JPH04128345A - 燃焼排ガス浄化触媒担体用耐熱ステンレス箔 - Google Patents

燃焼排ガス浄化触媒担体用耐熱ステンレス箔

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JPH04128345A
JPH04128345A JP2248925A JP24892590A JPH04128345A JP H04128345 A JPH04128345 A JP H04128345A JP 2248925 A JP2248925 A JP 2248925A JP 24892590 A JP24892590 A JP 24892590A JP H04128345 A JPH04128345 A JP H04128345A
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JP
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foil
less
stainless steel
exhaust gas
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JP2248925A
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Inventor
Keiichi Omura
圭一 大村
Mikio Yamanaka
幹雄 山中
Masuhiro Fukaya
益啓 深谷
Tomio Satsunoki
富美夫 札軒
Hidehiko Sumitomo
住友 秀彦
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃焼排ガス浄化装置用の触媒担体に使用され
る耐熱ステンレス箔に関わる。さらに詳しくは、耐酸化
性、製造性に優れるのみならず、7高温での強さに優れ
るため、触媒のハニカム体に用いた場合その構造上の耐
久性を向上させる効果の大きい耐熱ステンレス箔に関わ
る。
〔従来の技術〕
自動車等の燃焼排ガス浄化装置には従来セラミック製ハ
ニカムが使用されてきたが、これを耐熱ステンレス箔に
代替することによりハニカム壁の肉厚を減することが可
能で、通気抵抗や熱容量の減少によりエンジン性能の向
上や高価な触媒貴金属の節約が実現できることから、例
えば特開昭50〜92286号、同51−48473号
及び同57〜71898号の4公報に開示されている如
く、このハニカム体をFe−Cr−A I!系耐熱金属
箔で構成する技術が提案ミれている。
この場合、該合金に要求される特性として、甑酸化性及
び皮膜の密着性が注目され、それゆえ−の素材としては
一般に耐酸化性、皮膜の密着性1:優れているために旧
来より電熱線や暖房器具の(温部品として広く使用され
てきたFe−Cr−A l系ぞ金をベースに、その耐酸
化性あるいは触媒の直蝕担持体である活性アルミナ(T
−^β203)コート層との密着性を改善した箔が用い
られている。」記者公報に開示された技術はいずれも素
材の耐N化性を改善する手段としてYを利用しているが
、Yは極めて高価な元素であるために利用範囲が貼られ
る。
一方、特開昭58−177437号公報にはFe−Cr
−A I系合金の主として酸化皮膜の剥離を防止するた
lに0.002〜0.05重量%のI、、a、 Ce、
 Pr、 Ndからなる群の希土類元素を含む、総量0
.06重量%までの希土類元素を添加した合金、及び該
合金の安定化のためにZrを、また高温のクリープ強さ
確保のためにNbをそれぞれC,N量との特定関係範囲
内で添加した合金が提案されている。この特許では希土
類元素の合計が0.06重量%を越えるような合金では
、それ以下の場合にくらべて耐酸化性が殆ど改善されな
いばかりか、通常の熱間加工温度では加工することが不
可能であると述べている。
特開昭63−45351号公報には、同じ(Fe−Cr
−^β系をベースとする合金においてYの添加は高価な
ものになるとして、Ceを排除したLnまたはLaのみ
を0.05〜0.2重量%の範囲で添加することが提案
されている。これはLnの添加による熱間加工性の低下
原因がCeの存在にあり、さらにCeには耐酸化性をも
低下させる作用があるたtとしており、従ってCeだけ
