JPH0413506Y2 - - Google Patents
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- JPH0413506Y2 JPH0413506Y2 JP5602084U JP5602084U JPH0413506Y2 JP H0413506 Y2 JPH0413506 Y2 JP H0413506Y2 JP 5602084 U JP5602084 U JP 5602084U JP 5602084 U JP5602084 U JP 5602084U JP H0413506 Y2 JPH0413506 Y2 JP H0413506Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
(考案の属する技術分野)
本考案は、内部に液体ヘリウムをためておくク
ライオスタツト(極低温容器)に係り、特に真空
容器壁からの熱侵入が小さく、液体ヘリウムを長
時間ためておける、ガラス繊維強化樹脂(FRP)
製クライオスタツトに関する。
ライオスタツト(極低温容器)に係り、特に真空
容器壁からの熱侵入が小さく、液体ヘリウムを長
時間ためておける、ガラス繊維強化樹脂(FRP)
製クライオスタツトに関する。
(従来技術)
従来、クライオスタツトにほとんどがステンレ
ス鋼製であつたが、最近では、ステンレス鋼より
軽くかつ熱伝導率の小さい、FRPによるクライ
オスタツトが登場してきている。一般にクライオ
スタツトは、外側の真空容器と内側の液体ヘリウ
ム容器とを、間に真空断熱層をへだてて気密に接
合してなる。
ス鋼製であつたが、最近では、ステンレス鋼より
軽くかつ熱伝導率の小さい、FRPによるクライ
オスタツトが登場してきている。一般にクライオ
スタツトは、外側の真空容器と内側の液体ヘリウ
ム容器とを、間に真空断熱層をへだてて気密に接
合してなる。
第1図はFRP製クライオスタツトの一例の縦
断正面図である。真空容器は円筒部1と底板部2
が一体に接着されており、液体ヘリウム容器も同
様に円筒部3と底板部4が接着されている。この
両者は蓋栓部5で気密に接着され、間には真空断
熱層6が形成される。液体ヘリウム容器内には、
例えば超電導コイル7を置き、液体ヘリウム8を
入れて4.2Kに冷却される。ここでこれらの容器
壁を透過したガスのために真空断熱層の真空度が
低下すると断熱性が悪くなり、熱侵入量が増大し
液体ヘリウムの保持時間が短くなつてしまう。
断正面図である。真空容器は円筒部1と底板部2
が一体に接着されており、液体ヘリウム容器も同
様に円筒部3と底板部4が接着されている。この
両者は蓋栓部5で気密に接着され、間には真空断
熱層6が形成される。液体ヘリウム容器内には、
例えば超電導コイル7を置き、液体ヘリウム8を
入れて4.2Kに冷却される。ここでこれらの容器
壁を透過したガスのために真空断熱層の真空度が
低下すると断熱性が悪くなり、熱侵入量が増大し
液体ヘリウムの保持時間が短くなつてしまう。
一般に、樹脂単体よりもガラス繊維の入つた
FRPのほうが、ガス透過率は小さくなる傾向に
ある。これはガスを全く通さないガラス繊維が入
るからである。
FRPのほうが、ガス透過率は小さくなる傾向に
ある。これはガスを全く通さないガラス繊維が入
るからである。
(考案の目的)
本考案は、さらにこのガス透過率を小さくした
FRP製クライオスタツトを提供することを目的
とするものである。
FRP製クライオスタツトを提供することを目的
とするものである。
(本考案の構成)
本考案は、ガラス繊維強化樹脂の円筒と円板を
組合せて構成したクライオスタツトにおいて、
FRP層の中にマイカ基材に樹脂を含浸し硬化し
た層を、その端がFRP層の端面に露出すること
のないように介在させてなるFRP製クライオス
タツトに関する。
組合せて構成したクライオスタツトにおいて、
FRP層の中にマイカ基材に樹脂を含浸し硬化し
た層を、その端がFRP層の端面に露出すること
のないように介在させてなるFRP製クライオス
タツトに関する。
本考案によれば、第1図において、真空容器と
液体ヘリウム容器のFRP層9の中にマイカ基材
