JPH0415213B2 - - Google Patents

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JPH0415213B2
JPH0415213B2 JP1020834A JP2083489A JPH0415213B2 JP H0415213 B2 JPH0415213 B2 JP H0415213B2 JP 1020834 A JP1020834 A JP 1020834A JP 2083489 A JP2083489 A JP 2083489A JP H0415213 B2 JPH0415213 B2 JP H0415213B2
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JP
Japan
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formaldehyde
methylal
catalyst
gas
methanol
Prior art date
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JP1020834A
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JPH01287051A (ja
Inventor
Junzo Masamoto
Junzo Ootake
Mamoru Kawamura
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPH0415213B2 publication Critical patent/JPH0415213B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、メタノールからホルムアルデヒドま
たはその誘導体を連続的に製造する方法に関す
る。特に、メタノールとホルムアルデヒドを反応
させてメチラールを得、次いで、生成したメチラ
ールを酸化することによりホルムアルデヒドを得
ることを主要なプロセスとするホルムアルデヒド
の製法、およびその誘導体の製法に関する。 (従来の技術) 従来、ホルムアルデヒドの工業的製法として、
メタノールを酸化触媒、例えば、銀または鉄〜モ
リブデン触媒の存在下で酸化する方法がある。 また、メチラールを上記のようなメタノール酸
化触媒で酸化してホルムアルデヒドを製造する方
法も提案されている。(米国特許第2467223号) さらに、メタノールとホルムアルデヒドを反応
させてメチラールを生成する方法が知られてい
る。(特公昭40−15005号公報) しかし、従来のメタノールを酸化してホルムア
ルデヒドを製造する方法は、反応の際、多量の水
を生成することによるメタノールの利用効率が低
いという問題がある。また、生成するホルムアル
デヒド水溶液の濃度は55重量%が限界であり、そ
れ以上の高濃度を得ることは困難である。 また、このように得られたホルムアルデヒド
は、ポリアセタール樹脂、ホルマリン樹脂、フエ
ノールホルマリン樹脂等の製造、あるいはパラホ
ルムアルデヒド、尿素等の原料として用いられる
が、使用するホルムアルデヒドの濃度(例えば、
ホルマリンの場合、水溶液濃度)は、できるだけ
高いことが要求される。したがつて、生成したホ
ルムアルデヒドの濃度を高める必要があり、通
常、ホルムアルデヒドを蒸留やスクラツビングに
かけたり、一旦アルコール類と反応させてホルム
アルデヒドをヘミアセタール化した後、加熱蒸発
して高濃度ホルムアルデヒドガスとすることが行
われている。 しかし、このようにして高濃度のホルムアルデ
ヒドを取得する際、必然的に発生する低濃度ホル
ムアルデヒド(例えば、水分の多いホルムアルデ
ヒド)は、再度蒸留等により、高濃度ホルムアル
デヒドにしなければ、通常は利用できない。この
ような低濃度のホルムアルデヒドを有用な濃度ま
で高めるためには、比較的厳しい蒸留条件を採用
しなければならないので、一般的にいつて、エネ
ルギーの消費量が大きくなることは避けられな
い。さらに、蒸留塔等の材料腐蝕も大きいので、
特別な耐蝕材料を使用する必要がある。 また、ホルムアルデヒドは一旦その誘導体に変
換した後、前記のような各種用途に供されること
もある。例えば、ポリアセタールコポリマーを製
造する場合、ホルムアルデヒドをその誘導体であ
るトリオキサンにした後、製造プロセスに供され
る。しかし、ホルムアルデヒドをそのようなホル
ムアルデヒド誘導体に変換する場合、未反応ホル
ムアルデヒド成分がプロセス中に発生することは
避けられない。この成分は一般に低濃度ホルムア
ルデヒド(例えば、水分の多いホルムアルデヒ
ド)として系外に取り出された後、前記のような
蒸留操作等にかけて、高濃度ホルムアルデヒドと
して再利用される。しかし、その場合にも、前記
のような問題が存在する。 一方、前記米国特許第2467223号で提案された、
メチラールを酸化してホルムアルデヒドを製造す
るプロセスを採用した場合においても、生成した
ホルムアルデヒドを利用するときには、前記と同
様の低濃度ホルムアルデヒドの高濃度化プロセス
が必要であるという問題がある。 なお、前記米国特許第2467223号および特公昭
40−15005号公報には、メタノールとホルムアル
デヒドからメチラールを製造するプロセスと、メ
チラールを酸化してホルムアルデヒドを製造する
プロセスの各々のユニツトプロセスを結合して、
メタノールから一気にホルムアルデヒドを製造す
る方法の開示もしくは示唆は全くない。 また、高濃度ホルムアルデヒドもしくはホルム
アルデヒド誘導体を取得する際に発生する低濃度
ホルムアルデヒドを有効に再利用する記載もな
い。 (発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、メタノールからメチラールを
経由して高濃度のホルムアルデヒドおよびその誘
導体を、効率良く連続的に製造する方法を提供す
るものである。 本発明の他の目的は、高濃度のホルムアルデヒ
ドおよびその誘導体を取得する際に発生する低濃
度のホルムアルデヒドを、特別な濃縮装置を設け
ることなく、有効に再利用できる方法を提供する
ものである。 本発明のさらに他の目的は、蒸留塔と固体酸触
媒を充填した複数の反応器の組み合わせからなる
高効率なメチラール化プロセスを含むホルムアル
デヒドおよびその誘導体の製造方法を提供するも
のである。 本発明のさらにまた他の目的は、触媒が充填さ
れたチユーブ状の反応器を用いた高効率なメチラ
ール酸化プロセスを含むホルムアルデヒドおよび
その誘導体の製造方法を提供するものである。 本発明のさらに他の目的は、メチラールの酸化
工程によつて生成したホルムアルデヒドを含む生
成ガスを、新規な吸収プロセスにより高効率でホ
ルムアルデヒド水溶液とするものを含むホルムア
ルデヒドおよびその誘導体の製造方法を提供する
ものである。 本発明のその他の目的は、以下に述べる本発明
の詳細説明および図面から明らかになるであろ
う。 (課題を解決するための手段) 本発明の前記目的は、本発明の次の構成によつ
て達成できる。 メタノールからホルムアルデヒドまたはその誘
導体を製造するに際して、 () メタノールとホルムアルデヒドを水溶液中
で酸性触媒の存在下で加熱してメチラールを得
る工程、 () 得られたメチラールを酸化触媒の存在下に
酸化してホルムアルデヒドガスを得る工程、 () 得られた酸化反応生成ガスを水またはホル
ムアルデヒド水溶液に吸収させてホルムアルデ
ヒド水溶液を得る工程、および () ()の工程で得られたホルムアルデヒド
水溶液を、水分の少ないホルムアルデヒドと水
分の多いホルムアルデヒドに分離し、水分の少
