８と、該エアーポンプ８を押圧操作するためのポ
ンプ操作レバー３と、内容器７の内外を連絡する
一連の液体注出通路１０とを備えて構成されてい
る。

皿状部材６の中央部には給液口１６となる環状
の筒壁６１が形成されている。この筒壁６１内は
内容器７の上部開口７ａと連通している。

液体注出通路１０は、内容器７内に差し込まれ
ている液体汲上管１１と、横向きの液体注出管１
２と、液体注出管１２の下方に連続する注液補助
管１３とを有して構成されている。液体汲上管１
１と液体注出管１２とは皿状部材６の筒壁６１に
取付けられていて、それらの管１１，１２を取付
けたままで液体補給あるいは残液排出などの作業
を行うことができるようにしている。尚、注液補
助管１３の下端が注口１４となる。

液体注出管１２の中間部には液体容器転倒時の
止水弁１７が収容されている。

又、該液体注出管１２の中間部には、液量表示
管１８の上端が接続されている。

エアーポンプ８は、ポンプ上板８１とポンプ下
板８２との間にベローズ筒８３を介設して構成さ
れている。ポンプ上板８１には吸入口８４が、ポ
ンプ下板８２には吐出口８５がそれぞれ形成され
ており、又吸入口８４には上下動式の吸入弁８６
が設けられている。又、吸入弁８６の下面とポン
プ下板８２の上面との間にはポンプ伸長用スプリ
ング８７が介設されている。

ポンプ下板８２の下面には給液口１６を開閉す
る栓２１が一体的に取付けられていて、蓋体２の
開閉のみによつて給液口１６を開閉し得るように
なつている。

蓋体２は、その後部を蝶番装置９により枢着さ
れ、且つ前部を蓋ロツク部材２３でロツクして装
着されている。又、蝶番装置９部分は、皿状部材
６の後部上面に設けた蝶番台取付用凹部６２内に
着脱自在に装着し得るようになつており、必要に
応じて蝶番装置９を該凹部６２から抜き出せば蓋
体２を液体容器本体１から分離させることができ
るようになつている。又、蝶番装置９部分には、
蓋体２を開方向に付勢するバネ９１が設けられて
いて、蓋ロツク部材２３をロツク解除操作すると
該バネ９１の付勢力によつて蓋体２が若干角度
（蓋ロツク部材２３から指を離しても再ロツクさ
れない程度の角度範囲）だけ自動的に開放される
ようになつている。蓋ロツク部材２３は、液体容
器本体１の前部上端寄り位置において内外方向に
スライド自在に装着されており、該蓋ロツク部材
２３をバツクアツプスプリング２４に抗して内方
に押し込むことにより蓋体２がロツク解除される
ようになつている。

蓋体２の前側上部には、後述するようにポンプ
操作レバー３を内外方向に出没させるための窓穴
２５が形成されている。

ポンプ操作レバー３は、蓋体２の直径よりやや
短い程度のかなりの長さを有している。このポン
プ操作レバー３には、一端にスライド長さ規制用
の横向きの長穴３２が、他端に押圧操作用の操作
部３１がそれぞれ形成されている。そして、この
ポンプ操作レバー３は、蓋体２内におけるエアー
ポンプ８の上方位置において、操作部３１形成側
を前側（注口１４側）に向け且つ長穴３２形成側
を後側（蝶番装置９側）に向けた水平姿勢で、し
かも上記長穴３２内に蓋体２側に固定されたピン
３０を挿通して、このポンプ操作レバー３が長穴
３２の範囲内でのみ水平前後方向にスライドし得
るように設置されている。又、このポンプ操作レ
バー３は、第１図に示す内方スライド状態（長穴
３２の前側端部３２ａがピン３０に衡合する状
態）では、その操作部３１が蓋体２の外側面２ａ
（第２図）と面一状に揃う位置まで没入し、又第
２図に示す外方スライド状態（長穴３２の後側端
部３２ｂがピン３０に衝合する状態）では、操作
部３１が蓋体２の外側面２ａより所定長さだけ外
方に突出するようになつている。又、ポンプ操作
レバー３の内方スライド状態（第１図の状態）で
は、操作部３１の下面３１ａがポンプ下板８２の
外周上面８２ａ上に衝合して該ポンプ操作レバー
３の下動が規制され、他方ポンプ操作レバー３の
外方スライド状態（第２図の状態）では、該操作
部３１の下面３１ａとポンプ下板外周上面８２ａ
との衝合が解除されてポンプ操作レバー３の下動
が可能となるように設計されている。

又、このポンプ操作レバー３はスプリング３３
によつて常時外方に向けて付勢されている。即
ち、このポンプ操作レバー付勢用スプリング３３
は、ポンプ操作レバー３の長さ方向中間部の上面
側に設けたスプリング受け３４と蓋体２の上壁２
ｂ下面に設けたスプリング受け３５との間に介設
されていて、後述するレバーロツク部材４１のロ
ツク解除時には、該スプリング３３に付勢力によ
りポンプ操作レバー３を自動的に外方に突出させ
るようになつている。

