JPH04141558A - 自動車触媒担体用耐熱ステンレス箔 - Google Patents

自動車触媒担体用耐熱ステンレス箔

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JPH04141558A
JPH04141558A JP2263740A JP26374090A JPH04141558A JP H04141558 A JPH04141558 A JP H04141558A JP 2263740 A JP2263740 A JP 2263740A JP 26374090 A JP26374090 A JP 26374090A JP H04141558 A JPH04141558 A JP H04141558A
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Keiichi Omura
圭一 大村
Mikio Yamanaka
幹雄 山中
Tomio Satsunoki
富美夫 札軒
Hidehiko Sumitomo
住友 秀彦
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車排気ガス浄化装置用の触媒担体に使用さ
れる耐熱ステンレス箔に関わる。さらに詳しくは、耐酸
化性に優れるだけでなく、触媒のハニカム体に使用した
場合その構造上の耐久性に優れた効果を示す耐熱ステン
レス箔に関わる。
〔従来の技術〕
自動車等の燃焼排ガス浄化装置には、従来セラミックス
製のハニカムが使用されてきたが、これを耐熱ステンレ
スに代替することにより、ハニカム壁の肉厚を減するこ
とが可能で、通気抵抗や熱容量の減少によりエンジン性
能の向上や高価な触煤量金属の節約が実現できることか
ら、例えば、特開昭50−92286号、同51−48
473号、および同57−71898号の各公報に開示
されているごとく、このハニカム体をFe −Cr −
AR系耐熱金属箔で構成する技術が提案されている。こ
の場合、該合金に要求される特性として、耐酸化性およ
び皮膜の密着性が注目され、それゆえその素材としては
一般に耐酸化性、皮膜の密着性に優れているために旧来
より電熱線や暖房器具の高温部材として広く使用されて
きたFe −Cr −Al系合金をベースに、その耐酸
化性あるいは触媒の直接担持体である活性アルミナ(γ
−^1゜03)コート層との密着性を改善した箔が用い
られている。上記各公報に開示された技術はいずれも素
材の耐酸化性を改善する手段としてYを利用している。
一方、特開昭58−177437号公報にはFe −C
r−Al系合金の主として酸化皮膜の剥離を防止するた
めに0.002〜0.05重量%のLa、Ce、PrN
(]からなる群の希土類元素を含む、総量0.06重量
%までの希土類元素を添加した合金、および該合金の安
定化のためにZrを、また高温のクリープ強さの確保の
ためにNbをそれぞれC,N量との特定関係範囲内で添
加した合金が提案されている。これらの公報では希土類
元素の合計が0.06重量%を越えるような合金では、
それ以下の場合に比べて耐酸化性がほとんど改善されな
いばかりか、通常の熱間加工温度では加工することが不
可能であると述べている。
特開昭63−45351号公報には、同じ<Fe −C
r−Al系をベースとする合金においてYの添加は高価
なものになるとして、Ceを排除したLn(ランタノイ
ド)またはLaのみを0.05〜0.2重量%の範囲で
添加する事が提案されている。これは、Lnの添加によ
る熱間加工性の低下原因がCeの存在にあり、さらにC
eには耐酸化性をも低下させる作用があるためとしてお
り、したがってCeだけを排除したLnを添加すれば熱
間加工が可能となり耐酸化性も向上するという知見に基
づくと述べている。しかしながら、Lnは化学的に活性
に富む元素であり、かつ相互の化学的性質が類似してい
るために個々の元素の分離は簡単ではなく、Lnの一般
的な混合物であるミッシユメタルに対しては非常に高価
なものとなる。また、同様にCeのみを分離除去するこ
とも価格の上昇を避は得ない。さらに、これと同一出願
人による特開昭63−42356号公報には、耐酸化性
と酸化スケールの耐剥離性に優れたFe −Cr −/
M!系合金としてCe、La、Pr、およびNdを総和
で0.01%以上0.30%以下を含む合金が開示され
ているが、この合金についての熱間加工性の検討は全く
行われていない。