ないホルムアルデヒドを取得するか、または前
記ホルムアルデヒド水溶液を反応させ、ホルム
アルデヒド誘導体とした後、該誘導体と水分の
多い未反応ホルムアルデヒドに分離し、該誘導
体を取得する工程とを有し、 さらに、()の工程で分離された水分の多い
ホルムアルデヒドを()の工程へ戻し、ホルム
アルデヒド成分として使用することを特徴とする
ホルムアルデヒドおよびその誘導体の製造法。 本発明の上記方法のプロセスフローシートを第
1図に示す。 本発明の方法は、メタノールを一旦メチラール
に変換した後、これを酸化してホルムアルデヒド
を作る2段法であり、メタノール酸化法に比べ
て、メタノールが水へ変換することによるメタノ
ール損失が原理的に少ない。 本発明は、さらにこの2段法で生成したホルム
アルデヒド水溶液を、水分の少ないホルムアルデ
ヒド成分と水分の多いホルムアルデヒド成分に分
離し、水分の多いホルムアルデヒド成分を前段の
メチラール化工程へ戻して有効に再利用すること
を特徴としている。また、ホルムアルデヒド誘導
体を製造する際に発生する水分の多い未反応ホル
ムアルデヒド成分も、同様に前段のメチラール化
工程へ戻して有効に再利用するものである。 このような本発明の方法は、別の見方をする
と、メタノールをプロセス系への入力とし、高濃
度ホルムアルデヒドまたはその誘導体をプロセス
系の出力として考え、プロセス系中で低濃度ホル
ムアルデヒドが生成、消費を繰り返す循環系を形
成しているものであると言える。 このような低濃度ホルムアルデヒドの系中循環
の技術思想は、メタノールとホルムアルデヒドを
反応させてメチラールを生成するメチラール化工
程と、生成されたメチラールを酸化してホルムア
ルデヒドを生成する酸化工程の二つのプロセスを
結合するという新しい概念を得て、初めて着想さ
れたものであり、前記米国特許第2467223号およ
び特公昭40−15005号公報のそれぞれのユニツト
プロセスそれ自体からは得られないものである。 本発明の方法は、メタノールから高濃度ホルム
アルデヒドおよびその誘導体を効率良く作ること
ができる上、プロセス系中で必然的に生成する低
濃度ホルムアルデヒドを濃縮するための特別の装
置を必要としないという利点がある。それによつ
て、そのような装置を操業するための多大のエネ
ルギー消費および装置腐蝕の問題を避けることが
できる。 次に、本プロセスでの方式を順を追つて説明す
る。 〔A〕 メタノールとホルムアルデヒドよりメチラ
ールの合成(メチラール化工程) メチラールは、酸性触媒の存在下でメタノー
ルとホルムアルデヒドとの次式のような縮合反
応により合成されることは公知である。 2CH3OH+CH2OCH3 OCH2OCH3+H2O このようにメタノールとホルムアルデヒドと
からメチラールを合成する反応は、水を副生す
る平衡反応である。酸性触媒としては、塩化亜
鉛、塩化第2鉄、塩酸のような従来この種の触
媒として知られているものが使用できる。 本発明における好ましいメチラール化プロセ
スは、固体酸触媒を充填した2個以上(複数
個)の反応器と、それら反応器に連通された1
個の蒸留塔を用いたプロセスである。 すなわち、メタノール、ホルムアルデヒドお
よび水を含む溶液と固体酸触媒とを固液触媒さ
せ、メチラールに富む成分を留出成分として得
る方法であつて、蒸留塔と、該蒸留塔の中段に
それぞれ連通され、かつ、固体酸触媒が充填さ
れた2個以上の反応器を使用し、各反応器には
メタノール、ホルムアルデヒド、水および生成
メチラールを含む液体を循環せしめ、蒸留塔の
下方側に連通された反応器で固液接触したメタ
ノール、ホルムアルデヒド、水および生成メチ
ラールを含む液体と気液接触した蒸留塔内の蒸
気が、それより上方に連通された反応器で循環
させられて固液接触した後のメタノール、ホル
ムアルデヒド、水および生成メチラールを含む
液体と、順次気液接触することにより、蒸気相
中のメチラール濃度を順次高める方法である。 この方法によれば、メチラールをホルムアル
デヒド基準にして95%またはそれ以上の高収率
で得ることができる。 本工程で使用する固体触媒としては、例え
ば、カチオン交換樹脂、フツ素化アルキレン樹
脂スルホン酸基誘導体、結晶性アルミノシリケ
ートなどがあげられる。 カチオン交換樹脂としては、カルボン酸基誘
導体、スルホン酸基誘導体のいずれも使用でき
るが、スルホン酸基誘導体が反応収率が高い点
で好ましい。また、イオン交換樹脂のタイプと
しては、ゲル型カチオン交換樹脂、巨大網目状
カチオン交換樹脂のいずれも使用できるが、巨
大網目状カチオン交換樹脂〔例えば、商品名ア
ンバーライト200C(オルガノ社製)、レバチツ
トSP112(バイエル社製)〕が反応の収率が高い
点で望ましい。イオン交換樹脂の具体例として
は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ア
クリル酸−ジビニルベンゼン共重合体、メタク
リル酸−ジビニルベンゼン共重合体等があげら
れる。 フツ素化アルキレン樹脂スルホン酸基誘導体
として、テトラエチレン樹脂スルホン酸基誘導
体(商品名:ナフイオンH)が望ましい。 結晶性アルミノシリケートとしては、特開昭
58−162546号公報で示されるシリカ対アルミナ
のモル比が10以上、好ましくは20以上200以下
のものが使用される。好ましい一つの例は、モ
ルデナイト型結晶性アリミノシリケートであ
る。 これらの固体酸触媒の中で最も望ましいもの
は、スルホン酸基を有する巨大網目状カチオン
交換樹脂である。 本工程で云う固体酸触媒を含む反応器とは、
カラム内に固体酸触媒が存在し、その中でホル
ムアルデヒドとメタノールとを含む液が固液接
触し、メチラールを生成するものであればどう
いう形状のものでもよい。例えば、固体酸触媒
がぎつしりと充填された槽または塔、あるいは
固体酸触媒がスラリー状で分散した槽または
塔、あるいは固体酸触媒がゆるやかに充填され
ている槽または塔などが例としてあげられる。
この反応器の中をホルムアルデヒド、メタノー
ル、水および生成されたメチラールを含む液が
強制的に循環させられる。 本工程で用いられる固体酸触媒を含む反応
器、固体酸触媒と固液接触したメタノール、ホ
ルムアルデヒド、水および生成メチラールを含
む液体と、メチラールを含む蒸気との気液接触
の様式には特に制限はないが、その1例が第2
図で示される。 第2図では、原料としてホルムアルデヒド水
溶液およびメタノールが、それぞれフイード管
5およびフイード管2を経て蒸留塔1に供給さ
れる。固体酸触媒を充填した3基の反応器X,
Y,Zが上方側から順に蒸留塔1の中段に連通
され、各反応器内をメタノール、ホルムアルデ
ヒド、水および生成メチラールを含んだ液体が
強制的にポンプ等により循環されている。 例えば、反応器Yで固液接触した液体と気液
接触した蒸留塔1内の蒸気は、それより上方側
に連通した反応器Xで固液接触しメチラールを
生成した液体と蒸留塔1内で気液接触する。塔
頂3より反応生成物であるメチラールが、塔底
4より未反応のメタノール、ホルムアルデヒド
および副生成物である水が排出される。 本工程では、ホルムアルデヒド原料として、
ホルムアルデヒド水溶液が主に用いられるが、
トリオキサンを含んでいてもよい。 使用するメタノールは、ホルムアルデヒドに
対する反応量論比2に対して通常は1.0以上、
好ましくは化学量論比の1.0〜1.2倍、特に1.0〜
1.1倍の範囲で用いられる。なお、留出物とし
て、メチラール〜メタノール共沸混合物(メチ
ラール93%、メタノール8%)を得る場合に
は、化学量論比の1.1倍、メチラールのみを得
る場合には1.0倍、その中間を得る場合には、
1.0〜1.1倍で用いることが好ましい。 95%以上のメチラール、特に98%以上のメラ
ールを得るには、原料ホルマリン水溶液を蒸留
