JPH0413732A - ポリアミド―ポリエ―テルスルホン組成物からなるフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリアミド―ポリエ―テルスルホン組成物からなるフィルムの製造方法

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JPH0413732A
JPH0413732A JP11709590A JP11709590A JPH0413732A JP H0413732 A JPH0413732 A JP H0413732A JP 11709590 A JP11709590 A JP 11709590A JP 11709590 A JP11709590 A JP 11709590A JP H0413732 A JPH0413732 A JP H0413732A
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JP
Japan
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polyamide
polyether sulfone
film
solution
polycondensation reaction
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JP11709590A
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Inventor
Hideo Hayashi
日出夫 林
Yoshio Imai
淑夫 今井
Masaaki Kakimoto
雅明 柿本
Shoichi Nakada
正一 中田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物か
らなるフィルムの製造方法に関する。
[従来の技術] 現在、ハンダ耐熱性を有するフレキシブルプリント基板
のベースフィルムとして、無水ピロメリット酸と4,4
′−ジアミノジフェニルエーテルとから得られたポリイ
ミドや、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4.4
′−ジアミノジフェニルエーテル又はp−フ二二レンジ
アミンとから得られたポリイミドが広く用いられている
が、これらのポリイミドは融点が高いため成形加工性が
悪く、適用し得る成形加工手段も限定されるという欠点
があるだけでなく、高価であり、特殊な用途にしか使用
できないという欠点がある。
そこで前記ポリイミドフィルムに代る高耐熱性フィルム
を得るために、予め合成したポリアミドを有機溶媒(例
えばジメチルアセトアミドなど)に溶解した溶液と、ポ
リエーテルスルホンを有機溶媒(例えばジメチルアセト
アミドなど)に溶解した溶液とを混合、攪拌してポリア
ミド−ポリエーテルスルホン組成物を得、このポリアミ
ド−ポリエーテルスルホン組成物をキャスト成形して高
耐熱性フィルムを得る方法が実用化されている(例えば
Po17mer  Preprints。
Japan” Vol、38.No、12.4149 
(1989)およびVol。38. No、  12゜
4152 (1989)並びに“PolymerJou
rnal” Vol、22.No、1.80(1990
)参照)。溶液ブレンド法と呼ばれるこの方法によれば
、ポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物のキャスト
成形により所望の性質を有する高耐熱性フィルムを得る
ことができ、また得られた高耐熱性フィルムがポリイミ
ドフィルムよりも安価であり、汎用性を有するという利
点がある。
しかしながら例えば対数粘度ηlnhが1.661 /
 g以上の高分子量のポリアミドのある種のものは、ポ
リアミドを溶解するために最も好ましい溶媒であるジメ
チルアセトアミドを用いても、溶解することができない
ので、ジメチルアセトアミドに不溶の高分子量のポリア
ミドを上記溶液ブレンド法に用いることができない。ま
た比較的に低分子量のポリアミドは、ジメチルアセトア
ミドに可溶であるが、このような低分子量のポリアミド
は市販されていないため、芳香族ジカルボン酸誘導体と
芳香族ジアミンとから別途製造する必要がある。このた
め重合容器、ろ過器、乾燥器、溶媒回収装置等が必要と
なり、さらに得られたポリアミドをジメチルアセトアミ
ドに溶解する必要があるので、製造工程が複雑になり、
製造時間も長くなり、製造コストも高くなる。
[発明の目的] 従って本発明の目的は、上記従来技術、特にポリアミド
溶液とポリエーテルスルホン溶液とを用いる溶液ブレン
ド法の欠点を解消し、ポリアミド−ポリエーテルスルホ
ン組成物からなるフィルムを簡単な製造操作で短時間に
安価に製造することができる方法を提供することにある
[目的を達成するための手段] 本発明の目的は、下記のポリアミド−ポリエーテルスル
ホン組成物からなるフィルムの製造方法(I)および(
II)によって達成された。
方法(I) ポリエーテルスルホンの有機系極性溶媒溶液中で、芳香
族ジカルボン酸ジハライドと芳香族ジアミン又はその誘
導体との重縮合反応を行って得られた反応液をキャスト
成形することを特徴とするポリアミド−ポリエーテルス
ルホン組成物からなるフィルムの製造方法。
方法(II) 有機系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジハライドと
芳香族ジアミン又はその誘導体との重縮合反応を行ない
、重縮合反応が完結する前にポリエーテルスルホンを添
加し、混合して得られた反応液をキャスト成形すること
を特徴とするポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物
からなるフィルムの製造方法。
先ずポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物からなる
フィルムの製造方法(I)について説明する。
