JP4684645B2 - 構造耐久性に優れた触媒担持用メタル担体 - Google Patents

構造耐久性に優れた触媒担持用メタル担体 Download PDF

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本発明は、ハニカム構造体、特にガス反応用触媒コンバータに用いられる触媒担持用メタル担体に関する。
自動車等の内燃機関の排ガス浄化用触媒担体として、耐熱合金製の外筒に同合金製のハニカム体を嵌入したメタル担体が、近年多用されるようになってきた。ハニカム体は厚さ50μm程度の平箔と、該平箔をコルゲート加工した波箔とを、交互に積層して形成され、平箔と波箔を交互に積層したものや、帯状の平箔と波箔を重ねて渦巻状に巻き回したもの等が使用されている。
近年、自動車排ガス規制が非常に厳しくなる傾向にあり、触媒を早期に活性化する必要性から、エンジン直下に触媒コンバータを配置する場合が多くなっている。即ち、触媒コンバータの使用環境が非常に厳しくなってきており、したがって、メタル担体に対する構造耐久性の要求も厳しくなっている。
平箔と波箔から構成されるメタル担体においては、平箔と波箔の間を接合しておく必要があるが、ハニカム体全体を接合してしまうと、熱応力が大きくなり過ぎて、例えば、ハニカム体と外筒の接合部に亀裂が貫通し、ハニカム体が外筒から脱落してしまう等、容易に破壊してしまうと言う欠点を有する。そこで、優れた構造耐久性を得るための手段として、メタル担体においては、熱応力の発生を制御するために、ハニカム体を構成する箔同士の接合構造を工夫することが必要である.その具体的方法は、熱変形を許容するために、部分的に箔同士が接合していない部分を設けることであって、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5等に開示されている。
米国特許第4795615号公報 WO90/03842号公報 特許第2558005号公報 特許第3199936号公報 実用新案登録第2543636号公報
しかしながら、最近は、排ガス成分のみならず、燃費に対する規制もさらに厳しくなってきている。特に、高速運転時の燃費を向上させようとすると、理論空燃費近くで燃焼させなければならず、エンジン高回転時の排ガス温度が非常に高くなる.したがって、高い浄化性能を得るため、エンジン始動直後の低回転時の触媒早期活性化を狙って、触媒コンバータをエンジン直下に配置すると、その後、エンジン高回転時には、触媒コンバータは高温に曝され、かつ、エンジン直下に配置されていることから、偏流が発生し、担体内部に大きな温度勾配が発生し、使用環境として非常に厳しいものになる。
従来技術の接合構造では、高温でしかも偏流が大きい環境下では、ハニカム体それ自体が大きく変形してしまう場合が生じる.これは、後述するように、ハニカム体を構成する箔同士の接合点数が少な過ぎて、ハニカムの剛性が不足しているためである.したがって、ハニカム体内の接合点数を増やすことが、ハニカム体の剛性を高めることに対しては有効である。しかしながら、ハニカム体を構成する箔同士を全て接合した場合、剛性は向上するものの、ハニカム体内に大きな熱応力が発生し、やはり、ハニカムが座屈、変形してしまう場合が生じる。
そのため、ハニカム体内の接合点数を増加して、ハニカム体の剛性を増加させつつも、ハニカム体内の接合構造を工夫することにより、ハニカム体の座屈/変形を防ぐことができるようなメタル担体が望まれていた。
前記課題を解決する本発明の触媒担持用メタル担体は、金属箔を巻き回してなる全長100mmのハニカム体とその外周面を囲む金属外筒との少なくとも一部を接合してなるメタル担体において、前記ハニカム体を構成する箔同士の接合部が、外周接合部、入側接合部、及び複数の中間接合部から構成され、前記外周接合部がハニカム体の最外周から径方向に2層以上総層数の1/3 以下まで、ハニカム体の軸方向全長に亘って接合され、前記入側接合部がハニカム体の排ガス入側端部から5mm以上軸方向長さの70% 以下まで、ハニカム体の径方向全層に亘って接合され、各々の中間接合部は、外周接合部あるいは隣接する別の中間接合部から少なくとも1層間隔をあけた内側から内周側2〜10層まで、前記入側接合部から連続して軸方向全長に亘って接合されてなることを特徴とする。