蓋体２の上壁２ｂには、ポンプ操作レバー３を
内方スライド状態でロツクするためのレバーロツ
ク部材４１が設けられている。このレバーロツク
部材４１には、一端に押圧操作部４２が、他端に
係止爪４３がそれぞれ形成されている。そして、
このレバーロツク部材４１は、その中間部を蓋体
上壁２ｂの下面においてピン４４によつて枢支し
て取付けられている。尚、このレバーロツク部材
４１の押圧操作部４２は、蓋体上壁２ｂに設けた
窓穴２６から上方に臨ませている。又、このレバ
ーロツク部材４１はバネ４５によつて係止爪４３
側が下動する方向に付勢されている。他方、ポン
プ操作レバー３の上面における、ポンプ操作レバ
ー内方スライド状態においてレバーロツク部材４
１の係止爪４３が対応する位置には、該係止爪４
３を係止する爪受部４６が形成されている。そし
て、このレバーロツク部材４１は、ポンプ操作レ
バー３をスプリング３３に抗して最内方まで押し
込んだときに（長穴３２の前側端部３２ａがピン
３０に衝合する）、バネ４５によつて係止爪４３
が下方に付勢されていることにより該係止爪４３
が自動的に爪受部４６に衝合して該ポンプ操作レ
バー３の前方移動を規制するようになり、又レバ
ーロツク部材４１の押圧操作部４２を押し下げる
と係止爪４３によるロツクが解除されるようにな
つている。尚、レバーロツク部材４１によるロツ
クが解除されるとポンプ操作レバー３はスプリン
グ３３により自動的に外方に押し出されるように
なる。

ポンプ操作レバー３の下面とポンプ上板８１の
上面との間には、操作部３１に加えられる押し下
げ力をポンプ上板８１（吸入弁８６）側に伝達す
るための中間レバー５０が介設されている。この
中間レバー５０は「へ」形に屈曲されている。該
中間レバー５０の一端（前側端）５０ａはポンプ
下板８２にピン５１で枢着され、又中間レバー５
０の他端（後側端）５０ｂはエアーポンプ８の吸
入弁８６上部に位置されている。又、中間レバー
５０の長さ方向中間部５０ｃはポンプ操作レバー
３の前側寄り下面に衝合しており、ポンプ操作レ
バー３を下動させたときにその下面で中間レバー
５０の中間部５０ｃを押圧して該中間レバー５０
を下方に枢動させるようになつている。尚、中間
レバー５０が下方に枢動すると、その先端部５０
ｂで吸入弁８６を閉弁させた後、ポンプ上板８１
を下動させるようになる。

このポンプ注液式液体容器においては、第１図
に示すようにポンプ操作レバー３を内方に押し込
んだ状態では、該ポンプ操作レバー３がレバーロ
ツク部材４１でロツクされており、ポンプ操作レ
バー３の操作部３１が蓋体２の外側面と面一状に
揃う位置にある。従つてレバー操作式のものであ
つてもポンプ操作レバー３が蓋体外方に突出する
ことがなくなつてコンパクトになるとともに、蓋
体の外側面に不必要な凹凸が形成されなくなつて
意匠感が良好となり、しかも蓋体外側面がレバー
操作部３１の安全ガードとなる。又、第１図の状
態では、ポンプ操作レバー３の操作部３１下面が
ポンプ下板８２の外周上面に衝合していて該ポン
プ操作レバー３の下動操作が規制されている。
又、この第１図の状態からレバーロツク部材４１
の操作部４２を押し下げるとポンプ操作レバー３
のロツクが解除されて、該ポンプ操作レバー３が
スプリング８７より自動的に外方に押し出される
（第２図の状態）。この状態では、ポンプ操作レバ
ー３の操作部３１が蓋体外側面２ａより水平方向
前方に突出するとともにポンプ操作レバー３の下
動操作の規制が解除されている。この第２図の状
態からポンプ操作レバー３の操作部３１を鎖線３
１′で示すように押し下げると、中間レバー５０
を介してエアーポンプ８が圧縮され、その加圧空
気が内容器７内に吹き込まれて該内容器７内の液
体が一連の液体注出通路１０を通つて注口１４か
ら外部に注出されるようになる。このように、ポ
ンプ操作時には、蓋体２の前方においてポンプ操
作レバー３の操作部３１を操作し得るようにな
り、例えば第３図に示すようにこの液体容器を天
井Ｂの低いキヤビネツトＡのスペースＣ内に収容
した状態で使用する場合であつても、ポンプ操作
時にキヤビネツトＡの天井Ｂがさほど邪魔になら
ず、液体注出作業をさほど支障なく行えるように
なる。従つて、このポンプ注液式液体容器では、
設置可能場所が拡大される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるポンプ注液式
液体容器の縦断面図、第２図は第１図の状態変化
図、第３図は第１図のポンプ注液式液体容器の使
用状態説明図である。 １……液体容器本体、２……蓋体、２ａ……外
側面、３……ポンプ操作レバー、７……内容器、
８……エアーポンプ、３１……操作部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体２内に設けたエアーポンプ８をポンプ操作
   レバー３で押圧操作し得るようにしたポンプ注液
   式液体容器であつて、前記ポンプ操作レバー３
   は、前記蓋体２に対して水平方向にスライド自在
   に設けられ、しかもポンプ操作レバー３の内方ス
   ライド状態においては該ポンプ操作レバー３の操
   作部３１が蓋体２の外側面２ａに沿つて位置され
   且つポンプ操作レバー３の外方スライド状態にお
   いては該ポンプ操作レバー３の操作部３１が蓋体
   ２の外側面２ａより外側前方に突出するようにし
   て位置されていることを特徴とするポンプ注液式
   液体容器。