JPH0416489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、増幅回路を接続したUHF帯及び
VHF帯のテレビジヨン放送、さらにFM放送の
受信及び再放送用の室内アンテナ装置に関する。

［従来技術とその欠点］ 従来、UHF帯及びVHF帯のテレビジヨン、
FM放送波を受信する室内アンテナは、形状を小
さくするため、素子数を多くすることができず、
このためアンテナ利得が小さかつた。又、最近、
ポータブル型テレビジヨン受像機やラジオ付カセ
ツトテープレコーダなど室内で移動し利用する機
器が増加している。これらの機器は外部アンテナ
接続端子を有することは少なく、鉄筋コンクリー
ト住宅や、モルタル外壁住宅さらには地下室内等
放送波を直接受信できないような場所では利用で
きないことが多くなつている。

［考案の目的〕 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、アンテナ利得を向上させ、さらに放送
波を直接受信できない条件下での再送信を可能と
する室内アンテナ装置を提供することにある。

［考案の要点］ 本考案は、UHF帯及びVHF帯のテレビジヨン
放送及びFM放送を受信する室内アンテナ装置に
おいて、放送波の周波数に対応する複数のアンテ
ナと、これらのアンテナから受信する放送波を合
成、分波する分波器と、入力部に可変減衰器を備
えた増幅回路と、テレビジヨン受像機接続用及び
外部アンテナ接続用兼用端子と、前記分波器の合
成出力を前記増幅回路に入力し、この増幅器の出
力信号を前記兼用端子に出力する第１の切換手段
と、前記兼用端子への外部アンテナ受信信号を上
記増幅回路に入力し、この増幅回路の出力を前記
分波器を介して前記複数のアンテナに出力する第
２の切換え手段とを備えたことを特徴とするもの
である。

［考案の実施例］ 以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明
する。第１図に於いて、１１は到来するVHF帯
のテレビジヨン放送波、FM放送波を受信するア
ンテナであり、このアンテナ１１は受信する周波
数の波長に合せて伸縮自在の線状アンテナとなつ
ている。

アンテナ１１の受信波は平衡・不平衡変換器１
２で不平衡の例えば75Ωのインピーダンスに変換
され、分波器１３を介してアンテナ端子１４に出
力される。また、１５はループアンテナであり、
このループアンテナ１５により到来するUHF帯
のテレビジヨン放送波を受信するようになつてい
る。このループアンテナ１５の受信波は、平衡・
不平衡変換器１６で不平衡の例えば75Ωのインピ
ーダンスに変換され、分波器１３を介してアンテ
ナ端子１４に出力される。アンテナ端子１４は切
換スイツチ１７の一方の可動接点ａに接続されて
いる。この可動接点ａは固定接点ｂ，ｃのいずれ
かに切替わるようになつている。固定接点ｂは上
記可動接点ａと連動する他方の可動接点ｄ側の固
定接点ｆに接続されており、この固定接点ｆは増
幅回路１８の出力端子１９に接続されている。ま
た、固定接点ｃは可動接点ｄ側の固定接点ｅに接
続されている。この固定接点ｅは増幅回路１８の
入力部に設けられた可変減衰器２０の入力端子２
１に接続されている。また、上記可動接点ｄはテ
レビジヨン受像機接続用、外部アンテナ接続用兼
用端子２２に接続される。この端子２２には、テ
レビジヨン受像機、FM受信機等の受信機器ある
いは外部アンテを必要に応じて接続する。

すなわち、上記のように構成した室内アンテナ
３９は、切換スイツチ１７の切換えにより、受信
用アンテナあるいは再放送用アンテナとして使用
できるようになつている。上記室内アンテナ３９
を受信用アンテナとして使用する場合は、切換ス
イツチ１７の可動接点ａを固定接点ｃ側、可動接
点ｄを固定接点ｆ側に切換え、端子２２にテレビ
ジヨン受像機あるいはFM受信機を接続する。ま
た、上記室内アンテナ３９を再送信用アンテナと
して使用する場合は、切換スイツチ１７の可動接
点ａを固定接点ｂ側、可動接点ｄを固定接点ｅ側
に切換え、端子２２に外部アンテナを接続する。

