JPH04183821A - 塗装用ステンレス鋼帯の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、塗装用ステンレス鋼帯の製造方法に係り、特
に塗装密着性、加工性に優れた塗装用ステンレス鋼帯の
生産性のよい製造方法に関する。

〈従来の技術〉 塗装用ステンレス鋼板は、ステンレス特有の光沢を消し
て防眩性をもたせることができること、北国において雪
下し時に塗膜に傷がついてもトタンの如く錆びないこと
、加工時あるいは施工時のもらいさび、汚れを防止でき
ること、瓦、塩ビ鋼板、アクリル樹脂フィルム鋼板に比
し軽量であることなどから、屋外で使用される屋根材や
太陽熱温水器用として需要が急増している。　このよう
にすぐれた特性を有する塗装用ステンレス鋼板であるが
、反面衣のような問題を有している。

（１）ステンレス鋼は高耐食性であるから、トタンのよ
うに化学処理で塗料との密着性を確保するのが困難であ
る。

（２）ステンレス鋼はトタンに比し硬く、加工が困難で
ある。

このような問題点を解決するため、塗装用ステンレス鋼
素材は、従来、例えば特開昭５２−２２５１７号に開示
されているように、通常のステンレス製造工程（ステン
レス熱延鋼帯−中間圧延工程→中間焼鈍酸洗工程−仕上
げ圧延工程→仕上げ焼鈍酸洗工程→スキンパス工程）に
おいて、特に仕上げ焼鈍酸洗工程とスキンパス工程は通
常のステンレス鋼の製造と異なり次のような特色を有し
ている。　すなわち、仕上げ焼鈍酸洗工程は軟質化およ
び表面粗度を粗大化するため、連続焼鈍酸洗ラインの速
度を通常の場合の１／２として過焼鈍、過酸洗を行う。

スキンバス工程は塗料密着性の確保の目的で表面粗度を
大にするためのダルスキンバスを行う。　上記のような
特色を有する従来法にお・いては、なお次のような問題
点を有している。

（イ）通常のステンレス鋼より過焼鈍、過酸洗とするこ
とにより軟質化および表面粗度粗大とするため仕上げ焼
鈍酸洗（以下仕上げＡＰという）のライン速度を通常の
場合の１／２としているため生産性が非常に悪い。

（ロ）通常、スキンバスによる圧下率はスキンバスロー
ルの特性上最大でも１％程度であり、この程度ではダル
スキンバス素材の表面粗度を大にしても高々０．５〜１
．５μｍであり、この程度の表面粗度では塗料密着性は
十分とはいえない。

（ハ）仕上げＡＰ時の過焼鈍によりせフかく軟質化して
も、後続するスキンバスの圧下により硬質化することを
避けられない。

（ニ）ダルスキンバス後の表面粗度は鋭角的であり塗装
時塗料の流れ込みが悪く、塗料密着性が劣っている。

〈発明が解決しようとする課題〉 これらの問題点を解決すべく特公昭６１−４８５６８号
では中間焼鈍酸洗工程を終了した素材をロール面平均粗
度Ｒａ２〜２０μｍのロールを使用して圧下率２〜２５
％で仕上げ冷間圧延する工程を追加することにより仕上
げ焼鈍酸洗後のスキンパス工程を省略して塗装用ステン
レス鋼素材を製造する方法を提供している。　しかし、
この方法においても中間焼鈍酸洗後に塗装用ステンレス
鋼素材の圧延用に上記のようなロールに交換する必要が
あり、通常のステンレス鋼板と異なる工程をとらざるを
得ない。

一方、近年−段と厳しくなってきた自動車の防錆性能向
上への要求に対応すべく、特に腐食環境が厳しく、使用
中に高温となる自動車の足回り用部材として、塗装ステ
ンレス鋼が用いられているが、種々の複雑な加工により
塗料が剥離しやすい等の問題があり、そのため加工の厳
しい用途にはその使用が限定されていた。　このような
塗料の剥離は塗料と下地ステンレスとの密着性が劣るた
め生ずるものであり、そのため塗料とステンレスとの密
着性を向上させる方法が待望されていた。　このような
塗料とステンレスとの密着性向上方法として、ステンレ
スの前処理方法が検討され、特開昭５７−１６１０６９
号、同５７−１６１０７０号ではステンレス表面にクロ
メート処理を施す等が提案されているが、塗料とステン
レスとの密着性が向上するものの未だ加工の厳しい用途
には実用に供するまでには至っていないのが現状である
。

