JPH0414416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、主として、２枚の布を積層状態に
張り合わせて１枚とした「リバーシブル生地」と
呼ばれる布地を２枚に剥ぐデバイダー装置に関す
る。

【従来の技術並びにその課題】

リバーシブル生地は、端部を２枚に剥いで縫製
される。最初、生地の端を２枚に剥ぐために、薄
い刃物を使用した。刃物を布地の端から挿入し
て、２枚に剥離した。この方法は極めて手間がか
かる欠点がある。また、布地を正確に２分の１の
厚さにスライスできない。 この欠点を解決するために、布地のデバイダー
装置が開発された。この装置は、２枚の板の間に
薄い回転カツターを配設している。板の間に布地
を挟んで移動させ、カツターで２枚にスライスし
ている。この装置は、能率よくリバーシブル生地
を２枚にスライスできる特長がある。 ところが、この装置は、全ての布地を正確に同
じ厚さにスライスできない。２枚の板の間隔を、
布地の厚さに正確に調整できないことが原因であ
る。色々の厚さの布地に対応できるように、板の
間隔が異なる複数のカセツトを交換している。こ
の方式では、全ての布地に正確に板間隔を調整で
きない。実際には、カセツトの使用枚数が制限さ
れるからである。 さらに、この構造のデバイダー装置は、２枚の
板の中間に正確にカツターを配設する必要があ
る。カツターの位置がずれると、スライスされる
布地の厚さを同じに出来ない。 このため、この構造のデバイダー装置は、板の
間に、薄い紙や布等を挟んで間隔調整し、また、
カツターの固定位置を正確に調整しない限り、リ
バーシブル生地を同一の厚さにスライスできない
欠点があつた。 この考案は、さらにこれ等の欠点を解決するこ
とを目的に開発されたもので、この考案の重要な
目的は、簡単かつ容易に、しかも正確にリバーシ
ブル生地を２枚にスライスできるデバイダー装置
を提供するにある。

【従来の課題を解決する為の手段】

この考案のデバイダー装置は、前述の目的を達
成するために下記の構成を備えている。 (a) デバイダー装置は、布地の通過ガイド１を構
成して、リバーシブル生地を一定の位置に保持
して移送するガイド部材２と、このガイド部材
２内を通過する布地を２枚に剥ぐカツター３
と、カツター３を回転駆動するモーター４とを
備えている。 (b) ガイド部材２は、布地を挟んで移送する、上
プレート５および下プレート６と、布地の厚さ
に合わせて、上プレート５および下プレート６
の間隔を調整する隙間調整部材７とを備えてい
る。 (c) 上プレート５と下プレート６とは、間を布地
が通過できるように、対向面が平行に保持さ
れ、布地に合わせて、間隔調整自在に配設され
ている。 (d) 上プレート５と下プレート６との間を通過す
る布地を２枚にスライスできるように、この間
にカツター３が配設されている。 (e) 隙間調整部材７は、上プレート５と下プレー
ト６とを互いに反対方法に移動させて、両プレ
ートの間隔を調整する。従つて、隙間調整部材
７は、上プレート５に固定されている上摺動子
８と、下プレート６に固定されている下摺動子
９と、上摺動子８および下摺動子９を上下に移
動させる調整摺動子１１と、調整摺動子１１の
移動部材１２とを備えている。 (f) 調整摺動子１１と、上摺動子８および下摺動
子９を上下に移動できるように、上摺動子８お
よび下摺動子９に、傾斜面１０を介して摺動自
在に連結されている。 (g) 調整摺動子１１を移動して、上摺動子８と下
摺動子９とを上下動できるように、傾斜面１０
は、調整摺動子１１の移動方向に向かつて、上
り、下り方向に傾斜している。 (h) 上摺動子８と調整摺動子１１とが摺動自在に
接触する傾斜面１０と、下摺動子９と調整摺動
子１１とが摺動自在に接触するの傾斜面１０と
は、互いに反対方向に傾斜し、調整摺動子１１
が移動されると、上摺動子８と下摺動子９と
は、互いに反対方向に移動されるように構成さ
れている。

