JPH0418120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は歯付きベルト駆動型デイスクプレーヤ
に関するものである。

〔考案の概要〕

本考案は歯付きベルトを用いたベルト駆動型デ
イスクプレーヤにおいて、モータの回転軸とター
ンテーブルの回転軸とを結ぶ直線に対して略直交
する直線上で上記モータの回転軸に対して偏心し
た位置を支点として上記モータを回動自在に設け
ると共に、このモータをターンテーブルから離間
する方向に付勢することにより、上記歯付きベル
トの張力を常に一定にするようにしたものであ
る。

〔従来の技術〕

従来より、コンパクトデイスク等の光デイスク
を再生するデイスクプレーヤの駆動装置として第
２図に示すような歯付きベルト駆動型のものが提
案されている。

第２図において、モータ１の回転軸２には第１
の歯付きプーリ３が固定されている。またデイス
ク保持部４が設けられたターンテーブル５は回転
軸６の先端に固定され、この回転軸６の下端には
第２の歯付きプーリ７が固定されている。そして
上記歯付きプーリ３と歯付きプーリ７とは歯付き
ベルト８によつて連結されている。尚、上記回転
軸６は図示せずもシヤーシに軸受けを介して取付
けられ、上記モータ１はシヤーシに固定されてい
る。

このような歯付きベルトを用いた駆動装置は、
例えば実願昭59−198262号により提案されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記歯付きベルトは、例えばウレタン樹脂の中
にポリエステル樹脂から成る糸が設けられたもの
が用いられており、そのコンプライアンスは一般
に非常に小さいものである。このため、２つの回
転軸２，６の軸間距離が僅かでも狂うと、この歯
付きベルト８の張力は大きく変動する。また、歯
付きベルト８は温度により長さが変化するので、
上記軸間距離の精度を良くしても、張力の変化は
免れない。

このように歯付きベルトに張力の変化が生じる
と、モータの回転に対してターンテーブルの正確
な追従ができなくなり、このため速度制御に支障
をきたし、ワウ・フラツターを発生する等の問題
を生じる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案においては、モータ１の回転軸２に設け
られた第１の歯付きプーリ３と、ターンテーブル
５の回転軸６に設けられた第２の歯付きプーリ７
と、これら第１及び第２の歯付きプーリ３，７に
噛合する歯付きベルト８とを備え、この歯付きベ
ルト８を用いて上記モータ１の駆動力を上記ター
ンテーブル５に伝達するようにしたデイスクプレ
ーヤにおいて、上記モータ１の回転軸２と上記タ
ーンテーブル５の回動軸６とを結ぶ直線に対して
略直交する直線上で上記モータ１の回転軸２に対
して偏心した位置を支点１１として上記モータ１
を回動自在に支持する支持手段１０と、上記偏心
した位置を支点１１として上記第１の歯付きプー
リ３と上記第２の歯付きプーリ７とが離間する方
向に上記モータ１を付勢する付勢手段１５とを備
えている。

〔作用〕

２つの回転軸の軸間距離の変化を吸収すると共
に、温度変化等に基づく歯付きベルトの長さの変
化を吸収して、歯付きベルトの張力を常に一定に
保持することができる。しかも、モータの回転軸
の移動軌跡がこのモータの回転軸とターンテーブ
ルの回転軸とを結ぶ直線上から大きくはずれるこ
とがないので、ターンテーブルの回転軸に設けら
れた歯付きプーリに対して不要な偏倚力が働か
ず、ターンテーブルの回転時の偏心は増加しな
い。

〔実施例〕

第１図は本考案を第２図の光デイスクプレーヤ
に適用した場合の実施例を示すもので、第２図と
対応する部分には同一符号を付してある。

第１図において、モータ１は基板９に設けられ
た支持部材１０により回動自在に取付けられてい
る。この場合、モータ１は回動支持部１１を支点
として矢印ａで示す方向に回動自在と成されてい
る。尚、図示のようにモータ１の回転軸２とター
ンテーブル５の回転軸６とを結ぶ直線と、上記回
転軸２と上記回動支持部１１とを、結ぶ直線とが
略直交するように、且つ回転軸２から成る可く離
間する位置に上記回動支持部１１を配するとより
効果が得られる。

また上記基板９にはバネ支持部材１２が設けら
れると共に、モータ１には調整板１３が回動支持
部１４を介して回動自在に設けられている。上記
回動支持部１４は、上記回動支持部１１と回転軸
２を挟んで対向する位置に設けられている。また
上記バネ支持部１２と上記調整板１３との間には
圧縮バネ１５が設けられている。この圧縮バネ１
５により、モータ１が図の矢印ｂ方向、即ち回転
軸２，６が離間する方向に付勢されている。

上記構成によれば、モータ１がｂ方向に回動支
持部１１を支点として回動付勢されているので、
２つの回転軸２，６の軸間距離が変化しても、こ
の変化に応じてモータ１が移動され、従つて、歯
付きベルト８の張力は一定となる。また、温度変
化等により歯付きベルト８の長さが変化しても、
この変化に応じてモータ１が移動されるので、歯
付きベルトの張力が一定に保持される。

以上は本考案を光デイスクプレーヤに適用した
場合について述べたが、本考案は他のベルト駆動
型のレコーダプレーヤ、磁気デイスクプレーヤ等
のデイスクプレーヤに適用することができる。

〔考案の効果〕

２つの回転軸の軸間距離の変化及び歯付きベル
トの長さの変化等に関わらず、常に歯付きベルト
の張力を一定に保持することができる。しかも、
ターンテーブルの回転軸に設けられた歯付きプー
リに対して不要な偏倚力が働かず、ターンテーブ
ルの回転時の偏心は増加しない。このためデイス
クの速度の制御を安定に行つて、ワウ・フラツタ
を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は本考案を適用し得る光デイスクプレーヤの駆動
装置の斜視図である。 なお図面に用いた符号において、１……モー
タ、２……回転軸、３……第１の歯付きプーリ、
５……ターンテーブル、６……回転軸、７……第
２の歯付きプーリ、８……歯付きベルト、１１…
…回動支持部、１５……圧縮バネ、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モータの回転軸に設けられた第１の歯付きプー
   リと、ターンテーブルの回転軸に設けられた第２
   の歯付きプーリと、これら第１及び第２の歯付き
   プーリに噛合する歯付きベルトとを備え、この歯
   付きベルトを用いて上記モータの駆動力を上記タ
   ーンテーブルに伝達するようにしたデイスクプレ
   ーヤにおいて、 上記モータの回転軸と上記ターンテーブルの回
   動軸とを結ぶ直線に対して略直交する直線上で上
   記モータの回転軸に対して偏心した位置を支点と
   して上記モータを回動自在に支持する支持手段
   と、 上記偏心した位置を支点として上記第１の歯付
   きプーリと上記第２の歯付きプーリとが離間する
   方向に上記モータを付勢する付勢手段とを備えて
   いることを特徴とするデイスクプレーヤ。