に樹脂を含浸した層10が挿入される。
液体ヘリウム容器のFRP層9の中にマイカ基材
に樹脂を含浸した層10が挿入される。
このマイカ基材は、はがしマイカでも集成マイ
カでもよく、シートまたはテープとして用いられ
る。またFRP層を形成するときに、マイカ基材
に同じ樹脂を含浸して挿入するか、あるいはマイ
カ基材にあらかじめFRP層の樹脂と同種又は別
種の樹脂を含浸し硬化してから挿入してもよい。
あるいはガラス基材とマイカ基材を積層してお
き、樹脂を減圧含浸して同時に硬化してもよい。
樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂などが使われる。
カでもよく、シートまたはテープとして用いられ
る。またFRP層を形成するときに、マイカ基材
に同じ樹脂を含浸して挿入するか、あるいはマイ
カ基材にあらかじめFRP層の樹脂と同種又は別
種の樹脂を含浸し硬化してから挿入してもよい。
あるいはガラス基材とマイカ基材を積層してお
き、樹脂を減圧含浸して同時に硬化してもよい。
樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂などが使われる。
これらの樹脂は、硬化剤、硬化促進剤等を含む
樹脂組成物としてマイカ基材に含浸され硬化され
る。
樹脂組成物としてマイカ基材に含浸され硬化され
る。
マイカ基材に樹脂を含浸し硬化した層は、真空
容器または真空容器と液体ヘリウム容器の両者に
用いられる。
容器または真空容器と液体ヘリウム容器の両者に
用いられる。
第2図は第1図のA部拡大図である。FRP層
9は、ガラス繊維12と樹脂11からなり、ガラ
スはガラス繊維をよけるようにして透過する。中
間のマイカ基材層10は、マイカ片13と樹脂1
1からなり、不透気性のマイカ基材を構成するマ
イカ片13がバリヤーとなるので、ガス透過率は
非常に小さくなり、真空容器壁を貫通するガス透
過は非常に小さくおさえられる。ところがマイカ
基材層10の沿層方向には、マイカ基材を構成す
るマイカ片13が全くバリヤー効果をなさないの
で、FRP層9よりも逆にガス透過率が大きくな
る。
9は、ガラス繊維12と樹脂11からなり、ガラ
スはガラス繊維をよけるようにして透過する。中
間のマイカ基材層10は、マイカ片13と樹脂1
1からなり、不透気性のマイカ基材を構成するマ
イカ片13がバリヤーとなるので、ガス透過率は
非常に小さくなり、真空容器壁を貫通するガス透
過は非常に小さくおさえられる。ところがマイカ
基材層10の沿層方向には、マイカ基材を構成す
るマイカ片13が全くバリヤー効果をなさないの
で、FRP層9よりも逆にガス透過率が大きくな
る。
そこで本考案では、第1図に示してあるよう
に、マイカ基材に樹脂を含浸した層の端が、
FRP層内におさまり、FRP層の端面に露出しな
いようにすることが必要である。
に、マイカ基材に樹脂を含浸した層の端が、
FRP層内におさまり、FRP層の端面に露出しな
いようにすることが必要である。
(実施例)
実施例により説明する。供試するFRP板は200
mm角、厚さ20mmであり、その直径150mmの部分の
片側を大気圧のヘリウムガスにさらし、他の側を
1×10-6Torrにして、FRP板を貫通して透過す
るヘリウムガス量をヘリウムリークデイテクタで
測定した。
mm角、厚さ20mmであり、その直径150mmの部分の
片側を大気圧のヘリウムガスにさらし、他の側を
1×10-6Torrにして、FRP板を貫通して透過す
るヘリウムガス量をヘリウムリークデイテクタで
測定した。
まず比較例として、厚さ0,18mmの平織ガラス
クロス(日東紡績(株)製WE18G)を12枚積層しビ
スフエノール形エポキシ樹脂、シエル社製エピコ
ート828,100重量部、酸無水物硬化剤、日立化成
工業(株)製HN−2200,80重量部および2−エチル
−4−メチルイミダゾール1重量部の混合物を減
圧含浸し、加熱硬化したFRP板(厚さ2.0mm)で
は、8×10-8Torr・/秒のヘリウムガス透過
があつた。
クロス(日東紡績(株)製WE18G)を12枚積層しビ
スフエノール形エポキシ樹脂、シエル社製エピコ