また、これらの従来技術は主として酸化皮膜の密着性や
耐酸化性については検討されているが、触媒のハニカム
体を構成する箔として実用上重要な要求特性である、ハ
ニカム体の構造上の耐久性に及ぼす箔素材の影響につい
ては十分検討されていない。
〔発胡が解決しようとする課題〕
しかしながら、例えば、自動車の触媒担体では、通常の
使用環境にあっては箔の耐酸化性が不足しているため触
媒担体が寿命に達することは希であり、むしろ走行状態
に連動した加熱・冷却の繰り返しによる熱疲労によって
破損し寿命に達する場合がほとんどである。
すなわち、加熱の際にはハニカム体は高温・高速の排ガ
ス流によって内側から急速に加熱される一方、走行風に
よって外側から強制冷却されるため、ハニカム体半径方
向には急激な温度勾配が生じ大きな熱歪みが発生する。
この熱歪みはハニカム体の半径方向に均一に分布するの
ではなく最外周から数層内側に集中する。これは、ハニ
カム体半径方向の温度勾配が外層側と内層側で大きく異
なっていることと、箔材料の耐力の温度に対する変化率
が温度域によって大きく異なっていることに由来してお
り、すなわちハニカムを構成するフェライト系ステンレ
ス箔の耐力が著しく低下し始める温度域とハニカム体の
半径方向に最も急峻な温度勾配が発生する温度域とが最
外周から数層の部分で合致するたtである。また、定速
走行の際にも、外周から走行風による冷却があるため、
熱歪み発生の程度は緩和されるが依然として最外周から
数層の部分に熱歪みが集中する状態が続く。
さらに、減速あるいは空走のときには比較的低温のガス
が流れるためハニカム体は外側と同時に中側からも冷却
され、最外周から数層内側の部分が最も高温の状態が生
じるためやはりこの部分に熱歪みが集中する。
このように、触媒担体のハニカム体はその内側に発生す
る熱歪みの蓄積が主な原因で、セルの潰れや担体の極度
な変形等の構造上の寿命に達する場合がほとんどである
ので、これを回避するためには耐熱疲労性に優れた箔材
を用いる必要がある。
こうした場合には本発明者らの検討によれば、箔の高温
での耐力を向上することが必要であり、とりわけ上述し
たようにハニカム体の中の急峻な温度勾配発生部分と合
致する温度領域、すなわち600〜850℃の温度域の
箔素材の耐力が高く、かつ600℃以上での温度上昇に
伴う耐力の低下の度合が可能な限り小さい場合に箔の耐
熱疲労特性が良好であり、ハニカム体の構造上の寿命を
向上させるのに有効であることが明らかになった。
一方、触媒含浸したTアルミナ被覆材を担持したステン
レス担体を高温酸化雰囲気に保持あるいは加熱冷却の繰
り返し熱サイクルを施した場合に、箔が酸化され表面酸
化皮膜が形成されるのに伴って、合金箔の面内方向に合
金箔の寸法が著しく増大する(本発明においてはこれを
酸化伸びと称する。)ことがあり、これが担体の構造上
の耐久性の低下に付加的に影響を及ぼす懸念がある。
したがって、触媒担体の構造上の耐久性を向上するため
には、触媒担体の破壊の主要因である熱疲労を抑制する
だけでなく、破壊の副次的要因である酸化伸びを抑制す
ることにより酸化に起因する破壊要因を除去しておく必
要がある。
また、体積に対して表面積が著しく大きい箔の状態で高
温の排ガスに曝されるため、当然耐酸化性にも優れてい
なければならない。
本発明者らは、このような現状の課題を踏まえ、上述し
た特性をすべて具備するような触媒担体の構成筒を開発
すべく種々検討し、本発明に至ったのである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、まず箔の耐酸化性を向上させるためには、0
.01%を越えるYの添加が有効で、Ln(Ce、la
、Pr、およびNd)の場合に比べ飛躍的にその耐酸化
性が向上することを見いだした。
次に、酸化伸びを抑止するためには、適量のMgまたは
/およびSlの添加が有効であることを見いだした。こ
れにより、まず、酸化に起因するハニカム構造体の不具
合発生要因を除去する。
さらに、箔材の600〜850℃の高温域での耐力を向
上するためには、Nbおよび/またはTaの添加あるい
はMoおよび/またはWの添加が有効であり、さらにT
aおよび/またはNbの添加と同時にMoおよび/また
はWを添加すると特に800℃以上の高温側の耐力がさ
らに向上することを見いだした。
すなわち、本発明は以上の検討結果をもとに、高温の排
ガス中にあっても箔の耐酸化性や皮膜の密着性に優れる
