JPH11303626A - 排気ガス浄化用メタル触媒装置 - Google Patents

排気ガス浄化用メタル触媒装置

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JPH11303626A
JPH11303626A JP10125384A JP12538498A JPH11303626A JP H11303626 A JPH11303626 A JP H11303626A JP 10125384 A JP10125384 A JP 10125384A JP 12538498 A JP12538498 A JP 12538498A JP H11303626 A JPH11303626 A JP H11303626A
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metal
honeycomb body
catalyst device
exhaust gas
flat plate
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JP10125384A
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English (en)
Inventor
Yasuji Sakamoto
保司 坂本
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた耐熱性、耐久性を有する二輪車用排気
ガス浄化用メタル触媒装置を提供する。 【解決手段】 メタル担体MSが薄肉鋼板製の平板と波
板を当接するように重ね合わせるとともに巻回成形して
得られるハニカム構造のメタルハニカム体Hと、外包す
るメタルケーシングth、とから成り平板と波板の板厚
において波板が少なくとも75μmの板厚のもので構成
され、かつハニカム構造のセル密度が平方インチ当り
(cpsi)250個以下のものより成るメタルハニカ
ム体Hは、その後端部から中央部に及ばない所定幅D1
の領域のみにおいて、平板と波板の当接部がろう付けさ
れ、メタルハニカム体Hとメタルケーシングthの当接
部は、メタルハニカム体Hの後端部から中央部に及ばな
い所望幅dの外周面でのみろう付けされたもので構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉金属鋼板製の
平板と波板から成るハニカム構造体であって排気ガス浄
化用の触媒を担持するためのハニカム構造体(以下、メ
タルハニカム体(H)という。)と、前記メタルハニカ
ム体(H)を外包する金属製ケーシング(以下、メタル
ケーシング(th)という。)とからなる排気ガス浄化
用触媒を担持するためのメタル担体(MS)を主要な構
成要素とする新規な構造のメタル触媒装置に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、従来の四輪車用の排
気系に使用されているメタル触媒装置と比較して、厳し
い使用条件のもとにおかれる排気ガス系において、典型
的には二輪車用の排気ガス系において、安全性をもって
使用することができる新規な構造のメタル触媒装置に関
する。
【0003】更に詳しくは、本発明は、従来の四輪車用
メタル触媒装置と比較して、平板(平箔)と波板(波
箔)の板厚、ハニカム構造体の各セルの大きさ(ディメ
ンジョン)やセル密度、メタルハニカム体(H)を構成
する平板と波板の当接部のろう接合部位やメタルハニカ
ム体(H)とメタルケーシング(th)のろう接合部
位、などの構成を全く新たにデザインした典型的には四
輪車よりも過酷な条件で使用される二輪車用の排気系に
安全性をもって使用することができる新規な構造のメタ
ル触媒装置に関する。
【0004】
【従来の技術】従来より提案されている四輪車用の排気
系に装着されるメタル担体(MS´)は、その構成部材
を含めて図14〜図16に示されている。図示されるよ
うに、この種の四輪車用メタル担体(MS´)は、耐熱
性の薄肉金属鋼製の平材(1´)と波材(2´)を交互
に重積するとともに(図14参照)、これを巻回成形し
て製作したハニカム構造体(図15〜図16参照)であ
って、排気ガス浄化用触媒(例えば、Pt、Rh、Pd
などの貴金属系触媒)を担持するためのメタルハニカム
体(H´)、及び前記メタルハニカム体(H´)を外包
するメタルケーシング(th´)とから構成されるもの
である。
【0005】当業界において、前記四輪車用メタル担体
(MS´)、特にその主要な構成要素であるメタルハニ
カム体(H´)の構成部材である耐熱鋼製の平板と波板
は、セラミック(コージェライト系)触媒担体との価格
及び品質競争の面から薄肉化の方向に進んでいる。より
具体的には、Fe−Cr20%−Al5%などの耐熱鋼
製の平板と波板の典型的な板厚は、40〜50μmであ
るが、低背圧化(エンジン効率の向上化)、軽量化、昇
温性(高い暖機特性)、当接部の拡散接合性などの観点
から、20〜30μmの薄肉化に進んでいる。
【0006】前記四輪車用メタル担体(MS´)におい
て、メタルハニカム体(H´)部の波板(2´)の波形
構造及びハニカム構造は、一般的には次のようなディメ
ンジョンを有するものである。 (i).波板(2´)の波高は、1.25〜1.50mm、
波長(一周期長)は、2.5〜3.0mmが一般的であ
る。 (ii).1平方インチ当たり(cpsi)のセル数は、3
00〜400セルが一般的である。 なお、板厚50μm、波高1.45mm、波長2.90
mmの波板と板厚50μmの平板から約300セルのメ
タルハニカム体(H´)が得られ、また板厚50μm、
波高1.25mm、波長2.5mmの波板と板厚50μ
mの平板から約400セルのメタルハニカム体(H)が
得られる。
【0007】前記したメタルハニカム体(H´)を主要
な構成要素とする従来の四輪車用メタル担体(MS´)
は、その使用環境において、十分な耐久性を有するもの
である。しかしながら、従来の四輪車用のメタル担体
(MS´)の使用環境は、後述する本発明のメタル担体
(MS)、特に、二輪車用に適用する本発明のメタル担
体(MS)の使用環境に比べると、極めてマイルド(緩
慢)なものであるということができる。
【0008】これは、走行中の四輪車においては、その
車体重量との関連でエンジン系での急加速(急加熱)、
急停止(急冷却)の条件が二輪車と比較してマイルド