本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、塗料
とステンレス鋼との密着性を改善し、厳しい加工が施さ
れても塗料の剥離が生しない安価な塗装用ステンレス鋼
帯の製造方法を提供することを目的としている。

く課題を解決するための手段〉 上記目的を解決するために本発明によれば、ステンレス
冷延鋼帯を連続焼鈍した後酸洗して仕上げるに際し、前
記焼鈍時の焼鈍雰囲気を加熱バーナーの空気比０．６〜
１．０の範囲内で燃焼させた燃焼生成ガスとすることを
特徴とする塗装用ステンレス鋼帯の製造方法が提供され
る。

以下に本発明をさらに詳細に説明する。

通常、冷間圧延されたフェライト系ステンレス冷延鋼帯
またはオーステナイト系ステンレス鋼帯は液化石油ガス
、液化天然ガス、コークス炉ガス等を燃焼させた雰囲気
で焼鈍される。

この焼鈍時に銅帯表面に生成した酸化スケールを完全に
除去するため、焼鈍後フェライト系ステンレス冷延鋼帯
の場合は中性塩電解ｌＡ埋後、硝酸電解処理を行い、オ
ーステナイト系ステンレス冷延鋼帯の場合は中性塩電解
処理後、硝フッ酸浸漬、硝酸電解処理を行う。

このような酸洗処理後、水洗、乾燥を行い塗装用ステン
レス鋼帯とする。　前記焼鈍時の燃焼ガスの完全燃焼に
必要な最小限空気量（理論空気量）を１とした場合のこ
れらの燃焼ガスに対する混合空気の比率（空気比）を０
，６〜１．０の範囲内として焼鈍することにより、焼鈍
酸洗後のステンレス表面の粗度が大きくなり塗料密着性
が十分となる。

すなわち、空気比が１より大きくなると焼鈍酸洗後の粗
度が不十分で塗料密着性が不良となる。　一方、空気比
を０．６より低下すると焼鈍時に厚い酸化皮膜が生成し
、酸洗性が極端に悪くなり、通常の製造工程ではスケー
ル残りを生じ塗装性が悪くなる。

第１図にフェライト系ステンレス冷延鋼帯を種々の燃焼
雰囲気で焼鈍するにあたって空気比を種々変化させてそ
の後の酸洗処理後のステンレス鋼表面の表面粗度を調べ
た結果を示す。

第１図から空気比を０．６〜ｉ、ｏの範囲内とすること
により、表面粗度が大きくなり塗装用として優れている
ことがわかる。

なお、本発明では焼鈍時の加熱時間や加熱温度、酸洗条
件については特に限定するものではなく、鋼種や銅帯の
厚み等に応じて適宜選定すればよい。

〈実施例〉 以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。

（実施例１） 供試材料として５ＵＳ４３０の冷延板で板厚０．３ｍｍ
のものを用いた。　これらの供試材料をコークス炉ガス
、液化石油ガス、液化天然ガスを空気比０．６〜１．０
で燃焼させた雰囲気中で実験室的に焼鈍した。　焼鈍条
件は８２０℃×１０秒間保持とし、全在炉時間１ｏｏ秒
とした。　さらに、酸洗は中性塩電解、硝酸電解を行っ
た。　ここで中性塩電解は、液温８゜℃、２００ｇ／ｆ
！、濃度のＮａ２ｓ０４電解液を用い、電流密度は陽極
２０　八／ｄｍ’　、陰極１゜Ａ／ｄｍ２にて行フた。

　得られた塗装用ステンレス鋼板に、トップコートとし
てシリコンポリエステル樹脂を２５〜３０μｍ、ブライ
マーとしてウレタン変性エポキシ樹脂を２５〜３０μｍ
施した。　これら塗装用ステンレス鋼板および塗装後の
ステンレス鋼板の特性試験結果を第１表に示す（本発明
例１〜３）。

