JPH04160720A - 放電表示管およびその陰極形成用組成物 - Google Patents

放電表示管およびその陰極形成用組成物

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JPH04160720A
JPH04160720A JP28421890A JP28421890A JPH04160720A JP H04160720 A JPH04160720 A JP H04160720A JP 28421890 A JP28421890 A JP 28421890A JP 28421890 A JP28421890 A JP 28421890A JP H04160720 A JPH04160720 A JP H04160720A
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Hikonori Kamiya
孫典 神谷
Hideyuki Asai
秀之 浅井
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、直流型放電表示管およびその陰極形成用組成
物に関し、さらに詳しくは陰極形成材料として導電性酸
化物を使用した放電表示管、並びにその陰極形成用の導
体組成物に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題〕一般
に、放電表示管(プラズマデイスプレィパネル:rPD
PJ)を分類すると、電極を放電空間に露出させ、直流
電圧を印加して動作させる直流型放電表示管と、電極の
表面を誘電体で被覆し、交流電圧を印加して動作させる
交流型放電表示管とに大別される。
このうち、直流型放電表示管は、発光効率が低く、また
他の螢光表示管、液晶、発光ダイオード等の表示素子に
比べて動作電圧が高い(約150〜2O0 V)という
欠点がある。
そのため、直流型放電表示管用の陰極形成材料に関して
様々な提案が成されているが、未だに満足なものは得ら
れておらず、更なる改善が必要である。
この直流型放電表示管用の陰極形成材料に要求される条
件としては以下のようなことが挙げられる。すなわち、 ■仕事関数が低く、二次電子放射効率が高いこと、 ■イオン衝撃に強く、飛散しにくいこと、■導電性であ
ること、 ■放電ガス吸蔵が少ないこと、 ■製造が容易であること、 ■構造が複雑にならないこと、 等である。
これらの条件の内■以降を満足する陰極形成材料として
は金属が使用し得るが、金属は通常イオン衝撃に弱いの
で管内封入ガス(放電ガス)に水銀を混入してこれを防
止する必要があった。しかしながら、このようにしてF
e族あるいはこれらの合金等の金属を陰極形成材料とし
て使用しても、条件■に関しては充分なものはなかった
。そのため、金属を用いた従来の直流型放電表示管の動
作電圧は上述のように高いものであった。
この問題を解決するために従来から様々な方法が試みら
れてきた。
例えば、金属等の導電性材料を低仕事関数材料、例えば
MgO,Bad、Cab、SrO等で被覆する方法があ
る。しかしこの方法には次のような欠点があり、実用化
には至っていない。すなわち、上記絶縁物を使用する場
合にはトンネル現象を利用するので、その膜厚は100
人程変色薄く均一でなければならない。この様な膜形成
は容易ではなく、多くの電流を流すことも難しい。また
、充分な輝度を得るべく多くの電流を流すと絶縁破壊で
膜を損傷する恐れがあり、さらにイオン衝撃に対する強
度に関しても膜が薄いので充分とはいえなかった。
また、他の方法としては、希土類元素やアルカリ土類金
属の硼化物、窒化物、炭化物等の高融点導電性化合物で
かつ低仕事関数材料であるものを使用する方法がある。
しかし、これらは高融点であることから一般に陰極形成
が容易ではなく、さらに、その形成の際に酸化性雰囲気
を使用できないものが多い。また、これらの内で耐酸化
性の強い硼化物、特にL a B 6、Ce B b等
を用いて容易に陰極形成する方法も提案されている(特