(緩やか)なものになるためである。このため、四輪車
用のメタル担体(MS´)の開発にあたり、強制試験
(強制テスト)として採用する冷熱サイクルモードとし
て、例えば800〜900℃を最高温度、200℃を最
低温度に設定し、1サイクルを所定時間、例えば15分
間で行なう場合、二輪車用のメタル担体を開発するには
前記1サイクルを1/2〜1/3に時間を短縮して、よ
り過酷な条件のもとで耐熱性や耐久性のテストを実施す
ることが必要である。因みに、50ccエンジン搭載の
二輪車においては、急加速(急加熱)の時にエンジンは
容易に1000〜1100℃にも加熱され、かつ急停止
により急速に冷却されるが、このような過酷な温度条件
は、四輪車においては想定していないものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
の四輪車用メタル担体の設計思想をもって、排気系の温
度条件がより過酷な二輪車用メタル担体を構成すること
はできない。事実、本発明者らにより従来の四輪車用メ
タル担体の設計思想をもって構成したメタル担体を二輪
車用に転用した場合、前記冷熱サイクルモードの1サイ
クルを6〜6.5分に短縮してテストした結果、全く満
足する結果を得るとができなかった。
【0010】例えば、二輪車用メタル担体は、前記した
ように高度の耐熱性が求められることから、耐熱鋼(F
e−20Cr−5Al)製の平板と波板の肉厚が100
μmのものを用いて製作した直径60.5mm、長さ7
5mm、セル密度100cpsiの巻回タイプのメタル
ハニカム体(H´)とフェライト系ステンレス製の厚肉
1.5mmのメタルケーシング(th´)からなるメタ
ル担体(MS)において、(i).メタルハニカム体(H
´)の先端面から10mm及び後端面から30mmの領
域の平板と波板の当接部をろう接合し、かつ、メタルハ
ニカム体(H´)とメタルケーシング(th´)の当接
面部をメタルハニカム体(H´)の後端から25mmの
幅でろう接合したもの、あるいは、(ii).メタルハニカ
ム体(H´)の先端部から30mm及び後端面から10
mmの領域の平板と波板の当接部をろう接合し、かつ、
メタルハニカム体(H´)とメタルケーシング(th
´)の当接面部をメタルハニカム体(H´)の先端から
25mmの幅でろう接合したもの、において、全く満足
する結果を得ることができなかった。
【0011】前記した構成の二輪車用のテスト品の重大
な欠点は、従来の薄肉の平板と波板を使用した四輪車の
ものと比較して、構造上の相違に起因して、即ち、平板
と波板の肉厚が100μmと従来技術の二倍強であるこ
と、かつ巻回タイプのメタルハニカム体(H´)である
ことから巻回中心部の巻回始端において平板が少なくと
も一重巻きされること、あるいは巻回中心部の巻回始端
において平板と端部が平坦化された波板とが巻回される
こと、などに起因して、巻回中心部の熱容量が他の部位
よりも極めて大きくなること、別言すれば、他の部位が
急速に加熱されてヒート・スポーットを形成するため、
巻回中心部は他の部位の熱膨脹の伸びに追随することが
できず、排気ガス出口方向に大きく飛び出してしまう点
にある(テレスコーピング、フィルムアウトなどといわ
れている)。前記した飛び出し現象(テレスコーピン
グ)は、従来の薄肉の箔材を使用した四輪車用メタル担
体(MS´)と比較して、極めて大きいものであり、メ
タル担体の耐久性にとって致命的なものである。なお、
従来の四輪車メタル(MS´)にみられるテレスコーピ
ング現象は、巻回中心部と半径方向にみてかなりの領域
がテレスコープするものであるが、前記二輪車テスト品
においては、巻回中心部とその近傍部位の狭い領域が異
常にテレスコープするという極めて特異な現象のもので
ある。
【0012】本発明は、急加熱、急冷却の排気系、典型
的には二輪車の排気系の排気ガス浄化用メタル触媒装置
において、その主要な構成要素であるメタル担体(M
S)部を、従来の四輪車用のメタル担体(MS´)の設
計思想に依らずに全く新しい設計デザインのもとで再構
成し、耐熱製、耐久性に優れたものにすることを目的と
するものである。
【0013】本発明者らは、特に二輪車用の排気系に適
用される耐熱性、耐久性に優れたメタル担体(MS)に
ついて鋭意検討した。その結果、二輪車のエンジン効率
の低下防止という要請を組込み、かつ従来の四輪車用メ
タル担体(MS´)よりも過酷な使用条件に耐え得ると
いう要請を満たすために、使用する板材(波板と平板の
うち少なくとも波板)の肉厚さを75μm以上とし、か
つセル密度(cpsi)を250以下にするとともに、
メタルハニカム体(H)の構成部材(平板と波板)の当
接部のろう接合の部位、及びメタルハニカム体(H)と
メタルケーシング(th)の当接面部のろう接合の部位
を特定部位に設定することにより、十分な耐熱性と耐久
性を有する二輪車用のメタル担体(MS)が得られるこ
とを見い出した。
【0014】本発明は、前記知見をベースにして創案さ
れたものである。本発明により、過酷な急加熱、急冷却
の条件が負荷される排気系、例えば二輪車用の排気系な
どに適用される排気ガス浄化用メタル触媒装置が提供さ
れる。
【0015】本発明を概説すれば、本発明は、エンジン
の排気系管部(ta)に固定支持された排気ガス浄化用
触媒を担持するためのメタル担体(MS)からなる排気
ガス浄化用メタル触媒装置において、前記メタル担体
(MS)が、(i).薄肉鋼板製の平板と波板を当接するよ
うに重ね合わせるとともに巻回成形することにより得ら
れるハニカム構造のメタルハニカム体(H)と、前記メ
タルハニカム体(H)を外包するメタルケーシング(t
h)、とから構成され、(ii).前記メタルハニカム体
(H)は、平板と波板の板厚において波板が少なくとも
75μmの板厚のもので構成され、かつハニカム構造の
セル密度が平方インチ当り(cpsi)250個以下の
もので構成され、(iii).前記メタルハニカム体(H)
は、(iii)-1.その後端部から中央部に及ばない所定幅
(D1)の領域において、平板と波板の当接部がろう付
けされたもので構成され、かつ、(iii)-2.その他の全て
の領域において、平板と波板の当接部がろう付けされな
いもので構成されるか、もしくは、(iii)-3.その先端部
から中央部に及ばない所望幅(D2)の領域であって、
かつ巻回中心部を除く領域をおいて、平板と波板の当接
部の所望部位がろう付けされたもので構成され、(iv).
