JPH0416586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、共同溝等のコンクリート蓋の吊上げ
兼係止装置に関するものである。

〔従来の技術〕

近頃は、都市上空を占用している供給用電線類
や情報サービス用のケーブル等を収容するための
共同溝の施設が進められつつある。

共同溝は、一般に、上方に開放された断面Ｕ字
形のコンクリート製ボツクスカルバートを歩道下
に埋設し、開放された上部に、ブロツク状に形成
したコンクリート蓋を敷並べた構造のものとなつ
ている。

ところで、この共同溝におけるコンクリート蓋
は、歩道下に埋設されたボツクスカルバート上で
の歩行ができるようにすることと、ボツクスカル
バート内への土砂や雨水の侵入を防止するために
載置するのであるが、ボツクスカルバート内での
作業をするために取り外しできるようにしておく
必要がある。

本出願人は、この共同溝におけるコンクリート
蓋の取扱いを容易にするための吊り上げ装置につ
いて、すでに実願昭60−178883号（実開昭62−
86391号）等により種種提案を行つてきた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、提案さた従来のコンクリート蓋は、吊
り上げ装置は備えているが、単にボツクスカルバ
ート上に載置するだけで固定されていないので、
防犯上不適であるばかりでなく、カルバート内部
の短絡事故の際には蓋が浮き上つて外れてしまう
ことが予想される。そのため、コンクリート蓋に
は吊り上げばかりでなく係止機構を設けることが
要望されてきた。

本考案は、前述の事情にかんがみなされたもの
で、重いコンクリート蓋の吊り上げができると共
に、コンクリート蓋の係止もできる、両機能を兼
ね備えた装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の構成について、実施例に対応する図面
を参照して説明すると、本考案は、筒状のケース
６内に、該ケース６の軸心方向のネジ孔３を設け
た座体７を固着し、該ネジ孔８に、上端部拡大頭
部１１を形成した支持ボルト１０を螺合すると共
に、該ケース６の下端部には、前記支持ボルト１
０の上下動により水平軸回りに揺動自在とした掛
鉤体１４を設けて吊上げ兼止具Ｃを形成し、この
吊上げ兼止具Ｃを、コンクリート蓋板Ａの隅部
に、その下部を突出して設け、他方、前記コンク
リート蓋Ａを載置するボツクスカルバートＢに、
前記掛鉤体１４を掛止める係止体１８を設けたこ
とを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案における吊上げ兼止具Ｃは、ケース６内
の支持ボルト１０を回動して下動させれば、第１
図実線で示すように、掛鉤体１３が回動してその
係合片１２が外方に突出して係止体２２内に突入
し、コンクリート蓋ＡをボツクスカルバートＢに
係止することになる。また、支持ボルト１０を上
動させれば、掛鉤体１３は第１図鎖線で示すよう
に回動垂下することになり、係止体２２との係合
が脱せられる。さらに押ボルト１０を回動して行
けば、第１図の鎖線で示すように、その拡大頭部
はコンクリート蓋Ａの上方に突出することになる
ので、それを利用して吊り上げを行うことができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案装置の実施例について図面を参照
して説明する。

図においてＡはボツクスカルバートＢ上に載置
するコンクリート蓋で、ボツクスカルバートＢの
横断方向に長い溝ａ，ａを有する波状の底板２の
外周に側板を立上げて形成した鉄板製の皿状箱体
１内の下半部にコンクリート層３が充填形成され
ており、上半部にはならし砂層４を介して表層材
層５が敷設されるようになつている。

Ｃは前記箱体１の少なくとも対向する隅部に、
上半部がコンクリート層２に埋込まれ、下端部を
波状の底板２の溝ａ内に突出し、上端を箱体１の
側板の上縁とほぼ面一とした吊上げ兼止具で、筒
状のケース６の下部を波状の底材２に溶接等によ
り固着立設されている。