塔に連結した反応器よりも上部から供給し、蒸
留塔内を上昇するメチラール、メタノールを含
む蒸気と気液接触させることが好ましい。 本工程の一つの実施形態は、蒸留塔の塔頂に
最も近い位置(段)に連結した反応器にメタノ
ールを供給し、強制循環し、この反応器より上
部の段にホルマリンを供給する。他の実施形態
は、蒸留塔の塔頂に最も近い位置に連結した反
応器にホルムアルデヒドおよびメタノールを供
給する。また、別にいずれの反応器よりも上方
の供給段に、ホルムアルデヒドを含む水溶液を
供給し、蒸留塔内を上昇するメチラール、メタ
ノールを含む蒸気と気液接触させる。この際、
塔頂に最も近い反応器内の液体は強制循環が行
われる場合もあれば、行われない場合もある。
強制循環が行われていない場合には、反応の効
率を高めるためには、その反応器よりも下方の
位置で蒸留塔と連結した反応器を強制循環する
ことが好ましい。 メチラール合成工程では、通常、3個以上の
固体酸を含む方式が好ましく採用される。ある
場合には3〜5個の反応器、また、ある場合に
は3〜7個の反応器が使用される。 反応器を循環する液組成としては、通常、メ
タノール20〜65重量部、ホルムアルデヒド
0.001〜20重量部、水79〜34重量部、メチラー
ル0.001〜30重量部の範囲である。ただし、そ
れぞれの濃度は、反応器の位置により異なる。 反応器の温度は通常45〜90℃であるが、反応
器を循環する液の組成、および反応蒸留塔での
操作圧力により若干は異なる。通常は、塔頂に
近い反応器を循環する温度ほど温度が低い。例
えば、7基の反応器を操作する場合には、それ
ぞれの温度は、塔頂に近い反応器より順番に45
〜70℃、55〜75℃、60〜85℃、65〜85℃、70〜
90℃、70〜90℃、70〜90℃の範囲で操作され
る。 反応蒸留塔の操作圧力は、常圧もしくは1〜
3atmの範囲で操作される。操作圧力にもよる
が、ある場合のケースでは、循環する液の温度
が60から100℃となる場合もある。 反応器を循環させる液の量は、通常、塔頂よ
り留出し、取り出されるメチラール蒸気1重量
部に対して20〜100重量部であり、特に好まし
い範囲は25〜50重量部である。 使用する固体酸触媒の使用量は、例えば、強
酸性カチオン交換樹脂の場合、蒸留塔塔頂より
取り出されるメチラール蒸気1重量部当たり、
反応器1基について0.02〜2重量部の範囲にあ
る。好ましい範囲は0.05〜1重量部であるが、
使用する反応基の基数により好ましい範囲は変
化する。 メチラール化工程における蒸留塔の各段の操
作温度は、使用する反応器の数とその液循環温
度に左右される。例えば、反応器の基数が4基
の場合は、塔頂に近い方から順に各反応器の連
通位置において、45〜70℃、55〜75℃、60〜85
℃、65〜90℃、5基の場合には、45〜70℃、55
〜75℃、60〜85℃、65〜90℃、70〜90℃、6基
の場合には、45〜70℃、55〜75℃、60〜85℃、
65〜85℃、70〜90℃、70〜90℃である。 これらの方法により塔頂より留出するメチラ
ールの純度が98%以上、また、塔底より排出さ
れる水中のメタノールおよびホルムアルデヒド
がそれぞれ0.1%以下である実施形態が可能と
なる。 また、一つの好ましい実施形態として、最上
段の反応器と塔頂までの蒸留段数が5〜20段で
あり、かつまた、蒸留塔に連結した最下段の反
応器と、塔底までの蒸留段数が10段以上ある反
応蒸留装置があげられる。 また、他の実施形態としては、最上段の反応
器と、3段以上の段数を取つた位置にホルムア
ルデヒド水溶液の供給段を持つ反応蒸留塔があ
げられる。 また、蒸留塔操作の好ましい実施形態とし
て、塔頂より留出される留出物と塔頂に還流さ
れる還流物との比(モル比)が2:1から4:
3の間があげられる。 ある種の好ましい方式として、ホルムアルデ
ヒドを含む水溶を二つの供給口より蒸留塔に供
給し、その際、ホルムアルデヒド対水のモル比
の大なる液をメタノールと共に蒸留塔に連結し
た反応器に供給し、ホルムアルデヒド対水のモ
ル比の小なる液を、反応器よりも上段の蒸留段
に供給する方式があげられる。その場合、ホル
ムアルデヒド対水のモル比の大なる液にトリオ
キサンが含まれていてもよい。 また、その場合、ホルムアルデヒドを含む水
溶液の濃度組成がホルムアルデヒド対水のモル
比の大なる液では、ホルムアルデヒド25〜40モ
ル%、水50〜75モル%、トリオキサン0.2〜1
モル%、メタノール3〜10モル%にあり、ま
た、ホルムアルデヒド対水のモル比の少ない液
では、ホルムアルデヒド5〜20モル%、水70〜
93モル%、メタノール2〜15モル%が好まし
い。 また、ホルムアルデヒド対水のモル比の大な
る水溶液を蒸留塔に連結した反応器に供給する
に当たり、あらかじめその水溶液をメタノール
と混合して反応器に供給することもできる。 固体触媒を用いると、未反応メタノール、ホ
ルムアルデヒド、水などの液体と触媒との分離
が容易である。硫酸などの均一触媒では、これ
らの触媒と反応液との分離には蒸留、中和など
の操作が必要であるが、その必要がない。 複数の反応器を蒸留塔に連通する方式は、長
時間の連続運転が可能である。すなわち、反応
器は外部からの強制循環ができるため、予備の
反応器を設置することにより、触媒の再生、交
換、取り出しのために反応器を一部停止するこ
とができるので、メチラールの製造を中止する
必要がない。 このようにして得られたメチラールは、次の
酸化工程に移され、ホルムアルデヒドガスとな
る。 〔B〕 メチラールからホルムアルデヒドガスの合
成(メチラールの酸化工程) メチラールを酸化触媒の存在下に酸化してホ
ルムアルデヒドガスを生成する方法は、前記米
国特許第2467223号に記載された方法を用いる
ことができる。 酸化触媒としては、上記米国特許に記載され
た触媒、すなわち、銀、酸化銅、モリブデン、
バナジウム、モリブデン酸鉄、鉄、マンガン、
マグネシウム、カドミウム、カルシウム等で活
性化されたモリブデン、マンガン、マグネシウ
ム、カドミウム、カルシウム等で活性化された
酸化リンおよび酸化モリブデン等が使用でき
る。 しかし、より好ましくは特開昭57−134432号
公報に記載されたような、鉄およびモリブデン
に、さらにアルカリ金属、ビスマス、クロム、
タングステン、ニツケル、コバルトから選ばれ
た1種またはそれ以上の金属元素を有効成分し
て加えた触媒である。 このような触媒は、一酸化炭素、ジメチルエ
ーテルおよびギ酸メチルの副生が少なく、高選
択性が得られる。 また、これら金属元素の含有割合は、特開昭
60−251932号公報に記載されたような、金属原
子比で鉄Iに対してモリブデン1.5〜3.0、アル
カリ金属、ビスマス、クロム、タングステン、
コバルト、ニツケルの合計が0.001〜0.1である
ものがより好ましい。該触媒は前記利点に加
え、触媒寿命が長い。 本発明の好ましいメチラール酸化方法は、鉄
およびモリブデンまたはそれらに加えて、アル
カリ金属、ビスマス、クロム、タングステン、
コバルト、ニツケルから選ばれた1種またはそ
れ以上の金属元素を有効成分とする酸化物を使
用して、メチラールの酸化によりホルムアルデ
ヒドガスを製造する。 ここでの具体的触媒の例として、モリブデン
酸鉄、モリブデン酸鉄と三酸化モリブデンとの
混合物、さらには、それら混合物に加えて、ア
ルカリ金属、ビスマス、クロム、タングステ
ン、コバルト、ニツケルから選ばれた1種もし
くは2種以上の金属酸化物を含む触媒が含まれ
る。 この際使用される触媒のモリブデンと鉄との
原子比Mo/Feは、通常1.6〜4.5の範囲であり、
好ましくは1.6〜3.0、さらに好ましくは1.6〜
2.5、特に好ましくは1.6〜1.9の範囲である。 使用する反応器の形態としてチユーブ状反応
