JPH04136017U - 栽培作物の球根切除装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人参，大根等の栽培作物の収穫後に球根と葉
部との切除作業を自動化して煩瑣な切除作業をなくし、
肉体的疲労を軽減するとともに塵埃の充満に伴う作業者
の健康上の悪影響を排除することができる球根切除装置
を提供することを目的とする。 【構成】 電動機３の回転トルクによって回動する駆動
シャフト１７と、この駆動シャフト１７と一定長離反し
た位置に配置された従動シャフト３３との間に平ベルト
４１を設け、この平ベルト４１と平行した位置に前記駆
動シャフト１７によって回転駆動されて栽培作物８１の
葉部８１ｂを挾み込んで搬送する葉部搬送機構４９とを
備え、更に上記平ベルト４１と葉部搬送機構４９との間
に、栽培作物８１の葉部８１ｂを切除する回転刃６５を
配設した構成にしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は人参，大根等の栽培作物の葉部と球根とを切除する切除装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から人参，大根等の栽培作物は、収穫後に球根と葉部とを作業員の手操作 によって切除して出荷に供されるのが通例であり、切除に際しては包丁とか挾み 等の刃物を使用して作業を行っている。通常、球根と葉部との付け根付近を正し く切断しなければならないため、このような切除作業を機械化することが困難で あり、手操作に頼らざるを得ないのが実情である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の球根と葉部との切除は、作業員の手操作によ って行われているため、作業が煩瑣である上、肉体的疲労が甚大であるという課 題があった。即ち、これらの作物は畑から手作業もしくは堀取機で収穫された後 、作業員が片手に作物、片手に刃物を持って中腰のまま上記切除作業を実施しな ければならないため、作業が面倒であり、更に作業時間が長引くにつれて作業員 の肉体的疲労が増大してしまうという難点を有している。更に作物は水洗しない 状態で上記切除作業を実施するのが普通であるため、土壌が火山灰性である場合 には、空気中に塵埃が充満して作業者の健康に悪影響が生じるという問題点を有 している。

【０００４】 そこで本考案はこのような従来の球根と葉部との切除作業を自動機械化するこ とによって上記各問題点を解消し、且つ作業能率を高めることができる球根切除 装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は上記目的を達成するために、電動機の回転トルクによって回動する駆 動シャフトと、この駆動シャフトと一定長離反した位置に配置された従動シャフ トと、上記駆動シャフトと従動シャフトとの間に回動可能に配設されて栽培作物 の球根部が載置される平ベルトと、この平ベルトと平行した位置に設けられ、前 記駆動シャフトによって回転駆動される第１のチェーン及び該第１のチェーンの 上部に回動可能に密接配置されて栽培作物の葉部を挾み込む第２のチェーンとか ら成る葉部搬送機構とを備え、更に上記平ベルトと葉部搬送機構との間に、該平 ベルトと葉部搬送機構によって搬送される栽培作物の葉部を切除する回転刃を配 設した栽培作物の球根切除装置の構成にしてある。上記葉部搬送機構は、駆動シ ャフトによって駆動される第１のチェーンと、この第１のチェーンの上部に密接 配置されて該第１のチェーンとの噛合作用によって回動する第２のチェーンとか ら構成されている。また、上記葉部搬送機構と平ベルトとの間には作物の葉部案 内板を設けてある。更に葉部搬送機構の駆動シャフト及び従動シャフトに角度自 在型継手を設けて、該葉部搬送機構の移動方向と平ベルトの移動方向との間に両 移動方向の間隔が除々に広がるような所定角度を付与してあり、前記葉部の回転 刃の取付け位置は栽培作物の種類に応じて適宜移動調節自在にしてある。

【０００６】

【作用】

かかる球根切除装置によれば、使用時に先ず電動機を始動すると、電動機の回 転トルクによって駆動シャフトが回動し、この駆動シャフトと従動シャフトとの 間に配設された平ベルトが移動を開始する。この平ベルト上に栽培作物の球根部 を載置すると、該平ベルトと平行した位置に設けられた葉部搬送機構の第１，第 ２のチェーン間に作物の葉部が挾み込まれ、平ベルトの移動に伴って該平ベルト と葉部搬送機構との間に配設された回転刃によって葉部案内板にガイドされた栽 培作物の葉部が切除される。