開昭f10−221926〜60−221928号公報
等)。しかし、これら非酸化物導電性材料による陰極は
次のような欠点を有することが判明した。すなわち、一
般に放電表示管の動作電圧を低減する方法とじてペニン
グガスが使用されるが、上記非酸化物陰極は放電を継続
するとガスを吸蔵し、放電ガス組成が変動してしまい、
ペニング効果が減少して動作電圧が上昇する。なお、単
独ガス組成のものを用いればこのような欠点は生じない
が、ペニングガスに比べて動作電圧は相当高くなってし
まう。また、Hgを同時に封入することによっである程
度ガス吸蔵を防ぐことができるが、動作電圧が上昇して
しまう。
また最近、アルミナを固溶した酸化亜鉛を陰極として使
用するとHgを封入しない放電ガスにおいても耐スパツ
タ性が高いことが発表されている(1990年テレビジ
ョン学会年次大会抄録、第79〜80頁)。しかしなが
ら、上記の導電性酸化物にはガス吸蔵の問題点はないも
のの、動作電圧の低減化は充分に達成されていない。
従って、従来の直流型放電表示管においては、充分低い
動作電圧を長期に亘って安定して印加させることは困難
であるのが現状であった。
本発明はこれら従来技術の問題点に鑑みてなされたもの
で、直流型放電表示管の陰極形成材料にガス吸蔵が少な
く、低仕事関数で、二次電子放射効率が高く、イオン衝
撃に強い導電性物質を使用することによって、動作電圧
の低減化および安定化、高輝度化、色純度の向上が可能
でかつ製造の容易な放電表示管を得ることを目的とする
。さらに、本発明は、上記放電表示管の陰極形成に有用
な導体組成物を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記した従来技術の問題点を解決すべく
鋭意検討した結果、Ia族元素を含有するスピネル型結
晶構造を有する導電性酸化物を陰極形成材料として使用
することによって上記目的が達成されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の放電表示管は、その陰極形成材料が、
元素周期律表のIa族元素を構成元素とするスピネル型
結晶構造を有する導電性酸化物を包含することを特徴と
する直流型放電表示管である。
また、本発明の他の放電表示管は、その陰極形成材料が
、スピネル型結晶構造を有する酸化物に組成式(1):
X2O [式(1)中、Xは元素周期律表のIa族元素
から選ばれる少なくとも1種を示す]で表される酸化物
を固溶させてなる導電性酸化物を包含することを特徴と
する直流型放電表示管である。
以下、本発明の直流型放電表示管についてさらに詳しく
説明する。
本発明の直流型放電表示管においては、陰極形成材料と
してスピネル型結晶構造を有する酸化物(以下、スピネ
ル型酸化物という)を使用する。
そして、本発明にあっては、 ■上記酸化物が元素周期律表のIa族元素を構成元素と
する導電性のものであること、および/または ■上記酸化物に組成式(1):X2O [式(1)中、
Xは元素周期律表のIa族元素から選ばれる少なくとも
1種を示す]で表される酸化物を固溶させた導電性のも
のであること が必要である。どちらの場合も本発明に係る導電性酸化
物中にIa族元素が含有されるこ、とが要求されるが、
それはその場合に動作電圧が格段に低減されるからであ
る。ここでIa族元素とはLilNaSK%Rb5Cs
SFrからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
前者(■に記載の酸化物)のスピネル型導電性酸化物と
しては種々の構成元素からなるものが知うレテオリ、例
えばLIT12O4 、LiV2O4等が挙げられる。
他方、後者(■に記載の酸化物)において組成式(1)
で表される酸化物を固溶させるスピネル型酸化物は必ず
しもPe、 04等のように導電性である必要はなく、
絶縁性のものであっても上記固溶によって導電性になる
ものであればよい。従って、種々のスピネル型酸化物が
使用でき、組成式(1)で表される酸化物を充分量固溶