この方法(I)において用いられるポリエーテルスルホ
ンは、その繰り返し単位にエーテル結合とスルホン基を
有する重合体であり、その代表例として以下のものが挙
げられる。
IC1社製 ヴイクトレックス(Victrex) (ハ) アモコ社製し−デル(Radel) 特に好ましいポリエーテルスルホンは上記(イ)の構造
を有するものである。
ポリエーテルスルホンの分子量は、対数粘度η、。、が
0.1〜2.0dl/g (測定条件:溶媒・・・N−
メチル−2−ピロリドン、濃度・・・0. 5g/dl
、温度・・・30℃)の範囲となる分子量範囲が好まし
い。その理由はη1..hが0.1dj!/g未満であ
ると、キャスト成形後に得られるフィルムにおいてポリ
アミドとポリエーテルスルホンが相分離して、好ましく
ないフィルムが得られる可能性があり、一方ηInhが
2.Odj/gを超えると、キャスト成形後に得られた
フィルムを熱処理した場合、ポリアミドが結晶化しにく
(なり、耐熱性のあるフィルムが得られない可能性があ
るからである。特に好ましいηlnhは0.3〜0.6
dJ/gである。ポリエーテルスルホンは1種又は2種
以上用いられる。
この方法(I)においては、上記のポリエーテルスルホ
ンを有機系極性溶媒に溶解する。有機系極性溶媒を用い
る理由は、この溶媒がポリエーテルスルホンを溶解する
だけでなく、ポリアミドをも溶解するからである。好ま
しい有機系極性溶媒としては、N、N−ジメチルアセト
アミド(DMAc) 、N−メチル−2−ピロリドン、
N。
N′−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホ
ルトリアミドなどが挙げられ、これらは単独でまたは混
合して用いられる。
ポリエーテルスルホンを有機系極性溶媒に溶解するに際
し、温度は特に制限がないが、−30℃〜165℃であ
るのが好ましい。その理由は、−30℃未満であると、
ポリエーテルスルホンが析出したりあるいは溶液が凍結
する可能性があり、一方165℃を超えると、ポリエー
テルスルホンが溶媒により劣化又は分解する可能性があ
るからである。特に好ましい温度は室温である。
また溶解時間も特に制限がないが、数分〜24時間であ
るのが好ましい。その理由は数分未満であるとポリエー
テルスルホンの溶解が不十分となり、一方24時間を超
えるとポリエーテルスルホンが劣化または分解して着色
する可能性があるからである。特に好ましい溶解時間は
数分〜2時間である。
有機系極性溶媒中のポリエーテルスルホンの濃度(%)
は、式 %式% により計算したときに、その値が0.1〜50%となる
範囲が好ましい。その理由は、0.1%未満では、ポリ
エーテルスルホン溶解後に重縮合反応によりポリアミド
を製造する際のモノマー濃度が低くなり、生成するポリ
アミドの分子量が著しく低くなる可能性があり、一方5
0%を超えると、ポリエーテルスルホンが完全には溶解
しないからである。特に好ましい濃度は3〜20%であ
る。
方法(I)においては、上記の如くポリエーテルスルホ
ンを有機系極性溶媒中に溶解して得られたポリエーテル
スルホンの有機系極性溶媒溶液中で、夛香族ジカルボン
酸ジハライドと芳香族ジアミン又はその誘導体との重縮
合反応を行う。この重縮合反応に用いる芳香族ジカルボ
ン酸ジハライドとして、テレフタル酸ジクロリド、イソ
フタル酸ジクロリド、3−クロロイソフタル酸ジクロリ
ド、3−メトキシイソフタル酸ジクロリド、2゜5−ジ
クロロテレフタル酸ジクロリド、トリクロロテレフタル
酸ジクロリド、テトラクロロテレフタル酸ジクロリド、
1.4−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、2.6−
ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、3. 3’  −
ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、4.4’  −ビ
フェニルジカルボン酸ジクロリド、ビス(4−クロロホ
ルミルフェニル)エーテル、ビス(4−クロロホルミル
フェニル)スルホン、ビス(4−クロロホルミルフェニ
ル)エチレンなどを挙げることができる。これらは単独
または混合して用いられる。好ましくは、テレフタル酸
ジクロリド、イソフタル酸ジクロリドである。
また芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン
、m−フェニレンジアミン、4.4′ジアミノビフエニ
ル、3.4’ −ジアミノビフェニル、3.3′−ジア
ミノビフェニル、4,4′−ジアミノジフエニルエーテ
ル、3.4’ −ジアミノジフェニルエーテル、3.3
’ −ジアミノジフェニルエーテル、4.4’ −ジア
ミノジフェニルスルホン、3.4’ −ジアミノジフェ
ニルスルホン、3.3′ −ジアミノジフェニルスルホ
ン、4.4′−ジアミノジフェニルケトン、3.4′−
ジアミノジフェニルケトン、3.3’ −ジアミノジフ
ェニルケトン、4.4’ −ジアミノジフェニルメタン
、3.4’ −ジアミノジフェニルメタン、3. 3’
−ジアミノジフェニルメタン、4゜4′−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、3.4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、3.3′ −ジアミノジフェニルスルフィド、
2.4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベ
ンゼン、4゜4′−ジアミノベンズアニリド、3.4’
 −ジアミノベンズアニリド、3′、4−ジアミノベン
ズアニリド、3.3′ −ジアミノベンズアニリド、4
.4′−ジアミノフェニルベンゾエート、3′4−ジア
ミノフェニルベンゾエートなどが挙げられ、これらは単
独又は混合して用いても良い。好ましくは、p−フェニ
レンジアミン、m−フェニレンジアミン、4.4’ −
ジアミノジフェニルエーテル、3.4′ −ジアミノジ