（比較例１〜３） 実施例１と同様な冷延板について、コークス炉ガス、液
化石油ガス、液化天然ガスを空気比を１より大きくして
燃焼させた雰囲気中で実験室的に焼鈍し、引き続いて中
性塩処理、硝酸処理を行った。　空気比以外の焼鈍条件
、塗装条件は実施例１と同様とした。　これら塗装用ス
テンレス鋼板および塗装後のステンレス鋼板の特性試験
結果を第２表に示す。

（比較例４．５） ＳＵＳ４３０の板厚０．３ｍｍの塗装用ステンレス鋼材
を冷間圧延時のロール面平均粗゛度Ｒａが５μｍのロー
ルを用い、圧下率５％で圧延したのち、液化石油ガス、
液化天然ガスを空気比１．２および１．５で燃焼させた
雰囲気中で実験室的に焼鈍を行い、スキンバスを省略す
る工程で製造した。　このあと酸洗を行い、塗装を施し
た。　空気比以外の焼鈍条件、酸洗条件、塗装条件は実
施例１と同様とした。　これらの塗装用ステンレス鋼板
および塗装後のステンレス鋼板の特性試験結果を第３表
に示す。

なお、第４表に上記特性試験の条件を明記した。

第１表、第２表、第３表から、本発明法によって製造さ
れた塗装用ステンレス鋼素材は表面粗度が大きく、それ
から得られた塗装後のステンレス鋼板は優れた塗、料密
着性を有していることは明らかである。

塗装用ステンレス鋼素材の表面状況の顕微鏡写真を第２
〜４図に示す。　本発明例のものを第２．３図、比較例
３に示す（液化天然ガスを空気比１．４で燃焼後の）も
のを第４図に示した。　第２図および第４図は仕上げ焼
鈍後中性塩電解、硝酸電解で酸洗を行った場合、第３図
は仕上げ焼鈍後硝酸１ｓｏｇ／Ｉｔと塩酸５ｇ／ｆＬの
混合液で酸洗を行った場合の酸洗後の表面状態である。

　いずれの酸洗方法によっても本発明法によるものは表
面状況が比較例にくらべ粗いことがわかる。

なお、５ＵＳ３０４を用いて同様に行った結果、５ＵＳ
４３０と同様本発明により塗料密着性、加工性とも良好
な結果が得られた。

第１表 第　　　２　　　表 第　　　３　　　表 第　　　４　　　表 〈発明の効果〉 本発明は、以上説明したように構成されているので、コ
ークス炉ガス、液化石油ガス、液化天然ガスを燃焼させ
た雰囲気中において空気比を０．６〜１０の範囲内とす
ることにより、塗料密着性に優れた塗装用ステンレス鋼
素材を得ることができる。　また、本発明により得られ
る塗装用ステンレス鋼帯は、特に自動車等のマフラー用
途として適している。　さらに、製造上、次のような効
果を有する。

（１）中間焼鈍酸洗後仕上げ冷延工程でロールを塗装用
ステンレス鋼用に変更する必要がないため、通常のロー
ルで仕上げ冷間圧延が可能であり、これまでのロール交
換に費やしていた時間が削減でき、生産効率の上昇、原
単位の低下に役立つ。

（２）従来の如く仕上げＡＰを過度に行う必要がないた
め通常の通板速度で焼鈍酸洗が可能であり、これまで１
／２に下げていた通板速度が２倍となり、生産効率が約
２倍に上がり、かつ省エネルギーに有効である。

上記の様に本発明によれば通常のステンレス銅帯の製造
方法を変更、追加することなく塗装性のよいステンレス
鋼板を効率よく生産することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、仕上げ焼鈍雰囲気の空気比とステンレス鋼表
面の表面粗度との関係を示すグラブである。 第２図、第３図および第４図は、それぞれ塗装用ステン
レス鋼素材の金属組織を示す図面代用写真であって、第
２．３図は本発明法、第４図は、従来法によって製造さ
れたものの図面代用写真である。 ＦＩＧ、１ 室　　　気　　　ヒヒ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ステンレス冷延鋼帯を連続焼鈍した後酸洗して仕
   上げるに際し、前記焼鈍時の焼鈍雰囲気を加熱バーナー
   の空気比０．６〜１．０の範囲内で燃焼させた燃焼生成
   ガスとすることを特徴とする塗装用ステンレス鋼帯の製
   造方法。