させることができかつ動作電圧をより低くできるものが
好ましい。
もちろん、■に記載の酸化物に組成式(1)で表される
酸化物を固溶させてもよい。
組成式(1)で表される酸化物の固溶量はスピネル型酸
化物の種類に応じて適宜選択され、固溶のし易さ、安定
性、導電性、動作電圧等を勘案して決定される。一般に
、本発明に係る導電性酸化物の陽イオン中にIa族元素
が1 ato−%以上存在すると動作電圧低減効果が充
分に奏される傾向がある。
本発明において陰極形成材料として用いる上述の導電性
酸化物はいずれも、単一種類のものであっても、複数種
類のものの混合物であってもよい。
本発明の放電表示管にあっては、上記導電性酸化物を陰
極形成材料とすること以外は特に制限されず、他の構造
は従来公知の直流型放電表示管と同様であってもよい。
例えば、下面に陽極を有する陽極基体(例えば前面ガラ
ス)と、上面に陰極を有する陰極基体(例えば背面ガラ
ス)と、両基体の間を封止して両極の間に放電セルを形
成するための隔壁とを具備し、かつ該放電セルにペニン
グガス等のガスを封入した直流型放電表示管等が挙げら
れる。
本発明の放電表示管の陰極は、上記導電性酸化物を陰極
形成材料として含有するものであればよく、本発明の効
果に悪影響を及ぼさない範囲で粘結成分等の他の成分を
含有してもよい。また、本発明に係る陰極の形状は任意
であり、膜状、テープ状等適宜選択される。
さらに、例えば複数の放電セルが共通の陰極で連結され
る場合、陰極の抵抗値が高いと両端での放電特性やエー
ジング特性に差があって都合が悪い。このような場合、
比抵抗の小さな導電性酸化物を選択するか、陰極の厚さ
を大きくすることが好ましい。
また、陰極の抵抗値が高い場合、本発明においては上記
陰極の下に金属層を形成しても有効である。放電特性は
主に表面で決定されるので下地金属は任意のものが選択
でき、また金属は充分低抵抗であるので上にのる導電性
酸化物の抵抗は厚み方向のみを考えれば良くなる。従っ
て、比抵抗がlO°Ω・C■(300°K)程度の導電
性酸化物でも充分使用可能である。この方法の他の利点
としては、陰極を外部回路と接続する場合、金属層を用
いかつその一部を露出させておけば、通常のハンダ性、
ボンディング性、メツキ性等に問題がないパターンを一
括して形成できることである。
また、本発明の放電表示管にあっては、陰極がイオン衝
撃に強いことから管内封入ガスに有毒なHgを含ませる
必要がなく、従ってHgを含有しない封入ガスを使用す
ることが好ましい。
次に、本発明に係る酸化物陰極の好ましい製造方法につ
いて説明する。
通常の直流型放電表示管においては陰極は膜状で表示パ
ターンに合わせたパターン形状に形成されるので、以後
これに沿って説明する。
本発明に係る上述の導電性酸化物はいわゆる酸化物セラ
ミックであるので、通常のセラミック膜成形方法、例え
ばスプレー、印刷、ドクターブレード、スパッタ、蒸着
等の各種方法が適用できる。
また、膜のパターニングには、通常の厚膜、薄膜の各種
技術が適用できる。
ところで、一般に直流型放電表示管はフラット型に形成
する場合、その陰極は低コストのガラス板(基体)上に
形成される。低コストのガラスは耐熱性が低く、適用で
きる温度は600℃位である。
従って本発明に係る導電性酸化物のうち融点が低いもの
でもその膜を温度のみによって固着することは困難であ
る。この場合、スパッタや蒸着が一般に適用されるが、
これらの装置は一般に高価であり、しかも量産性に優れ
たものとはいいがたい。
成膜されたものをエツチング等でパターニングする方法
も同様である。さらに、抵抗を下げるために膜厚を大き
くすれば一層高コストになる。
本発明者等は、以下に詳述する本発明の陰極形成用組成
物を用いると、通常の厚膜技術で使用される印刷技術等
によ7て本発明に係る酸化物陰極を容易に製造すること
ができることを知見した。
すなわち、本発明の陰極形成用組成物は、元素周期律表
のIa族元素を構成元素とするスピネル型結晶構造を有
する導電性酸化物の平均粒径0.1〜30μ麿の粉体を