【０００７】 上記葉部搬送機構の移動方向と平ベルトの移動方向との間に両移動方向の間隔 が除々に広がるような所定角度を付与したことにより、作物の搬送につれて該作 物の葉部が球根部から側方に除々に引っ張られた状態となるので、作物の葉部は 回転刃によって効率良く切断され、球根部のみが平ベルト上を搬送されて切除作 業が終了する。更に前記葉部の回転刃の取付け位置は栽培作物の種類に応じて適 宜移動調節自在にしたことにより、人参，大根とかラッキョウ等の多種類の作物 にも適用可能であり、且つ葉部の切除位置を変更することが可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下図面に基づいて本考案にかかる球根切除装置の一実施例を説明する。 図１乃至図３に示した構成において、１は架台であり、この架台１上に両軸型 の電動機３と第１のベベルギヤボックス５とが隣接して配設されており、電動機 ３の一方の出力軸３ａにキー固定されたプーリ７と、第１のベベルギヤボックス ５の入力軸５ａにキー固定されたプーリ９との間にＶベルト１１が掛け渡されて いる。そして該第１のベベルギヤボックス５の出力軸５ｂに固定されたシャフト １３が架台１の他方側に配設された第２のベベルギヤボックス１５の入力軸１５ ａに連結されている。

【０００９】 １７はベアリングユニット１９によって回転自在に支承された駆動シャフトで あり、上記第２のベベルギヤボックス１５の出力軸１５ｂに固定されたスプロケ ット２１と、駆動シャフト９に固定されたスプロケット２３との間にチェーン２ ５が取付けられている。

【００１０】 上記駆動シャフト１７の他方側の軸端は、角度自在型継手２７を介してベアリ ングユニット２９に支承されている。この駆動シャフト１７の中間部にはローラ ３１が固定されている。

【００１１】 更に電動機３の近傍には、従動シャフト３３がベアリングユニット３５，３７ に支承された状態として配設されており、この従動シャフト３３の中間部にはロ ーラ３９が固定されている。そして該ローラ３９と前記駆動シャフト１７側のロ ーラ３１との間に平ベルト４１が回転移動自在に配設されている。上記従動シャ フト３３は角度自在型継手４３を介してベアリングユニット４５，４７に支承さ れている。そして該ベアリングユニット４５，４７に支承された従動シャフト３ ３と前記ベアリングユニット２９に支承された駆動シャフト１７との間に葉部搬 送機構４９が設けられている。この葉部搬送機構４９には、角度自在型継手２７ ，４３の作用によって、平ベルト４１の移動方向Ａに沿って該平ベルト４１との 間隔が除々に広がるような所定角度αが付与されている。

【００１２】 また、図１，図４に示したように、電動機３の他方の出力軸３ｂにはプーリ５ １がキー固定されており、更に上部に設置した駆動シャフト５５にキー固定され たプーリ５７と前記プーリ５１との間にベルト５３が掛け渡されている。この駆 動シャフト５５は上部支持台５９に支持されたベアリングユニット６１，６３に 回転可能に支承されており、この駆動シャフト５５の他端部には回転刃６５が固 定されている。この回転刃６５の取付け位置は栽培作物の種類に応じて図４の左 右方向に移動調節可能となっている。

【００１３】 図５は上記葉部搬送機構４９の構成例を示しており、この葉部搬送機構４９は 前記駆動シャフト１７に固定されたスプロケット６７と、前記従動シャフト３３ に固定されたスプロケット６９との間に配設された第１のチェーン７１と、この 第１のチェーン７１の上部に密接配置され、スプロケット７３，７５によって回 動可能に支持された第２のチェーン７７とを備えている。そして矢印Ｂに示した 第１のチェーン７１の動きがチェーン間の噛合作用によって第２のチェーン７７ に伝えられ、該第２のチェーン７７が矢印Ｃに示したように回動する。 更に上記葉部搬送機構４９と平ベルト４１との間には、作物の葉部案内板７９ が設けられている。

【００１４】 かかる構成によれば、使用に際して先ず電動機３を始動すると、電動機３の一 方の出力軸３ａの回転トルクがプーリ７とプーリ９間に掛け渡されたＶベルト１ １を介して第１のベベルギヤボックス５の入力軸５ａに伝えられ、更に該第１の ベベルギヤボックス５から連結シャフト１３を介して第２のベベルギヤボックス １５に入力される。そして第２のベベルギヤボックス１５の出力はチェーン２５ を介して駆動シャフト１７に伝達されて該駆動シャフト１７の中間部に固定され たローラ３１が回動し、他方側の従動シャフト３３の中間部に固定されたローラ ３９との間に配設された平ベルト４１が矢印Ａ方向への回転移動を開始する。

【００１５】 同時に葉部搬送機構４９を構成する第１のチェーン７１が矢印Ｂ方向に回転し 、この第１のチェーン７１の上部に密接配置された第２のチェーン７７の噛合作 用によって第２のチェーン７７が矢印Ｃに示したように回動する。

【００１６】 そして図１，図６に示したように収穫された作物８１の球根部８１ａを順次平 ベルト４１の上部に載置すると、葉部８１ｂを葉部搬送機構４９の第１のチェー ン７１と第２のチェーン７７との間に挾み込まれて状態にセットされる。そして 該葉部搬送機構４９の搬送作用に基づいて作物８１が平ベルト４１上を矢印Ａ方 向に搬送され、この葉部搬送機構４９と平ベルト４１との間に設けられた葉部案 内板７９にガイドされながら回転刃６５に接近する。