また、上述の外周接合部及び中間接合部の一部を飛び飛びに接合する複数の2の中間接合部をさらに形成してなることを特徴とする。
また、前記ハニカム体と金属外筒が、ハニカム体軸方向長さの10〜50%で接合されてなることを特徴とする。
また、前記金属箔がFe−Cr−Al系金属箔であって、Al濃度が質量%で4.5%以上10%以下であることを特徴とし、また、前記金属箔がFe−Cr−Al系金属箔であって、Al濃度が質量%で6.5%以上9%以下であることを特徴とする。
本発明の触媒担持用メタル担体は、従来の技術では対応できなかった、高温下で偏流が発生し、ハニカム体内部に大きな温度勾配が発生する環境下での使用にも十分に耐え得る構造耐久性を有するものである。
前述したように、従来技術に基づく接合構造のハニカム体においては、高温下でしかも偏流が存在するような厳しい条件では、ハニカム内の接合点数が少な過ぎて、ハニカムの剛性が不足して、ハニカム体が大きく変形することがある。そのため、ハニカム体内部に発生する熱変形を抑制しつつ、ハニカム体の剛性を高めることが必要となる。
第7図に記載した構造は、従来技術に基づいた接合構造を有する円柱状メタル担体1の軸方向断面模式図である。メタル担体1の上部がガス入側、下部がガス出側を示す。幅100mm程度、厚さ50μm程度のフェライト系ステンレスの平箔と波箔を重ねて巻いたハニカム体2を、外径80mm、厚さ1.5mm、長さ100mmのステンレス鋼製の外筒3に収めてある。図中、ハッチングした部分は、平箔と波箔が接合された領域を示す。図中、4は、ハニカム体2の平箔と波箔の排ガス入側の接合領域を表しており、その接合長さは20mm程度である。5は、ハニカム体2の最外周から軸方向全体に渡って数層接合した外周接合部である。ハニカム体2は、外筒3と接合部6において接合されている。
このような接合形態においては、さほど厳しくない条件下においては、入側で排ガスの脈動による、箔欠けを防止ししつつ、排ガスの出側に伸びが許容されるため、構造耐久性を有する。しかし、高温下で偏流が発生し、ハニカム体内部に大きな熱勾配が生じるような厳しい条件下では、第8図に示すように、ハニカム内の箔同士が接合されていない部分、即ち、剛性が少ない部分14で、箔が座屈し、入側端面のセルがつぶれて、当該セルをガスが通過できないと言う不具合を生じる。
特に温度勾配が大きくなるのは、排ガスの入側であり、また、入側端面は排ガスの脈動に直接曝されることから、本発明においては、第7図に示すように、排ガスの入側は、箔同士を全部接合させて、該端面領域を強化しておくことは必須である。また、外周部で温度勾配が大きくなることも、触媒コンバータにおいては必ず生じる現象であり、したがって、この部分の剛性を上げるために、外周接合部5を設けておくことも必須である。外周接合部の層数は、2層以上、総層数の1/3以下とすることが好ましい。外周接合部が2層未満では、強度が不足し、当該部分は容易に破壊し、また、総層数の1/3を超えると、当該部分での軸方向の変形が阻害されて、過度の熱応力が発生するからである。本発明は、この2つの構成要件を必須とした上で、ハニカム体2内部の接合点数を増やし、剛性を高めつつも、ハニカム体2の熱変形に伴うセルつぶれを抑えるものである。