とともに、特に触媒担体の構造上の耐久性向上に有効な
耐熱ステンレス箔を提供することを目的に達成されたも
のである。
しかして、その具体的な手段は以下のようなものである
重量%で Y:0.01%超0.5%以下、 A14.5%以上6.5%以下、 Cr:13%以上25%以下、 C: 0.025%以下、 N:0.02%以下、 C+N:0.03%以下、 さらに、 Mg  :0.02%以上0,1%以下及びsl :1
%以上2.5%以下の内の1種または2種を含み、残部
Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする自
動車排気ガス浄化触媒担体用耐熱ステンレス箔であって
、 さらに必要に応じて、重量%で Ta:3%以下、 Nb:3%以下、 Mo:4%以下、 W :4%以下、 の1種または2種以上を Ta+Nb:3%以下、 Mo+W:4%以下、 の範囲で添加することによって高温側の耐力を向上でき
る。
〔作 用〕
次に本発明における成分の限定理由並びにその作用につ
いて詳しく説明する。なお、本明細書中の化学組成はす
べて重量%である。
(1)Y: Yは本発明にあっては箔の耐酸化性および異常酸化発生
に対する抵抗を向上させる。箔の異常酸化発生までの寿
命は、Yが0.旧%を超えるとそれ以下の場合に比べて
著しく向上するが、0.5%を超えると再度低下し始め
る。したがって、その範囲は0.01%超0.5%以下
に限定される。
<2>Al: AIは本発明にあっては耐酸化性を確保する基本元素で
あって、4.5%未満では箔の場合、排ガス中での酸化
皮膜の保護性が悪く、たやすく異常酸化を発生するため
、触媒の担体としてその使用に耐えない。一方、6.5
%を超えて含まれると、熱延板の靭性が極度に低下し製
造性が損なわれることに加え、箔の熱膨張係数が大きく
なり、触媒担体として使用した場合には加熱・冷却の繰
り返しによる熱疲労が大きくなる。したがって、本発明
にあってはAIは4.5%以上6.5%以下がその範囲
になる。
(3) Cr  : Crはステンレス鋼の耐食性を確保する基本元素である
。本発明にあっては、耐酸化性の主体はへ1□03皮膜
にあるが、Crが不足するとその密着性や保護性が低下
する。一方、Crが過剰になると熱延板の靭性が低下す
るため、その範囲は13%以上25%以下となる。
(4)C,N: C,Nはともに本発明にあっては、熱延板の靭性を著し
く低下させる。この悪影響をTaまたはNbの作用によ
って抑えることができるが、Cが0、025%を超える
場合、またはNが0.02%を超える場合、もしくはC
+Nの合計量が0.03%を超える場合には靭性を回復
させることが困難になる。
したがって、この点からは、 C: 0.025%以下、 N:0.02%以下、でかつ C+N:0.03%以下、 がその範囲となる。
また、C,Nは炭窒化物として析出し、これが析出強化
作用により高温の耐力を向上するという望ましい作用効
果をも併せもつのであるが、上述したようにこれは析出
物が粗大化するとその効果が低下する。C,Nが多量に
含まれる場合には、たとえTaおよび/またはNbが上
記下限値以上添加されていても、この析出物の粗大化が
促進され強化効果の減少速度が大きくなる。すなわち、
C,Nが多量に含まれる場合には、炭窒化物の平均粒子
サイズが大きくなるのであって、析出強化に有効な均一
微細な析出形態とはなり難いのである。この点から、C
,Nの含有量は制限され、本発明にあっては、C: 0
.025%以下、N:0.02%以下でかつ、C+N:
0.03%以下である。
以上の事情により、結局C,Nの範囲は、C: 0.0
25%以下、 N:0.02%以下、でかつ c+N:0.03%以下、となる。
(5)Mg: Mgは本発明にあっては箔の酸化伸びを抑制し、触媒担
体の構造上の耐久性を向上させるために重要な添加元素
である。Mgを0.02%以上添加すると酸化伸びの抑
制効果が極めて顕著であるが、0.1%を超えると再度
その効果は低下し始ぬる。
したがって、その範囲は0.02%以上0.1%以下に
限定される。
(6) Si  : Si は本発明にあっては耐酸化性を向上させると同時
に、特に箔の酸化伸びを抑止し、触媒担体の構造上の耐
久性を向上させる重要な添加元素である。一方、Siは
熱延板の靭性を低下させる元素でもある。これらの点か
らSiの含有量は制限され、1%以上2.5%以下であ
る。なお、Mg単独を添加することによって酸化伸びを