【作用効果】

この考案の好ましい実施例を示す第１図と第２
図とに基づいて、デバイダー装置の使用状態を説
明する。 上プレート５と下プレート６の間の通過ガイド
１に、リバーシブル生地の端を挿入し、布地を端
に沿つて移動させる。上プレート５と下プレート
６との中間のカツター３は、ここに通過するリバ
ーシブル生地を２枚にスライスする。カツター３
は、正確に、上プレート５と下プレート６の隙間
の中間に位置している。上プレート５と下プレー
ト６の隙間で構成される通過ガイド１は、リバー
シブル生地を、ほとんど上下に移動しない状態で
保持する。従つて、上プレート５と下プレート６
の隙間は、リバーシブル生地に合わせて最適値に
調整される。 この考案のデバイダー装置は、通過ガイド１の
隙間を独得の構成でリバーシブル生地に一致させ
ている。通過ガイド１の隙間を調整しても、カツ
ター３は、正確に通過ガイド１の中間に位置す
る。カツター３を中心に、上プレート５と下プレ
ート６とが互いに反対に移動するからである。 第１図において、調整摺動子１１が矢印で示す
ように、左から右に移動すると、上プレート５は
上昇し、下プレート６は降下して、通過ガイド１
の隙間が広くなる。調整摺動子１１がこの方向に
移動すると、調整摺動子１１の傾斜面１０は、上
摺動子８を押し上げ、下摺動子９を降下させるか
らである。 反対に、調整摺動子１１が右から左に移動する
と、上プレート５は降下し、下プレート６は上昇
して、通過ガイド１の間隔が狭くなる。 上プレート５と下プレート６とは、カツター３
を中心に上下に移動する。従つて、通過ガイド１
の間隔が調整されても、カツター３は、常時、上
プレート５と下プレート６の中間に位置する。こ
の位置のカツター３は、通過ガイド１に挿入され
たリバーシブル生地を、正確に２枚にスライスす
る。 このように、この考案のデバイダー装置は、移
動部材１２を移動させることによつて、通過ガイ
ド１の隙間を簡単かつ容易に、しかも、布地の厚
さに合わせて最適値に調整できる。従つて、厚さ
が異なる全てのリバーシブル生地を、最適な位置
で２枚にスライスできる特長がある。 また、通過ガイド１の隙間を変更しても、カツ
ター３は自動的に最適位置に調整される。それ
は、調整摺動子１１が、上プレート５と下プレー
ト６とをカツター３を中心に上下に移動させるか
らである。 このため、この考案のデバイダー装置は、全て
の布地に対応して、最適な状態で能率よくスライ
スできる特長がある。