前記メタルハニカム体(H)とメタルケーシング(t
h)は、メタルハニカム体(H)の後端部から中央部に
及ばない所望幅(d)の外周面領域において、メタルハ
ニカム体(H)の外周面とメタルケーシング(th)の
内周面がろう付けされて構成されたものである、ことを
特徴とする排気ガス浄化用メタル触媒装置に関するもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的構成及び実
施態様を図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明
は図示のものに限定されないことはいうまでもないこと
である。
【0017】また、以下の本発明の実施態様の説明は、
本発明の排気ガス浄化用メタル触媒装置を二輪車に適用
したときのケースについて説明するが、本発明は前記用
途(二輪車の用途)に限定されないことはいうまでもな
いことである。
【0018】図1〜図5は、本発明の第一実施態様の二
輪車用の排気ガス浄化用メタル触媒装置(A)を説明す
る図である。図1は、本発明の第一実施態様の排気ガス
浄化用メタル触媒装置(A)の断面図である。図2は、
図1のI−I線矢視図である。図3は、図2のメタルハ
ニカム体(H)部の一部拡大正面図である。図4は、図
2のメタルハニカム体(H)部の巻回中心部(Ho)の
一部拡大正面図である。図5は、図1のメタルハニカム
体(H)と前記メタルハニカム体(H)を外包するメタ
ルケーシング(th)とからなるメタル担体(MS)部
の断面図であり、特にメタル担体(MS)のろう付け部
位を説明する図である。
【0019】前記図1及び図5において、メタルハニカ
ム体(H)の断面構造は、図示明確化のために、概略的
に示されている。しかしながら、メタルハニカム体
(H)は、後述するように前記メタルハニカム体(H)
が平板(1)と波板(2)を重ね合わせるとともに、こ
れを巻回成形して製作されたものであることから、容易
にその断面構造が理解できるものである。この点は、後
述する図6、図9、図11、図12においても同じであ
る。また、前記図1及び図5において、記号(F)は、
排気ガスの流入方向(以下、排気ガス流方向という。)
を示しており、この点は他の図においても同じである。
更に、前記図5(断面図)において、メタルハニカム体
(H)部及びメタルケーシング(th)部のハッチング
は、図示明確化のため省略してある。この点は、他の関
連図面においても同じである。
【0020】図1〜図2に示されるように、本発明の第
一実施態様の二輪車用のメタル触媒装置(A)は、(i).
エンジン排気系管部(ta)(以下、単に排気管(t
a)という。)、(ii).前記排気管(ta)内に、所定
の間隔をおいて配設されるとともにメタル担体(MS)
を固定する排気ガス入口側隔壁(a)及び排気ガス出口
側隔壁(b)、(iii).前記隔壁(a、b)に固定された
メタル担体(MS)であって、メタルハニカム体(H)
と前記メタルハニカム体(H)を外包するメタルケーシ
ング(th)とからなるメタル担体(MS)、という構
成要素(部材)からなるものである。
【0021】本発明の第一実施態様の二輪車用のメタル
触媒装置(A)において、前記排気管(ta)は、排気
ガス流方向(F)にみて拡径部(ディフューズ部)(t
a1)と縮径部(コーンフューズ部)(ta2)を有した
もので構成されている。なお、前記拡径部(ta1)と
縮径部(ta2)からなる二輪車用の排気管(ta)の
構造は、消音(マフラー)機能を兼備する一例である。
【0022】本発明の第一実施態様の二輪車用のメタル
触媒装置(A)において、排気管(ta)内に立設さ
れ、かつメタル担体(MS)部を固定保持する隔壁
(a、b)は、排気管(ta)とメタル担体(MS)の
メタルケーシング(th)の間に所望容積の空間スペー
ス(S)を形成するように配設される。前記空間スペー
ス(S)は、断熱空間部となりメタル担体(MS)の特
性向上に好ましいものである。また、外気への直接接触
を避けてメタル担体(MS)の耐久性向上、排気管(t
a)への急激な熱伝達を回避(ドライバーへの安全性)
などの面で好ましいものである。なお、本発明におい
て、排気管(ta)の拡径部(ta1)及び/又は縮径
部(ta2)の空間スペースを利用して、従来の消音
(マフラー)用機器を配備してもよいことはいうまでも
ないことである。
【0023】図3〜図4は、本発明の二輪車のメタル触
媒装置(A)の第一特徴点、即ち、メタル担体(MS)
部の主要な構成要素であるメタルハニカム体(H)部の
構成に関する特徴点を説明する図である。また、図5
は、本発明のメタル触媒装置(A)の第二特徴点、即
ち、メタルハニカム体(H)の構成部材である平板
(1)と波板(2)の当接部、及びメタルハニカム体
(H)とメタルケーシング(th)との間の当接面部の
ろう付けに関する特徴点を説明する図である。以下、前
記第1〜第2の特徴点について説明する。
【0024】図3は、従来の四輪車用のメタルハニカム
体(H´)に適される平板(1´)及び波板(2´)と
比較して(図14参照)、本発明のメタルハニカム体
(H)に適用される平板(1)及び波板(2)が、二輪
車の過酷な使用条件のもとにある排気系に対応するため
に、その肉厚が極めて厚いもので構成されるという特徴
点を説明するための図である。
【0025】当業界において、従来技術の説明の項で説
明したように、四輪車用のメタルハニカム体(H´)の
平板及び波板(1´、2´)は、一般的に40〜50μ
mの耐熱鋼製の箔材が使用されている。また、当業界に
おいて、低背圧化(エンジン効率の向上化)、軽量化、