参考例第1の構造は、第1図に示すように、入側接合部4の接合長さを、40mm以上、ハニカム体2の軸方向長さの70%以下にする。このように、入側接合部4の接合長さを長くすると、第8図で座屈していた領域14では熱応力が発生するが、箔同士が接合されているので、剛性が高くなっており、接合長さが短いものと比較して、箔の座屈を抑えることができる。しかしながら、接合長さが長くなれば剛性を高めることができるが、ハニカム体2の軸方向長さの70%を超えると、かえって大きな熱応力が発生し、セルが大きく変形し、セル内をガスが通過できない場合が生じる。
参考例第2の構造としては、第2図に示すように、参考例第1の方法と同様に、入側接合部4の接合長さを40mm以上ハニカム体2の軸方向長さの70%以下にすると共に、出側にも接合部7を設けるものである。これも、参考例第1の構造と同様の効果があると共に、ガスの脈動によって生じる出側の箔の振動を、接合部を設けることで防止することができる。但し、出側接合部7の接合長さは、入側接合部4の接合長さよりも短くする必要がある。これは、出側接合部7の接合長さを短くすることによって、入側接合部4よりも剛性を低下させて、出側接合部7の方を変形し易くし、入側端面の変形を防止する目的のためである。特に、出側接合部7の接合長さは、入側接合部4の接合長さの1/2以下であることが好ましい。但し、該振動防止の効果を得るために、第1の出側接合部7の接合長さとして1mm以上確保しておくことが好ましい。また、出側接合部7の位置としては、出側接合部7の下端が、ハニカム体2の出側下端部から20mm以内に位置していることが好ましい。
参考例第3の構造としては、第3図に示すように、入側接合部4と出側接合部7の中間部に、少なくとも1つの参考中間接合部8を設けておく方法である。この場合、参考例第1あるいは参考例第2の構造のように、入側接合部4の接合長さを規定する必要はないが、入側端面における箔欠けを防止するために、5mm以上の接合長さを有していることが好ましい。但し、特に座屈し易い入側接合部4直下の領域においては、箔の座屈を防ぐため、入側接合部4とそれに隣接する参考中間接合部8の間隔は、20mm以下に抑えることが好ましい。また、非接合部における熱変形を許容する効果を得るために、1mm以上設けておくことが好ましい。また、入側接合部4の接合長さは、それに隣接する中間接合部8の接合長さよりも長いことが好ましい。この構造においては、各接合部の間に設けられている非接合部において熱変形が許容されつつも、その間隔が短いため、極端なセルつぶれを生じるような変形を生じない。また、ガスの脈動によって生じる箔の振動を、第2の方法よりもさらに防止することができる。該振動防止の効果を得るためには、参考中間接合部8の接合長さとして、1mm以上確保しておくことが好ましい。
参考例第4の構造としては、第4図に示すように、入側接合部4と接して参考中間接合部9を設け、さらに、外周接合部5と参考中間接合部9の間に、非接合部10を設けておく。この場合も、入側接合部4の接合長さを規定する必要はないが、入側端面における箔欠けを防止するために、5mm以上の接合長さを有していることが好ましい。参考中間接合部9では、箔同士が接合されているので剛性が高く、この領域で箔が座屈することを防止できる。非接合部10は、箔間1層分で十分である。5層を超えると、非接合部の剛性が低くなり過ぎて、座屈を生じる恐れがあることから、5層以下に抑えることが好ましい。非接合部10が設けられているので、外周部と中心部の温度差に伴って、第9図の如く変形し、ハニカム内の熱応力発生を防ぐことができる。第9図に示すような変形挙動は、セルつぶれを伴うものではなく、したがって、ガスが流れないと言う不具合が生じることはない。
本発明の第の構造は、参考例第4の構造をさらに発展させたもので、第5図に示すように、外周接合部5、入側接合部4、及び複数の中間接合部13から構成され、外周接合部5と中間接合部13の間、あるいは中間接合部13同士の間に、軸方向に非接合部12を設けるものである。この場合は、極端な偏流により、ハニカム体2内部で大きな温度勾配が発生した場合でも、中間接合部13が分割された構成であるため、第10図の如く変形し、ハニカム内に発生する熱応力を防止できる。第10図に示す変形挙動も、セルつぶれを伴うものではない。中間接合部13は、剛性を確保するために、2層以上の箔から構成されていることが好ましく、第10図に示す変形挙動を効果的に得るために、10層以下の箔から構成されていることが好ましい。また、非接合部12は、箔間1層以上5層以下に抑えることが好ましい。