抑制する場合には、Slは不可避的不純物とみなす。こ
の量は通常のステンレス鋼に必然的に混入される程度で
ある。
(7)TaH Taは本発明にあっては箔の高温での耐力を向上させ、
触媒担体の構造上の耐久性を改善するために重要な添加
元素である。Taの作用は鋼中のCおよびNと結合して
炭窒化物を形成し、これがいわゆる析出強化作用を及ぼ
すことに加えて、さらに余剰の分が素地に固溶し固溶強
化作用を及ぼすために高温の耐力が改善されるのである
。この際、析出強化作用はその効果は大きいものの、例
えば、750℃を超えるような温度域での長時間使用中
に次第に析出物が凝集粗大化することにより金属組織の
変化が生じ、その効果が低下する場合があるのに対し、
固溶強化作用は析出強化作用はどは効果が大きくはない
が、長時間使用中においても金属組織の変化に起因する
上述した作用効果の低下がほとんどないのが特徴である
。このような析出強化作用と固溶強化作用の両者により
高温域における耐力が向上される一方、Taが過剰に添
加されるとLaves相が析出し、鋳造後の鋼塊が割れ
やすくなるだけでなく、高温の耐力も低下する。こうし
た観点からTaの添加量が決定され、本発明者の検討に
よれば3%以下である。
さらに、TaはC,Nを固定するため熱延板の靭性を向
上させる効果があるが、上記添加範囲であればこの効果
は十分もたらされるのである。
(8)Nb  : Nbは本発明にあっては、Taと同様、箔の高温での耐
力を向上させ、触媒担体の構造上の耐久性を改善すると
同時に、熱延板の靭性を改善するための重要な添加元素
である。Nbの作用はTaと同様の理由により析出強化
作用と固溶強化作用の両者により高温の耐力を改善する
一方、過剰に添加されるとLaves相を形成し7aの
場合と同様の弊害を引き起こす。また、Nbは熱延板の
靭性を大幅に改善する効果があるが、多量に添加すると
その効果が飽和する。こうした観点からNbの添加量が
決定され、本発明者の検討によれば3%以下である。
また、TaとNbを複合添加しても同様の効果が得られ
るが、その際の添加量はTa+Nbで3%以下が望まし
い。
(9)Mo、W: MOおよびWは本発明にあっては、特に高温の耐力を向
上させ、触媒担体の構造上の耐久性を改善するための重
要な添加元素である。MoおよびWの作用は鋼中の素地
に固溶し固溶強化作用により高温の耐力を改善すること
にある。その際M。
およびWはかなりの量まで有害な析出相を形成せずに固
溶し、大きな強化作用が得られる。また、高温長時間の
加熱に対しても金属組織変化がほとんど生じないため、
強化作用の経時変化がほとんど起こらない。
一方、上述したように、本発明にあっては、高温の耐力
はTaおよび/またはNbの適量添加によって向上でき
るのであるが、Ta、Nbの強化作用のうち析出強化に
よる効果は高温での使用中に次第に減少する場合があり
、また過剰の添加は逆に高温耐力を低下させる。しかし
ながら、M。
および/またはWは、Taおよび/またはNbの存在下
にあってもその効果がなんら影響されないのに加えて、
かなりの量まで有害な析出相を形成することなく素地に
固溶し大きな固溶強化効果が得られる。すなわち、Ta
および/またはNb添加により高温強度を改善した合金
に、さらにM。
および/またはWを添加することにより高温における耐
力をさらに一段向上させることが可能となるのである。
一方、Mo、Wともにそのほとんどが固溶するため添加
量の増加とともに金属素地が強化されるのであるが、過
剰に添加した場合には靭性が低下する。こうした観点か
ら、Moおよび/またはWの添加量が決定され、本発明
者の検討結果によりば、MoおよびWの添加量の上限値
は両者ともに4%である。また、MoとWを同時に複合
添加しても同様の効果が得られるが、この際の上限値は
MO+Wで4%以下が望ましい。
(lO)その他の不純物: Mn : Mnは本発明にあっては、特に極初期の酸化皮膜中に濃
化し、以後のへ1203皮膜の形成に害を及ぼし皮膜に
構造的欠陥を残存させる一因となるので0.3%以下に
制限することが望ましい。
P: Pにはフェライト系ステンレス鋼の靭性を低下させる作
用があるため、本来的な性質として靭性に劣るFe −
Cr −Aβ系ステンレスにあってはこの点から添加量
は制限され、本発明にあってはその量は0.1%である
。また、このような範囲のPの添加は、耐酸化性に対し
悪影響を及ぼさないS: Sは耐酸化性を低下させるため、本発明にあっては0.