器を用い、酸化触媒をチユーブ中に充填し、こ
の触媒層中をメチラールおよび酸素を含むガス
が流れることにより、ホルムアルデヒドが生成
されるようになされたものが好ましい。 チユーブ内に充填される触媒の形状は、粒
状、シリンダ状、ラシヒリング状、スポークリ
ング状等の形状のものが使用される。 好ましい触媒の充填方式の実施形態として、
チユーブ中に固定されている酸化物触媒におい
て、チユーブの前半部には、モリブデンと鉄と
の原子比Mo/Feが1.6から2.5の範囲の触媒が
含まれており、また、チユーブの後半部には、
モリブデンと鉄との原子比Mo/Feが1.6から
4.5の範囲の触媒が含まれている。さらに好ま
しい形式としては、チユーブ前半部には、モリ
ブデンと鉄との原子比Mo/Feが1.6から2.5も
しくはMo/Feが1.6から2.0の範囲の触媒が含
まれており、また、後半部には、モリブデンと
鉄との原子比Mo/Feが2.0から4.5あるいは2.0
から3.5の範囲の触媒が含まれる。 特にチユーブ状の反応器を使用する場合等に
おいては、反応器に供給されるメチラール濃度
と酸素濃度とが、以下の式(1)を満たすようにす
ることがさらに好ましい。 7.0≧X≧2.0であつて、かつ、 1.04Y−3.9≧X≧1.04Y−5.9 ……(1) (ただし、ここでXは反応器に供給されるガス
状のメチラールの容積%、Yは反応器に供給さ
れる酸素の容積%とする。) また、本発明のメチラール酸化工程では、使
用するメチラールにメタノールが混合されてい
てもよい。その場合は、使用する酸化物触媒層
中をメチラール、メタノールおよび酸素を含む
ガスが流れることにより、ホルムアルデヒドが
生成されるに際して、反応系に供給するメチラ
ールおよびメタノール濃度と酸素濃度とが以下
の式(2)を満たすことが好ましい。 7.0≧X+Z/2≧2.0であつて、かつ、 1.04/mY−3.9−7.63n/m≧X≧1.04/m Y−5.9−9.4n/m ……(2) (ただし、XおよびZは反応系に供給されるガ
ス状のメチラールおよびメタノールの容積%、
Yは反応系に供給される酸素の容積%とし、
m、nの間においては、 m=2X/2X+Z n=Z/2X+Z また、0.5≧n>0、1≧m≧0.5の関係がな
り立つものとする。) 反応器に供給される酸素濃度とメチラール濃
度、あるいはメチラールとメタノール濃度との
関係を、(1)式または(2)式の範囲とすることによ
り、安定にホルムアルデヒドを製造することが
できる。(1)式において、メチラール濃度(容積
%)Xと酸素濃度(容積%)Yとの関係におい
てメチラール濃度が1.04Y−3.9よりも大きくな
ると、反応の活性を長期的に維持することが困
難となり、経時的な選択率の低下、例えば、一
酸化炭素の副生が増大する等の傾向が認められ
る。また、逆に、メチラール濃度が1.04Y−5.9
よりも低くなると、爆発の危険性等が増大して
くる。 通常、触媒層に接触する気相中のメチラール
濃度は2〜7容積%である。好ましい範囲は3
〜6容積%、さらに好ましい範囲は4〜5%、
特に好ましい範囲は4〜4.5%である。 反応器に供給するガス相中の酸素濃度、メチ
ラール濃度は、前記のように(1)式または(2)式で
示される範囲に制御する必要がある。通常使用
される好ましい方法は、本工程における反応後
のホルマリンガスを含む反応物を、水を含む吸
収塔でホルムマリンを吸収させた後の酸素濃度
の低いガスと、空気およびメチラールを混合す
ることにより調製する方法である。 メチラールあるいはメタノールを含むメチラ
ールを酸素を含む気相中で、酸化によりホルム
アルデヒドの製造をするに当たり、触媒上での
メチラールの酸化反応を、以下の関係式を満た
す範囲で操作することにより、ホルムアルデヒ
ドがより安定的に製造されることがわかつた。 〔単位触媒重量当たりの酸素消費速度〕/〔酸素
分圧〕≦1.0mol/hr.〔g−触媒〕〔atm〕……(3) ただし、(3)式で云う〔単位触媒重量当たりの酸
素消費速度〕とは、触媒1g当たりに1時間で反
応により消費される酸素のモル数であり、「酸素
分圧」とは、反応ガス中の酸素の分圧をatm単位
で表示した数値である。酸素消費速度が大きいこ
とは、すなわち、酸化反応における反応速度が大
きいことを意味する。気相反応中における酸素消
費速度を直接求めることは難しいが、酸化反応に
おける反応熱による反応温度の上昇、反応物の比
熱、反応物の流量、反応系(通常はチユーブ内に
触媒が充填され、その中をメチラールあるいはメ
チラール〜メタノール混合ガス、酸素、窒素、水
および反応生成物が流れている)と系外(通常は
溶融無機塩または耐熱性有機媒体などの熱媒体)
との熱収支より算出することができる。また、酸
素分圧も触媒層に接触する前の初期の酸素分圧と
酸素消費速度および反応生成物のマスバランスよ
り、算出することが可能である。 なお、算出に当たつては、反応熱として、以下
の値を使用すると有効である。 CH3OCH2OCH3+1/2O2→CH3OH+CH2O ΔH=−24.13Kcal/mol CH3OCH2OCH3+H2O→2CH3OH+CH2O ΔH=13.29Kcal/mol CH3OH+1/2O2→CH2O+H2O ΔH=−37.42Kcal/mol 2CH3OH→CH3OCH3+H2O ΔH=−2.97Kcal/mol CH2O+1/2O2→CO+H2O ΔH=−56.52Kcal/mol 反応解析および総括伝熱係数等を使用した反
応系内での温度分布より、反応系内の反応シミ
ユレーシヨンにより、反応速度および反応組成
を算出することが可能である。 〔単位触媒重量当たりの酸素消費速度〕/
〔酸素分圧〕の値は1.0以下、さらに好ましくは
0.7以下、特に好ましくは0.5以下である。 触媒が充填されたチユーブ内での〔単位触媒
重量当たりの酸素消費速度〕/〔酸素分圧〕の
値は、反応温度の上昇カーブと対応した挙動を
示す。すなわち、反応温度の上昇と共に上昇
し、反応温度が最高に達する直前に最高の値を
取り、ついで、反応温度が低下すると共に低下
する。〔単位触媒重量当たりの酸素消費速
度〕/〔酸素分圧〕の最高値の値が重要であ
り、この値は、熱媒温度、メチラール濃度、触
媒の希釈度(触媒を不活性物質で希釈する度
合)、反応物の線速度等により影響を受ける。 〔単位触媒重量当たりの酸素消費速度〕/
〔酸素分圧〕の値が1.0を越える領域において
は、酸化モリブデンの還元が生じ、黒色の二酸
化モリブデンを副生し、長期間の酸化反応を行
うことが困難になつてくる。 本発明において、メチラールあるいはメチラ
ールとメタノールの混合ガスの酸化反応は、通
常250〜400℃の範囲で行われる。好ましい温度
は250〜380℃、特に好ましい範囲は250〜360℃
である。好ましい方式は、チユーブ内に充填し
た触媒層中を、メチラールおよび酸素を含むガ
スを通過させる。工業的には、反応器は通常
5000〜50000本のチユーブから構成されており、
そのチユーブは、内径15〜25mm、長さ600〜
2000mmからなる。反応器中のチユーブの外側に
熱媒体を通して、チユーブ内の反応物に熱を与
えるか、あるいは反応物から熱を除くことによ
り、反応温度を制御する。 熱媒体としては、無機塩、耐熱性の有機媒体
等が使用される。熱媒体の温度は通常240℃か
ら310℃の範囲で使用される。通常、反応の経
時と共に熱媒温度が上げられる。 通常、反応器中での線速度は1.0〜3.0Nm3
m2secの範囲で使用される。このうちでも好ま
しい範囲は、1.3〜2.3Nm3/m2secの線速度であ
る。 本発明反応でのメチラールからホルムアルデ
ヒドへの転化収率は、反応条件によるが、通常
は85〜95%である。反応温度が低すぎる場合に
は、収率が低下する。また、逆に、高すぎる場