昇温性(高い暖機特性の確保)、あるいは平箔と波箔の
当接部の拡散接合などの観点から、20〜30μmへの
薄肉化が進んでいる。
【0026】しかしながら、二輪車用のメタルハニカム
体(H)において、従来技術の説明の項で説明したよう
に、二輪車用エンジンに課せられる使用条件が四輪車と
は比較にならないほど過酷であるため、四輪車用のメタ
ルハニカム体(H´)において確立された技術あるいは
開発途上にある技術を踏襲することはできない。この点
は、従来技術の説明の項で説明したように、本発明者に
よる従来の四輪車用のメタルハニカム体(H´)を二輪
車用に転用するために設定した強制テストにより、実証
されている。
【0027】本発明の二輪車用のメタル触媒装置(A)
において、メタル担体(MS)部の主要な構成要素であ
るメタルハニカム体(H)の構成部材、即ち、耐熱鋼製
の平板(1)及び波板(2)として、肉厚が従来の2倍
強のものが使用される。例えば、本発明において、肉厚
が75〜200μm、より具体的には、100μmの平
板(1)及び波板(2)が使用される。なお、図3は、
本発明のメタルハニカム体(H)部に適用される平板
(1)及び波板(2)において、その肉厚が従来のもの
(図14参照)より極めて厚いことを模式化した図であ
る。
【0028】また、本発明の二輪車用のメタル触媒装置
(A)において、その主要な構成要素であるメタルハニ
カム体(H)(以下、二輪車用タメルハニカム体という
ことがある。)は、前記したように、平板(1)と波板
(2)の肉厚が従来の四輪車のものと比較して極めて厚
いという特徴点に加え、二輪車のエンジン効率を排気ガ
ス規制との関連を考慮してセル(3)の単位面積当りの
セル密度を四輪車よりも低く設定しているという特徴点
を有する。例えば、本発明において、メタルハニカム体
(H)は、セル密度が平方インチ当り(cpsi)25
0個以下、より具体的には、100個のもので構成され
る。因みに、従来の四輪車のメタルハニカム体(H)
は、セル密度300〜400(cpsi)のものが汎用
されている。
【0029】本発明において、前記した二輪車用メタル
ハニカム体(H)のセル密度に関する特性要求との関連
において、特に波板(2)の肉厚が75μm以上、具体
的には100μmのもので構成されることが必須であ
る。これは、本発明の二輪車用メタルハニカム体(H)
が前記したように、平板(1)と波板(2)を重ね合わ
せ、これを一括巻回成形して製作されるため、波板
(2)は、巻回成形中に印加される加工応力に十分に耐
え得る加工剛性を保持していなければならないためであ
る。前記したセル密度100(cpsi)のものにおい
て、波板(2)の肉厚は、少なくとも75μm以上、好
ましくは100μm以上であることが好ましい。
【0030】本発明の二輪車用メタルハニカム体(H)
のセル(3)のセル構造を波板(2)の波形形状(波形
構造)からみると、平板(1)と波板(2)の板厚を1
00μm、セル密度100(cpsi)としたとき、波
板(2)の波形形状は、波高2.5mm、波長(一周期
長)5.0mmの大きさ(デイメンジョン)を有するも
のとなる。本発明の前記二輪車用メタルハニカム体
(H)のセル(3)のセル構造は、従来の四輪車用メタ
ルハニカム体(H´)と比較して、全く異質のものであ
る。例えば、従来の四輪車用メタルハニカム体(H´)
において、平板と波板の板厚が50μmで、かつセル密
度が300〜400(cpsi)のものが汎用されてい
る。因みに、従来の四輪車用メタルハニカム体(H´)
において、セル密度が300(cpsi)のものの波板
(2´)の波形形状は、波高1.45mm、波長2.9
0mmである。また、セル密度が400(cpsi)の
ものの波板(2´)の波形形状は、波高1.25mm、
波長2.50mmである。
【0031】本発明において、前記平板(1)及び波板
(2)は、例えば四輪車用メタルハニカム体(H´)に
適用されている平板(1´)または波板(2´)と同種
の耐熱鋼製の薄肉金属板(平板状帯材)で構成すればよ
い。例えば、前記平板(1)及び波板(2)は、クロム
鋼(クロム13%〜25%)、Fe−Cr20%−Al
5%などの耐熱性ステンレス鋼、あるいはこれに耐高
温酸化性を改善するために希土類金属(CeやYなどの
REM)を加えた耐熱性のステンレス鋼など、厚さが7
5μm以上の帯材で構成される。特に、平板(1)及び
波板(2)として、Alを含有させたものやあるいはそ
の表面にAl層を設けたものを熱処理して、その表面に
ウィスカー状もしくはマッシュルーム状のアルミナ(A
23)を析出させたものが好ましい。前記ウィスカー
状などのアルミナ層は、Pt、Pd、Rhなどの排気ガ
ス浄化用触媒を担持するためのウォッシュコート層を強
固に保持することができるので好ましいものである。
【0032】図4は、本発明の二輪車用メタルハニカム
体(H)において、その平板(1)と波板(2)の端部
が巻回成形される巻回中心部(巻回始端部)(Ho)の
構造を説明する図である。図4を参照して二輪車メタル
ハニカム体(H)の巻回中心部(Ho)を説明する理由
は、前記したように本発明の二輪車用メルタハニカム体
(H)が従来に比して極めて板厚の厚い平板(1)及び
波板(2)で構成されることに関連して、その巻回中心
部(Ho)は他の部位よりも熱容量が極めて大きくなる
こと、そして、この点をメタル担体(MS)の設計デザ
インに生かすことの重要性を示すためである。
【0033】図示されるように、本発明の二輪車用メタ
ルハニカム体(H)は、図示しない巻回用治具、例えば
スリット入りの直径5mmの棒状巻回治具に平板(1)