液体ビヒクル中に分散させてなることを特徴とするもの
である。
また、本発明の他の陰極形成用組成物は、スピネル型結
晶構造を有する酸化物に組成式(I):X2O[式(1
)中、Xは元素周期律表のIa族元素から選ばれる少な
くとも1種を示す]で表される酸化物を固溶させてなる
導電性酸化物の平均粒径0.1〜30μmの粉体を液体
ビヒクル中に分散させてなることを特徴とするものであ
る。
上記導電性酸化物の粉体はいずれも一般のセラミック粉
体と同様の方法で製造可能である。例えば、原料を溶融
あるいは固相反応させたものを粉砕するか、あるいは溶
液中で原料を反応させて所望の粉体を沈殿させる方法が
一般的である。上記粉体は平均粒径が0.1〜30μ−
であることが必要である。0.1μmより小さいと、被
着形成される陰極膜における粉体密度を大きくすること
が難しく、放?l!m圧の上昇をきたしたり、電極寿命
の短縮を招く。他方、30μmより大きいと、微細なバ
ターニングが困難な上、粉体同志の充分な結合性が得ら
れない。
本発明の陰極形成用組成物に使用する液体ビヒクルは特
に制限されず、樹脂を溶剤に溶解させたものが一般的で
ある。樹脂としてはエチルセルロース、ニトロセルロー
ス、アクリル等、他方、溶剤としては各種セロソルブ、
エステル類、パインオイル等が好ましい。上記粉体を液
体ビヒクル中に分散させて本発明の陰極形成用組成物を
調整する際には、一般の厚膜印刷ペーストと同様の技術
が適用できる。
また、本発明の陰極形成用組成物には、加熱工程におい
て前述の溶剤や樹脂が飛散した後でも上記粉体を基体に
被着させておくための粘結成分を添加することが好まし
い。当該分野では各種の粘結成分が知られており、これ
を粉体として添加するのが一般的な手法である。一般的
な粘結成分としてはガラスが例示され、例えば5in2
−82O、−BaO系、5i02  B2O3−pbo
系、B2O3−ZnO系等、またこれらに各種の添加成
分を付加したガラス組成が例示できる。また、他の粘結
成分としてB2O5等の低温で融解する結晶性のものも
利用できる。もちろん、導電性酸化物粉体自身に粘結性
がある場合は、粘結成分を別に添加する必要はない。
本発明の陰極形成用組成物を構成する諸成分の比率は各
種特性に基づいて適宜簡単な実験によって良好な値が設
定されるが、上記粘結成分の含有量は上記粉体100容
量部に対して0〜67容量部が好ましい。粘結成分量の
下限は上記粉体と基体との粘結力により決まり、上限は
電気特性の劣化が充分小ない範囲で定められる。通常、
67容量部を越えると抵抗が高くなったり、陰極形成物
と粘結成分との反応が多くなり、放電特性が劣化する傾
向があるので好ましくない。
また、本発明の陰極形成用組成物の粘度は1万〜40万
センチポイズが好ましい。粘度がこの範囲外になると適
正な精度のパターンで適正な膜厚を形成することが困難
となる傾向にあるからである。
なお、上記例示したちの以外でも当該分野における既知
の技術が広汎に利用できることはもちろんである。
本発明に係る酸化物陰極の好ましい製造方法においては
、上述の導電性酸化物粉体を用いて、より好ましくは本
発明の陰極形成用組成物を用いて基体上に陰極パターン
を形成する。続いてこれを乾燥、焼成して、粘結成分あ
るいは導電性酸化物粉体自身で固着した導電性酸化物の
膜が形成される。焼成温度は基体や粘結成分等により選
択され、例えば基体にソーダライムガラスを使用する場
合は600℃が上限である。これより高温ではガラス基
体の変形が大きくなる。
なお、このような焼成温度では一般に本発明に係る導電
性酸化物粉体の大部分は充分に焼結しない。従って、剛
性の大きいセラミック粉体である導電性酸化物は各粉体
同志の接触のみで連結され、たとえ粉体の比抵抗が小さ
くても、パターン形成された膜の抵抗は非常に大きくな
り、多数のセルの均一放電が困難となる傾向にある。
そこで、上述した如く、基体上に金属膜のパターンを形
成しておき、この金属パターン上に前記陰極パターンを
形成することが好ましい。さらに、この金属パターン上