003%以下に抑えることが望ましい。
このような構造をもつ本発明Fe −Cr −All系
合金箔は、耐酸化性および異常酸化発生に対する抵抗が
大きいだけでなく、酸化伸びがほとんど生じず、加えて
耐熱疲労性を有する。さらに、該合金箔から構成された
排ガス浄化触媒担体および該触媒装置は、高温の燃焼排
ガス雰囲気中であっても異常酸化の発生に対する抵抗が
著しく大きいのみならず、ハニカム体としての構造上の
耐久性に優れている。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明の効果をさらに詳しく説明す
る。
(実施例1) 第1表に本発明の実施例および比較例の合金の化学成分
を示す。これらの鋼はいずれも真空高周波誘導炉によっ
て25kg溶解し、インゴット鋳造した後、1200℃
にて1時間保定後直ちに熱間圧延を開始し厚さ4鵬にま
で圧延した後、自然放冷した。
これら熱延板を1200℃で15分間焼鈍した後、厚さ
3祁、幅30m+n、長さ100sの引っ張り試験片を
加工し、600℃、700℃および800℃の温度域で
引張試験を行った。その結果を第2表の引張試験の欄に
示す。高温強度化の達成判定基準は、以下のようにした
。すなわち、600℃での耐力が20kgf/wn2以
上でかつ700℃での耐力がllkgf /wn”以上
でかつ800℃での耐力が4.5 kgf / mm2
のものを○印で、それ以外のものをX印で示した。なお
、耐力は各3実験値の平均値とした。実施例の合金はい
ずれも良好な高温耐力を示す。
実施例と比較例Bl、B2およびB5は、熱間圧延後、
脱スケール、冷間圧延(一部の合金は温間圧延した。)
、焼鈍を繰り返し、板厚50−程度の箔にした。比較例
B3.86〜B9は靭性が悪いため、上記工程中では温
間にて注意深く圧延した。
これらの箔材から、5 Q )m 、幅20mm、長さ
25mmの試験片を採取して、1150℃大気中雰囲気
で酸化試験を行った。この際、該温度で25時間加熱後
放冷し、箔材の寸法を測定する試験を各箔材に異常酸化
が発生するまで行った。これらの結果を第2表滴の箔材
をX印で示す。また、酸化伸びが0.2%未満の箔試験
片をO印で、0.2%以上の試験片をX印で示す。本実
施例の各鋼箔はいずれも200時間以上の長寿命であり
、寸法変化も小さいことが分かる。         
          以下余白第 表 第 表 (続き) (実施例2) 第1表中、本発明例としてAI、A2および八6、また
比較例としてB6およびB8の合計5種類の厚さ50−
の箔を巾97闘の銅帯とし、これに周期3.5m+n、
振幅3.2 mmの正弦波状の付加加工したもの(波板
)を、この加工なしの箔(平板)帯と重ね合わせて巻き
込み、見かけの直径42肛程度、長さ97腸程度のハニ
カム状円筒体を作製し、波板/平板接合部に適宜市販の
Ni基クロウ材粉末付着せしめたものを、3 Xl0−
’Torr程度の真空中にて加熱し、ロウ付処理した。
こうして得られたロウ付後のハニカム構造体を炉芯管の
内径45■の横型炉状加熱炉に装置し、炉芯管の一方の
端からエンジン排ガスを流入量10β/m i n導入
しつつ1100℃に加熱し、25時間ごとに取り出しハ
ニカム体両端部中央間の長さを測定すると同時に、異常
酸化発生の有無およびハニカム体のセル変形、箔切れ等
の不具合発生状況の有無を目視にて行う操作を8回(2
00時間に相当する)繰り返した。
この際エンジン排ガスは排気量2000ccの4気筒の
ガソリンエンジンを回転数150Orpm負荷5kg・
mの運転条件下で空燃比13にて発生させ、150℃に
保温した導管より加熱炉内に導入した。得られた結果を
第3表に示す。試験後、異常酸化が発生しなかったハニ
カム体を○印で示し、異常酸化が発生したものについて
はX印で示す。試験後のハニカム体の寸法変化が0.2
%未満のものを○印で、0.2%以上のものをX印で示
す。また、試験後ノ1ニカム構造体上の不具合のないも
のについてはO印で、不具合のあったものについてはX
印で示す。
実施例のハニカム体には、異常酸化およびハニカム体の
不具合は生じておらず、またハニカム体の寸法変化も小
さい。したがって、実施例のハニカム体はいずれも異常
酸化発生に対する抵抗力に優れるのみならず、構造耐久
性にも優れていることが分かる。
第 表 (実施例3) 第4表に示す成分の箔を100kg真空高周波炉にて溶
解、鋳造後、1200℃に加熱し熱間にて30%の圧延
後空冷し、さらに1150℃にて熱間圧延して厚さ2.