の巻回始端を少なくとも一重巻き付け、その後に平板と
波板(2)を巻き込むようにして製作されるものであ
る。なお平板(1)と波板(2)の巻回成形法として
は、前記した方式のものに限定されず、例えば、波板
(2)の巻回始端を平坦化して両者を一緒に巻回した
り、あるいは波板(2)を平板(1)の巻回始端から所
望の距離を離して平板(1)上にスポット溶接により固
定し、次いで平板(1)と波板(2)を一緒に巻回した
りしてもよく、所望の方式を採用すればよい。
【0034】図4から明らかのように、本発明の二輪車
用メタルハニカム体(H)において、板厚の厚い平板
(1)及び波板(2)を使用していることから、その巻
回中心部(Ho)は、他の部位に比して熱容量が極めて
大きくなり、別言すれば、他の部位が排気ガスにより急
速に加熱され(ヒートスポーットの形成)、他の部位と
の間に大きな熱膨脹差が生じる。前記した大きな熱膨脹
差は、従来の薄肉の平板(1´)と波板(2´)を使用
した四輪車用メタルハニカム体(H)の比ではなく、別
言すれば、従来の四輪車メタルハニカム体(H´)で観
察される中心部の飛出し現象(テレスコーピング、フィ
ルムアウト)が、大きく増幅されたものとなる。即ち、
従来の巻回中心部とその近傍部位が全体的に飛出す現象
ではなく、ほぼ巻回中心部のみがメタルハニカム体
(H)から飛出すようになり、これに基づく他の部位に
対する破壊伝達力は極めて大きいものである。
【0035】図5は、本発明の第一実施態様の二輪車用
の排気ガス浄化用触媒装置(A)、特にメタル担体(M
S)において、前記したメタルハニカム体(H)部の本
来的にもっているネガティブ要因を考慮し、かつ過酷な
使用条件のもとにおいて耐久性のあるメタル担体(M
S)とするためのメタル担体(MS)に適用される特定
のろう付け方式を説明するものである。前記したメタル
担体(MS)部に適用される特殊なろう付け方式(ろう
付け法)は、耐久性のあるメタル担体(MS)を得るた
めの前記板厚の厚い平板(1)及び波板(2)を採用す
るという第一特徴点と並んで、本発明の第二の特徴点を
なすものである。
【0036】図5に示されるように、本発明の第一実施
態様の二輪車用の排気ガス浄化用触媒装置(A)、特に
そのメタル担体(MS)部は、(i).前記板厚の厚い平板
(1)と波板(2)からなる巻回タイプのメタルハニカ
ム体(H)がメタルケーシング(th)内に収容されて
構成され、かつ、(ii).前記メタルハニカム体(H)
は、(ii)-1.その後端部から中央部に及ばない所望幅
(D1)の領域において、平板(1)と波板(2)の当
接部がろう付けされたもので構成され、かつ、(ii)-2.
前記した領域以外の領域において、平板(1)と波板
(2)の当接部がろう付けされないもので構成され、(i
ii).前記メタルハニカム体(H)とメタルケーシング
(th)は、メタルハニカム体(H)の後端部から中央
部に及ばない所望幅(d)の外周面領域において、メタ
ルハニカム体(H)の外周面とメタルケーシング(t
h)の内周面がろう付けされて構成される、ことを特徴
とするものである。図5において、メタルハニカム体
(H)部のろう付け領域(Ha)は、斜線による格子縞
で示され、またメタルハニカム体(H)部とメタルケー
シング(th)の当接面部のろう付け領域は、太線で示
されている。なお、前記した点は、他の関連する図にお
いても同じである。
【0037】本発明の第一実施態様のメタル担体(M
S)において、前記所望幅(D1,d)は、平板(1)
及び波板(2)の板厚、メタルハニカム体(H)の外
径、幅(Hw)、セル密度などを考慮して、便宜に設定
すればよい。また、(d)は(D1)より大きくても小
さくてもよいものである。例えば、メタルハニカム体
(H)部において、平板(1)及び波板(2)の板厚1
00μm、メタルハニカム体(H)の外径60.5m
m、幅(Hw)75mm、セル密度100、またメタル
ケーシング(th)においてフェライト系ステンレス製
の肉厚1.5mm、のものにおいて、前記(D1)を3
0mm、前記(d)を25mmに設定すればよい。前記
したメタル担体(MS)は、強制テスト、即ち最高温度
800℃〜最低温度200℃の1冷熱サイクルを6.5
分間で行なう強制テストにおいて、200回以上耐え得
る優れた耐久性、耐熱性の有するものである。なお、従
来の四輪車用メタル担体(MS´)、即ち、板厚が50
μm、セル密度400の同種のメタル担体(MS´)
は、前記強制冷熱サイクルにおいて10〜20回という
極めて低い耐久性、耐熱性しか示さないものである。
【0038】本発明において、前記メタルケーシング
(th)は、前記したフェライト系ステンレス製のもの
に限定されず、例えばメタルハニカム体(H)部と同じ
材質のもの、即ち、Fe−20Cr−5Al系の耐熱鋼
製のものなどを使用してもよい。また、メタルケーシン
グ(th)の肉厚は、この種の用途に使用されている
1.0〜1.5mmであってもよいし、それ以下のもの
であってもよい。
【0039】本発明において、排気管(ta)の構成
は、前記図1のものに限定されず、種々の構成のもので
あってもよい。例えば、排気管(ta)が、メタル担体
(MS)を固定支持するための隔壁(a,b)を持たな
いものであっても、あるいは単に隔壁を有するものであ
ってもよい。また、排気管(ta)が、図示しないエキ
ゾーストマニホールドの排気ガス出口側管部と排気管
(ta)のエキゾーストマニホールド側端部との接合部
及びその近傍部位で構成されたものであってもよい。
【0040】更にまた、本発明において、排気管(t
a)の構成は、前記図1に示される非分割型のものでな
