JPH0415765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気吸引力を利用して走行する磁気吸
引式走行車両のまくらぎに関するものである。

例えば磁力の反発力を利用して車両を浮上させ
て車両を走行させる方法が存在するが、この方法
は走行中における車両の安定性の点で問題があつ
た。

そこでこの問題を解決する為に近時では、磁力
の吸引力を利用する走行方法の研究開発が進めら
れている。

この走行方法は、車輪を介してレール上にリニ
アモータ（一次側）付きの車両を搭載し、他方、
レール側には進行方向に沿つてリニアモータと対
向してリアクシヨンプレート（二次側）を配置
し、地上のレール側に固定したリアクシヨンプレ
ートとリニアモータとの間に磁力による吸引力を
発生させる事によつて車両をレール側に積極的に
押付けた状態で磁気の作用で前進させる方式であ
る。

このように車輪とレールの組み合せを利用して
いる為、安定性を著しく向上させる事が可能とな
つた。

ところで、前記磁気吸引式走行車両を走行させ
た場合、リアクシヨンプレートが車両側に吸引さ
れて車両の走行方向に波打つように変形する事が
予想される。

リアクシヨンプレートはリニアモータ側に吸引
される際の撓みを最小に押えるために、このプレ
ートを載置するまくらぎ上に強固に固定されてい
る。

そのため、リアクシヨンプレートが無理に撓む
とリアクシヨンプレートを損傷する事が予想され
る。

本考案はこの様な点に鑑みなされたもので、リ
アクシヨンプレートの撓みを許容して、リアクシ
ヨンプレートの損傷を防止できる磁気吸引式走行
車両のまくらぎを提供する事を目的とする。

すなわち、本考案は中央にリアクシヨンプレー
トを設置する載置台を突設し、その両側にレール
敷設台を設け、載置台の頂部に上向きに突出させ
た多角面あるいは曲面の面取り部を形成したこと
を特徴とする、磁気吸引式走行車両のまくらぎに
関するものである。

次に図面に基きながら本考案の実施例について
説明する。

［イ］ まくらぎ本体 本考案のまくらぎ１はリアクシヨンプレートを
載置して固定できる構造であれば良い。

例えば第１図にまくらぎの全体を示すが、この
まくらぎ１は角柱体の中央にリアクシヨンプレー
ト２を載置する載置台３を突設し、その両側には
レール４を搭載する敷設台５を形成したものであ
る。

そして、まくらぎ１の中央から等距離の位置に
２個所の載置台３を突設し、この載置台３の中間
にはまくらぎ１の長手方向を横断する方向に連続
して空冷溝３１を開設する場合もある。

載置台３の高さはレール４上を走行中に車両の
腹部に設置した公知のリニアモータ（図示せず）
に密着しない程度の僅かな間〓を残す高さに形成
する。

［ロ］ 本考案の載置台 本考案のまくらぎ１は、車両が走行する際にリ
アクシヨンプレート２が変形力を受けて走行方向
に波打つた場合を予測して、あらかじめ、変形す
るリアクシヨンプレート２の下面が載置台３の角
部に接触しないようにその上面の全部または一部
を上向きに突出させた多角面あるいは曲面に形成
することを特徴とする。

すなわち、載置台３の頂部において車両の走行
する方向に、丸みをつける等して切り落す。

その結果、載置台３の頂部には面取り部３２が
形成される。

また、この面取り部３２は載置台３の頂点を挾
んで両側に形成する他に、リアクシヨンプレート
２の変形が大きい側に形成する等のように少なく
ともいずれか一方に形成する場合もある。

なお、まくらぎ１は空冷溝３１を開設せずに載
置台３を連続して形成するタイプでも良い。

［ハ］ レール敷設台 載置台３の両裾部にはまくらぎ１の長手方向を
横断する方向に敷設台５を開設する。

敷設台５の底面５１上には公知の締結装置５３
等でレール４の下辺部を固定する。

［ニ］ リアクシヨンプレート リアクシヨンプレート２は帯状鉄板等の母材に
銅板、あるいはアルミ板、ジユラルミン板等の合
せ材を接着、圧延、リベツト接合あるいは爆着等
によつて形成した板体である。

このリアクシヨンプレート２を載置台３上に搭
載して固定金具７で固定する。

次に、本考案のまくらぎの使用状態について説
明する。

［イ］ まくらぎの敷設 第１図に示すように道床上に前記構造のまくら
ぎ１を一定の間隔に配置して固定する。

各まくらぎ１の敷設台５にはレール４を、各載
置台３間にはリアクシヨンプレート２をそれぞれ
連続して敷設する。

［ロ］ 走行中 車両が各リアクシヨンプレート２上を通過して
いく際、リアクシヨンプレート２を支持する載置
台３の頂部に多角面あるいは曲面の、丸みのつい
た面取り部３２を形成してあるので、各プレート
２の変形は阻止されることなく、また載置台３の
面取り部３２と衝突する心配もまつたくなく、車
両が通過するまでの間の変形が許容される。

［ハ］ その他の実施例 第３図に示すように載置台３の面取り部３２と
リアクシヨンプレート２の間に公知の弾性材から
なる緩衝材６を配置する場合もある。

この緩衝材６は楔状の断面を有し、先端部に半
円形の係止体６１を突設して形成する。

さらに、載置台３の面取り部３２には係止体６
１に対応する位置にまくらぎ１の長手方向に凹部
３３を凹設する。

本実施例のようにまくらぎ１とリアクシヨンプ
レート２の間〓間に緩衝材６を配置すると、リア
クシヨンプレート２が変形する際のシヨツクを緩
衝材６で吸収できるだけでなく、係止体６１が凹
部３３に係止するので、繰り返し荷重や振動によ
つて緩衝材６が脱落しないというメリツトがあ
る。

本考案は以上説明したようになるので次のよう
な効果を期待する事ができる。

〈イ〉 車両が通行する際のリアクシヨンプレー
トの変形に応じて、このリアクシヨンプレート
の下面と衝突が予想される載置台の角部を切り
落してあるので、リアクシヨンプレートおよび
まくらぎを破損する心配が無くなり走行の安全
性が向上する。

〈ロ〉 載置台の頂部に形成する面取り部はまく
らぎをコンクリート等で一体成形すれば容易に
形成できる。

〈ハ〉 載置台の面取りを行つた結果、数個のま
くらぎを生産する場合には僅かなコンクリート
の節約に過ぎないが、何千、何万個と言うよう
に大量に製造する場合には大幅にコンクリート
が節約でき、経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案に係るまくらぎの説明図、第２
図：第１図における−の断面図、第３図：そ
の他の実施例の説明図。 １……まくらぎ、２……リアクシヨンプレー
ト、３……載置台、４……レール、６……緩衝
材、３１……空冷溝、３２……面取り部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央にリアクシヨンプレートを設置する載置台
   を突設し、 その両側にレール敷設台を設け、 載置台の頂部に上向きに突出させた多角面ある
   いは曲面の面取り部を形成したことを特徴とす
   る、 磁気吸引式走行車両のまくらぎ。