合にも、一酸化炭素等への副反応のためにも、
収率は低下する。 〔C〕 メチラール酸化工程で得られた酸化反応生
成ガスの吸収(吸収工程) 前記メチラール酸化工程で得られた酸化反応
生成ガス、すなわち、ホルムアルデヒドを含む
ガスは、次に吸収塔へ供給され、水またはホル
ムアルデヒド水溶液に吸収される。 吸収塔は、通常、この分野で使用される充填
物充填塔もしくはカラム、あるいは多数の棚を
設けた塔、または濡れ壁塔等を使用することが
できる。 吸収塔における吸収方式は、通常、塔の下部
もしくは底部へガスを導入し、塔頂部へ吸収媒
体を供給する向流方式で行う。 吸収媒体としては、水またはホルムアルデヒ
ド水溶液が用いられるのであるが、ホルムアル
デヒド水溶液は後工程で分離された例えば数
%、好ましくは5%から50%前後までの水分の
多いホルムアルデヒド水溶液を用いるのが好ま
しい。しかし、目的によつては、後工程で分離
取得された水分の少ないホルムアルデヒド水溶
液を用いることもできる。また、他から別途供
給される水分の多い、または少ないホルムアル
デヒド水溶液を用いてもよい。さらにまた、メ
タノールの直接酸化法で得られた水分の多いホ
ルムアルデヒド水溶液を用いることもできる。 別の好ましい実施態様は、吸収塔の塔底より
得られるホルムアルデヒド水溶液を塔頂へ循環
する方法である。 吸収工程に使用される水またはホルムアルデ
ヒド水溶液の量は、得ようとする吸収工程流出
ホルムアルデヒド水溶液の濃度に応じて適宜決
めればよい。ホルムアルデヒド水溶液を吸収媒
体として使用する場合は、水を使用する場合よ
り一般に少量となる。 ホルムアルデヒドガスを吸収させる一つの方
式として、2本の吸収塔を使用することもでき
る。この方式の一例として、第1吸収塔で低濃
度のホルムアルデヒド水溶液に酸化反応生成ガ
スを吸収させて、例えば、60〜80%の高濃度ホ
ルムアルデヒド水溶液を得、第1吸収塔におい
て吸収されず流出した残りのガスの少なくとも
一部を、第2吸収塔で水またはホルムアルデヒ
ド水溶液に吸収させて、例えば30〜55%、好ま
しくは40〜50%の低濃度ホルムアルデヒド水溶
液を得、それを前記第1吸収塔に供給する方法
がある。 また、別の形態として、上記第1吸収塔にお
ける低濃度ホルムアルデヒド水溶液をスプレー
ノズルによりガス中にスプレーすることもでき
る。さらに、この場合、第2吸収塔には、充填
剤その他の気液接触装置を組み込んだものを用
いることもできる。 メチラールあるいはメタノールを含むメチラ
ールの酸化により得られた酸化反応生成ガス
を、吸収塔においてホルマリン水溶液として得
る場合、該生成ガス中に含まれるホルムアルデ
ヒドの濃度は高いため、ホルムアルデヒドがス
ケールとして析出し易く、吸収塔の閉塞をもた
らす可能性が大きい。 これを解決する手段としては、例えば、メチ
ラールの酸化により得られたホルムアルデヒド
を含むガスを、水またはホルムアルデヒドで吸
収させるに際して、吸収塔の充填物または棚段
あるいはその他の気液接触装置に供給すると
き、あらかじめガス中の水分濃度を高めた後
に、吸収塔の充填物または棚段あるいは濡れ壁
塔等の気液接触装置で気液接触させる方法が好
ましい。 メチラールの酸化で得られた反応生成ガス中
の水分濃度は、通常4〜10容積%である。これ
を15容量%以上の水分濃度として吸収塔へ導入
することが好ましい。 水分濃度を高めるための具体的手段として、
ホルムアルデヒドを含むガスと、生成したホル
ムアルデヒド水溶液とを接触させる方式が好ま
しい。 ホルムアルデヒドを含むガスをホルムアルデ
ヒド水溶液とを接触させるに際し、該水溶液を
あらかじめ昇温することが好ましい。ホルムア
ルデヒド水溶液の濃度をM(重量%)、温度をT
(℃)とするとき、以下の(4)式を満たす範囲と
するのが好ましい。 1.02M+9≦T≦1.02M+19 ……(4) 吸収工程における吸収方法としては、前記の
ような吸収塔を使用する方法の他に、バブリン
グ槽を設け、該槽中の水溶液へホルムアルデヒ
ドを含むガスをバブリングする方法、あるいは
管中で吸収媒体とホルムアルデヒドを含むガス
を向流接触させる方法等を採用することもでき
る。 本工程で吸収された結果得られるホルムアル
デヒド水溶液は、前記のように、ホルムアルデ
ヒドガス量と吸収媒体量の関係で任意に調整す
ることができる。好ましいホルムアルデヒド水
溶液の濃度は60〜80重量%、より好ましくは65
〜75重量%範囲である。 〔D〕 ホルムアルデヒド水溶液の分離(分離工程) 前記吸収工程で得られたホルムアルデヒド水
溶液は、次に、該水溶液より水分の多いホルム
アルデヒドと該水溶液より水分の少ないホルム
アルデヒドに分離される。そして、水分の少な
いホルムアルデヒドは、取得目的物として系外
に取り出され、水分の多いホルムアルデヒド
は、前記のようにメチラール化工程へリサイク
ルされる。 分離方法は、この分野で用いられる周知の方
法を使用することができる。好ましい1例は、
後述する実施例2のように、ホルムアルデヒド
水溶液をポリエチレングリコール、シクロヘキ
サノール、トリメチロールプロパンのようなア
ルコール類と反応させてヘミアセタール化し、
次いで分解槽にて加熱し、水分の少ないホルム
アルデヒドガスと水分の多いホルムアルデヒド
水溶液に分離する方法である。 このようにして分離取得された水分の少ない
ホルムアルデヒドは、例えば、ポリアセタール
ホモポリマーの原料として有用である。 前記吸収工程で得られたホルムアルデヒド水
溶液から、その誘導体、例えばトリオキサン等
に変換し、それを取得目的物として系外に取り
出す場合は、例えば、後述する実施例1のよう
に、該変換工程における未反応ホルムアルデヒ
ドとして、水分の多いホルムアルデヒドが分離
される。この分離された水分の多いホルムアル
デヒドは、前記のようにメチラール化工程へリ
サイクルされて再利用される。 ホルムアルデヒド誘導体としては、上記トリ
オキサンの他に、パラホルムアルデヒド、フエ
ノールホルマリン縮合体等が考えられる。 水分の少ないホルムアルデヒドの濃度は、通
常、水分が5重量%以下になされる。また、水
分の多いホルムアルデヒドの濃度は、通常5〜
50重量%、好ましくは10〜45重量%になされ
る。 (実施例) 以下の実施例は、好ましい例としてポリアセタ
ール樹脂を製造する場合のホルムアルデヒドガス
あるいはトリオキサンを製造する場合のプロセス
について述べる。 なお、酸化工程におけるホルムアルデヒドへの
反応の選択率および転化収率は、下式によつて算
出される。 選択率=〔生成したホルムアルデヒド〕モル /{供給3〔メチラール〕モル +供給〔メタノール〕モル −未反応〔メタノール〕モル}×100% 転化収率=〔生成したホルムアルデヒド〕モル /{供給3〔メチラール〕モル +供給〔メタノール〕モル}×100% 参考例 1 第2図に示した様式の蒸留塔1および3基の反
応器X,Y,Zを使用した。それぞれの反応器
X,Y,Zには、巨大網目状強酸性カチオン交換
樹脂(商品名:アンバーライト200C)を300c.c.充
填する。フイード管5から40%ホルムアルデヒド
(1%のメタノールを含む)水溶液を毎時200g、
また、フイード管2からはメタノールを毎時169
g供給した。 蒸留塔1には塔高2.5mの充填塔を使用した。
蒸留塔1の中段には、それぞれ液成分を抜き出す
段を設け、ポンプで反応器X,Y,Zに循環さ
せ、触媒と固液接触をさせるようにした。反応器
X,Y,Zにを出た生成メチラールを含有する反
応液は、蒸留塔1内に戻され、それぞれ蒸留塔1
の塔底4より塔頂3に向かつて上昇する蒸気と気
液接触し、メチラールの濃度が順次高められる。
塔頂温度を42℃に保つように還流液が戻された。
塔頂3より毎時204gの留出液を抜き出しタンク