フェニルエーテルが用いられ、特に好ましくは、4.4
′−ジアミノジフェニルエーテルが用いられる。
また芳香族ジアミン誘導体としては、前記の芳香族ジア
ミンの2個のアミノ基をそれぞれトリアルキルシリル化
して得られる、式 (式中、Arは芳香族環を含む基であり、Rはメチル基
、エチル基などのアルキル基である)で示される、芳香
族ジアミンのN−)リアルキルシリル化誘導体が好まし
く用いられ、その具体例としては、p−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、4.4’ −ジアミノ
ジフェニルエーテル、3.4’ −ジアミノジフェニル
エーテルのN−)リメチルシリル化誘導体が挙げられる
特に好ましいものは4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルのN−トリメチルシリル化誘導体である。
なお、ジアミン成分として芳香族ジアミンを用いる場合
、芳香族ジカルボン酸ジハライドとの重縮合反応におい
て副生ずるハロゲン化水素酸(HX)を受容(捕捉)す
るために酸受容剤を用いるのが好ましく、このような酸
受容剤としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシドなどのエポキシ化合物の1種また
は2種以上が用いられる。このエポキシ化合物はハロゲ
ン化水素酸(HX)を受容することによりクロルヒドリ
ンになるが、このクロルヒドリンは低沸点であるため、
簡単な減圧操作で除去でき、重合体中に残存することが
ない。
ジアミン成分として、芳香族ジアミンのN−トリアルキ
ルシリル化誘導体を用いる場合、重縮合反応によりトリ
アルキルシリルハライドCRs S i X)が生じ、
ハロゲン化水素酸(I(X)は副生じないので、上記の
酸受容剤を用いる必要はない。上記トリアルキルシリル
ハライドも低沸点であるため簡単な減圧操作で除去でき
、重合体中に残存することがない。
次に芳香族ジカルボン酸ハライドと芳香族ジアミン又は
その誘導体との重縮合反応の条件について述べる。
芳香族ジカルボン酸ジハライド[1]と芳香族ジアミン
[2a]又は芳香族ジアミン誘導体[2b]とのモル比
([11/ [2al又は[2bコ)は110.9〜1
/1.1の範囲とするのが好ましい。その理由はこの範
囲以外であると、生成するポリアミドの分子量が低くな
るからである。特に好ましいモル比は110.98〜1
/1.02である。
芳香族ジカルボン酸ジハライドと芳香族ジアミン又は芳
香族ジアミン誘導体との仕込み量は、下式を満たすよう
に定められる。
WPA/WPES = 1 / 99〜99 / 1(
ここにWPAは、芳香族ジカルボン酸)1ライドと芳香
族ジアミン又は芳香族ジアミン誘導体から100%の収
率で生成するポリアミドの重量(g)を示し、W、。5
は仕込まれたポリエーテルスルホンの重量(g)を示す
) その理由は、WPA/WPESが上記範囲外となると、
重縮合反応後に得られる反応液をキャスト成形して得ら
れたフィルムを熱処理しても好ましい耐熱性を示さない
からである。特に好ましいW、A/W P E Sは8
0/20〜50150である。
またジアミン成分として、芳香族ジアミン[2a]を用
いた場合、酸受容体[3]の仕込み量は、[3] / 
[2a]のモル比が2/1〜20/1となる量が好まし
い。その理由は、モル比が271未満であると重縮合反
応により副生ずるハロゲン化水素酸(HX)が重合体に
残存することがあり、これが重合体の性質に悪影響を及
ぼす可能性があり、一方20/1を超えると、酸受容剤
の量が多くなり、これが重合体の貧溶媒として作用し、
均一に重縮合反応が進行しない可能性があるからである
。特に好ましいモル比は10/1またはその近傍である
重縮合温度は、ジアミン成分として芳香族ジアミンを用
い、酸受容剤を用いる場合と、ジアミン成分として芳香
族ジアミン誘導体を用いる場合とで異なる。すなわち、
前者の場合は、−30〜30℃の温度範囲で重縮合反応
を行うのが好ましい。その理由は、−30℃未満である
と、重合体が析出したりあるいは溶媒が凍結する可能性
があり、一方、30℃を超えると、低沸点の酸受容剤が
蒸発する可能性があるからである。特に好ましくは、−
10〜20℃である。後者の場合は、−30〜165℃
の温度範囲で重縮合反応を行うのが好ましい。その理由
は、−30℃未満であると、重合体が析出したりあるい
は溶媒が凍結する可能性があり、一方、165℃を超え
ると、重合体が溶媒により劣化あるいは分解される可能
性があるからである。特に好ましくは、−10〜50℃
である。
重縮合反応は、窒素雰囲気などの不活性ガス雰囲気にし
て常圧又は加圧下に行うのが好ましく、特に常圧で行う
のが好ましい。ジアミン成分として芳香族ジアミンを用
い、酸受容剤を用いる場合には、減圧にすると低沸点の
酸受容剤が揮散する可能性があるので、減圧下に重縮合
反応を行うことは避けるべきであるが、ジアミン成分と
して芳香族ジアミン誘導体を用い、酸受容体を用いない
場合は、減圧下に重縮合反応を行うこともできる。
重縮合時間は100時間以内とするのが好ましい。特に
好ましい重合時間は数分〜24時間である。
次に方法(I)における重縮合反応操作法の一例ついて
述べる。
先ず、ポリエーテルスルホンの有機系極性溶媒溶液に芳
香族ジアミン又はその誘導体を添加し、室温で溶解する
。次に、得られた溶液を一10℃に冷却する。ジアミン
成分として芳香族ジアミンを用いた場合は酸受容剤を添
加する。次に芳香族ジカルボン酸ジハライドを添加し、
上述の重縮合条件で重縮合反応を行い、ポリアミド−ポ
リエーテルスルホン組成物を含む反応溶液を得る。
重縮合反応によりポリアミドが生成していることは、上
記反応溶液の一部を大量のメタノール中に注ぎ、沈殿し
たポリマーを、濾取、乾燥後、IRスペクトルの測定お
よび元素分析の測定を行うことにより確認できる。
また得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物
中のポリアミドのηInkを求めたところ、ηlnhが
