JPH041536B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、衛星通信用受信装置、さらに詳しく
云えば本受信装置に具備されている低雑音増幅回
路の現用・予備の切り替えに関する。

衛星通信用受信装置における低雑音増幅器が正
常に増幅しているか否かを判定するには出力レベ
ルをモニタする必要がある。しかし、低雑音増幅
器をモニタするには出力レベルが低いことおよび
複数波の受信信号を共通に増幅していることから
問題がありそのため従来は復調したのちの雑音レ
ベルを検出し、その検出レベルによつて低雑音増
幅器の切替えを行つていた。

以下にこの切替方法を図面によつて説明する。
第１図は衛星通信の受信系の系統図である。アン
テナ１に受信された入力信号は切替器２を通つた
後、現用低雑音増幅器３によつて増幅され、切替
器５を通つた後、分波器６に入力される。予備低
雑音増幅器４は動作しておらず、待機状態となつ
ている。分波器６で分波された信号波は受信周波
数変換器７，８，９によつてそれぞれ自動利得制
御されるとともに所定の周囲数に変換され、変換
された信号波は中間周波切替器１０によつて復調
器１１，１２，１３に入力され、それぞれ復調さ
れる。各復調器１１，１２，１３には雑音検出回
路１４，１５，１６が接続されており、この雑音
検出回路１４，１５，１６により各復調信号の雑
音レベルが検出されている。この雑音レベルは切
替器駆動回路１７に表示されており、すべての雑
音レベルが所定のレベル以下に低下したとき、現
用低雑音増幅器３の異常とみなすことができる。
したがつて、手動により切替器駆動回路１７を動
作させることにより切替器２，５を駆動し、信号
経路を現用低雑音増幅器器３側から予備低雑音増
幅器４側に切替えることができる。しかしなが
ら、この切替方法では、すべての雑音検出回路１
４，１５，１６でレベル低下を検出する原因が、
低雑音増幅器３の異常によるものか、中間周波切
替器１０の異常によるものか判別できなかつた。
また、受信周波数変換器７，８，９と復調器１
１，１２，１３との組合わせにおける異常による
ものかも判別できなかつた。後者の例としては例
えば、受信周波数変換器７、復調器１２、受信周
波数変換器９が故障した場合が考えられるが、こ
の場合雑音検出回路１４，１５，１６はすべてレ
ベル低下を検出するため低雑音増幅器３の異常と
区別することができなかつた。

本発明の目的は自動利得制御（AGC）機能を
有する複数の受信周波数変換器の出力レベルをモ
ニタすることにより現用低雑音増幅器のみの正
常、異常を検出し、自動的に予備低雑音増幅器に
切替える衛星通信用受信装置を提供することにあ
る。

前記目的を達成するために本発明による衛星通
信用受信装置はその入出力側に設けられた切替器
によつて切替可能な現用と予備の低雑音増幅器を
備え、通常はアンテナから受信信号を前記現用低
雑音増幅器で増幅、その増幅した信号を分波器で
分波し複数の受信周波数変換器で各々中間周波数
に周波数変換するとともに自動利得制御により出
力レベルを一定レベルにするように増幅する衛星
通信用受信装置において、前記複数の受信周波数
変換器の出力レベルをモニタし、前記複数の受信
周波数変換器のすべての出力レベルが所定レベル
より低下したことを検出し、その低下を示す信号
によつて前記切替器を駆動し、前記現用低雑音増
幅器を信号経路より切離し前記予備低雑音増幅器
を挿入するように構成してある。

前記構成によれば現用低雑音増幅器の故障を確
実に検出できるので、現用低雑音増幅器が故障し
た場合のみ自動的に予備低雑音増幅器に切替えを
実施し従来の問題は解決される。

以下、図面等を参照して本発明をさらに詳しく
説明する。第２図は本発明による衛星通信の受信
系の実施例である。図において、第１図と機能お
よび構成が変わらない回路部には第１図のその回
路と同じ符号を付してある。分波器６によつて分
波される信号波をそれぞれ自動利得制御を行なう
とともに所定の周波数に変換する受信周波数変換
器２７，２８，２９の内部にはそれぞれの変換出
力レベルを監視する回路が設けられている。この
回路は変換出力レベルが一定レベルより低下した
とき、例えば“１”の出力レベル警報信号を出力
するように構成されている。切替駆動回路３０は
すべての受信周波数変換器の監視する回路出力に
接続されており、すべての監視する回路より
“１”の出力レベル警報信号を受けたとき切替器
２，５を切替えるように構成されている。したが
つて複数の受信周波数変換器２７，２８，２９の
１台のみが“１”の出力レベル警報信号を発して
も切替駆動回路３０は動作することはない。この
場合は単に出力レベル警報信号を送出している受
信周波数変換器のみが異常で現用低雑音増幅器は
正常である。

第３図は受信周波数変換器の出力レベルを示す
グラフで、変換器出力の正常、異常を説明するた
めの図である。縦軸は受信周波数変換器の自動利
得制御による出力レベルを、横軸は受信周波数変
換器の入力レベルを示している。受信周波数変換
器は入力信号と雑音の和を増幅し、上述のように
一定の出力レベルにする自動利得制御機能を有し
ている。したがつて所定の入力レベルから出力レ
ベルは一定で受信信号が正常に標準入力レベルで
受信されているときは出力レベル２０上の２１の
点が動作点となる。受信信号がないときは低雑音
増幅器で増幅された雑音が入力され、２２の点で
動作し、一定値の雑音レベルが出力される。低雑
音増幅器の動作不良のときは低雑音増幅器の利得
分だけ入力の雑音が低下するため出力レベルは
AGCレベルより低下し、２３の点で動作する。
このとき監視する回路は“１”の出力レベル警報
信号を出力する。

以上、詳しく説明したように本発明によれば複
数の受信周波数変換器の出力雑音レベルを検出す
ることによつて低雑音増幅器の故障による切替え
を確実に行え、かつこれにより従来より衛星通信
用受信装置が簡素化される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の衛星通信の受信系の系統を示す
図、第２図は本発明による衛星通信用受信装置の
実施例を示す図、第３図は受信周波数変換器の動
作を示すグラフである。 １……アンテナ、２，５……切替器、３……現
用低雑音増幅器、４……予備低雑音増幅器、６…
…分波器、７，８，９，２７，２８，２９……受
信周波数変換器、１０……中間周波切替器、１
１，１２，１３……復調器、１４，１５，１６…
…雑音検出回路、１７，３０……切替器駆動回
路、２０……受信周波数変換器の自動利得制御に
よる入力レベル対出力レベルの特性、２１……標
準入力レベルのときの動作点、２２…入力信号の
ないときの動作点、２３……低雑音増幅器が動作
不良のときの動作点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ その入出力側に設けられた切替器によつて切
   替可能な現用と予備の低雑音増幅器を備え、通常
   はアンテナからの受信信号を前記現用低雑音増幅
   器で増幅し、その増幅した信号を分波器で分波し
   複数の受信周波数変換器で各々中間周波数に周波
   数変換するとともに自動利得制御により出力レベ
   ルを一定レベルにするように増幅する衛星通信用
   受信装置において、前記複数の受信周波数変換器
   の出力レベルをモニタし、前記複数の受信周波数
   変換器の全ての出力レベルが所定レベルより低下
   したとき、その低下を示す信号によつて前記切替
   器を駆動し、前記現用低雑音増幅器を信号経路よ
   り切離し前記予備低雑音増幅器を挿入するように
   構成したことを特徴とする衛星通信用受信装置。