JPH0416148B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、コンバイン等により収穫されて汚れ
ている豆粒を洗浄する豆粒の洗浄方法とその装置
に関するものである。

従来の技術 従来における豆粒の洗浄は、多孔板製の外筒
と、表面に綿毛（モツプ）を植毛した内筒とから
なる二重構造の洗浄筒を用い、この外筒と内筒と
の隙間に豆粒を供給して、洗浄筒を回転させなが
ら洗浄するのが一般的であつた。

発明が解決しようとする問題点 上記従来の如き洗浄筒を用いる洗浄は、豆粒を
内筒の綿毛で外筒に叩き付ける現象が起きて、豆
粒が胴割れしたり、豆粒表面が損傷するという問
題点があつた。また、外筒と内筒との間で浮遊動
する豆粒を綿毛で洗浄するものであるから、豆粒
の表面全体を漏れなくきれいに洗浄することがで
きないという問題点もあつた。

本発明の目的は、そのような従来の問題点を解
決し、良好な状態に洗浄仕上げする豆粒の洗浄装
置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための手段として、本発明
の豆粒の洗浄装置は、その実施例を示す第１図か
らも理解できるように、表面に適度の弾性を有し
て回転する洗浄ドラム１に、同じく表面に適度の
弾性を有して上記洗浄ドラム１とは異なる速度で
回転走行する洗浄ベルト４を、それら１，４の表
面同士間で豆粒Ｗを挟圧して回転させながら走行
せしめるべく、その表面同士を対向させて巻回し
張架したことを特徴とするものである。

作 用 洗浄ドラム１と洗浄ベルト４との間に豆粒Ｗを
供給すると、豆粒Ｗは、洗浄ドラム１と洗浄ベル
ト４との速度の和を２で除した速度で走行する。
そして、この豆粒Ｗは、洗浄ドラム１と洗浄ベル
ト４との表面が弾性を有するため、該両表面に包
み込まれて適度に挟圧され、しかも、洗浄ドラム
１と洗浄ベルト４との速度が互いに異なるため、
回転しながら走行する。この結果、豆粒Ｗの表面
全体が洗浄ドラム１と洗浄ベルト４との表面に均
一に漏れなく接触して、きれいに洗浄され磨かれ
る。

実施例 本発明の実施例を図面と共に具体的に説明す
る。

１は洗浄ドラムで、回転胴２の円周面に洗浄表
面材３を貼り付けたものである。４は偏平無端の
洗浄ベルトで、腰の強い裏地５に洗浄表面材６を
貼り付けたものである。この洗浄表面材３，６
は、少し堅目のスポンジ又は不織布等からなり、
豆粒Ｗを約半粒分ほど包み込むだけの適度の弾性
と、水やアルコール水溶液等の洗浄液を少量吸う
だけの適度の保液性とを有している。

上記洗浄ベルト４は、該ベルト４と洗浄ドラム
１との表面同士を対向させた状態で、かつ、洗浄
ドラム１に約1/3周分ほど巻回した状態でロール
７，８，９に巻回張架してある。洗浄ドラム１と
洗浄ベルト４とは、互いに異なる速度で回転走行
すべく、図示しないモータにより駆動されるよう
になつている。なお、洗浄ドラム１と洗浄ベルト
４との回転走行方向は必ずしも同一でなくてもよ
い。

１０は豆粒Ｗを洗浄ドラム１と洗浄ベルト４と
の表面同士間で傾斜走行させるための斜行路で、
丸棒又は角棒からなる案内体１１…を、洗浄ドラ
ム１と洗浄ベルト４の幅方向に等間隔（豆粒Ｗが
１〜３個入る程度）をおいて、洗浄ドラム１と洗
浄ベルト４との表面同士間に傾斜状に嵌架し形成
したものである。

１２は洗浄ドラム１の表面を洗浄するための浴
液洗浄装置で、洗浄ドラム１の表面に当接して回
転する洗浄ブラシ１３と、該ブラシ１３に水又は
アルコール水溶液等の洗浄液を噴射する給液パイ
プ１４とからなる。１５は洗浄ベルト４の表面を
洗浄するための浴液洗浄装置で、同じく洗浄ブラ
シ１６と給液パイプ１７とからなる。

１８は洗浄ドラム１の表面の保液量（洗浄液の
含有量）を適度に調節するための保液量調節装置
で、洗浄ドラム１の表面に押圧当接して回転する
絞りロールからなる。１９は洗浄ベルト４の表面
の保液量を調節するための保液量調節装置で、同
じく絞りロールからなる。

なお、図中の符号２０は当該洗浄装置の機枠、
２１は豆粒Ｗの供給ホツパ、２２は豆粒Ｗの繰出
しロール、２３は豆粒Ｗの排出樋、２４は洗浄液
の排液樋である。

ここで、実施例に基づく豆粒の洗浄作用につい
て説明する。

豆粒Ｗを供給ホツパ２１から洗浄ドラム１と洗
浄ベルト４との間に供給すると、豆粒Ｗは、その
両表面に包み込まれて適度に挟圧され回転しなが
ら走行する（第３図参照）。しかも、豆粒Ｗは、
斜行路１０内を様々な方向（洗浄ドラム１と洗浄
ベルト４の回転方向、及び斜行路１０の方向等）
に回転しながら傾斜走行する（第４図参照）。し
かして、豆粒Ｗは、所定のコースを安定的に走行
しながら、その表面全体が洗浄ドラム１と洗浄ベ
ルト４との表面に均一に漏れなく接触し、きれい
に洗浄され磨かれて、排出樋２３から排出され
る。

また、豆粒Ｗを洗浄して汚れている洗浄ドラム
１と洗浄ベルト４との表面は、浴液洗浄装置１
２，１５により洗浄液を浴びてブラシ洗浄され、
しかも、その際に吸い取つた洗浄液の量を次に保
液量調節装置１８，１９により適度に調節され
る。しかして、豆粒Ｗは、常にきれいで適宜湿り
気のある洗浄ドラム１と洗浄ベルト４との表面に
より、常にきれいに洗浄され磨かれる。

発明の効果 本発明は、叙上の通り、豆粒Ｗを洗浄ドラム１
と洗浄ベルト４との表面で包み込み、適度に挟圧
し、回転させながら走行せしめて洗浄するもので
あるから、従来のように豆粒Ｗの胴割れや豆粒表
面の損傷が皆無になる許りでなく、豆粒Ｗの表面
全体を均一に漏れなく洗浄し磨くことができ、豆
粒Ｗを良好な状態に仕上げる効果を奏する。

特に、本発明は、豆粒Ｗが洗浄ドラム１の円周
面上を走行するようにしたものであるから、装置
全体の大きさの割には豆粒Ｗの走行距離を相当長
く形設することができ、豆粒Ｗの洗浄性能を高め
る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の実施例を示すもので、第１図
は縦断側面図、第２図は縦断正面図、第３図は第
２図矢視の洗浄作用説明図、第４図は第２図
矢視の洗浄作用説明図である。 図面符号の説明 １……洗浄ドラム、４……洗浄ベルト、Ｗ……
豆粒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表面に適度の弾性を有して回転する洗浄ドラ
   ム１に、同じく表面に適度の弾性を有して上記洗
   浄ドラム１とは異なる速度で回転走行する洗浄ベ
   ルト４を、それら１，４の表面同士間で豆粒Ｗを
   挟圧して回転させながら走行せしめるべく、その
   表面同士を対向させて巻回し張架したことを特徴
   とする豆粒の洗浄装置。