1.6〜8.0d1/lrの高分子量ポリアミドも生成
し得ることが確認され、従来の溶液ブレンド法では不可
能であった高分子ポリアミドを含むポリアミド−ポリエ
ーテルスルホン組成物の製造が可能であることが明らか
となった。
次に、上で得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン
組成物を含む反応溶液をキャスト成形する。このキャス
ト成形の詳細は以下の通りである。
このキャスト成形は脱泡工程と乾燥工程とからなる。脱
泡工程は、反応溶液をガラス板などの板に直接キャスト
し、真空乾燥機に入れて減圧処理することにより行われ
る。その際の減圧度は10〜30mmHgとするのが好
ましい。その理由は、10關Hg未満では、脱泡工程に
おいて急激に溶媒が蒸発して発泡する危険性があり、一
方30IIJIIHgを超えると、脱泡工程後の乾燥工
程において急激に溶媒が蒸発して発泡する危険性がある
からである。また温度は一30〜40℃とするのが好ま
しい。好ましい上限として40℃を選択した理由は、4
0℃を超え、例えば50〜100℃以上となると急激に
溶媒が蒸発して発泡する可能性があり、また50℃以上
ではポリアミドとポリエーテルスルホンとが相分離し、
後述の熱処理時にポリアミドが結晶化しにくくなる可能
性があるからである。また好ましい下限として一30℃
を選択した理由は、−30℃未満であると溶媒が凍結し
て脱泡ができなくなる可能性があるからである。
特に好ましい温度は、0℃〜室温である。また脱泡時間
は10分〜3時間とするのが好ましい。その理由は、1
0分未満では脱泡が不十分となり、3時間を超えるとポ
リアミドが相分離する可能性があるからである。
前記の脱泡工程後に乾燥工程が行われる。この乾燥工程
は第1、第2および第3の乾燥段階により行うのが好ま
しい。
第1の乾燥段階の条件は、温度を0〜40℃とし、減圧
度をlmmHg以下として、時間を6時間以上とするの
が好ましい。好ましい温度を0〜40℃とする理由は、
0℃未満であると、溶媒が蒸発しにくく、ボリア・ミド
とポリエーテルスルホンが相分離する可能性があり、一
方50℃を超えると、溶媒は蒸発しやすいが、同時に、
ポリアミドとポリエーテルスルホンが相分離しやすくな
るからである。また好ましい減圧度をlmmHg以下と
する理由は、lmmHgを超えると、溶媒が蒸発しにく
くなり、ポリアミドとポリエーテルスルホンが相分離す
る可能性があるからである。また好ましい乾燥時間を6
時間以上とする理由は、6時間未満では、溶媒がかなり
残っている状態であり、この状態で次の第2の乾燥段階
に移ると、相分離しやすくなるからである。
第2の乾燥段階の条件は、温度を60〜120℃とし、
減圧度をlmmHg以下として、時間を6時間以上とす
るのが好ましい。好ましい温度を60〜120℃とする
理由は、60℃未満であると、前記の第1の乾燥段階に
おける好ましい温度の上限(40℃)と温度差が少なく
、第2の乾燥段階を設ける意味がなく、また120℃を
超えると、急激に溶媒が蒸発して発泡する可能性があり
、また相分離の可能性もあるからである。また好ましい
減圧度をllmHg以下とする理由は、lnmHgを超
えると、溶媒が蒸発しにくくなり、ポリアミドとポリエ
ーテルスルホンが相分離する可能性があるからである。
また好ましい乾燥時間を6時間以上とする理由は、6時
間未満では、溶媒がかなり残っている状態であり、この
状態で次の第3の乾燥段階に移ると、相分離しゃすくな
るからである。
第3の乾燥段階の条件は、温度を180〜230℃とし
、減圧度を1miHg以下として、時間を6時間以上と
するのが好ましい。好ましい温度を180〜230℃と
する理由は、180”C未満であると、前記の第2の乾
燥段階における好ましい温度の上限(120℃)と温度
差が少なく、第3の乾燥段階を設ける意味がなく、また
230℃を超えると、ガラス転移点前後であるため、相
分離の可能性もあるからである。また好ましい減圧度を
lmmHg以下とする理由は、111IIIHgヲ超え
ると、溶媒が蒸発しにくくなり、ポリアミドとポリエー
テルスルホンが相分離する可能性があるからである。ま
た好ましい乾燥時間を6時間以上とする理由は、6時間
未満では、乾燥が不十分であるからである。
なお重縮合反応によるポリアミドの合成に際シて、酸受
容剤を用いない場合には、第2の乾燥段階の後、フィル
ムをガラス板などの板から剥離するのが好ましい。その
理由は、剥離しないと、フィルム中の何らかの残存物が
第3の乾燥段階において急激に蒸発してフィルムが発泡
する可能性があるからである。
上記乾燥工程の後に、ガラス板などの板から剥離したフ
ィルムは、熱処理するのが好ましい。その理由は、上記
の重縮合反応および直接キャスト成形(脱泡および乾燥
)を経た後、熱処理して得られた熱処理フィルムは、従
来の溶液ブレンド法により得られた熱処理フィルムより
も耐熱性が向上するからである。この熱処理の好ましい
温度条件としては、250〜350℃が挙げられる。そ
の理由は、250℃未満であると、結晶化しないか、ま
たは結晶化するのに長時間を要し、一方350℃を超え
ると、ポリマーが熱劣化するからである。また好ましい
熱処理時間は数十分〜24時間である。その理由は数十
分未満であると、結晶化が不十分であり、一方24時間
を超えると、ポリマーが熱劣化するからである。この熱
処理は、窒素雰囲気などの不活性雰囲気下に加圧、常圧
または減圧下に行われる。
上述したように、この方法(I)によれば、ポリエーテ
ルスルホンの有機系極性溶媒溶液中で、芳香族ジカルボ
ン酸ジハライドと芳香族ジアミン又はその誘導体との重
縮合反応を行い、ポリアミドをその場で生成させるので
、予めポリアミドを製造する必要がない。従って予めポ
リアミドを製造する場合に必要な、反応後の濾過、乾燥
などの工程を行う必要がないので、操作が極めて簡便で
あるという利点がある。また操作が極めて簡便であるこ
とから、得られるポリアミド−ポリエーテルスルホン組
成物の収率が極めて高いという利点もある。