【好ましい実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。 但し、以下に示す実施例は、この考案の技術思
想を具体化する為のデバイダー装置を例示するも
のであつて、この考案のデバイダー装置は、構成
部品の材質、形状、構造、配置を下記の構造に特
定するものでない。この考案の装置は、実用新案
登録請求の範囲に記載の範囲に於て、種々の変更
が加えられる。 更に、この明細書は、実用新案登録請求の範囲
が理解し易いように、実施例に示される部材に対
応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、
「従来の課題を解決する為の手段の欄」、および
「作用効果の欄」に示される部材に付記している。
ただ、実用新案登録請求の範囲に示される部材
を、実施例の部材に特定するものでは決してな
い。 第１図の断面図と第２図の平面図に示すデバイ
ダー装置は、ガイド部材２と、カツター３と、モ
ーター４とを備えている。 ガイド部材２は、リバーシブル生地の通過ガイ
ド１を構成して、リバーシブル生地を一定の位置
に保持して移送する。ガイド部材２は、布地を挟
んで移送する、上プレート５および下プレート６
と、布地の厚さに合わせて、上プレート５および
下プレート６の間隔を調整する隙間調整部材７と
を備えている。 上プレート５と下プレート６とは、間を布地が
通過できるように、対向面が平行、すなわち、互
いに水平に保持されている。上プレート５と下プ
レート６とは、布地の厚さに合わせて隙間を調整
できるように、上摺動子８と下摺動子９とを介し
て、間隔調整自在に基台に取り付けられている。 上プレート５は、好ましくは、透明の板材が使
用される。透明の上プレート５は、リバーシブル
生地の挿入状態を見ながらスライスできる特長が
ある。 カツター３は、通過ガイド１を通過するリバー
シブル生地をスライスできるように、上プレート
５と下プレート６との間に位置して水平に配設さ
れている。カツター３は、リバーシブル生地を２
枚に剥ぐことができるように、外周が先細り状で
ある円盤が使用される。カツター３の中心にはモ
ーター４の回転軸が固定され、モーター４で回転
駆動される。 通過ガイド１の隙間を調整する隙間調整部材７
は、上プレート５と下プレート６とを互いに反対
する方法に移動させて、両プレートの間隔を調整
する。隙間調整部材７は、上プレート５に固定さ
れている上摺動子８と、下プレート６に固定され
ている下摺動子９と、上摺動子８および下摺動子
９を上下に移動させる調整摺動子１１と、調整摺
動子１１の移動部材１２とを備えている。 上摺動子８と下摺動子９とは、水平の姿勢を保
持して上下に移動できるように、上下ガイドを介
して基台に取り付けられている。上下ガイドは、
ガイドロツド１３と、押バネ１４とで構成されて
いる。 ガイドロツド１３は、上摺動子８と下摺動子９
の隅部に垂直に固定されている。上摺動子８と下
摺動子９には、これ等が回転することなく、上下
に移動できるように、２本のガイドロツド１３が
固定されている。ガイドロツド１３は、垂直に移
動自在に基台の摺動孔に挿入されている。ガイド
ロツド１３の下端には鍔が設けられている。ガイ
ドロツド１３に挿通されて、鍔と基台との間に、
押バネ１４が挿入されている。ガイドロツド１３
が摺動孔を摺動して、上摺動子８と下摺動子９と
が上下に移動して、通過ガイド１の隙間を調整す
る。 調整摺動子１１が移動して、上摺動子８および
下摺動子９を上下に移動させる。上摺動子８およ
び下摺動子９は、摺動自在な傾斜面１０を介して
調整摺動子１１に接触している。 調整摺動子１１を移動して、上摺動子８と下摺
動子９とを上下動できるように、傾斜面１０は、
調整摺動子１１の移動方向に向かつて、上り、下
り方向に傾斜している。第１図に示す調整摺動子
１１は、左から右に移動されると、上摺動子８を
押し上げ、下摺動子９を降下させる。従つて、こ
の調整摺動子１１は、左から右に向かつて、上昇
する傾斜面１０Ａと、降下する傾斜面１０Ｂとを
上面に備えている。上昇傾斜面１０Ａは、下摺動
子９の傾斜面１０に面接触している。降下傾斜面
１０Ｂは、上摺動子８の傾斜面１０に面接触して
いる。上昇側傾斜面１０Ａと、降下側傾斜面１０
Ｂとは、一緒に移動するように、連結棒１５でつ
ながれている。 上摺動子８および下摺動子９の傾斜面１０は、
調整摺動子１１に接触する傾斜面１０と同一勾配