を排除したLnを添加すれば熱間加工が可能となり耐酸
化性も向上するという知見に基づくと述べている。しか
しながら、Lnは化学的に活性に富む元素であり、かつ
相互の化学的性質が類似しているために個々の分離は簡
単ではなく、従って実質的に純粋なLaはYに比べれば
安価ではあるものの、Lnの一般的な混合物であるミツ
シュメタルに対しては非常に高価であることに変わりは
ない。また、同様にCeのみを分離除去することも価格
の上昇を避は得ないさらにこれと同一出願人による特開
昭63−42356号公報には、耐酸化性と酸化スケー
ルの耐剥離性に優れたFe−Cr−A ji系合金とし
てLa、 Ce、 Pr及びNdを総和で0.01%以
上、0.30%以下を含む合金が開示されているが、こ
の合金についての熱間加工性の検討は全く行われていな
い。
また、これらの従来技術は主として酸化皮膜の密着性や
耐酸化性について検討はされているが、触媒のハニカム
体を構成する箔として実用上重要な要求特性である、ハ
ニカム体の構造上の耐久性に及ぼす箔素材の影響につい
ては十分検討されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、例えば自動車の触媒担体では、通常の使用環
境にあっては箔の耐酸化性が不足しているために触媒担
体が寿命に達することは希であり、むしろ走行状態に連
動した加熱・冷却の繰り返しによる熱疲労によって破損
し寿命に達することが殆どである。即ち、加速の際には
ハニカム体は高温・高速の排ガス流によって内側から急
速に加熱される一方走行風によって外側からは強制冷却
されるため、ハニカム内には急激な温度勾配が生じ大き
な熱歪みが発生する。この熱歪みはハニカム体の半径方
向に均一に分布するのではなく最外周から数層内側に集
中する。これは、外周側はど材料温度が低くその時点で
の箔の耐力が高いことと、内層側では高温ではあるが温
度勾配が小さいことに由来し、ハニカムを構成するフェ
ライト系ステンレス箔の耐力が著しく低下し始める温度
域と最も急峻な温度勾配が発生する領域とが最外周から
数層の部分で合致するたtである。また、定速走行の際
にも、外側から走行風による冷却があるため、その程度
は緩和されるが依然として最外周から数層の領域に歪み
が集中する状態が続く。さらに、減速あるいは空走のと
きには比較的低温のガスが流れるためハニカム体は外側
と同時に中側からも冷却され、最外周から数層内側の部
分が最も高温の状態が生ずるた給やはりこの部分に熱歪
みが集中する。
即ち、触媒担体のハニカム体はこうした加熱・冷却の繰
り返しによって、その内部に発生する熱歪みの蓄積が原
因でセルの潰れや極度な変形等の構造上の寿命に達する
場合が殆どである。こうした場合には箔の高温での機械
的性質としては、クリープ強度よりも耐力が重要であり
、とりわけ上述したようにハニカム体の中の急峻な温度
勾配域と合致するところ、即ち本発明者らの測定による
と600〜850℃の温度域の箔素材の耐力が高く、か
つ600℃以上での温度による耐力の低下の度合いが可
能な限り小さいことが、ハニカム体の構造上の寿命を向
上させるのに有効なのである。また、このような温度で
の使用中に箔の金属組織が変化し、次第に高温での強度
が低下する場合もあり、これを可及的に防止することが
、触媒担体の構造上の耐久性を向上させる上で重要であ
る。
さらに、例えば乗用車のように広く一般の使用に供する
にあたっては、安価でかつ安定供給可能であることが望
まれ、従って素材としては成分コストが低いことはもと
より、製造性に優れることが望まれる。
また、体積に対して表面積が著しく大きい箔の状態で高
温の排ガスに曝されるため、当然耐酸化性にも優れてい
なければならない。
本発明者らは、このような現状の課題を踏まえ、上述し
た特性を具備するような触媒担体の構成筒を開発すべく
種々検討し、本発明に到ったのである。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、まず箔の成分コストを可能な限り低く抑えつつ耐
酸化性を向上させるためには、0.06%を超えるLn
の添加が有効で、0.06%以下の場合に比べ飛躍的に
その耐酸化性が向上し、尚かつこの場合前述した特開昭
58−177437号及び同63−45351号の各公