【００１７】 この回転刃６５は、電動機３の他方の出力軸３ｂの回転トルクがプーリ５７と プーリ５１及びベルト５３を介して伝達される駆動シャフト５５の他端部に固定 されているので、電動機３の始動と同時に回転を開始する。

【００１８】 このようにして回転刃６５によって栽培作物の葉部８１ｂが切除されるが、前 記したように葉部搬送機構４９には角度自在型継手２７，４３によって平ベルト ４１の移動方向Ａと平ベルト４１との間隔が除々に広がるような所定角度αが付 与されているため、作物８１の搬送につれて該作物８１の葉部８１ｂは球根部８ １ａから側方に除々に引っ張られた状態となる。この状態で葉部８１ｂは回転刃 ６５によって効率良く切断され、球根部８１ａのみが平ベルト４１上を搬送され て図外のボックスに収納される。

【００１９】 本実施例にかかる球根切除装置は、前記人参の外、大根とかラッキョウ等の作 物にも適用可能であり、かつ、作物の種類に応じて回転刃６５の位置を移動調節 することによって葉部８１ｂの切除位置を変更して対処することができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上詳細に説明した本考案にかかる球根切除装置によれば、電動機の回転トル クによって移動する平ベルト上に栽培作物の球根部を載置すると、該平ベルトと 平行した位置に設けられた葉部搬送機構に作物の葉部が挾み込まれ、平ベルトの 移動に伴って該平ベルトと葉部搬送機構との間に配設された回転刃によって葉部 案内板にガイドされた栽培作物の葉部を切除することができる。従って葉部の切 除作業が自動化されて作業員の手操作に頼らないので、作業員の肉体的疲労を軽 減することができる。

【００２１】 また、葉部搬送機構の移動方向と平ベルトの移動方向との間に両移動方向の間 隔が除々に広がるような所定角度を付与したことにより、搬送時に作物の葉部が 球根部から側方に除々に引っ張られるので、葉部の切断効果が高められるという 効果がえられ、更に回転刃の取付け位置を移動調節することによって、人参，大 根とかラッキョウ等の多種類の作物にも適用することが可能となる。更に作物の 土壌が火山灰性である場合であっても手作業時に塵埃が発生せず、健康面からも 好ましい球根切除装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる球根切除装置の一実施例を示す
平面図。

【図２】同側面図。

【図３】図１のＤ方向からの矢視図。

【図４】図１のＥ方向からの矢視図。

【図５】葉部搬送機構４９の構成を示す概要図。

【図６】栽培作物のセット状態を示す概要図。

【符号の説明】

１…架台 ３…電動機 ５…第１のベベルギヤボックス １１…Ｖベルト １５…第１のベベルギヤボックス １７…駆動シャフト ２７，４３…角度自在型継手 ３３…従動シャフト ４１…平ベルト ４９…葉部搬送機構 ５５…駆動シャフト ６５…回転刃 ７９…刃部案内板 ８１…作物 ８１ａ…球根部 ８１ｂ…葉部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ２３Ｎ 15/00 Ｚ 6844−4Ｂ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機の回転トルクによって回動する駆
   動シャフトと、この駆動シャフトと一定長離反した位置
   に配置された従動シャフトと、上記駆動シャフトと従動
   シャフトとの間に回動可能に配設されて栽培作物の球根
   部が載置される平ベルトと、この平ベルトと平行した位
   置に設けられ、前記駆動シャフトによって回転駆動され
   る第１のチェーン及び該第１のチェーンの上部に回動可
   能に密接配置されて栽培作物の葉部を挾み込む第２のチ
   ェーンとから成る葉部搬送機構とを備え、更に上記平ベ
   ルトと葉部搬送機構との間に、該平ベルトと葉部搬送機
   構によって搬送される栽培作物の葉部を切除する回転刃
   を配設したことを特徴とする栽培作物の球根切除装置。
2. 【請求項２】 上記葉部搬送機構は、前記駆動シャフト
   によって駆動される第１のチェーンと、この第１のチェ
   ーンの上部に密接配置されて該第１のチェーンとの噛合
   作用によって回動する第２のチェーンとを備えて成る請
   求項１記載の栽培作物の球根切除装置。
3. 【請求項３】 上記葉部搬送機構と平ベルトとの間に、
   作物の葉部案内板を設けて成る請求項１記載の栽培作物
   の球根切除装置。
4. 【請求項４】 葉部搬送機構の駆動シャフト及び従動シ
   ャフトに角度自在型継手を設けて、該葉部搬送機構の移
   動方向と平ベルトの移動方向との間に両移動方向の間隔
   が除々に広がるような所定角度を付与して成る請求項１
   記載の栽培作物の球根切除装置。
5. 【請求項５】 前記葉部の回転刃の取付け位置を、栽培
   作物の種類に応じて適宜移動調節自在とした請求項１記
   載の栽培作物の球根切除装置。