JPH04137110U - 断熱パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱パネル内部の配線や配管の配置施工を行
いやすくし、同時に断熱性能を低下させないようにした
断熱パネルを得る。 【構成】 枠体１１の両面に合板１２ａ，１２ｂを貼着
し、その中空部に断熱材２を充填した断熱パネル１に対
して、前記断熱材２を充填した中空部の厚さ方向の一部
に、この断熱パネル面に沿って、配線又は配管の配置用
空間部を設け、この空間部３と前記断熱材２充填部との
境界面に、周囲の枠体１１間にわたる気密シート４を密
封状態に配設する。これで空間部３と断熱材２充填部間
は完全に遮断される。従って、空間部３に例え外気が出
入りしても、この断熱パネル全体としては断熱性能に影
響がない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、断熱性能を低下させることなく配線又は配管を容易に配置すること ができる断熱パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

四辺形状の枠体の両面に合板を貼着した中空パネルは建築物の壁パネルとして よく用いられる。そして、断熱性が特に求められる場合には、この中空パネルの 中空部に断熱材を充填して、断熱パネルとして使用する。この断熱パネル内に配 線や配管を配置する場合もよくあるが、その際は、予め紙管を配線、配管の配置 経路に装着してから断熱材を充填する。そして、壁パネルとして配置後に、前記 紙管内部に配線や配管を通す。この紙管を予め配置していない時には、充填して ある断熱材を一方に押しやって内部に空間部を形成し、この空間部に配線や配管 を通すこともあるが、かなり困難な作業である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような配線、配管の配置には断熱性を低下させる難点があ る。すなわち、この断熱パネルに対して配置する配線や配管の貫通箇所を満足に 密封することが困難である。この断熱パネルの室内側面では室内から配線、配管 の貫通箇所を密封できても、他方の断熱パネル周辺側の貫通箇所については手が 届かず、施工不能である。このように密封できない箇所が存在すると、この箇所 から断熱パネル内の断熱材層に空気が出入りして断熱性を低下させる。この現象 は特に寒冷地の建築物において、暖房効率の低下、局部的な結露の発生を招き、 不都合である。前記紙管の配設時に、その両端を予め枠体内周面と合板面とに気 密に連結することはできなくはないが、きわめて面倒であり現実には困難である 。又、このように連結すると後で経路変更ができず、不便であることも多い。 本考案は後工程での配線や配管が行いやすく、かつ、断熱性能を低下させない 断熱パネルを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る断熱パネルは、枠体の両面に合板を貼着し、中空部に断熱材を充 填したものであって、該断熱パネルの断熱材を充填した中空部の厚さ方向の一部 に、該断熱パネル面に沿って配線又は配管用の空間部を設け、該空間部と前記断 熱材充填部との境界面に対して気密シートを周囲の枠体間にわたり密封状態に配 設して構成する。

【０００５】

【作用】

断熱パネル内部に設ける、厚さ方向の一部の、該断熱パネル面に沿った空間部 は、断熱材充填部との境界面に気密シートが存在する。この気密シートはその周 縁が、空間部周囲の枠体間にわたって密封状態に配設されていて、断熱材充填部 と空間部との両者間に空気の出入りが行われない。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例の縦断面図であり、図２は同じく横断面図である。図 中、１は断熱パネル、１１は枠体、１２ａ，１２ｂは合板、２は断熱材、３は空 間部、４は気密シート、５は配線である。

【０００７】 図１及び図２に示すように、断熱パネル１は四辺形状の木製枠体１１の両面に 合板１２ａ，１２ｂを貼着して製作するが、この場合、一方の合板１２ａを貼着 した段階で断熱材２を充填する。断熱材２はマット状グラスウールを用い、図の ように枠体１１の厚さの約２／３程度の厚さに、設定した密度で充填する。そし て残した約１／３の厚さの、この断熱パネル面に沿った空間部３との境界面に気 密シート４を貼着して配設する。気密シート４は蒸着アルミニューム膜付きの軟 質塩化ビニールフィルムを用い、その周縁を四辺形状の枠体１１の内周面に密封 状態に貼着する。その後で他方の合板１２ｂを枠体１１に貼着して、断熱パネル を得る。

【０００８】 断熱パネル１はこのように構成していて、空間部３はこの断熱パネル１の枠体 １１の内周全面にわたる広さである。配線５はこの空間部３内の予定した経路に 直接、図１に示すように、上方の枠体１１の引き込み穴５１から入り、合板１２ ｂの取り出し穴５２から取り出し、コンセント５３に接続する。コンセント５３ は合板１２ｂの室内側に壁仕上げ後に取り付ける。前記枠体１１の引き込み穴５ １及び合板１２ｂの取り出し穴５２と配線５の周囲との間に間隙が存在するが、 前記のように断熱材２層と空間部３とは完全に遮断されていて、前記間隙に空気 が出入りしても、断熱性能に影響はない。これで断熱材２層による断熱作用は均 一、かつ充分に発揮でき、前記従来のような暖房効率の低下、局部的な結露と言 ったトラブルはなくなる。又、前記のように広い空間部３での配線５の配置であ り、かつ、引き込み穴５１、取り出し穴５２での間隙密封処理が不要で、配線工 事がきわめて容易、迅速にできる。

【０００９】 配線５に代えて、配管をこの断熱パネル１内に配置する場合も同様に実施でき 、工事が容易、迅速にできる。そしてこの場合の配管貫通穴の間隙処理を省略し ても、断熱性能には影響がない。なお、配線５を配置する空間部３において、配 線５を実際に配置する範囲は、図２に示すように、限定されている。従って残り 部分に断熱材を充填して、この断熱パネル１の断熱性能をより向上させてもよい 。

【００１０】

【考案の効果】

本考案に係る断熱パネルによれば、配線や配管のパネル内配置が行いやすく、 これら配線、配管の断熱パネル内出入り口の間隙閉塞の手間が省略できる。そし て、断熱性能が充分、かつ、均一に発揮でき、局部的な結露の発生もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断熱パネルの縦断面図
である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線矢印方向より見た横断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 断熱パネル ２ 断熱材 ３ 空間部 ４ 気密シート ５ 配線 １１ 枠体 １２ａ，１２ｂ 合板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体の両面に合板を貼着し、中空部に断
   熱材を充填した断熱パネルであって、該断熱パネルの断
   熱材を充填した中空部の厚さ方向の一部に、該断熱パネ
   ル面に沿って配線又は配管配置用の空間部を設け、該空
   間部と前記断熱材充填部との境界面に対して気密シート
   を周囲の枠体間にわたって密封状態に配設したことを特
   徴とする断熱パネル。