報がいうような熱間加工性の低下は、PをLnと組み合
わせて含有せしめれば全く起こらないのである。
さらに、前述したように加熱・冷却に伴う触媒担体の構
造上の耐久性向上にはそのハニカム体を構成する箔の6
00〜850℃での耐力の向上が重要であり、この目的
から種々検討の結果、Mo又はWの少くとも1種を添加
すると特に800℃を超える高温側の耐力が向上し、長
時間使用後もその強度低下が極小さいことが明らかとな
った。
さらに、この種のフェライト系ステンレス鋼の構造上の
問題点である熱延板の靭性を調査した結果、C及びN量
を低く抑える必要があり、またNbをC,N量とある特
定関係の比較的微量な範囲で添加すると著しく改善可能
で、通常のステンレス鋼の製造工程で十分大量生産可能
なレベルにまで引き上げ得ることが明らかとなった。
即ち本発明は以上のような検討結果をもとに、高温の排
ガス中にあっても箔としての耐酸化性や皮膜の密着性、
あるいは熱間加工性等の製造に優れるごとは当然として
、さらに、触媒担体の構造上の耐久性向上に不可欠な、
優れた高温強度を有するフェライト系の耐熱ステンレス
箔を提供することを目的に達成されたものである。しか
して、その具体的手段は以下のようなものである。
重量%で、 Ln   :0.06%超 0.15% J*1;(但
しLnは、La、 Ce、 Pr、 Nd)p  :8
X(Ln%十0.015) /45以上0.1%以下 A14.5%以上6.5%以下 Cr:13%以上25%以下 C: 0.025%以下 N  :0.02%以下 C+N:0.03%以下 に加えてさらに、総量で2%以上4%以下のMo又はW
の少なくとも一種を含み、残部Fe及び不可避的不純物
からなることを特徴とする、燃焼排ガス浄化触媒担体用
耐熱ステンレス箔であって、さらに必要によりNbを重
量%で (93−C%/12+93− N%/14)X4.5以
下の範囲で添加することによって、特に熱延板の靭性を
著しく改善できるのである。
〔作 用〕
次に本発明における成分の限定理由並びにその作用につ
いて詳しく説明する。尚、本明細書中の化学組成はすべ
て重量%である。
(1) Ln(Lanthanoide) :まず、L
 n (Lanthano 1de)とは周期律表中の
La以降、Luまでの155元素総称であり、本発明の
場合、実際の添加原料としては、より安価ないわゆるミ
ツシュメタルを用いることができる。このとき、分析の
結果として検出されるのはLa、Ce。
Pr、Ndの4元素であり他の元素は極微量であるため
無視できる。従って、本発明のLnとは上記4元素の混
合物のことであり、添加原料としてはミツシュメタルで
ある。
さて、Lnは前述したように、第一に排ガス中での箔の
異常酸化発生る対する抵抗を向上させる効果があり、箔
の排ガス中での異常酸化発生までの寿命は、Lnが0.
06%を超えるとそれ以下の場合に比べて著しく増大す
るが、0.15%を超えると再度低下し始める。従って
その範囲は、0.06%超0.15%以下に限定される
(2)P: Pは本発明にあってはLnとの関わりにおいて、熱間で
の加工性を改善することを目的とした重要な元素である
即ち、本発明は上述した範囲のLnの添加によって箔の
耐酸化性を著しく向上させることが可能となるのである
が、従来このような比較的多量のLnの添加は熱間での
加工性を低下させ、熱延コイルによる通常のステンレス
鋼板の量産工程では製造困難とされていた。そして、そ
の原因として、ミツシュメタルを添加した場合の主成分
であるCeが低融点のFeとの金属間化合物を形成し易
いた約と考えられていた。しかしながら、多量のLnを
添加する場合にPを組み合わせて添加すれば、例えばC
e及びLaの一部は3−以下の比較的微細で粒状の高融
点燐化物として鋼中に存在するようになり、熱間加工性
の低下は全く起こらないのである。このために必要なP
の含有量は本発明者らの検討によれば、Lnが0.06
超〜0.15%の範囲において、偏析の大きい工場での
量産規模の大型鋼塊を前提とした場合は、その下限値は
8×(Ln%十0.015) I45となる。
一方、Pにはフェライト系ステンレス鋼の靭性を低下さ
せる作用があるため、もともと靭性に劣るFe−Cr−
A I2系ステンレスにあってはこの点から添加量は制
限され、本発明にあってはその量は0.1%である。ま
た、このような範囲のPの添加は、耐酸化性に対し悪影