に留めた。留出液中のメチラール純度は99%であ
つた。塔底4よりホルムアルデヒド0.5%、メタ
ノール0.01%を含む水溶液が毎時16.5g排出され
た。 ついで、得られたメチラールを酸化反応系に供
給した。内径21mm、長さ100cmの鉄製チユーブ6
にスポークスリング状のモリブデン酸鉄〜三酸化
モリブデン(Mo/Fe原子比2.3)を充填した。こ
の際、触媒層前半(第2図上方部)50cmには触媒
75容積%、セラミツクス製ラシヒリング25容積%
を充填する。また、後半(第2図下方部)50cmに
は触媒のみを充填する。有機耐熱オイル(商品名
SKオイル)を260℃でチユーブの外側7に循環さ
せる。この触媒層にメチラール4容積%、酸素
8.3容積%、水2容積%、残り分窒素の組成のガ
スを線速度1.2Nm3/m2secで導管8を通して供給
した。なお、このチユーブに充填された触媒層の
中心には、内径1mm、外径1.5mmの細い中空注射
針を上から下まで通し、その注射針の中に熱電対
を通すことにより内温を測定した。これらの熱収
支、反応解析より反応層中での〔単位触媒重量当
たりの酸素消費速度〕/〔酸素分圧〕を求めた結
果、その最大値は0.44mol/hr・〔g−触媒〕
〔atm〕であつた。また、反応の最高温度は330℃
であつた。 メチラールのホルムアルデヒドへの反応の選択
率は94%、ホルムアルデヒドへの転化収率は93%
であつた。また、副生した一酸化炭素は生成した
ホルムアルデヒドの3%であつた。次に、反応後
のガスを、デイクソンパツキングを充填した吸収
塔に導入した。ガスは吸収塔の塔底のホルムアル
デヒド水溶液中にバブリングさせた。ガスはバブ
リング後、充填部で気液接触が行われた。なお、
吸収塔の塔頂より水を補給し、吸収塔の塔底のホ
ルムアルデヒド水溶液のホルムアルデヒド濃度が
65%になるように補給水量を調節した。 参考例 2 メチラール合成工程において、巨大網目状カチ
オン交換樹脂(商品名:アンバーライト200C)
の代わりに表1に示す固体酸触媒を使用した他
は、参考例1と全く同様の操作を行つた。酸化工
程、吸収工程において得られた結果は、参考例1
と全く同一であつた。 メチラール合成工程の結果も併せて表1に示
す。 参考例 3 参考例1の酸化工程において、リング状の鉄〜
モリブデン酸化物触媒(モリブデン〜鉄原子比
Mo/Fe=2.2)を充填し、耐熱有機熱媒を260℃
に保ち、チユーブの外側を循環させる。触媒層に
供給されるガス組成として、(1)式より計算される
範囲として酸素8.5容積%、メチラール4.5容積%
のガスを選定し、線速度1.5m3/m2secにて供給し
た。なお、この供給ガス中には、水分が2容積%
含まれていた。反応解析の結果、〔単位触媒重量
当たりの酸素消費速度〕/〔酸素分圧〕の値を求
めることができる。その最大値は0.45mol/hr・
〔g−触媒〕〔atm〕であつた。また、最高温度は
340℃であつた。ホルムアルデヒドへの転化収率
は92%であつた。また、副生した一酸化炭素は、
生成したホルムアルデヒドの4%であつた。その
他の工程で得られた結果は、参考例1と全く同一
であつた。 参考例 4 ラシヒリング状の鉄〜モリブデン〜クロム酸化
物より成る触媒(原子比:Mo/Fe〜Cr=2.1/
1/0.02)を使用した参考例1と同様の操作を行
つた。得られた成績は、ホルムアルデヒドへの転
化収率92%、一酸化炭素の副生は3%であつた。
また、反応解析より求めた〔単位触媒重量当たり
の酸素消費速度〕/〔酸素分圧〕の値の最大値は
0.45であつた。また、反応の最高温度は330℃で
あつた。その他の工程で得られた結果は、参考例
1と全く同様であつた。 なお、酸化工程のみ3ケ月反応させたが、3ケ
月後の選択率は94%であり、変化はなかつた。ま
た、取り出した触媒には、二酸化モリブデンの黒
色の沈積物はわずかに認められただけであつた。 参考例 5 酸化工程での熱媒体の温度を270℃とし、参考
例1と同様の操作を行つた。〔単位触媒重量当た
りの酸素消費速度〕/〔酸素分圧〕の最高値は
0.82mol/hr・〔g−触媒〕〔atm〕であつた。反
応の最高温度は380℃であつた。メチラールから
ホルムアルデヒドへの反応の選択率は92%であつ
た。この他の工程で得られた結果は、参考例1と
全く同様であつた。 なお、酸化工程のみ3ケ月継続して反応を行つ
たところ、3ケ月後の選択率も91%であつたが、
取り出した触媒には、二酸化モリブデンの黒色の
沈積物が認められた。
【表】
【表】 実施例 1 第3図のプロセスを使用し、メタノールからホ
ルムアルデヒド誘導体であるトリオキサンを製造
した。先ず、第3図に示した様式の反応器X,
Y,Zおよび蒸留塔1を使用し、メチラール合成
を行つた。それぞれの反応器X,Y,Zには、巨
大網目状強酸性カチオン交換樹脂(商品名:アン
バーライト200C)を300c.c.充填した。フイード管
5から35%ホルムアルデヒド(トリオキサン1%
を含む)水溶液を毎時188g、また、フイード管
2からメタノールを毎時246g供給した。また、
フイード管2′から70%ホルムアルデヒド水溶液
を毎時69g供給した。 蒸留塔1には塔高2.5mの充填塔を使用した。
蒸留塔1の中段には、それぞれ液成分を抜き出す
段を設け、ポンプで反応器X,Y,Zに循環さ
せ、触媒と固液接触させるようにした。反応器
X,Y,Zを出た生成メチラールを含有する反応
液は、蒸留塔1内に戻され、それぞれ蒸留塔1の
塔底4より塔頂3に向かつて上昇する蒸気と気液
接触し、メチラールの濃度が順次高められる。塔
頂温度を42℃に保つように還流液が戻された。塔
頂3より毎時295gの留出液を抜き出しタンクに
留めた。留出液中のメチラール組成は99%であつ
た。塔底4よりホルムアルデヒド0.5%、メタノ
ール0.01%を含む水溶液が毎時208g排出された。 ついで、得られたメチラールを酸化反応系に供
給した。内径21mm、長さ100cmの鉄製チユーブ6
に、スポークスリング状のモリブデン酸鉄〜三酸
化モリブデン(Mo/Fe原子比2.3)を充填した。
その際、触媒層前半(第3図上方部)50cmには触
媒75容積%、セラミツクス製ラシヒリング25容積
%を充填する。また、後半(第3図下方部)50cm
には触媒のみを充填する。有機耐熱オイル(商品
名SKオイル)を260℃でチユーブの外側7に循環
させた。この触媒層に、メチラール4容積%、酸
素8.3容積%、水2容積%、残り分窒素の組成の
ガスを線速度1.7Nm3/m2・secにて供給した。な
お、このチユーブ触媒層の中心には、内径1mm、
外径1.5mmの細い中空注射針を上から下まで通し、
その注射針の中に、熱電対を通し、内温を測定し
た。これらの熱収支、反応解析より、反応層中で
の〔単位触媒重量当たりの酸素消費速度〕/〔酸
素分圧〕を求めた結果、その最大値は0.42mol/
hr・〔g−触媒〕〔atm〕であつた。また、最高温
度は330℃であつた。 メチラールのホルムアルデヒドへの反応の選択
率は94%、ホルムアルデヒドへの転化収率は92%
であつた。また、副生した一酸化炭素は、生成し
たホルムアルデヒドの3%であつた。次に、反応
後のガスを、加熱器9を設置し液温を85℃に保つ
た第1のスプレイ塔10に導入した。導入したガ
スは、スプレイ塔10で高濃度のホルムアルデヒ
ド水溶液となる。スプレイ塔を出たガスは、第2
吸収塔10aへ導入され、その充填部11で気液
接触を行つた。なお、第2吸収塔の塔頂12付近
より水を補給し、第2吸収塔底液はスプレイ塔1
0のスプレー水として供給され、スプレイ塔底の
ホルムアルデヒド水溶液のホルムアルデヒド濃度
が70%になるように前記補給水量を調節した。本
実施例では、スプレイ塔10と第2吸収塔10a
の2塔方式による吸収方法である。 この得られた70%ホルムアルデヒド水溶液(メ