また従来の溶液ブレンド法では高分子量(η1..b 
= 1. 6 d 1/g以上)のポリアミドは使用で
きなかったが、上記方法(I)によれば、このような高
分子量ポリアミドをその場で生成させることかできるの
で、高分子量ポリアミドを含むポリアミド−ポリエーテ
ルスルホン組成物からなるフィルムを得ることができる
という利点がある。
さらにキャスト成形後のフィルムを熱処理することによ
り高耐熱性フィルムを得ることができるという利点もあ
る。
次に方法(II)について説明する。この方法(n)は
、有機系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジハライド
と芳香族ジアミン又はその誘導体との重縮合反応を行い
、重縮合反応が完結する前にポリエーテルスルホンを添
加し、混合しなから重縮合反応を完結させて得られる反
応液をキャスト成形することを特徴とするものであり、
用いられる芳香族ジカルボン酸ジハライド、芳香族ジア
ミン又はその誘導体、有機系極性溶媒およびポリ、エー
テルスルホンは、方法(I)で用いられたものがそのま
ま使用されるので、これらの説明は省略する。またジア
ミン成分として芳香族ジアミンを用いる場合に、酸受容
剤を用いるのが好ましいことも方法(I)の場合と同様
である。
方法(II)における重縮合反応の条件も基本的に方法
(I)の場合と同様であるので、下記の相違点(イ)お
よび(ロ)のみについて説明する。
(イ)方法(II)においては芳香族ジカルボン酸ジハ
ライドと芳香族ジアミン又はその誘導体とを有機系極性
溶媒中に添加して混合するが、有機系極性溶媒中の芳香
族ジカルボン酸ハライドと芳香族ジアミン又はその誘導
体の濃度(%)は、式 %式% (ココにWPAは、芳香族ジカルボン酸ハライドと芳香
族ジアミン又はその誘導体から100%の収率で生成す
るポリアミドの重量(g)を示し・VSOLvは溶媒の
容量(7d)を示す)により計算したときに、その値が
0. 1〜50%となる範囲が好ましい。その理由は、
0.1%未満ではモノマー濃度が低くなり、生成するポ
リアミドの分子量が低くなる可能性があり、一方50%
を超えると重縮合反応中に重合体が沈殿する可能性があ
るからである。特に好ましい範囲は3〜15%である。
(ロ)重合操作法の一例について述べると以下の通りで
ある。すなわち、先ず芳香族ジアミン又はその誘導体を
室温で有機系極性溶媒中に溶解する。次に、溶液を一1
0℃に冷却する。ジアミン成分として芳香族ジカルボン
酸を用いた場合には、酸受容剤を添加する。その後、芳
香族ジカルボン酸ジハライドを添加して、上述の条件下
に重縮合反応を行う。
この方法(II)においては、前記の如く、先ず芳香族
ジカルボン酸ジハライドと芳香族ジアミン又はその誘導
体との重縮合反応を行うが、重縮合反応が完結する前に
ポリエーテルスルホンを添加し、混合して重縮合反応を
完結させる。ポリエーテルスルホンはそのまま又は有機
系極性溶媒に溶解して添加される。ポリエーテルスルホ
ンの添加量は、式 %式% (ここにW、Aは、芳香族ジカルボン酸ジハライドと芳
香族ジアミン又はその誘導体から100%の収率で生成
するポリアミドの重量(g)を示し、W、。Sは、仕込
まれるポリエーテルスルホンの重量(g)を示す) により計算したときに、その値が1/99〜99/1と
なるような範囲が好ましい。その理由は、上記の範囲以
外であると、得られるポリアミド−ポリエーテルスルホ
ン組成物を成形して得られる成形物を熱処理しても好ま
しい耐熱性を示さないからである。特に好ましい範囲は
80/20〜50150である。
ポリエーテルスルホンを添加後に得られる反応溶液をそ
のままキャスト成形してポリアミド−ポリエーテルスル
ホン組成物からなるフィルムを成形するが、このキャス
ト成形の方法も上記方法(I)におけると同一であるの
で、その説明は省略する。またキャスト成形後のフィル
ムを熱処理することもできる。この熱処理の方法も上記
方法(I)におけると同一であるので、その説明は省略
する。
上述したように、この方法(II)によれば、有機系極
性溶媒溶液中で、芳香族ジカルボン酸ジハライドと芳香
族ジアミン又はその誘導体との重縮合反応を行い、その
後ポリエーテルスルホンを添加するので、予めポリアミ
ドを製造する必要がない。従って予めポリアミドを製造
する場合に必要な、濾過、乾燥などの工程を行う必要が
ないので、操作が極めて簡便であるという利点がある。
また操作が極めて簡便であることから、得られるポリア
ミド−ポリエーテルスルホン組成物の収率が極めて高い
という利点もある。
また従来の溶液ブレンド法では高分子量(ηI61.−
1.6dJ/g以上)のポリアミドは使用できなかった
が、上記方法(II)によれば、このような高分子量ポ
リアミドをその場で生成させることができるので、高分
子量ポリアミドを含むポリアミド−ポリエーテルスルホ
ン組成物からなるフィルムを得ることができるという利
点がある。
さらにキャスト成形後のフィルムを熱処理することによ
り高耐熱性フィルムを得ることができるという利点もあ
る。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものでない。
実施例1(本発明の方法(I)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で0.7074gのポリエーテルスル
ホン(ICI社製ヴイクトレックス、ηInh−0,5
2di/g)を10厩のN、N−ジメチルアセトアミド
(DMAc)に溶解させた。
完全溶解後、1.723g (5mmojりのN。
N′−ビス(トリメチルシリル)−p、p’ −ジアミ
ノジフェニルエーテルを加えて、溶解させた。
溶解後、溶液を20℃に保ち、続いてイソフタル酸クロ
リド1.015g (5mmoi)を固形のまま一度に
加え、20℃で20分間攪拌して重縮合反応を行った。
反応後、重合液の一部を再沈精製し、ポリアミドのη、
、を測定した。
なお、ポリアミドのη1..hの測定方法は以下の通り
である。
(1)先ず仕込まれたポリエーテルスルホンのη3..