響を及ぼさない。
(3)Af : Afは本発明にあっては耐酸化性を確保する基本元素で
あって、4.5%未満では箔の場合、排ガス中での酸化
皮膜の保護性が悪く、たやすく異常酸化を発生するため
、触媒の担体としてその使用に耐えない。一方、6.5
%を超えて含まれると、熱延板の靭性が極度に低下し製
造性が損なわれることに加え、箔の熱膨張係数が大きく
なり、触媒担体として使用した場合に加熱・冷却の繰り
返しによる熱疲労が大きくなる。従って、本発明にあっ
てはAfは4.5%以上6.5%以下がその範囲となる
(4)Cr: Crはステンレス鋼の耐食性を確保する基本元素である
。本発明にあっては、耐酸化性の主体はA I! 20
3皮膜にあるが、Crが不足するとその密着性や保護性
が低下する。一方Crが過剰になると熱延板の靭性が低
下するため、その範囲は13%以上25%以下となる。
(5)C,N: C,Nはともに本発明にあっては、熱延板の靭性を著し
く低下させるため低く抑える必要がある。
また、この悪影響を後述するNbの作用によってさらに
抑えることが出来るが、Cが0.025%超える場合、
またはNが0.02%を超える場合、もしくはC+Nの
合計量が0.03%を超える場合には靭性を回復させる
ことが困難になる。従ってこの点かC:0.025%以
下、 N:0.02%以下、 でかつ C+N:0.03%以下、 がその範囲となる。
(6)Mo 、W: Mo及びWは本発明にあっては、特に高温の耐力を向上
させるための最重要な添加元素である。
前述したとおり触媒担体の構造上の耐久性向上のために
は、先ず箔の高温の耐力向上を図ることに加えて、長時
間加熱された後もなおその耐力低下が抑制されることが
重要なのであるが、こうした場合に例えば特開昭58−
177437号公報に開示されているような、Zrある
いはNbの単独添加によってもクリープ強度とともに触
媒担体の構造上の耐久性にとって最も重要な高温での耐
力も一旦は向上するのであるが、このZrあるいはNb
の添加による強化は主としてC及びNと結合して析出す
る炭窒化物の析出によってもたらされるものであるため
、高温長時間の使用中にこうした炭窒化物が次第に凝集
粗大化し、それに伴って強化作用が低下するのである。
従って、Zr、Nb等の添加による析出強化では使用中
の金属組織変化による強度低下が起こり、ここに問題が
残るのである。
ところが、Mo及びWはかなりの量まで析出相を形成す
ることなく固溶し、特に高温側で比較的大きな強化作用
が安定的に得られ、高温長時間の加熱に対しても金属組
織変化が殆ど起こらないた約、この強化作用が経時的に
低下することがほとんどないのである。
こうした観点からMo及び/またはWの添加量が決定さ
れ、本発明者らの検討結果では、十分な固溶強化作用を
得るためには少なくとも総量で2%以上の添加が必要で
ある。一方、Mo、Wともにその殆どが固溶するため添
加量とともに金属素地が強化される反面、熱間加工性や
熱延板の靭性が低下する。従ってMo、Wの添加量はこ
の点から制限され、上限は4%である。尚、この際Mo
及びWはそれぞれ単独添加でも、また複合添加としても
その作用効果に差異はなく、さらにこの範囲の添加量で
は、箔の耐酸化性に何ら悪影響を及ぼさない。
(7)Nb  : Nbは本発明にあっては、特に熱延板の靭性を改善する
目的で選択的に添加できる。
Mo及び/またはWの比較的多量添加による固溶強化に
よって高温の耐力を向上させている本発明にあっては、
Nbを過剰に添加すると鋳造後の鋼塊が冷却中に割れや
すくなる他、熱間加工性や靭性をも低下させる場合があ
る。従って、本発明におけるNbの添加量は、その主目
的である靭性向上効果が飽和し始める(93・C%/1
2+93・N%/14)X4.5がその上限値となる。
また、このようなNbの比較的微量な添加による靭性向
上効果は、鋼中の有害なC,Nを固定するためにもたら
されるものであるため、Nbが不足すると十分な靭性向
上効果が発揮されない。この点から、Nbを添加する場
合は(93・C%/12十93・N%/14)Xo、8
以上とすることが望ましい。
(8)その他の不純物: Mn:Mnは本発明にあっては、特に極初期の酸化皮膜
中に濃化し、以後のAl203皮膜の形成に害を及ぼし
、皮膜中に構造的欠陥を残存させる一因となるので0.