以下、室内アンテナ３９を受信用アンテナ及び
再送信用アンテナとして使用する場合の詳細につ
いて説明する。

まず、室内アンテナ３９を受信用アンテナとし
て使用する場合、即ち、通常のVHF，UHF帯テ
レビジヨン放送又はFM放送を受信する場合は、
上記したように切換スイツチ１７の可動接点ａを
固定接点ｃ側、可動接点ｄを固定接点ｆ側に切換
える。この場合、アンテナ端子１４は可変減衰器
２０の入力端子２１に接続される。従つて、線状
アンテナ１１で受信されたFM，VHF波又はル
ープアンテナ１５で受信されたUHF波はそれぞ
れ平衡・不平衡変換器１２，１６で75Ωのインピ
ーダンスに変換された後、分波器１３を介してア
ンテナ端子１４に出力され、さらに可変減衰器２
１を経て増幅回路１８で増幅された後、切換スイ
ツチ１７を経て端子２２から出力される。従つ
て、テレビジヨン受像機及びFM受信機では高感
度の受信が可能となる。

また、室内アンテナ３９を再送信用アンテナと
して使用する場合は、切換スイツチ１７の可動接
点ａを固定接点ｂ側、可動接点ｄを固定接点ｅ側
に切換え、端子２２は屋外のアンテナの室内への
引込端子と接続する。このときの様子を第２図に
示す。すなわち、到来するVHF波及びFM波は
アンテナ３１で受信され、又UHF帯波はアンテ
ナ３２で受信される。これらの受信信号は増幅器
３３で増幅され、分波器３４でテレビ端子を必要
とする部屋数に分配される。第２図に於いては、
４分配の例を示し、その一つが部屋３５の端子ボ
ツクス３６に接続されている。ここで、部屋３５
は鉄筋コクリートやモルタル構造あるいは地下室
等の到来する放送波が直接入らない部屋の場合を
示す。この部屋３５でポータブル型のテレビジヨ
ン受像機３７やラジオ付カセツトテープレコーダ
３８を使用する場合、これらのセツトは外部のア
ンテナを直接接続する端子を持つていないことが
多く、第２図の端子ボツクス３６と接続して使用
することができない。このような場合、第１図に
示した室内アンテナ３９を同軸ケーブル４０を介
して端子ボツクス３６に接続し、部屋３５の内部
で室内アンテナ３９からVHF帯、UHF帯の放送
波を放射してテレビジヨン受像機３７のアンテナ
３７ａ、あるいはラジオ付カセツトテープレコー
ダ３８のアンテナ３８ａにより受信可能とするも
のである。

上記第２図の構成において、端子ボツクス３６
と同軸ケーブル４０を介して接続される上記第１
図における室内アンテナ３９の端子２２には、前
記のVHF，UHF放送波が送られる。今、切換ス
イツチ１７は、前述のように可動接点ａが固定接
点ｂ側、可動接点ｄが固定接点ｅ側に接続されて
いるため、VHF，UHF放送波は入力端子２１へ
送られ、可変減衰器２０を介して増幅回路１８へ
入力される。増幅回路１８で増幅されたVHF，
UHF放送波は出力端子１９及び切換スイツチ１
７を介してアンテナ端子１４へ送られる。この増
幅されたVHF，UHF放送波は、分波器１３で
VHF帯放送波信号とUHF 帯放送波信号とに分
離され、前者は平衡・不平衡変換器１２へ、後者
は平衡・不平衡変換器１６へ導かれ、それぞれア
ンテナ１１，１５で室内へ放射される。ここで、
可変減衰器２０は、入力するVHF，UHF放送波
のレベルを設定し、アンテナ１１，１５から放射
する出力のレベルを他の機器に妨害を与えないレ
ベルでかつ電波法で定められた微弱電波の範囲内
に設定するため設けたものである。

このように本考案の室内アンテナ装置に於いて
は、切換スイツチ１７を切換えることにより、端
子２２とアンテナ１１，１５との入力、出力を切
換えることができ、このため以下のような効果が
ある。