に陰極パターンを形成する際、放電面に対して全金属膜
を陰極形成材料で覆うと有効である。このようにすると
金属のスパッタを考慮する必要がなくなり、例えばA 
g s A u、AI、Cu、Ni等の任意の金属を封
入ガスにHgを添加することなく使用できる。上記金属
パターンの形成については、通常の厚膜、薄膜技術等が
適用できる。上述のごとく構成することによって多数セ
ルの放電を均一に起こさせることが可能となる。
ところで、前述の導電性酸化物粉体の接触のみでは放電
々流は充分にかつ安定に流れないはずである。しかし、
上記本発明によって製造された酸化物陰極にあっては、
放電エネルギー、すなわちイオン衝撃や放電々流による
ジュール加熱により陰極形成材料の膜が充分焼結される
ことが判明した。従って、本発明に係る製造方法おいて
は放電により陰極形成材料を焼結させることが好ましい
例えば、LaB6の如き融点が2O00℃を越えるもの
でも充分焼結させることが可能である。このとき、陰極
形成材料より低融点であるか、陰極形成材料と反応して
低融点物質を生成させる焼結助剤を添加する方法も利用
できる。また、通電を補うため微量の金属を陰極中に添
加することも有効であり、本発明の範鴫に入るものであ
る。
このように放電によって陰極形成材料を焼結させるには
、その放電初期において通常の動作電圧以上の電圧が一
般に必要である。かかる状態は短時間で終了するのであ
るが、このまま一定電圧を付加すると過剰な電流が流れ
て、スパッタ量が過大になって好ましくない。従って、
時間と共に順次電圧を降下させることが望ましい。ある
いは定電流電源にて放電を生起させるのも有効な方法で
ある。これら一連の操作は、通常の金属陰極の場合にエ
ージング処理で行なわれる操作と類似したものであり、
特に煩雑なものではない。
なお、上述の製造方法は、本発明に係る酸化物陰極の好
ましい製造方法であるが、特にこの方法に制限されるも
のではない。
[作 用] 一般にIa族、Ila族、ma族元素の酸化物は仕事関
数が低いことが知られているが、これらの元素の単独酸
化物には充分な導電性を示すものはない。ところが、I
a族元素を構成元素とする本発明に係るスピネル型導電
性酸化物、あるいはスピネル型酸化物にIa族元素の酸
化物を固溶させた本発明に係る複合酸化物にあっては充
分な導電性を有するものが多く得られる。しかもそれら
は上記単独酸化物と類似の構造を表面の一部あるいは全
体に有していると考えられる。これが本発明に係る導電
性酸化物の仕事関数が低く、かつ二次電子放射効率を高
くする理由と思考される。
また、ガス吸蔵に関しては以下のように考えられる。
導電性非酸化物陰極においては放電ガスを吸蔵しペニン
グガスの効果を利用できない。この現象はペニングガス
を使用して放電を継続した場合、動作電圧が時間と共に
増加し最終的には単独ガスの動作電圧になってしまうこ
とである。更に直接的には、放電時間と共に吸蔵ガスに
よる発光スペクトル強度が弱くなることで判明する。
この場合、Hgを同時に封入することによってガス吸蔵
を防ぐことができるが、動作電圧が上昇してしまう。ま
た、Hgの可視発光スペクトルにより色純度の低下も生
じる。しかるに本発明に係る導電性酸化物陰極において
はHgを封入しなくてもガス吸蔵が発生しないか、発生
してもそれは非常に少ない。この原因は明らかではない
が次のように考えることができる。すなわち、酸化物は
大きな酸素イオンが密につまっているので隙間が小さく
、それによりガス吸蔵が起こり難いか、あるいは何らか
の現象、例えば極く表面の融解層ができ、ガス吸蔵が起
こっても同程度以上のガス放出がなされるといった保護
作用がある可能性がある。また、通常使用される希ガス
との親和力が小さいとも考えられる。
いずれにしても本発明に係る導電性酸化物陰極はペニン
グガスをHg封入なしで有効に使用し得る。
次にイオン衝撃性について説明する。
一般に直流型放電表示管の陰極はイオン衝撃によってス
パッタされる。スパッタによって飛散される物質により