で、互いに面接触している。 このように、上摺動子８と調整摺動子１１とが
摺動自在に接触する傾斜面１０と、下摺動子９と
調整摺動子１１とが摺動自在に接触するの傾斜面
１０とは、互いに反対方向に傾斜し、調整摺動子
１１が移動されると、上摺動子８と下摺動子９と
は、互いに反対方向に移動される。 上摺動子８と下摺動子９の傾斜面１０を同じ勾
配にすることによつて、通過ガイド１の間隔に関
係なく、カツター３を、上プレート５と上下ガイ
ドの中心に正確に位置できる。ただ、特別な場
合、上摺動子８と下摺動子９との傾斜面１０の勾
配を多少相違させることも可能である。例えば、
上摺動子８の傾斜面１０を、下摺動子９の傾斜面
１０より急勾配にすることによつて、上プレート
５の上昇量を、下プレート６の降下量よりも多少
大きくすることも可能である。 第１図のデバイダー装置は、調整摺動子１１を
左から右に移動させると、通過ガイド１の隙間が
広くなる。図示しないが、上摺動子８および下摺
動子９と、調整摺動子１１とが接触する傾斜面１
０の傾きを反対にして、調整摺動子１１を右から
左に移動させると、通過ガイド１の隙間を広くで
きる。従つて、この考案は、傾斜面１０の傾きを
図に示す方向に特定するものではない。 調整摺動子１１は、移動部材１２で図において
左右に移動される。移動部材１２は、ネジ棒１６
とナツト１７とを備えている。ネジ棒１６は水平
に基台に連結されている。このネジ棒１６は、回
転自在であるが軸方向には移動しないように、基
台に連結されている。 ナツト１７はネジ棒１６にねじ込まれている。
ナツト１７は、調整摺動子の下面に取り付けられ
ている。ネジ棒１６を回転すると、ナツト１７が
ネジ棒１６に沿つて移動する。ナツト１７は調整
摺動子１１を移動させる。 ネジ棒の先端にダイアル１８が固定され、ダイ
アル１８でネジ棒１６を回転する。 この移動部材１２は、ダイアル１８を１回転さ
せると、ナツト１７は１ピツチ移動される。この
構造の移動部材１２は、調整摺動子１１を微細に
移動できる特長がある。また、ネジ棒１６を回転
しない限りナツト１７が移動しないので、調整摺
動子１１のブレーキを必要としない特長もある。 ただ、この考案は、移動部材１２をこの構造に
特定するものではない。移動部材１２には、調整
摺動子１１を移動できる全ての機構を採用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すデバイダー
装置の断面図、第２図は第１図に示すデバイダー
装置の平面図である。 １……通過ガイド、２……ガイド部材、３……
カツター、４……モーター、５……上プレート、
６……下プレート、７……隙間調整部材、８……
上摺動子、９……下摺動子、１０……傾斜面、１
１……調整摺動子、１２……移動部材、１３……
ガイドロツド、１４……押バネ、１５……連結
棒、１６……ネジ棒、１７……ナツト、１８……
ダイヤル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記の構成を備える布地を２枚に剥ぐデバイダ
   ー装置。 (a) 布地の通過ガイド１を構成するガイド部材２
   と、このガイド部材内を通過する布地を２枚に
   剥ぐカツター３と、カツター３を回転駆動する
   モーター４とを備えている。 (b) ガイド部材２は、上プレート５と、下プレー
   ト６と、上プレート５および下プレート６の間
   隔を調整する隙間調整部材７とを備えている。 (c) 上プレート５と下プレート６とは、対向面を
   平行に保持して、間隔調整自在に配設されてい
   る。 (d) 上プレート５と下プレート６との間にカツタ
   ー３が配設されている。 (e) 隙間調整部材７は、上プレート５に固定され
   ている上摺動子８と、下プレート６に固定され
   ている下摺動子９と、調整摺動子１１と、調整
   摺動子１１の移動部材１２とを備えている。 (f) 調整摺動子１１と、上摺動子８および下摺動
   子９は、傾斜面１０を介して摺動自在に連結さ
   れている。 (g) 傾斜面１０は、調整摺動子１１の移動方向に
   向かつて、上り、下り方向に傾斜している。 (h) 上摺動子８と調整摺動子１１とが摺動自在に
   接触する傾斜面１０と、下摺動子９と調整摺動
   子１１とが摺動自在に接触する傾斜面１０と
   は、互いに反対方向に傾斜し、調整摺動子１１
   が移動されると、上摺動子８と下摺動子９と
   は、互いに反対方向に移動されるように構成さ
   れている。