JPH0416411Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は両端に鍔を備えた角筒状ボビンを同軸
状に嵌合して組み合わせて成るピン端子付の縦型
トランスボビンに関する。

〔従来の技術〕

両端に鍔を備えた３個の角筒状ボビンを同軸状
に組合せて嵌合した従来のトランスボビンは、第
３図に示すように、最も内側のボビン１の下端の
鍔１１が基板端子台４として利用されこの基板端
子台４の下面には両側に複数のピン端子５が内側
ボビン１の中心軸と平行に植設されている。内側
ボビン１の鍔１１には内側ボビン１の外側に同軸
状に嵌合する中側ボビン２の下端の鍔２１、中側
ボビン２の外側に嵌合する外側ボビン３の下端の
鍔３１をそれぞれ載置できるようになつている。
さらに内側ボビン１の鍔１１は方形状で肉厚部１
３を持ち、下面にはＥ形ああるいはＩ形コア嵌合
のために角筒の内面に連なつている横溝１２が設
けられ、肉厚部１３の中央部には下方で浅くなる
斜めの底面をもつ係合縦溝１４が設けられてい
る。

中間ボビン２及び、外側ボビン３には、下端の
鍔２１，３１の辺縁に基板端子台４の係合縦溝１
４に嵌合する係止片２２，２３がそれぞれ設けら
れ、係止片２２，２３にはそれぞれ縦溝２３，３
３が設けられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述したトランスボビンの場合、内側ボビン１
の下端鍔を基盤端子台４として、内側ボビン１だ
けに複数のピン端子５を設けているので、内側ボ
ビン１、中側ボビン２、外側ボビン３の順に巻線
の巻回作業と巻線端部のピン端子５への接続作業
とを繰り返し行う必要がある。これは、作業の自
動化は容易であるけれども作業能率を高めること
が困難であり、作業時間が長いという問題があつ
た。また、内側ボビン１、中側ボビン２、外側ボ
ビン３の３者に並行に巻線の巻回作業を行う場
合、中側ボビン２、外側ボビン３については巻回
作業だけで一旦打ち切り、内側ボビン１に嵌合
後、改めてピン端子との接続作業を行なう必要が
あり、作業の自動化が困難であるという問題があ
つた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、中側筒状ボビン、この中側筒
状ボビンの一端から挿入される内側筒状ボビン、
及びこの中側筒状ボビンの他端から装着される外
側ボビンを含み、夫々同軸に嵌合して組合わされ
る少なくとも３種類の筒状ボビンと、前記ボビン
の下端の対向辺縁に設けられた一対の端子台と、
前記一対の端子台に夫々植設されて列をなす複数
のピン端子とを有するトランスボビンにおいて、
前記一対の端子台の少なくとも一方を、前記ピン
端子の列を分割するように複数の端子台片に分割
し、分割された複数の端子台片の相対応する側部
に、互いに係合する係合部を夫々設けるととも
に、この分割した複数の端子台片を前記外側、中
側、及び内側の筒状ボビンの夫々の下端に設け、
しかも前記各端子台片は、前記夫々の筒状ボビン
を夫々対応する側部及び係合部を合わせて組み合
わせると、前記端子台を形成するように構成され
ていることを特徴とするトランスボビンが得られ
る。

〔実施例〕

第１図、第２図に本考案によるトランスボビン
の一実施例の斜視図を示す。既に説明した第３図
と同一部分には同一符号を付している。

本考案のトランスボビンの場合、第１図に示す
ように、基盤端子台４は、短辺側が外側ボビン３
の鍔３１の側面より外方に張り出た方形状であ
る。基盤端子台４の張り出し部分にはピン端子５
がそれぞれ所要数垂設され、基盤端子台４の一方
は３個の端子台片４１，４２，４３に分割されて
いる。内側ボビン１の下端の鍔１１は、第２図に
示すように横溝１２の片側のピン端子５の垂設さ
れた肉厚部１３と、中側ボビン２の角筒の内周お
よび鍔２１の外周に対応するほぼ同量の側面をも
つ他の側の肉厚部１３′とを有し、肉厚部１３′が
端子台片４１として利用される。

中側ボビン２の鍔２１の底面には、２個のピン
端子５の垂設された端子台片４２が一体に設けら
れている。外側ボビン３の鍔３１の底面にもピン
端子５付の端子台片４３が一体に設けられてい
る。これらの端子台片４１，４２，４３は、内側
ボビン１、中側ボビン２、外側ボビン３とを組合
せた時、第１図に示すように、１つの基盤端子台
４となるようにつくられている。

このような構造のトランスボビンであるから、
内側ボビン１、中側ボビン２、外側ボビン３のそ
れぞれに並行して巻線を施し、各巻線を各々の端
子台片４１，４２，４３のピン端子５のそれぞれ
に並行して接続する。この後、内側ボビン１の外
側に端子台片４１，４２の係合凹部４４、係合突
片（図示せず）を対向させて中側ボビン２を同軸
状に嵌合する。更に、中側ボビン２の上から外側
ボビン３を端子台片４２，４３の係合凹部４５，
係合突片４６を対向させて同軸状に嵌合して第１
図に示すように組み合わせると、端子台片４１，
４２，４３も同時に１つの基盤端子台４に組み合
わせできる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案による
トランスボビンは、同軸に嵌合する角筒状ボビン
のそれぞれに鍔と一体に端子台片を設けピン端子
を垂設したので、巻線の巻回作業とピン端子との
接続作業を各ボビンに同時に並行して行うことが
でき、作業時間が短くてすむ。またこのトタンス
ボビンは作業の自動化が容易であり、さらに各ボ
ビンの嵌合組合わせと同時に端子台片の組合わせ
により基盤端子台を形成でき、この作業の自動化
も容易であり、丈夫で品質のばらつきもなく、基
板に安定して装着することができ、したがつてト
ランスの一貫自動生産に適しており、安価なトラ
ンスの製造に有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるトランスボビンの一実施
例を示す斜視図、第２図は第１図の分解斜視図、
第３図は従来のトランスボビンの一例を示す分解
斜視図である。 １……内側ボビン、２……中側ボビン、３……
外側ボビン、４……基盤端子台、５……ピン端
子、４１，４２，４３……端子台片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中側筒状ボビン、この中側筒状ボビンの一端か
   ら挿入される内側筒状ボビン、及びこの中側筒状
   ボビンの他端から装着される外側ボビンを含み、
   夫々同軸に嵌合して組合わされる少なくとも３種
   類の筒状ボビンと、前記ボビンの下端の対向辺縁
   に設けられた一対の端子台と、前記一対の端子台
   に夫々植設されて列をなす複数のピン端子とを有
   するトランスボビンにおいて、 前記一対の端子台の少なくとも一方を、前記ピ
   ン端子の列を分割するように複数の端子台片に分
   割し、分割された複数の端子台片の相対応する側
   部に、互いに係合する係合部を夫々設けるととも
   に、この分割した複数の端子台片を前記外側、中
   側、及び内側の筒状ボビンの夫々の下端に設け、
   しかも前記各端子台片は、前記夫々の筒状ボビン
   を夫々対応する側部及び係合部を合わせて組み合
   わせると、前記端子台を形成するように構成され
   ていることを特徴とするトランスボビン。