本発明の第の構造は、第の構造をさらに発展させたもので、第6図に示すように、外周接合部5と中間接合部13の間、あるいは中間接合部13同士の間に設けられた非接合部12の中に、さらに第の中間接合部15を設けるものである。極端な偏流により、ハニカム体2内部で大きな温度勾配が発生した場合に、第の構造と同様の変形を許容する効果と同時に、非接合部12における振動を抑制する効果がある。中間接合部13は、2層以上、10層以下の箔から構成されていることが好ましい。また、非接合部12は、箔間1層以上5層以下に抑えることが好ましい。また、第の中間接合部15の軸方向間隔は、1〜20mm程度が好ましい。また、第の中間接合部15の各接合長さは、1〜20mm程度であることが好ましい。
本発明は、ハニカム体2内の変形を抑制するものであり、外筒3とハニカム体2の接合形態については、特に規定するものではないが、ハニカム体2と外筒3との接合部6の接合長さとしては、ハニカム体長さの10%〜50%にしておくことが好ましい。また、入側と出側を比較すると、温度は出側の方が低く、強度が高い出側近傍に、接合部6を設けておくことが好ましい。
また、前述したように、本発明のハニカム体2を構成する金属箔としては、フェライト系ステンレスを挙げたが、その中でも優れた高温耐酸化性を得られる点で、Fe−Cr−Al系のフェライト系ステンレス箔を用いることが好ましい。これは、Alが含有されていることにより、高温下に長時間暴露しても、箔表面にアルミナ皮膜が形成され、該アルミナ皮膜が酸素の拡散障壁となって、箔の酸化速度が遅くなるため、箔中のAlが枯渇するまでは、金属箔の酸化が原因となって生じるハニカム体2の破壊を防止できる。
本発明で用いる金属箔は、特にFe−Cr−Al系ステンレス箔であることが好ましく、該箔に含有されるAl濃度は、質量%で4.5%以上10%以下であり、Cr濃度は10%以上30%以下のステンレス箔を用いると、本発明の効果はより高いものとなる。Al濃度が4.5%未満であると、高温下に暴露できる時間が短くなり、10%を超えると、熱膨張係数が大きくなるため、偏流による温度差で発生する熱応力が大きくなり、いずれの場合もハニカム体の耐久性は、低くなる恐れがある。したがって、Al濃度は4.5%以上、10%以下とした。Cr濃度が10%未満であると、高温耐酸化性が低下し、30%超であると、熱膨張係数が大きくなるため、いずれもハニカム体の耐久性が低くなるためこの範囲にした。
さらに好ましくは、Al濃度が質量%で6.5%以上9%以下において、最も優れた耐久性が実現できるようになる。これは、高温における機械強度と熱膨張係数のバランスが耐久性にとって最も良好になるのが、このAl濃度の間である。
本発明を具現化することができる接合方法は、ろう付け、拡散溶接、レーザー溶接等の接合で可能である。また、本発明の担体は、円柱状のものに限ることなく、楕円形型、レーストラック型等のその他の形のものにも適用し得るものである。
本発明の第1〜第の構造と、Fe−Cr−Al系のフェライト系ステンレス箔の組み合わせに基づく、実施例を説明する。ここで、いずれの比較例、実施例も、箔厚みは50μmであり、ハニカム体のセル密度は60セル/cm2である。
本発明の基本構造は、幅100mm、厚さ50μmのフェライト系ステンレスの平箔と波箔を重ねて巻いたハニカム体2を、外径80mm、厚さ1.5mm、長さ100mmのステンレス鋼製外筒3に収め、メタル担体1を構成したものである。このときの波箔の層数は、中心から29〜30層であったこれらの接合は全てろう付けで行い、メタル担体1を作製した。