タノールを1%含む)は、トリオキサン合成用反
応器13およびメチラール合成用蒸留塔1に供給
された。 70%ホルムアルデヒド水溶液(メタノールを1
%含む)を、386g/時の速度で3の反応器1
3に供給した。反応器13内は2%の硫酸が存在
する。反応器内はヒーター14により沸騰してい
る。生成したトリオキサンを含む蒸気は30段の蒸
留塔15に供給した。塔頂16よりトリオキサン
51%、未反応ホルムアルデヒド17%、その他メタ
ノール、ギ酸メチル、メチラール、ギ酸等を含む
水溶液を385g/時の割合で抜き出した。30段の
回転円板抽出塔17の塔頂に、トリオキサン〜ホ
ルムアルデヒド〜その他よりなる前記水溶液385
g/時を供給し、また、塔底18よりベンゼンを
300g/時で供給した。塔頂19よりトリオキサ
ン〜ベンゼン溶液を496g/時、塔底20よりホ
ルムアルデヒド35%、トリオキサン2%、ベンゼ
ン0.5%を含む水溶液を190g/時の割合で抜き出
した。トリオキサン〜ベンゼン溶液はさらに蒸留
塔21の中段に供給され、公知の方法で高純度の
トリオキサンとベンゼンに別けられ、トリオキサ
ンを塔底22、ベンゼンを塔底23よりそれぞれ
抜き出した。ベンゼンは次の蒸留塔21aの中段
に供給され、そこでさらにベンゼン中に含まれる
メタノール、ギ酸メチル等の不純物を塔頂24よ
り取り除いた。ベンゼンは塔底25から再度回転
円板抽出塔17の塔底18にリサイクルされる。
抽出塔17の塔底20より抜き出されたホルムア
ルデヒド〜トリオキサン水溶液は蒸留塔26の中
段に供給され、微量のベンゼンが塔頂27より除
去され、塔底28よりホルムアルデヒド、トリオ
キサンを含む水溶液が188g/時の割合で塔底2
8より抜き出され、タンク29に留められる。抜
き出された水溶液中のホルムアルデヒド水溶液の
濃度は35%であつた。このホルムアルデヒド水溶
液は、メチラール合成用の蒸留塔1にリサイクル
された。 実施例 2 第4図に示したプロセスを使用し、メタノール
から高濃度ホルムアルデヒドを製造した。先ず、
27%ホルムアルデヒド水溶液(メタノール2%を
含む)を170g/時、65%ホルムアルデヒド水溶
液(メタノール1%を含む)を76g/時の割合で
混合し、第4図に示されるフイード管2″より供
給した。また、フイード管2からメタノールが
225g/時の割合で供給された。メチラール合成
用の蒸留塔1は参考例1と同様に3基の反応器
X,Y,Zに連通され、参考例1と同様に操作さ
れる。塔頂3よりメタノールを10%含むメチラー
ルが、269g/時の割合で取り出されてタンクに
留められ、塔底4より反応した水が抜き出され
た。 取り出されたメタノールを含むメチラールは、
ついで酸化工程に付された。この工程の鉄製チユ
ーブ6は、参考例1と同一であり、ジヤケツト7
が熱媒で同様に加熱されている。その触媒層、メ
チラール3.8容積%、メタノール1.0容積%、酸素
8容積%、水2容積%、残り分窒素のガス組成を
選定した他は、参考例と同様の酸化工程の操作を
行つた。反応解析の結果、〔単位触媒重量当たり
の酸素消費速度〕/〔酸素分圧〕の最大値は
0.45mol/hr・〔g−触媒〕〔atm〕であつた。ま
た、最高温度は340℃であつた。 メタノール〜メチラールのホルムアルデヒドへ
の転化収率は92%であつた。また、副生した一酸
化炭素は、生成したホルムアルデヒドの3%であ
つた。 次に、実施例1と同様に気液接触をするスプレ
イ塔10に前記反応ガスを導き、第2吸収塔10
aの塔頂12付近より水を供給し、スプレイ塔1
0の温度を加熱器9で80℃としながら、ホルムア
ルデヒド濃度が65%になるように前記補給水量を
調節した。スプレイ塔10の塔底より得られたホ
ルムアルデヒド水溶液の一部は、導管5′を通し
メチラール合成用蒸留塔1およびホルムアルデヒ
ドガスを発生させるためのヘミアセタール化槽3
0に供給された。 65%ホルムアルデヒド水溶液(1%のメタノー
ルを含む)380g/時と、ヘミアセタール化ポリ
エチレングリコール400を500g/時へミアセター
ル化槽30で混合した。ヘミアセタール化反応
後、該反応物を毎時880g/時の割合で減圧脱水
槽31に供給した。減圧脱水槽31はジヤケツト
32で加熱されており、減圧下に水分を蒸発留去
する。170g/時の割合で27%のホルムアルデヒ
ドを含む水溶液を留出し、容器33に貯めた。 一方、脱水後のヘミアセタールを140℃に加熱
したヘミアセタール分解槽34に供給し、水分4
%を含む粗ホルムアルデヒドガスを塔底35より
210g/時の割合で発生させた。得られたホルム
アルデヒドガスは、0℃に冷却した冷却トラツプ
(5段連結)36を通して精製し、ホルムアルデ
ヒド重合グレード用ガスとした。また、ヘミアセ
タール化分解槽34を出たあとのヘミアセタール
化しているポリエチレングリコールの一部は、前
記のような再度ヘミアセタール化槽30に戻され
る。 実施例 3 実施例1の酸化反応ガスを吸収塔に導入するに
当たり、吸収塔の塔底より抜き出したホルマリン
水溶液を酸化反応域を出ガス管中に導入し、反応
ガスと気液接触させた。気液接触させた後の液相
部は吸収塔塔底に戻され、ガス相は充填部に2気
液接触せしめられた。他の操作は実施例2と同様
の操作を行つた。一週間の連続運転においても、
吸収塔内充填部にスケールの発生は認められなか
つた。 実施例 4 吸収塔内で塔底のホルマリンをスプレーし、循
環させた。ホルマリンスプレー部に、酸化反応出
をガスを供給する他は、実施例3と同様の操作を
行つた。一週間の連続運転においても、吸収塔内
充填部にスケールの発生は認められなかつた。 実施例 5 スプレー塔を吸収塔の他にさらに設置した。酸
化反応工程を出たガスをスプレー塔に供給する。
スプレー塔上部から酸化反応出ガスは、ついで吸
収塔に導入される。吸収塔塔底液はスプレー塔に
供給され、スプレー塔で循環される。スプレー塔
底から得られたホルムアルデヒド水溶液は抜き出
される他は、実施例4と同様の操作を行つた。一
週間の連続運転においても、吸収塔充填部および
得られたホルマリンには、パラホルムアルデヒド
の析出は見られなかつた。 実施例 6 スプレー塔の底部に加熱器を設置し、スプレー
塔底液を83℃に保ちながら循環させた。また、塔
底から得られるホルマリン中のホルムアルデヒド
濃度が65%となるように調節した他は、実施例1
と同様の操作を行つた。一週間の連続運転におい
ても、充填部および得られたホルムアルデヒド水
溶液中にパラホルムアルデヒドの生成は認められ
なかつた。 実施例 7 スプレー塔底の温度を85℃とし、得られるホル
マリン中のホルムアルデヒド濃度を70%とした他
は、実施例1と同様の操作を行つた。一週間の連
続運転においても、充填部および得られたホルム
アルデヒド水溶液中にパラホルムアルデヒドの生
成は認められなかつた。 実施例 8 酸化反応出のガスを吸収させるのに、吸収塔塔
頂に水を供給する代わりに、銀を触媒としてメタ
ノールの酸化法で得られた43%ホルムアルデヒド
水溶液を供給し、実施例1と同様に吸収塔底に導
入し、バブリング後、充填部で気液接触が行われ
るようにした。吸収塔底のホルムアルデヒド水溶
液濃度が70%となるように供給ホルムアルデヒド
水溶液量を調節した。この得られたホルムアルデ
ヒド水溶液は、トリオキサン合成用反応器に供給
された。また、余剰のホルムアルデヒド水溶液は
系外に抜き出され、マスバランスを合わせた。 実施例 9 吸収塔の水量を調節し、吸収塔底出のホルムア
ルデヒド水溶液濃度が60%となるようにした他
は、実施例1と同様の操作を行つた。 実施例 10 実施例1で得られた70%ホルムアルデヒド水溶
液を尿素(ホルムアルデヒド対尿素のモル比2対
1)に溶解し、ついで水を蒸発させた。蒸発し、