筒状ケース６内には、ケース６の上部及び下部
に空所を存して座体７が固着されており、座体７
のほぼ上半部には、ケース６の軸心方向のネジ孔
８が設けられ、同下半部には、そのネジ孔８より
若干径を大とした挿通孔９がネジ孔８と連通して
設けられている。そして、前記のネジ孔８には、
上端部に拡大頭部１１を有し、ケース６の長さよ
り若干短く形成した支持ボルト１０が螺合されて
いる。また、ケース６の下端部には取付板１２，
１２が突設され、この取付板１２，１２に下端部
に係合片１３を突設した掛鉤体１４の中央部が水
平軸１５により揺動自在に枢着されている。さら
に、ケース６の上端部には、回動用の掛穴１６，
１６を有する蓋板１７が螺合されている。

他方、ボツクスカルバートＢの上面には、前記
吊上げ兼止具Ｃの掛鉤体１４と対応して、その係
合片１３を掛合せるコ字形の係止体１８が、コン
クリート中に埋設のアンカー（図示を略す）に取
付ボルト１９，１９によつて固着されている。

本考案は上述のように構成されており、コンク
リート蓋Ａを載置するにあたつては、第４図に示
すように、ケース６の蓋板１７を取り除き、支持
ボルト１０を回動して上方に移動させ、掛鉤体１
３を垂下状態にし、さらに回動してその拡大頭部
１１をコンクリート蓋Ａの上方に突出させ拡大頭
部１１に適宜掛具等を係合して吊り上げ、所定の
位置に吊り降ろす。次に、支持ボルト１０を回動
して下方に螺進させ、掛鉤体１４を回動させてそ
の係合片１３をコ字形の係止体１８内に突入させ
て掛止めを行う。そして、ケース６に蓋板１７を
螺着するのである。コンクリート蓋Ａを取り除く
には、さきに述べたように、蓋板１７の除去、支
持ボルト１０の螺動による掛鉤体１４の垂下、拡
大頭部の突出を行つて、吊上げ移動すればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の装置は、筒状の
ケース内に、該ケースの軸心方向のネジ孔を設け
た座体を固着し、該ネジ孔に、上端部に拡大頭部
を形成した支持ボルトを螺合すると共に、該ケー
スの下端部には、前記支持ボルトの上下動により
水平軸回りに揺動自在とした掛鉤体を設けて吊上
げ兼止具を形成し、この吊上げ兼止具を、コンク
リート蓋板の隅部に、その下部を突出して設け、
他方、前記コンクリート蓋を載置するボツクスカ
ルバートに、前記掛鉤体を掛止める係止体を設け
た構成としたので、ボツクスカルバート上に載置
したコンクリート蓋は、それに埋設した吊上げ兼
止具のケース内にある支持ボルトを回動して下動
させるだけで、ボツクスカルバート上に固着され
ている係止体に掛止められ、コンクリート蓋の固
定が確実、強固にでき、また、コンクリート蓋の
取外しや移動は、支持ボルトを回動して上動すり
ことにより係止体との係合がはずれ、さらに支持
ボルトを回動してその拡大頭部を突出させれば、
それを利用して吊上げ移動を簡易に行うことがで
きる。そして、吊上げ兼止具はコンクリート蓋中
に設けられて歩道面より突出することがないの
で、交通等の障害になることがなく、全体に構造
が簡単で安価に製作できる等、多くの利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示したもので、
第１図は要部を示す縦断面図、第２図は吊上げ兼
止具の側面図、第３図はコンクリート蓋とボツク
スカルバートを分離したところを示す一部切欠斜
面図である。 Ａ……コンクリート蓋、Ｂ……ボツクスカルバ
ート、Ｃ……吊上げ兼止具、１……皿状箱体、２
……底板、３……コンクリート層、４……ならし
砂層、５……表層材層、６……ケース、７……座
板、１０……支持ボルト、１３……係合片、１４
……掛鉤体、１７……蓋板、ａ……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状のケース内に、該ケースの軸心方向のネジ
   孔を設けた座体を固着し、該ネジ孔に、上端部に
   拡大頭部を形成した支持ボルトを螺合すると共
   に、該ケースの下端部には、前記支持ボルトの上
   下動により水平軸回りに揺動自在とした掛鉤体を
   設けて吊上げ兼止具を形成し、この吊上げ兼止具
   を、コンクリート蓋板の隅部に、その下部を突出
   して設け、他方、前記コンクリート蓋を載置する
   ボツクスカルバートに、前記掛鉤体を掛止める係
   止体を設けたことを特徴とする、共同溝等におけ
   るコンクリート蓋の吊上げ兼係止装置。