本発明の第1の構造は、基本構造と同じサイズのハニカム体2の平箔と波箔の入側接合部4は、入側端部から接合長さ20mmとした。最外周の平箔、及び、その内側の波箔、平箔の対を5層接合して、外周接合部5とした。最外周の平箔、及び、その内側の波箔、平箔の対を5層接合して、外周接合部5とした。外周接合部5の内側の波箔と、外周接合部5とは、1周分接合せず非接合部12を設け、それより内側は、順次波箔と平箔を5層ずつ接合して、中間接合部13、及び、1周分の非接合部12を設けた。
本発明の第の構造は、第1の構造と同じサイズのハニカム体2の平箔と波箔の入側接合部4は、入側端部から接合長さ20mmとした。最外周の平箔、及び、その内側の波箔、平箔の対を5層接合して、外周接合部5とした。外周接合部5の内側の波箔と、外周接合部5とは、1周分接合せず、非接合部12を設け、それより内側は、順次波箔と平箔を5層ずつ接合して、中間接合部13、及び、1周分の非接合部12を設けた。さらに、第の中間接合部15を、軸方向に3列配置した。第4の接合部15の接合長さは5mmである。また、入側接合部4の下端部と最上部の第4の接合部15の上端部の間隔は20mm、第中間接合部15同士の間隔も20mmとした。
なお、これらのメタル担体において、外筒3とハニカム体2の接合部6は、全て、出側端部から接合長さ25mmとした。
一方、比較例1の構造は、幅100mmの平箔と波箔を重ねて巻いたハニカム体2を、外径80mm、厚さ1.5mm、長さ100mmのステンレス鋼製外筒3に収め、メタル担体1を構成したものであり、ハニカム体2の平箔と波箔の入側接合部4は、入側端部から接合長さ20mmとした。
また、比較例2の構造は、幅100mmの平箔と波箔を重ねて巻いたハニカム体2を、外径80mm、厚さ1.5mm、長さ100mmのステンレス鋼製外筒3に収め、メタル担体1を構成したものであり、ハニカム内全部を接合した。
表1には、これまでに説明した第1〜の構造に基づく実施例1〜のメタル担体及び比較例のメタル担体について、構造、Fe−Cr−Al系ステンレス箔のCrとAlの含有量を記してある。
Figure 0004684645
構造耐久性の試験は、実際のエンジンによる排ガスの加熱冷却サイクル試験に、メタル担体をかけて、セルつぶれによるガス閉塞や、ハニカム体2が外筒3から抜け落ちる現象(コアズレ等)のトラブルが発生する冷熱サイクル数を調べた。用いたエンジンは、排気量3リットルのV型6気筒エンジンであり、メタル担体の入側は、排気マニホールドと外筒3をコーンを介して溶接し、また、出側は、排気管と外筒3をコーンを介して溶接した。冷熱サイクルのパターンは、メタル担体への入ガス温度が970℃と400℃の間を繰り返す温度パターンを用いた。1サイクルは、10秒で入ガスが970℃に達し、10秒間保定し、30秒間で400℃まで冷却するものである。観察は、50サイクル毎にエンジンを停止し、メタル担体を観察し、セルつぶれの有無、あるいは、コアズレの有無を調査した。
先ず、Cr濃度が20質量%、Al濃度が5.0質量%であるFe−Cr−Al系ステンレス箔を使用して製造した、比較例1、2、及び、実施例のメタル担体の結果について説明する。
比較例1では、冷熱サイクル回数が100回の時に、第8図に示すように、非接合部分の箔が座屈し、入側端面におけるセルつぶれが生じ、つぶれたセル内には、もはやガスが流れ得る状況ではなかった。
比較例2では、冷熱サイクル回数が150回の時に、ハニカム体と外筒の接合部6付近の箔が破壊し、ハニカム2が外筒3から脱落していた。
、第の構造に基づく実施例の場合も、ハニカム体と外筒の接合部6付近の箔が先に破壊し、ハニカム体2が外筒3から脱落した。このときの冷熱サイクル回数は、1200回、1400回と、比較例1、2に比べて、極めて大きく、寿命が大幅に延びることが確認できた。
次に、Fe−Cr−Al系ステンレス箔のAl濃度を増加させた場合の実施例を示す。