3%以下に制限することが望ましい。
Si:Siは耐酸化性を向上させる元素であるが同時に
熱延板の靭性を大きく低下させる。本発明のような高A
fフェライトステンレス鋼は本来耐酸化性に優れている
ためSi は靭性の点から少量に抑えることが望ましく
、その範囲は0.5%以下である。
S:SはPと同様Lnとの高融点の化合物を形成し易い
が、同時に耐酸化性を低下させるため、本発明にあって
は0.003%以下に抑えることが望ましい。
このような構成をもつ本発明のFe−Cr−へ1合金は
、通常のフェライトステンレス鋼の量産工程と同様の溶
解、熱間圧延、冷間圧延の工程に、必要に応じて適宜焼
鈍工程を組み合わせることによって50−程度の箔にま
で製造可能である。また、こうして製造された箔、及び
この箔を用いて構成された排ガス浄化触媒担体及び該触
媒装置は、高温の燃焼排ガス雰囲気中でも異常酸化の発
生に対する抵抗か著しく大きいのみならず、箔の高温で
の耐力が高いためにハニカム体としての熱疲労に対する
抵抗が大きく、加熱・冷却を繰り返す使用条件下にあっ
てもその構造上の耐久性に優れているのである。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明の効果をさらに詳しく説胡す
る。
(実施例1) 第1表に本発明に関わる鋼の熱間加工性、箔の耐酸化性
、及び高温での耐力を評価した際に用いた鋼の化学成分
を示す。尚、この際Siはいずれの鋼も0.3%以下、
Sは0.003%以下であった。
また溶製に際して用いたLnの添加原料であるミッシユ
メタルの化学組成はCe:49〜54%、I、a+19
〜27%、Nd  :16〜24%、Pr:5〜8%。
Sm:0.2%以下、他のLnはいずれも検出限界以下
であった。
これらの鋼はいずれも真空溶製し、25kgインゴット
に鋳造した後、1150℃に1iI間保定後直ちに熱間
圧延し、4闘に仕上げた。この熱間圧延での割れの発生
状態を観察したところ、比較例の83は第一バスですで
に激しい横割れが耳部や表面に多数発生したため圧延を
途中で中止した。また、B4 、B5.86及びBl(
]の熱延板の耳部に割れの発生が認められた。一方、他
のものはいずれも良好な形状の熱延板が得られた。この
結果を第2表の熱間加工性の欄に83は××印、B4 
、 B5B6及びBIOはX印、他の熱間加工性が良好
と判断できたものに○印で示す。この実施例から明らか
なようにLnに対してPが不足するB3は熱間加工が困
難であり、またMo、Wを過剰に含むB4.B5.B6
及びNbが過剰に含まれるBIOでは熱間加工性が低下
している。
(実施例2) 次に、実施例1で得られたB3を除く熱延板をデスケー
ルし、厚さ0.8 mmまで冷間圧延した後900℃で
焼鈍し、さらに50肉の箔にまで圧延した。
こうして作製した箔を、ガソリンエンジンの排気ガスを
導入した加熱炉中で、1150℃に25時間加熱する操
作を箔に異常酸化が発生するまで繰り返した。なお、こ
の際の異常酸化の発生の有無の判定は目視にて行った。
供試箔はいずれも50±2声で、各成分系について3体
試験しその平均値を該成分箔の異常酸化寿命とした。こ
の値が150時聞未滴のものをx×印、150〜200
時間未満のものをX印、200〜250時間未満のもの
をΔ印、250時間以上のものをQ印として、第2表の
箔の異常酸化寿命の欄に示す。
本発明例の箔はいずれも250時間以上の寿命を有する
が、比較例の81は150時間以下であり、またB2も
200時間以下と短寿命である。
(実施例3) 実施例1で得られた熱延板を実施例2と同様にして厚さ
:4.5mmに冷間圧延した後、真空中1200℃にて
10分間熱処理したものから、板状の引張試験片を採取
し、600 、700及び800℃における耐力を測定