すなわち、線状アンテナ１１及びループアンテ
ナ１５を増幅回路１８の入力側に切換えた場合に
は、受信波を増幅回路１８で増幅して端子２２に
出力することができるため、端子２２に接続され
たテレビジヨン受像機あるいはFM受信機等にお
いては、通常の室内アンテナで受信する場合より
放送波の受信レベルが高くなり、鮮明な受信が可
能となる。

一方、室内アンテナ３９を再送信用として切換
スイツチ１７を切換えた場合、屋外等外部に設置
したアンテナ３１，３２で受信した放送波が増幅
器３３、分波器３４、端子ボツクス３６を介して
端子２２より増幅回路１８に入力されるので、上
記放送波は増幅回路１８で増幅された後、分波器
１３でVHF，UHF信号に分波され、VHF信号
は線状アンテナ１１へ、UHF信号はループアン
テナ１５へそれぞれ送られ、室内へ放射、すなわ
ち、再送信される。

従つて、放送波を直接受信できない地下室等の
部屋内においても、外部アンテナを直接接続でき
ない、又頻繁に移動して使用する携帯用テレビジ
ヨン受像機やラジオ付きカセツトテープレコーダ
でも内蔵するアンテナで前記再送信した放送波を
受信でき、これらの機器を有効に利用できる。ま
た、増幅回路１８の入力に可変減衰器２０を設け
ているので、放送波のレベルが高い場合は可変減
衰器２０を調節し、放送波信号のレベルの飽和に
よる障害を除くことや、再送信のレベルが大きい
ため他の部屋などの周囲への妨害を除くことが可
能である。

尚、上記実施例に於いては、増幅回路１８に供
給する電源回路は図示していないが、商用電源か
らトランスを介して整流した直流電圧を増幅回路
１８に印加するか、あるいは電池を用いてよい。
さらに、上記実施例に於いては、アンテナ１１，
１５の増幅回路１８の入力側又は出力側への切換
えを切換スイツチ１７により行なつているが、本
考案はこれに限定するものではなく、その他ケー
ブルを用いて接栓で接続替えを行なう構成として
もよいことは勿論である。

［考案の効果］ 以上のように本考案によれば、室内アンテナを
受信用アンテナあるいは再送信用アンテナとして
切換使用できるものであり、受信用アンテナとし
て使用した場合は受信信号が増幅されるのでアン
テナ利得を向上でき、また、再送信用アンテナと
して使用した場合は、外部アンテナで受信した放
送波が再送信されるので、放送波を直接受信でき
ない地下室等の部屋内においても、外部アンテナ
を直接接続できない、又は頻繁に移動して使用す
る携帯用テレビジヨン受像機やラジオ付きカセツ
トテープレコーダ等の受信機器で内蔵アンテナに
より上記再送信放送を受信することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る室内アンテナ
装置の回路構成図、第２図は第１図の室内アンテ
ナ装置を再送信用として使用する場合の構成図で
ある。 １１……線状アンテナ、１３……分波器、１４
……アンテナ端子、１５……ループアンテナ、１
７……切換スイツチ、１８……増幅回路、２０…
…可変減衰器、２２……端子、３１，３２……ア
ンテナ、３６……端子ボツクス、３９……室内ア
ンテナ、４０……同軸ケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. UHF帯及びVHF帯のテレビジヨン放送及び
   FM放送を受信する室内アンテナ装置において、
   放送波の周波数に対応する複数のアンテナと、こ
   れらのアンテナから受信する放送波を合成、分波
   する分波器と、入力部に可変減衰器を備えた増幅
   回路と、テレビジヨン受像機接続用及び外部アン
   テナ接続用兼用端子と、前記分波器の合成出力を
   前記増幅回路に入力し、この増幅器の出力信号を
   前記兼用端子に出力する第１の切換手段と、前記
   兼用端子への外部アンテナ受信信号を上記増幅回
   路に入力し、この増幅回路の出力を前記分波器を
   介して前記複数のアンテナに出力する第２の切換
   え手段とを具備したことを特徴とする室内アンテ
   ナ装置。