、蛍光体が汚染されたり、ガラスの光透過率が低減した
り、電極間の絶縁性を低下させる。このスパッタを低減
するための簡単な方法は、高融点物質を使用して緻密な
陰極を構成することであり、導電性非酸化物の適用はこ
の点では成功している。他方、金属、例えばNiにおい
てはスパッタの緩衝層をHg封入することにより形成し
てスパッタを防いでいる。
本発明に係る導電性酸化物においてはNiの融点に比し
てそれ程高くないものや低いものもあるが、充分な耐ス
パツタ性を有する。例えば、5000時間の放電を経た
後の輝度低下や電極間の絶縁性の低下も問題とならない
量である。この原因の一つは動作電圧の低下によるイオ
ンエネルギーの低下である。また、明らかではないが、
陰極の極く表面の融解等による緩衝作用があるとも考え
られる。
従って、本発明に係る酸化物陰極は、多数セルの放電に
際して均一にかつ安定に動作させることができるもので
あり、従来の陰極形成材料に対してはるかに動作電圧が
低いものである。また、本発明に係る酸化物陰極はガス
吸蔵が少ないので、ペニングガスの使用も可能である。
さらに、イオン衝撃に強いことから、有毒であるHgを
封入する必要がない。そのため、安全性に優れ、かつコ
スト的に安価であるばかりでなく、Hgの可視発光スペ
クトルがないのでカラー放電表示管においては色純度も
良好となるのである。
[実施例] 以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳
しく説明する。
比較例1においては市販のNiペースト(デュポン社製
、商品No、9535 )を用い、その他は各々下記の
方法で得た陰極形成用組成物を用いた。すなわち、第2
表に記載の陰極形成材料を先ず5μm以下の粒度に粉砕
し、平均粒径l〜3μmとなるように整粒した。次に、
得られた陰極形成材料粉体100容量部に対して5i0
2 B2O3−PbO系低融点ガラス粉体(ノリタケカ
ンパニーリミテド社製、商品No、NP−7903)を
6容量部混合し、さらにエチルセルロースをブチルカル
ピトールアセテートに溶解した液体ビヒクルと共に混練
して、粘度が10万〜2O万センチポイズのペースト状
の陰極形成用組成物を作成した。
続いて、上記の各陰極形成用組成物を、ガラス板上に形
成された下地金属上に、焼成後の膜厚が約IOμ曙とな
るように印刷して陰極パターンを形成した。そしてその
陰極パターンを乾燥後、空気中あるいは窒素中で580
℃で焼成して陰極を得た。
その際、陰極形成材料で下地金属パターンの放電部が被
覆されるようにバターニングした。陰極パターンの下地
金属としては、比較例1のみNiペーストを用い、他は
市販のAgペースト(デュポン社製、商品No、771
3 )を基体上に印刷して形成した。
このようにして作成した陰極が形成されたガラス板と、
別に作成した陽極が形成されたガラス板とを組み合わせ
、直流型放電表示管を作成した。
作成した直流型放電表示管の主な仕様を第1表に示す。
第1表 陽極材料:ITO(インジウム−錫酸化物)放電ガス:
Ne−Ar(1,0%) 300 Torr(比較例1
と2はHg封入) 電極間距離: 0.+3 +u+ このようにして作成した直流型放電表示管の各々につい
て150〜300 V 、 12〜24 hrsの条件
でエージングを行ない、充分安定した後に放電維持電圧
を測定した。結果を第2表に示す。なお、ここでいう放
電維持電圧とは、放電をおこしたセルの放電が電圧の降
下によって停止する直前の電圧とする。
さらに、上記の各々の放電表示管に関して1000時間
放電後に輝度測定したところ、比較例3以外は同一電流
値における初期輝度からの劣化はいずれも10%以内で
あり、耐スパツタ性は良好であった。比較例3において
は輝度劣化が著しく、1000時間放電を継続させるに
は140V必要であった。
酸化物(b)を(数値)so1%固溶させた導電性酸化
物。
本2 : 1000時間放電を継続させるには140v
必要であった。
*3:Al2O3を0.5vt%固溶。
第2表に示された結果から明らかなように、ペニングガ