く、任意に分解・組立て可能な分割型のもので構成され
てもよいものである。そして、前記分割型の排気管にお
いて、メタル担体(MS)は、分割型排気管同士の接合
部の内部に配設されてもよいものである。
【0041】本発明の二輪車用の排気ガス浄化用メタル
触媒装置(A)は、特にその主要な構成要素となるメタ
ル担体(MS)部は、前記第一実施態様のものに対し、
種々の変形例が可能である。以下、これら変形例につい
て説明する。
【0042】図6〜図7は、本発明の第二実施態様のメ
タル触媒装置(A)のメタル担体(MS)部を説明する
図である。なお、図6は、前記第一実施態様のメタル担
体(MS)に関する図5に対応する図である。また、図
7は、図6のII−II線矢視図であり、メタルハニカム体
(H)部正面図である。
【0043】図6〜図7に示されるように、本発明の第
二実施態様のメタル触媒装置(A)を構成するメタル担
体(MS)(以下、第二実施態様のメタル担体(MS)
という。)は、前記第一実施態様のメタル担体(MS)
(図5参照)と比較して、メタルハニカム体(H)の構
成部材である平板(1)と波板(2)の当接部のろう付
け領域として、メタルハニカム体(H)の後端部の領域
(Ha)以外にメタルハニカム体(H)の先端部にも特
定のろう付け態様によりろう付けされた領域(Hb)を
有する点で相違する。
【0044】前記した第二実施態様のメタル担体(M
S)において、メタルハニカム体(H)部は、(i).その
先端部から中央部に及ばない所望幅(D2)の領域であ
って、かつ巻回中心部(Ho)を除く領域において、更
に、(ii).最外周に沿う所望幅(Hbw)の帯状領域
(Hb)において、前記特定領域(Hb)内に存在する
平板(1)と波板(2)の当接部がろう付けされる。前
記最外周に沿う帯状幅(Hbw)の大きさは、メタルハ
ニカム体(H)の直径や要求される耐熱性や耐久性の程
度などにより適宜、決めればよい。例えば前記実施例1
の直径60.5mm、長さ75mm、セル密度100の
メタルハニカム体(H)の場合、最外周層から約8層ま
での領域(約20mmの帯状幅)とすればよい。
【0045】図8は、第三実施態様のメタル担体(M
S)を説明する図であり、前記第二実施態様に関する図
7に対応する図である。図示されるように、第三実施態
様のメタル担体(MS)において、そのメタルハニカム
体(H)の所望幅(D2)の先端部において平板(1)
と波板(2)の当接部がろう付けされる領域(Hb)
は、前記第二実施態様のメタルハニカム体(H)の最外
周に沿う帯状領域の全領域(図7参照)ではなく、間欠
的にろう付けしない部位(Hc)を置いてろう付け部
(Hb1………Hbx)を設けるように構成される。前
記部分的なろう付け部(Hb1……Hbx)の形成法
は、例えば、メタルハニカム体(H)の先端面におい
て、非ろう付け部に対応する部位をマスキング処理し、
次いで粉末状Ni基ろう材などのろう材粉の分散液にメ
タルハニカム体(H)を先端面から所望深さに浸漬処理
することにより行なえばよい。
【0046】図9〜図10は、本発明の第四実施態様の
メタル担体(MS)を説明する図である。図9は、前記
第一実施態様に関する図5に対応する図である。また、
図10は、図9のIII−III線矢視図であり、メタルハニ
カム体(H)部の正面図を示す。第四実施態様のメタル
担体(MS)における特徴点は、そのメタルハニカム体
(H)部において、その最外周層が波板(2)で構成さ
れる点にある。メタルハニカム体(H)部において、最
外周層を波板(2)で構成した場合、メタルハニカム体
(H)とメタルケーシング(th)の当接面部のろう付
け作業は、例えばろう材粉の水性分散液への浸漬処理で
行なえるため、生産性に富む。また、波板(2)は平板
(1)より熱応力の緩和特性に優れているため、メタル
ハニカム体(H)部の耐久性を向上させることができ
る。なお、前記第一〜第三実施態様において、メタルハ
ニカム体(H)部の最外周層は平板(1)で構成されて
おり、この場合、メタルハニカム体(H)とメタルケー
シング(th)の当接面部のろう付けは、例えばメタル
ハニカム体(H)の外周面に所望の肉厚と所望の幅を有
するろう材箔を巻回することにより行なえばよい。
【0047】図11は、第五実施態様のメタル担体(M
S)を説明する図であり、前記第一実施態様に関する図
5に対応する図である。第五実施態様のメタル担体(M
S)が前記第一実施態様と大きく異なる点は、メタルケ
ーシング(th)の構成にある。図11に示されるよう
に、第五実施態様のメタル担体(MS)において、メタ
ルケーシング(th)は、大径部(th1)と小径部
(th2)を有するもので構成される。前記大径部(t
h1)と小径部(th2)は、所望の方式により、例えば
半円形状半割り型により締付け縮径加工、あるいは絞り
ロールによる縮径加工などにより形成すればよい。前記
縮径加工により、メタルハニカム体(H)部、特にろう
付け部位(Ha)は小径部(th2)により固定される
が、本発明においては使用条件が厳しい二輪車用という
用途面から両部位(Ha、th2)の当接面は更にろう
付けにより強固に固着する。なお、前記第五実施態様に
おいて、大径部(th1)とメタルハニカム体(H)部
の間に形成される空間スペース(S1)は、メタルハニ
カム体(H)部の熱応力緩和ゾーンあるいは保温ゾーン
として作用する。
【0048】図12は、第六実施態様のメタル担体(M
S)を説明する図であり、前記第五実施態様に関する図
11に対応する図である。第六実施態様のメタル担体
(MS)が前記第五実施態様と大きく異なる点は、(i).