hと生成したポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物
のηIr+hを下式によりそれぞれ実測する。
濃  度 ηlnh測定値を示す。
また再沈積製物のIRスペクトルより1650cI11
−1にアミドのC−0伸縮振動が認められ、ポリアミド
が生成していることが明らかである。また1160cm
−1に対称802伸縮振動が認められ、ポリエーテルス
ルホンが含まれていることも明らかである。元素分析結
果を以下に示す。
CHNS 計算値(%)  70.25 4.09 6.52 3
.20実測値(%)  6g、82 4.09 5.9
4 4.31(11)次に実測されたポリエーテルスル
ホンのη1.とポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物のηInhから外挿法により、生成したポリアミドの
η1..hを求める。
第1表に本実施例1で得られたポリアミドのIRスペク
トル及び元素分析結果から、得られたポリアミド−ポリ
エーテルスルホン組成物は下記構造を有することが確認
された。
ポリアミド(P A) ポリエーテルスルホン(PES) PA/PE5=70/30  (wt/wt)■キャス
ト成形工程 重合液をガラス板にキャストし、真空乾燥機に入れ、室
温、真空度的20mmHgで30分間脱泡を行い、続い
て、室温、真空度約1關Hg以下で24時間かけて第1
の乾燥を、次に100℃、真空度約1+nmHg以下で
24時間かけて第2の乾燥を行った。フィルムをガラス
板から剥離し、200℃、真空度約lmmHg以下で2
4時間かけて第3の乾燥を行った。
■熱処理工程 フィルムを熱処理装置に入れ、300℃、真空度約lm
mHg以下で12時間熱処理を行った。熱処理フィルム
のガラス転移点及び貯蔵弾性率の測定を行った。これら
の測定は、下記の装置、試験片および測定条件を用いて
行った。
装置:東洋精機側製の動的粘弾性測定装置No、651
、レオログラフ ソリッド試験片: 26mmX 5u
iX 30〜50 tlmのフィルム 測定条件:チャック内距離・20mm、周波数 10 
HZ % 測定温度範囲 室温〜400℃ 測定結果を第1表に示す。
実施例2(本発明の方法(1)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で0.7074gのポリエーテルスル
ホン(IC1社製ヴイクトレックス、η+fih =0
..52dJ/g)を10dのN、  N−ジメチルア
セトアミド(DMAc)に溶解させた。完全溶解後、1
,723g (5mmo1)のN、N’−ビス(トリメ
チルシリル)=p、p−ジアミノジフェニルエーテルを
加えて、溶解させた。溶解後、溶液を塩−氷浴で冷却し
て一10℃にした後、続いて、イソフタル酸クロリド1
.025g (5,05mmoi)を固形のまま−度に
加え、−10℃で3時間攪拌して重縮合反応を行った。
反応後、重合液の一部を再沈精製し、実施例1と同様に
ポリアミドのηInhを測定した。
その結果を第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造および組成を有するものであることが
確認された。
■キャスト成形工程 重縮合工程で得られた重合液を、実施例1と同様にして
キャスト成形した。
■熱処理工程 得られたフィルムを、実施例1と同様にして熱処理を行
った。得られたフィルムの性質を第1表に示す。
実施例3(本発明の方法(I)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で0.7074gのポリエーテルスル
ホン(ICI社製ヴイクトレ・ソクス、ηInh =o
、52dA/g)を10−〇N、 N−ジメチルアセト
アミド(DMAc)に溶解させた。完全溶解後、1.7
230g (5mmoi)のN、N’−ビス(トリメチ
ルシリル)−p。
p′ −ジアミノジフェニルエーテルを加えて、溶解さ
せた。溶解後、溶液を塩−氷浴で一10℃に冷却し、続
いて、イソフタル酸クロリド1.0350g (5,1
mmonりを固形のまま一度に加え、−10℃で3時間
攪拌して重縮合反応を行った。反応後、重合液の一部を
再沈精製し、実施例1と同様にポリアミドのηInhを
測定した。その結果を第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造および組成を有するものであることが
確認された。
■キャスト成形工程 重縮合工程で得られ、に重合液を、実施例1と同様にし
てキャスト成形した。
■熱処理工程 得られたフィルムの熱処理温度を330℃で行ったほか
は、実施例1と同様にした。得られたフィルムの性質を
第1表に示す。
実施例4(本発明の方法(■)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で0.7074gのポリエーテルスル
ホン(ICI社製ヴイクトレックス、ηInh =0.