した。この結果を第2表の高温強度層に示す。各3体の
平均値をその温度での耐力とし、判定基準としては60
0℃では20kgf/闘2以上、700℃では13kg
f / mfD’以上、さらに800℃では4.5kg
f / wn2以上とし、これらの基準をクリアーした
ものをO印、クリアーしなかったものをX印で表した。
本発明例のAシリーズではいずれも上記基準以上の耐力
を有し、高温の耐力が高いのに対し、Mo、Wの添加量
の少ない比較例の87゜B8では高温の耐力向上が達成
できていない。
次に長時間の使用中の強度低下の程度を調査するために
、上記と同様にして作製した板状の引張試験片を850
℃にて900時間時効処理した後、高温の耐力を測定し
た。結果を第2表の時効後の耐力の欄に示す。Nbの単
独添加によるB9は、初期の高温耐力は高いものの、長
時間使用中に特に高温側で耐力が低下する傾向にあるが
、Mo及び/またはWを本発明の範囲内で含むものはA
シリーズ、Bシリーズともに、高温の耐力が高くかつ時
効による耐力低下がほとんどない。
以上の結果から、本発明の範囲の鋼は、熱間加工性及び
耐酸化性に優れており、同時に高温の耐力が高く、それ
が高温長時間使用後も低下しないのである。
(実施例4) 第3表に、特に本発明に関わる鋼の製造性を調査した際
にもちいた鋼の化学成分値を示す。これらの鋼はいずれ
も10kg真空溶解し、1180℃にて1時間加熱直ち
に熱間圧延し、最終パス温度を880〜900℃の範囲
として厚さ3.6肛に仕上げた後、直ちに強制空冷し板
の表面温度が270〜330になったところから放冷し
た。この際Bll 、 B12 。
B13及びB14の各鋼には熱延中の板に耳割れが発生
し、熱間加工性に乏しいと判断されたが、他のものは良
好な形状の熱延板が得られた。この結果を第3表中の熱
間加工性の欄に、耳割れの発生したものはX印で、良好
なものは○印で示す。
こうして得られた熱延板から1/4サブサイズのVノツ
チシャルピー試験片を採取し、靭性を調査した結果を第
3表中熱延板靭性の欄に示す。判断指標としては、−試
験温度における衝撃吸収エネルギーの3点の平均値が3
 kg−m/ctlを超える温度とし、これが50℃以
下のものを◎印、50℃超100℃以下のものを○印、
100℃を超えるものをx印で示した。◎印のものは比
較的容易に工場での大量生産が可能であり、○印は若干
の加熱処理を必要とする場合もあるが基本的には大量生
産が可能である。一方x印のものは工場生産が事実状困
難と判断できる。本発明の範囲内のA9〜A13までの
鋼はいずれも工場生産可能と判断でき、特に、All 
、 A12及びA13のNb添加鋼は靭性が良好で、N
bの靭性改善効果が明らかである。
(実施例5) 次に、触媒担体の構造状の耐久性について調査した結果
を説明する。
第4表に示す成分の鋼を300kg真空溶製し、118
0℃にて2時間加熱後、2.5虹に熱間圧延し、さらに
デスケール、冷間圧延、焼鈍を繰り返して50−の箔を
作製した。これらの箔に周期3.5肛、振幅3、2 m
mの正弦波状の波付は加工したもの(波板)と加工なし
の箔(平板)帯とを重ねて巻き込み、見掛けの外径11
0闘、長さ110mmのハニカム状円筒体としたものを
、外径110鵬、長さ110丁、板W :4.7 mm
のtype434系フェライトステンレス製の円筒(外
筒)に挿入して、各接点を市販のNi基ロウ材を用いて
真空中にてロウ付けし、触媒担体を作製した。
次にこれらの触媒担体を、軽油バーナーに直結した排ガ
ス経路に取りつけ、バーナーからの排ガスが全量このハ
ニカム体内部を通過するようにして、この時の入り側端
面付近のガス温を1000℃〜1030℃の範囲として
、ハニカム体を3分間加熱した。つぎに、バーナーを止
t、直ちに冷風を導入してハニカム体を3分間冷却した