凝縮させた水溶液中のホルムアルデヒド濃度は7
%であつた。回収ホルムアルデヒド水溶液を70%
ホルムアルデヒド水溶液に供給し、40%ホルムア
ルデヒド水溶液とし、別途得られたメチラール合
成塔に供給されている40%ホルムアルデヒド水溶
液と混合した。混合後の40%ホルムアルデヒド水
溶液を毎時200g供給し、その他の条件も実施例
1と同様の操作を行い、メチラールを得た。つい
で、得られたメチラールは酸化器に供給され、酸
化反応生成ガスを得、実施例1と同様に吸収さ
れ、70%ホルムアルデヒド水溶液を得た。 実施例 11 実施例1の酸化工程において、チユーブの前半
部にはスポークスリング状のモリブデン酸鉄〜三
酸化モリブデン(Mo/Fe原子比2.0)を充填す
る。また、後半部には同形状であるが、モリブデ
ン酸鉄〜三酸化モリブデン(Mo/Fe原子比2.7)
を充填した他は、実施例1と同様の操作を行つ
た。熱収支、反応解析により、反応槽中での〔単
位触媒重量当たりの酸素消費速度〕/〔酸素分
圧〕を求めることができる。その最大値は
0.41mol/hr・〔g−触媒〕〔atm〕であつた。ま
た、最高温度は330℃であつた。メチラールから
ホルムアルデヒドへの反応の選択率は95%であつ
た。ホルムアルデヒドへの転化収率は94%であつ
た。 (発明の効果) 本発明の方法は、メタノールから高濃度ホルム
アルデヒドまたはその誘導体を効率よく作ること
ができる上、プロセス系中で必然的に生成する低
濃度ホルムアルデヒドを濃縮するための特別の装
置を必要としない。それによつて、そのような装
置を操業するための多大のエネルギー消費および
装置腐蝕の問題を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のプロセスの一例の概要を示
す説明図、第2図は、参考例のメチラール合成お
よび酸化反応の概要を示す工程図、第3図および
第4図は、本発明のプロセスの一例の概要を示す
工程図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メタノールからホルムアルデヒドまたはその
    誘導体を製造するに際して、 () メタノールとホルムアルデヒドを水溶液中
    で酸性触媒の存在下に加熱してメチラールを得
    る工程、 () 得られたメチラールを酸化触媒の存在下に
    酸化してホルムアルデヒドガスを得る工程、 () 得られた酸化反応生成ガスを水またはホル
    ムアルデヒド水溶液に吸収させてホルムアルデ
    ヒド水溶液を得る工程、および () ()の工程で得られたホルムアルデヒド
    水溶液を、水分の少ないホルムアルデヒドと水
    分の多いホルムアルデヒドに分離し、水分の少
    ないホルムアルデヒドを取得するか、または前
    記ホルムアルデヒド水溶液を反応させ、ホルム
    アルデヒド誘導体とした後、該誘導体と水分の
    多い未反応ホルムアルデヒドに分離し、該誘導
    体を取得する工程とを有し、 さらに、()の工程で分離された水分の多い
    ホルムアルデヒドを()の工程へ戻し、ホルム
    アルデヒド成分として使用することを特徴とする
    ホルムアルデヒドおよびその誘導体の製造法。 2 ()の工程において、メタノールの存在下
    にメチラールを酸化する請求項1記載のホルムア
    ルデヒドおよびその誘導体の製造法。 3 ()の工程において、蒸留塔と該蒸留塔の
    中段に連通され、かつ、固体酸触媒が充填された
    2個以上の反応器を使用し、各反応器にはメタノ
    ール、ホルムアルデヒド、水および生成メチラー
    ルを含む液体を循環させ、蒸留塔の下方側に連通
    された反応器で固液接触したメタノール、ホルム
    アルデヒド、水および生成メチラールを含む液体
    と気液接触した蒸留塔内の蒸気が、それより上方
    に連通された反応器で循環させられて固液接触し
    た後のメタノール、ホルムアルデヒド、水および
    生成メチラールを含む液体と、順次気液接触する
    ことにより、蒸気相中のメチラール濃度を順次高
    めるようにする請求項1記載のホルムアルデヒド
    およびその誘導体の製造法。 4 ()の工程における触媒として、鉄および
    モリブデンまたはそれらに加えてアルカリ金属、
    ビスマス、クロム、タングステン、コバルト、ニ
    ツケルから選ばれた少なくとも1種の金属元素を
    有効成分とする酸化物を使用し、かつ、該酸化物
    触媒はチユーブ中に充填されており、この触媒層
    中をメチラールもしくはメチラールとメタノール
    の混合物および酸素を含むガスが流れることによ
    りホルムアルデヒドが生成され、さらに、反応系
    に供給するメチラールもしくはメチラールとメタ
    ノール濃度と酸素濃度とが以下の関係式を満たす
    ことによりホルムアルデヒドガスを得る請求項1
    または請求項2記載のホルムアルデヒドおよびそ
    の誘導体の製造法。 7.0≧X+Z/2≧2.0であつて、かつ、 1.04/mY−3.9−7.63n/m≧X≧1.04/m Y−5.9−9.4n/m (ただし、XおよびZは反応系に供給されるガス
    状のメチラールおよびメタノールの容積%、Yは
    反応系に供給される酸素の容積%とし、m、nは m=2X/2X+Z n=Z/2X+Z および0.5≧n>0、1≧m≧0.5の関係にある。) 5 チユーブの前半部にはモリブデンと鉄との原
    子比Mo/Fe比が1.6から2.5の範囲の触媒が含ま
    れており、チユーブの後半部にはモリブデンと鉄
    との原子比が1.6から4.5の範囲の触媒が含まれて
    いる請求項4記載のホルムアルデヒドおよびその
    誘導体の製造法。 6 ()の工程における触媒として、鉄および
    モリブデン、またはそれらに加えてアルカリ金
    属、ビスマス、クロム、ニツケル、タングステ
    ン、コバルトから選ばれた少なくとも1種の金属
    元素を有効成分とする酸化物を使用して、メチラ
    ールもしくはメチラールとメタノールの混合物を
    酸素を含む気相中で酸化によりホルムアルデヒド
    を製造し、該触媒上でのメチラールもしくはメチ
    ラールとメタノールの混合物の酸化反応を以下の
    関係式を満たす範囲で操作することよりなる請求
    項1または請求項2記載のホルムアルデヒドおよ
    びその誘導体の製造法。 〔単位触媒重量当たりの酸素消費速度〕/〔酸素
    分圧〕≦1.0mol/hr・〔g−触媒〕〔atm〕 (ただし、ここで〔単位触媒重量当たりの酸素消
    費速度〕とは、触媒1g当たりに、1時間で反応
    により消費される酸素のモル数であり、「酸素分
    圧」とは、反応ガス中の酸素の分圧(atm)を云
    う。) 7 ()の工程で生成したホルムアルデヒドを
    含むガス中の水分の濃度を高めた後に吸収塔へ供
    給し、該吸収塔で気液接触させる請求項1記載の
    ホルムアルデヒドおよびその誘導体の製造法。 8 生成したホルムアルデヒドを含むガス中の水
    分を高めるため、ホルムアルデヒドを含むガスを
    ()の工程で得られたホルマリン水溶液と接触
    させ、その際、該ホルマリン水溶液を予め加熱
    し、かつ、次の条件で接触させる請求項7記載の
    ホルムアルデヒドおよびその誘導体の製造法。 1.02M+9≦T≦1.02M+19 (ただし、Mはホルマリン水溶液のホルムアルデ
    ヒド濃度(重量%)、Tはホルマリン水溶液の温
    度)。
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