52di/g)を10dのN、  N−ジメチルアセト
アミド(DMAc)に溶解させた。完全溶解後、1.0
012g (5mmoi)の4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテルを加えて、溶解させた。溶解後、溶液を塩
−氷浴で一10℃に冷却し、続いて、3.5m(50m
mof)のプロピレンオキシドを加え、直ちにイソフタ
ル酸クロリド1.0151g (5mmof)を固形の
まま一度に加えた。−10℃で1時間攪拌し、続いて室
温で2時間攪拌して重縮合反応を行った。反応後、重合
液の一部を再沈精製し、実施例1と同様にポリアミドの
ηlnhを測定した。結果は第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造および組成を有するものであることが
確認された。
■キャスト成形工程 重合液をガラス板にキャストし、真空乾燥機に入れ、室
温、真空度的20mmHgで30分間脱泡を行い、続い
て、室温、真空度約lmmHg以下で24時間かけて第
1の乾燥を、次に100℃、真空度約lnmHg以下で
24時間かけて第2の乾燥を、更に200℃、真空度約
lmmHg以下で24時間かけて第3の乾燥を行った後
、最後にフィルムをガラス板から剥離した。
■熱処理工程 得られたフィルムの熱処理温度を330℃で行ったほか
は、実施例1と同様にした。得られたフィルムの性質を
第1表に示す。
実施例5(本発明の方法(1)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で1.10100Oのポリエーテルス
ルホン(ICI社製ヴイクトレックス、ηInh =0
.52df/g)を10蛇のN、N−ジメチルアセトア
ミド(DMAc)に溶解させた。完全溶解後、1.72
35g (5mmoi)のN、  N’−ビス(トリメ
チルシリル)−p。
p −ジアミノジフェニルエーテルを加えて、溶解させ
た。溶解後、溶液を塩−氷浴で一10℃まで冷却し、続
いて、イソフタル酸クロリド1.0150g (5mm
oi)を固形のまま一度に加え、−10℃で3時間攪拌
して重縮合反応を行った。反応後、重合液の一部を再沈
精製し、実施例1と同様にポリアミドのη5..hを測
定した。
結果は第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造を有し、その組成が、PA/PE5=
60/40 (wt/wt)であることが確認された。
■キャスト成形工程 重縮合工程で得られた重合液を、実施例1と同様にして
キャスト成形した。
■熱処理工程 得られたフィルムを、実施例1と同様にして熱処理を行
った。得られたフィルムの性質を第1表に示す。
実施例6(本発明の方法(I)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で1.1000gのポリエーテルスル
ホン(IC1社製ヴイクトレックス、η+nh =0.
 52 d 1/ g)を10dのN、N−ジメチルア
セトアミド(DMAc)に溶解させた。完全溶解後、1
.0012g (5mmolの4.4′−ジアミノジフ
ェニルエーテルを加えて、溶解させた。溶解後、溶液を
塩−氷浴で一10℃に冷却し、続いて、3.5d(5m
mo1)のプロピレンオキシドを加え、直ちにイソフタ
ル酸クロリド1.0150g (5mmof)を固形の
まま一度に加えた。−10”Cで1時間攪拌し、続いて
、室温で14時間攪拌して重縮合反応を行った。反応後
、重合液の一部を再沈精製し、実施例1と同様にポリア
ミドのηInhを測定した。結果を第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造を有し、その組成が、PA/PE5=
60/40 (wt/wt)であることが確認された。
■キャスト成形工程 重合液を実施例4と同様にしてキャスト成形した。
■熱処理工程 得られたフィルムの熱処理温度を330’Cで行ったほ
かは、実施例1と同様にした。得られたフィルムの性質
を第1表に示す。
実施例7(本発明の方法(■)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で1.0012g (5mmoi)の
4,4′ −ジアミノジフェニルエーテルを10威のN
、 N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させ
た。完全溶解後、溶液を塩−氷浴で一10℃に冷却し、
3.5m(50mmoi)のプロピレンオキシドを加え
、直ちにイソフタル酸クロリド1.0150g (5m
moi)を固形のまま一度に加えた。−10”Cで1時
間攪拌し、続いて、室温で・2時間攪拌して重縮合反応
を行った。
反応溶液に、ポリエーテルスルホン(ICI社製ヴイク
トレックス、η+nh =0.52d1/g)0.70
74gを加え、フラスコ内壁に付着しているポリエーテ
ルスルホンをDMAc  6rtdlでリンスした後、
室温で24時間攪拌下に反応を行った。その後、重合液
の一部を再沈精製して、実施例1と同様にしてポリアミ
ドのη1..hを測定した。
その結果を第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造および組成を有するものであることが
確認された。
■キャスト成形工程 重合液を実施例4と同様にしてキャスト成形した。
■熱処理工程 得られたフィルムの熱処理温度を330℃で行ったほか
は、実施例1と同様にした。得られたフィルムの性質を
第1表に示す。
実施例8(本発明の方法(■)) ■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で1.7230g (5mmo1)の
N、 N’−ビス(トリメチルシリル)−p、  p’
 −ジアミノジフェニルエーテルを10dのN、N−ジ
メチルアセトアミド(DMAc)に加えて、溶解させた
。溶解後、溶液を20℃に保ち、続いて、イソフタル酸
クロリド1.0150g (5mmoJ)を固形のまま
一度に加えた。
20℃で30分間攪拌して重縮合反応を行った。
この反応溶液に、ポリエーテルスルホン(IC1社製ヴ
イクトレックス、ηInk −0,52d1/g)0.