後、再度同様にして加熱・冷却を繰り返す、担体の構造
耐久試験を750回行った。
この時のハニカム体のガス入り側端面の損傷状況を観察
した結果を第5表に記す。
本発明の範囲内のAシリーズで作製した担体はいずれも
、上記試験後も若干のセル変形や箔切れは認められるも
のの比較的良好な外観形状を示し、損傷状況は比較低軽
微と判断できるのに対し、比較例の高温の耐力の低い素
材で作製したものはセル潰れによる部分的な閉塞やセル
壁の大きな変形による箔切れ、さらにはガス流の上流方
向へ端面の一部が飛び出す損傷や、ハニカム体の端面の
一部分が欠落する現象(欠け)も認められた。
以上のこきからも、本発明による箔が担体の構造状の耐
久性を向上させる効果が大きいことが明らかである。
第 表 〔発明の効果〕 実施例からも明らかな如(、本発明によるFe−Cr−
A I系ステンレス箔は、エンジン排ガス中の異常酸化
発生に対する抵抗力が高いのみならず、熱間での加工性
等の製造性に優れたものであり、なおかつその高温での
耐力が非常に高いためハニカム体としての熱疲労に対す
る抵抗力が高く、従って触媒担体の構造状の耐久性を向
上させる効果が大きいものである。こうした作用効果に
より、本発明のステンレス箔は自動車等の触媒担体を構
成するのに好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、 Ln:0.06%超0.15%以下 (但しLnは、La、Ce、Pr、Nd) P:8×(Ln%+0.015)/45以上0.1%以
    下 Al:4.5%以上6.5%以下 Cr:13%以上25%以下 C:0.025%以下 N:0.02%以下 C+N:0.03%以下 でさらに、総量で2%以上4%以下のMo又はWの少な
    くとも一種を含み、 残部Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とする
    燃焼排ガス浄化触媒担体用耐熱ステンレス箔。
  2. (2)さらに、重量%で Nb:(93・C%/12+93・N%/14)×4.
    5以下 を含む請求項1記載の燃焼排ガス浄化触媒担体用耐熱ス
    テンレス箔。
JP2248925A 1990-09-20 1990-09-20 燃焼排ガス浄化触媒担体用耐熱ステンレス箔 Pending JPH04128345A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009124530A1 (de) 2008-04-10 2009-10-15 Thyssenkrupp Vdm Gmbh Eisen-chrom-aluminium-legierung mit hoher lebensdauer und geringen änderungen im warmwiderstand

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009124530A1 (de) 2008-04-10 2009-10-15 Thyssenkrupp Vdm Gmbh Eisen-chrom-aluminium-legierung mit hoher lebensdauer und geringen änderungen im warmwiderstand
US8580190B2 (en) 2008-04-10 2013-11-12 Outokumpu Vdm Gmbh Durable iron-chromium-aluminum alloy showing minor changes in heat resistance

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