メタルケーシング(th)部が、両端部に大径部(th
1)を有するとともに、その間に小径部(th2)を有す
るもので構成され、かつ、(ii).メタルハニカム体
(H)部が、後端部のろう付け領域(Ha)のほかに先
端部にろう付け領域(Hb)を有するもので構成される
点にある。前記第六実施態様のメタルハニカム体(H)
部の先端部のろう付け領域(Hb)において、その平板
(1)と波板(2)のろう付け態様は、前記第二実施態
様〜第三実施態様のろう付け態様を採用すればよい(図
7〜図8参照)。なお、前記第六実施態様において、大
径部(th1)とメタルハニカム体(H)部の間に形成
される空間スペース(S2)は、前記第五実施態様と同
様にメタルハニカム体(H)部の熱応力緩和ゾーンある
いは保温ゾーンとして作用する。
【0049】図13は、第七実施態様のメタル触媒装置
(A)を説明する図であり、前記第一実施態様の図2に
対応する図である。第七実施態様のメタル担体(MS)
が前記第一実施態様と大きく異なる点は、排気管(t
a)内に二個のメタル担体(MS)を併置している点に
ある。なお、本発明において、複数個のメタル担体(M
S)は、垂直方向、水平方向など所望の配設態様で排気
管(ta)内に配設されてもよいものである。
【0050】
【発明の効果】本発明は、二輪車の排気系などにみられ
る極めて過酷な使用条件、即ち四輪車の排気系などと比
較して極めて厳しい冷熱サイクルに晒されても耐久性な
どに優れた新しい構造の排気ガス浄化用メタル触媒装置
を提供しようとするものである。
【0051】例えば、本発明の二輪車用の排気ガス浄化
用メタル触媒装置は、(1).その主要な構成要素である平
板と波板からなるハニカム構造のメタルハニカム体部
は、(i).使用する平板と波板の板厚は、四輪車用に汎用
されている40〜50μmのものと比較して少なくとも
2倍強のもので構成され、(ii).セル密度は四輪車用の
300〜400cpsiに対して250cpsi以下の
もので構成され、かつ、(iii).メタルハニカム体の構成
部材である平板と波板の当接部は、メタルハニカム体の
後端部(Ha)においては全てがろう付けされるが、先
端部はろう付けされないか、あるいは巻回中心を除く特
定部位がろう付けされたもので構成され、更に、(2).前
記メタルハニカム体とこれを外包するメタルケーシング
は、メタルハニカム体の後端部の所望幅の外周面のみが
メタルケーシングの内周面とろう付けされて構成され
る、という従来の四輪車用のメタル触媒装置の構成とは
全く異質の構成要件(設計デザイン)のもとで製作され
る。
【0052】前記した構成要件のもとで、はじめて二輪
車の排気系にみられる厳しい冷熱サイクルに耐え得る耐
熱性、耐久性などに優れた二輪車用のメタル触媒装置が
得られる。本発明は、二輪車用の排気ガス規制の今後の
動向に照らして見たとき、極めて重要なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様の排気ガス浄化用メタ
ル触媒装置(A)の断面図である。
【図2】 図1のI−I線矢視図である。
【図3】 図2のメタルハニカム体(H)部の一部拡大
正面図である。
【図4】 図2のメタルハニカム体(H)部の巻回中心
部(Ho)の一部拡大正面図である。
【図5】 図1のメタルハニカム体(H)と前記メタル
ハニカム体を外包するメタルケーシング(th)とから
成るメタル担体(MS)部の断面図である。
【図6】 本発明の第二実施態様体の排気ガス浄化用メ
タル触媒装置(A)において、そのメタル担体(MS)
部の断面図である。
【図7】 図6のII−II線矢視図である。
【図8】 本発明の第三実施態様体の排気ガス浄化用メ
タル触媒装置(A)において、そのメタル担体(MS)
部の正面図であり、図7に対応する図である。
【図9】 本発明の第四実施態様体の排気ガス浄化用メ
タル触媒装置(A)において、そのメタル担体(MS)
部の断面図である。
【図10】 図9のIII−III線矢視図である。
【図11】 本発明の第五実施態様体の排気ガス浄化用
メタル触媒装置(A)において、そのメタル担体(M
S)部の断面図である。
【図12】 本発明の第六実施態様体の排気ガス浄化用
メタル触媒装置(A)において、そのメタル担体(M
S)部の断面図である。
【図13】 本発明の第七実施態様体の排気ガス浄化用
メタル触媒装置(A)を説明する図であり、第一実施態
様に関する図2に対応する図である。
【図14】 従来の四輪車用の巻回タイプのメタルハニ
カム体(H´)に使用される平板(1´)と波板(2
´)の斜視図である。
【図15】 従来の四輪車用の巻回タイプのメタルハニ
カム体(H´)とメタルケーシング(th´)とから成
る四輪車用メタル担体(MS´)の斜視図である。
【図16】 図15のメタル担体(MS´)の正面図で
ある。
【符号の説明】
A ………… 排気ガス浄化用メタル触媒装置 ta ………… 排気管 MS ………… メタル担体 H ………… メタルハニカム体 th ………… メタルケーシング a、b………… 隔壁 S,S1,S2…………空間スペース Ho ………… 巻回中心部 1 ………… 平板 2 ………… 波板 3 ………… セル MS´………… 従来のメタルケーシング H´ ………… 従来のメタルハニカム体 th´………… 従来のメタルケーシング 1´ ………… 従来の平板 2´ ………… 従来の波板 3´ ………… 従来のセル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気系管部(ta)に固定支