5祁の熱延板を得た。
さらに、これをショツトブラスト、酸洗、冷間圧延、焼
鈍、脱脂、酸洗、箔圧延、脱脂、スリット、箔圧延、真
空焼鈍の手順にて厚さ50摩、巾97肛の箔コイルを作
製した。
この箔を前記したのとほぼ同様の手法により、直径10
0■、長さ97mmの円筒状ハニカムとし、さらにこれ
を内径100肛、長さ97M1板厚1.5順のフェライ
ト系ステンレス円筒状外筒内に装着後、箔同士および箔
と外筒間をロウ付接合してノ1ニカム触媒担体とした。
次に、前記エンジンの排気ガス経路に装着し、エンジン
ベンチ試験に供した。
エンジン試験は、実施例2のエンジンにて、触媒担体入
り側のガス温度を900℃とし9分間エンジンを運転し
た後、エンジンを停止し強制的に冷却することにより、
触媒担体温度が100℃以下になるまで冷却する加熱・
冷却のサイクルを1000回繰り返した。得られた結果
を第5表に示す。試験後、ハニカム体のガス入り側端面
にセルの潰れ、箔切れ、ガス流方向への端面のズレ等の
不具合の発生しなかったものについてはO印で示し、不
具合の発生したものについてはX印で示す。実施例のハ
ニカム体においても、わずかなセル変形は生じたが、そ
の他の激しい損傷は生じなかったのに対し、比較例にお
いては、セルの潰れ、箔切れおよびガス流方向への端面
の一部の飛び出し等大きな損傷を受けていた。したがっ
て、実施例の箔材のノ1ニカム体はいずれも構造耐久性
に優れていることが分かる。
以下余白 第 表 〔発明の効果〕 実施例からも明らかなごとく、本発明によるFe −C
r−Af系合金箔は、異常酸化発生に対する抵抗力に優
れるとともに、酸化伸びに対する抵抗が大きく、加えて
耐熱疲労性にも優れている。
さらに合金箔のロウ付げによるノ\ニカム構造体として
も排ガス中での耐酸化性および形状変化等に対する構造
耐久性に優れている。
したがって、本願発明のFe −Cr −Af系合金は
排気ガス浄化用の箔として好適であり、とりわけ自動車
の排気ガス浄化装置の触媒支持体として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で Y:0.01%超0.5%以下、 Al:4.5%以上6.5%以下、 Cr:13%以上25%以下、 C:0.025%以下、 N:0.02%以下、 C+N:0.03%以下、 さらに、 Mg:0.02%以上0.1%以下及びSi:1%以上
    2.5%以下の内の1種または2種を含み、残部Feお
    よび不可避的不純物からなることを特徴とする自動車排
    気ガス浄化触媒担体用耐熱ステンレス箔。
  2. (2)さらに、重量%で Ta:3%以下、 Nb:3%以下、 Mo:4%以下、 W:4%以下、 の内の1種または2種以上を含み、かつ、 Ta+Nb:3%以下、 Mo+W:4%以下 を含む、請求項1記載の耐熱ステンレス箔。
JP2263740A 1990-10-03 1990-10-03 自動車触媒担体用耐熱ステンレス箔 Expired - Lifetime JP2944182B2 (ja)

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