また、Al濃度が、質量%で、7.0、8.0、9.0、10.0%とした第の構造に基づく、実施例では、Al濃度を5.0%とした実施例に比べて、実施例において、ハニカム体が外筒からずれてしまう冷熱サイクル回数が延長され、さらに高い本発明の効果が得られるようになった。また、Al濃度が10.0%の実施例では、実施例よりは長寿命であったものの、実施例と比較すると、やや寿命が短くなっていた。
た、実施例においては、ハニカム体が外筒からずれてしまう冷熱サイクル回数が延長され、さらに高い本発明の効果が得られるようになった。
ステンレス箔の厚みが30μm、50μm、セル密度が60セル/cm2、100セル/cm2、140セル/cm2の組み合わせで、本発明の構造、及び、Al濃度を導入したメタル担体を製造し、同様な構造耐久性の試験を行ったが、いずれの場合にも、著しく高い構造耐久性を得ることができた。
以上の結果から、本発明の触媒担持用メタル担体が優れた構造耐久性を有することが明らかになった。
参考例第1の実施形態を示す軸方向断面の接合構造を示す模式図 参考例第2の実施形態を示す軸方向断面の接合構造を示す模式図 参考例第3の実施形態を示す軸方向断面の接合構造を示す模式図 参考例第4の実施形態を示す軸方向断面の接合構造を示す模式図 本発明の第の実施形態を示す軸方向断面の接合構造を示す模式図 本発明の第の実施形態を示す軸方向断面の接合構造を示す模式図 従来技術に基づく接合構造を有する円柱状メタル担体の軸方向断面模式図 従来技術に基づく接合構造を有するメタル担体の変形状況を示す軸方向断面模式図 参考例第4の接合構造を有する円柱状メタル担体の変形状況を示す軸方向断面模式図 本発明の第の接合構造を有する円柱状メタル担体の変形状況を示す軸方向断面模式図 参考例第2の接合構造を有するメタル担体の変形状況を示す軸方向断面模式図
符号の説明
1 メタル担体
2 ハニカム体
3 外筒
4 入側接合部
5 外周接合部
6 ハニカム体と外筒の接合部
7 出側接合部
参考中間接合部
9、11 参考中間接合部
10、12 非接合部
13 間接合部
14 剛性が少ない部分
15 第の中間接合部

Claims (5)

  1. 金属箔を巻き回してなる全長100mmのハニカム体とその外周面を囲む金属外筒との少なくとも一部を接合してなるメタル担体において、前記ハニカム体を構成する箔同士の接合部が、外周接合部、入側接合部、及び複数の中間接合部から構成され、前記外周接合部がハニカム体の最外周から径方向に2層以上総層数の1/3以下まで、ハニカム体の軸方向全長に亘って接合され、前記入側接合部がハニカム体の排ガス入側端部から5mm以上軸方向長さの70%以下まで、ハニカム体の径方向全層に亘って接合され、各々の中間接合部は、外周接合部あるいは隣接する別の中間接合部から少なくとも1層間隔をあけた内側から内周側2〜10層まで、前記入側接合部から連続して軸方向全長に亘って接合されてなることを特徴とする構造耐久性に優れた触媒担持用メタル担体。
  2. 前記外周接合部及び各中間接合部の一部を飛び飛びに接合する複数の第2の中間接合部をさらに形成してなる請求項1に記載の触媒担持用メタル担体。
  3. 前記ハニカム体と金属外筒が、ハニカム体軸方向長さの10〜50%で接合されてなる請求項1または2に記載の触媒担持用メタル担体。
  4. 前記金属箔がFe−Cr−Al系金属箔であって、Al濃度が質量%で4.5%以上10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触媒担持用メタル担体。
  5. 前記金属箔がFe−Cr−Al系金属箔であって、Al濃度が質量%で6.5%以上9% 以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触媒担持用メタル担体。
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