7074gを加え、フラスコ内壁に付着したポリエーテ
ルスルホンをジメチルアセトアミド6Idでリンスした
後、室温で24時間攪拌下に反応を行った。反応後、重
合液の一部を再沈精製し、実施例1と同様にしてポリア
ミドのηlnhを測定した。その結果を第1表に示す。
また、得られたポリアミド−ポリエーテルスルホン組成
物は、IRスペクトルおよび元素分析結果より、実施例
1と同じ化学構造および組成を有するものであることが
確認された。
■キャスト成形工程 重縮合工程で得られた重合液を、実施例1と同様にして
キャスト成形した。
■熱処理工程 得られたフィルムを、実施例1と同様にして熱処理を行
った。得られたフィルムの性質を第1表に示す。
比較例1(従来の溶液ブレンド法) Polymer  Journal、Vol。
22、No、1.80 (1990)に記載された、従
来の溶液ブレンド法により、ポリアミド−ポリエーテル
スルホン組成物からなるフィルムを製造した。
■重縮合工程 窒素ガス雰囲気下で1.0012g (5mmoオ)の
4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを10.dのN
、 N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させ
た。溶解後、溶液を塩−氷浴で一10℃に冷却し、イソ
フタル酸クロリド1.0150g (5mmoi)を固
形のまま一度に加えた。−10℃で1時間攪拌し、続い
て、室温で2時間攪拌して重縮合反応を行った。反応後
、重合液を、DMAcを加えて希釈し500dのメタノ
ールに注ぎ、白色のポリマーを沈殿させた。
濾別後、ポリマーをメタノール中で還流下に約1時間処
理し、80℃で1昼夜減圧乾燥した。得られたポリマー
の収量は、1.65g (100%)、ηlnhは1.
4dl/gであった。
■溶液ブレンド工程 上記■で得られたポリアミド0.5gをDMAc3. 
3tydlに溶解した溶液とポリエーテルスルホン(I
CI社製ヴイクトレックス、η1..h−0,52df
/g)0.15gをDMAcl、0−に溶解した溶液と
を混合し、24時間攪拌して、ポリアミドとポリエーテ
ルスルホンを含む溶液を得た。
■キャスト成形工程 ポリアミドとポリエーテルスルホンを含む溶液をガラス
板にキャストし、真空乾燥機に入れ、室温、真空度的2
0mmHgで30分間脱泡を行い、続いて、室温、真空
度的IIllIllHg以下で24時間かけて第1の乾
燥を、次に100℃、真空度約llllmHg以下で2
4時間かけて第2の乾燥を、更に200℃、真空度約l
mmHg以下で24時間かけて第3の乾燥を行った後、
フィルムをガラス板から剥離した。
■熱処理工程 フィルムを熱処理装置に入れ、300℃、真空度約lm
mHg以下で12時間熱処理を行った。熱処理フィルム
のガラス転移点及び貯蔵弾性率の測定を実施例1と同様
にして行った結果を第1表に示す。
比較例2 比較例1の■で得られたポリアミドのみを用い、ポリア
ミド溶液を比較例1と同様にキャスト成形し、熱処理し
てフィルムを得た。このフィルムのガラス転移点及び貯
蔵弾性率の測定を実施例1と同様にして行った結果を第
1表に示す。
比較例3 ポリエーテルスルホン(ICI社製ヴイクトレックス、
ηInh =0.52df/g)を用い、この溶液をキ
ャスト成形してフィルムを得た。このフィルムのガラス
転移点及び貯蔵弾性率の測定を実施例1と同様にして行
った結果を第1表に示す。
(以下余白) 第1表より明らかなように、本発明の方法(I)で得ら
れた実施例1〜6のフィルムおよび本発明の方法(II
)で得られた実施例7〜8のフィルムは、貯蔵弾性率の
値が比較例1〜3のフィルムに比べて高く貯蔵安定性に
優れていることが確認された。
以上、第1表に基づき、実施例1〜8のフィルムが比較
例1〜3のフィルムよりも貯蔵安定性に優れていること
を述べてきたが、実施例1〜8のフィルム製造方法は、
比較例1のフィルムの製造方法に比べ、以下のような利
点を有する。すなわち、実施例1〜8では、重縮合反応
を行ってポリアミドを製造しつつポリアミド−ポリエー
テルスルホン組成物を得るので、重縮合反応を行ってポ
リアミドを製造した後にポリアミド−ポリエーテルスル
ホン組成物を得る比較例1に比べ、目的物を得るために
要する時間を約172〜3/4に減少させることができ
た。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、ポリアミド−ポリエー
テルスルホン組成物からなるフィルムを簡単な製造操作
で短時間で安価に製造することができる方法を提供する
ことができる。また得られた熱処理フィルムは耐熱性お
よび貯蔵安定性に優れているので、電子、電気機器をは
じめとする広い分野において有用性の高いものである。
出願人  出光石油化学株式会社 代理人  弁理士 中 村 静 男

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリエーテルスルホンの有機系極性溶媒溶液中で
    、芳香族ジカルボン酸ジハライドと芳香族ジアミン又は
    その誘導体との重縮合反応を行って得られた反応液をキ
    ャスト成形することを特徴とするポリアミド−ポリエー
    テルスルホン組成物からなるフィルムの製造方法。
  2. (2)有機系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジハラ
    イドと芳香族ジアミン又はその誘導体との重縮合反応を
    行い、重縮合反応が完結する前にポリエーテルスルホン
    を添加し、混合して得られた反応液をキャスト成形する
    ことを特徴とするポリアミド−ポリエーテルスルホン組
    成物からなるフィルムの製造方法。
  3. (3)ポリアミド/ポリエーテルスルホンの重量比率が
    80/20〜50/50である請求項(1)又は(2)
    に記載の方法。
  4. (4)ポリアミドのη_i_n_hが1.6〜8.0d
    l/gであり、ポリエーテルスルホンのη_i_n_h
    が0.1〜2.0dl/gであり、かつポリアミド/ポ
    リエーテルスルホンの重量比率が80/20〜50/5
    0であるポリアミド−ポリエーテルスルホン組成物から
    成形されたフィルム。
  5. (5)請求項(4)に記載のフィルムを250〜350
    ℃で熱処理して得られる熱処理フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007238655A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミド組成物の製造方法、組成物及びそれからなるフィルム

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