    持された排気ガス浄化用触媒を担持するためのメタル担
    体(MS)からなる排気ガス浄化用メタル触媒装置にお
    いて、前記メタル担体(MS)が、 (i).薄肉鋼板製の平板と波板を当接するように重ね合わ
    せるとともに巻回成形することにより得られるハニカム
    構造のメタルハニカム体(H)と、前記メタルハニカム
    体(H)を外包するメタルケーシング(th)、とから
    構成され、 (ii).前記メタルハニカム体(H)は、平板と波板の板
    厚において波板が少なくとも75μmの板厚のもので構
    成され、かつハニカム構造のセル密度が平方インチ当り
    (cpsi)250個以下のもので構成され、 (iii).前記メタルハニカム体(H)は、 (iii)-1.その後端部から中央部に及ばない所定幅
    (D1)の領域において、平板と波板の当接部がろう付
    けされたもので構成され、かつ、 (iii)-2.その他の全ての領域において、平板と波板の当
    接部がろう付けされないもので構成されるか、もしく
    は、 (iii)-3.その先端部から中央部に及ばない所望幅
    (D2)の領域であって、かつ巻回中心部を除く領域を
    おいて、平板と波板の当接部の所望部位がろう付けされ
    たもので構成され、 (iv).前記メタルハニカム体(H)とメタルケーシング
    (th)は、メタルハニカム体(H)の後端部から中央
    部に及ばない所望幅(d)の外周面領域において、メタ
    ルハニカム体(H)の外周面とメタルケーシング(t
    h)の内周面がろう付けされて構成されたものである、
    ことを特徴とする排気ガス浄化用メタル触媒装置。
  2. 【請求項2】 平板と波板の板厚が、100μm〜20
    0μmである請求項1に記載の排気ガス浄化用メタル触
    媒装置。
  3. 【請求項3】 メタルハニカム体(H)のセル密度が、
    50〜150cpsiである請求項1に記載の排気ガス
    浄化用メタル触媒装置。
  4. 【請求項4】 波板において、各波形が、波高2.5m
    m、波長(一周期長)5.0mmの大きさのもので構成
    される請求項1に記載の排気ガス浄化用メタル触媒装
    置。
  5. 【請求項5】 メタルハニカム体(H)において、その
    最外周層が、平板で構成されるものである請求項1に記
    載の排気ガス浄化用メタル触媒装置。
  6. 【請求項6】 メタルハニカム体(H)において、その
    最外周層が、波板で構成されるものである請求項1に記
    載の排気ガス浄化用メタル触媒装置。
  7. 【請求項7】 メタルハニカム体(H)が、 (i).その後端部から中央部に及ばない所望幅(D1)の
    領域において、平板と波板の当接部がろう付けされたも
    ので構成され、かつ、 (ii).その他の全ての領域において、平板と波板の当接
    部がろう付けされないもので構成されたものである、こ
    とを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用メタル
    触媒装置。
  8. 【請求項8】 メタルハニカム体(H)が、 (i).その後端部から中央部に及ばない所望幅(D1)の
    領域において、平板と波板の当接部がろう付けされたも
    ので構成され、かつ、 (ii).その先端部から中央部に及ばない所望幅(D2)の
    領域であって、かつ巻回中心部を除く領域において、平
    板と波板の当接部の所望部位がろう付けされたもので構
    成されたものである、ことを特徴とする請求項1に記載
    の排気ガス浄化用メタル触媒装置。
  9. 【請求項9】 先端部から中央部に及ばない所望幅(D
    2)の領域であって、かつ巻回中心部を除く領域が、メ
    タルハニカム体(H)の最外周層から所望幅(Hbw)
    の全周に沿う帯域において、全帯域である請求項8に記
    載の排気ガス浄化用メタル触媒装置。
  10. 【請求項10】 先端部が中央部に及ばない所望幅(D
    2)の領域であって、かつ巻回中心部を除く領域が、メ
    タルハニカム体(H)の最外周層から所望幅(Hbs)
    の全周に沿う帯域において、部分帯域である請求項8に
    記載の排気ガス浄化用メタル触媒装置。
  11. 【請求項11】 排気管(ta)が、二輪車用排気系を
    構成する外管である請求項1に記載の排気ガス浄化用メ
    タル触媒装置。
  12. 【請求項12】 排気管(ta)が、二輪車用マフラー
    を構成する外管である請求項1に記載の排気ガス浄化用
    メタル触媒装置。
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