スを使用しかつHgを封入しない直流型放電表示管にお
いて本発明に係る陰極形成材料を用いた実施例1〜8の
放電表示管は、従来のNi陰極を用いかつ放電ガスにH
gを封入した比較例1、LaB、陰極を用いかつ放電ガ
スにHgを封入した比較例2、Al2Ogを0.5vt
%固溶したZnO陰極を用いた比較例4よりもはるかに
動作電圧の低減化が可能であり、しかも他の放電特性も
良好であった。
また、実施例1〜8の放電表示管は、Ia族元素を含有
しないスピネル型導電性酸化物を陰極形成材料として用
いた比較例5よりも動作電圧の低減化が可能であり、他
の放電特性も良好であった。
このように、実施例1〜8の放電表示管は放電維持電圧
が低いことから、本発明に係る導電性酸化物は仕事関数
が低くかつ二次電子放射効率が高いものであることが示
された。
また、放電ガスにHgを封入せずにLaB6陰極を用い
た比較例3の直流型放電表示管は、初期の放電維持電圧
は低いものの、ガス吸蔵性に劣るものであった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の放電表示管によれば以下
のような効果が奏される。
■動作電圧を従来のものより低減可能であり、しかもそ
の低動作電圧を長期に亘って安定して印加させることが
可能となる。それによって駆動回路のコストが低減でき
、また発光効率の向上が可能となるので高輝度化が図れ
、さらに消費電力の低減が可能となる。
■放電ガスにHgを封入する必要がなくなり、従って環
境衛生上好ましく、コストも低減できる。
さらにカラー放電表示管おいてはHgの可視発光スペク
トルがないので色純度が向上する。
■本発明の放電表示管は厚膜技術等、従来公知の技術を
利用して容易に作成可能であり、新規なコスト増加およ
び新規の設備投資は特に必要ではない。
また、本発明の陰極形成用組成物を用いると、上記酸化
物陰極を簡便かつ安価に製造することが可能となる。従
って、本発明の陰極形成用組成物は本発明の放電表示管
を製造する際に゛好適に採用される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、直流型放電表示管であって、その陰極形成材料が、
    元素周期律表の I a族元素を構成元素とするスピネル
    型結晶構造を有する導電性酸化物を包含することを特徴
    とする放電表示管。 2、直流型放電表示管であって、その陰極形成材料が、
    スピネル型結晶構造を有する酸化物に組成式(1):X
    _2O[式(1)中、Xは元素周期律表の I a族元素
    から選ばれる少なくとも1種を示す]で表される酸化物
    を固溶させてなる導電性酸化物を包含することを特徴と
    する放電表示管。 3、前記導電性酸化物を陰極形成材料としてなる膜状の
    陰極の下に金属層を形成する、請求項1または2に記載
    の放電表示管。 4、前記放電表示管における管内封入ガスがHgを含ま
    ないものである、請求項1〜3のうちのいずれかに記載
    の放電表示管。 5、元素周期律表の I a族元素を構成元素とするスピ
    ネル型結晶構造を有する導電性酸化物の平均粒径0.1
    〜30μmの粉体を液体ビヒクル中に分散させてなるこ
    とを特徴とする、放電表示管の陰極形成用組成物。 6、スピネル型結晶構造を有する酸化物に組成式(1)
    :X_2O[式(1)中、Xは元素周期律表の1a族元
    素から選ばれる少なくとも1種を示す]で表される酸化
    物を固溶させてなる導電性酸化物の平均粒径0.1〜3
    0μmの粉体を液体ビヒクル中に分散させてなることを
    特徴とする、放電表示管の陰極形成用組成物。 7、前記粉体と、該粉体100容量部に対して0〜67
    容量部の粘結成分とを液体ビヒクル中に分散させてなる
    、請求項5または6に記載の陰極形成用組成物。
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