ート828,100重量部、酸無水物硬化剤、日立化成
工業(株)製HN−2200,80重量部および2−エチル
−4−メチルイミダゾール1重量部の混合物を減
圧含浸し、加熱硬化したFRP板(厚さ2.0mm)で
は、8×10-8Torr・/秒のヘリウムガス透過
があつた。
次に実施例として、前述の平織ガラスクロス10
枚を用い、中間に軟質無焼成集成マイカシート
(平均直径が0.4mm、平均厚さが3μmのマイカ片を
バインダーを使わずに抄造して得た厚さ0.10mm、
平均密度1.5g/cm3の軟質無焼成集成マイカシー
ト)を3枚挿入したFRP板(厚さ2.0mm)を同じ
方法で製作した。このFRP板のヘリウムガス透
過は2×10-8Torr・/秒であり、比較例の4
分の1に低減された。
枚を用い、中間に軟質無焼成集成マイカシート
(平均直径が0.4mm、平均厚さが3μmのマイカ片を
バインダーを使わずに抄造して得た厚さ0.10mm、
平均密度1.5g/cm3の軟質無焼成集成マイカシー
ト)を3枚挿入したFRP板(厚さ2.0mm)を同じ
方法で製作した。このFRP板のヘリウムガス透
過は2×10-8Torr・/秒であり、比較例の4
分の1に低減された。
(考案の効果)
本考案によれば円筒部と底板部あるいは蓋栓部
との接合部付近には、マイカ基材にレジンを含浸
した層が介在しない部分ができるが、この部分は
容器の全表面積に比べてわずかであり、大部分に
ついてはマイカ基材のバリヤー効果が有効に作用
し、最終的には内部の液体ヘリウムの保持時間を
著しく延長できる。
との接合部付近には、マイカ基材にレジンを含浸
した層が介在しない部分ができるが、この部分は
容器の全表面積に比べてわずかであり、大部分に
ついてはマイカ基材のバリヤー効果が有効に作用
し、最終的には内部の液体ヘリウムの保持時間を
著しく延長できる。
第1図は本考案の一実施例になるFRP製クラ
イオスタツトの縦断正面図、第2図は第1図のA
部拡大図である。 符号の説明、1……真空容器の円筒部、2……
真空容器の底板部、3……液体ヘリウム容器の円
筒部、4……液体ヘリウム容器の底板部、5……
蓋栓部、6……真空断熱層、7……超電導コイ
ル、8……液体ヘリウム、9……FRP層、10
……樹脂含浸マイカ基材層、11……樹脂、12
……ガラス繊維、13……マイカ片。
イオスタツトの縦断正面図、第2図は第1図のA
部拡大図である。 符号の説明、1……真空容器の円筒部、2……
真空容器の底板部、3……液体ヘリウム容器の円
筒部、4……液体ヘリウム容器の底板部、5……
蓋栓部、6……真空断熱層、7……超電導コイ
ル、8……液体ヘリウム、9……FRP層、10
……樹脂含浸マイカ基材層、11……樹脂、12
……ガラス繊維、13……マイカ片。
Claims (1)
- ガラス繊維強化樹脂の円筒と円板を組合せて構
成したクライオスタツトにおいて、ガラス繊維強
化樹脂(FRP)層の中にマイカ基材に樹脂を含
浸し硬化した層を、その端がFRP層の端面に露
出することのないように介在させてなるFRP製
クライオスタツト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5602084U JPS60167897U (ja) | 1984-04-17 | 1984-04-17 | Frp製クライオスタツト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5602084U JPS60167897U (ja) | 1984-04-17 | 1984-04-17 | Frp製クライオスタツト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60167897U JPS60167897U (ja) | 1985-11-07 |
JPH0413506Y2 true JPH0413506Y2 (ja) | 1992-03-30 |
Family
ID=30579233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5602084U Granted JPS60167897U (ja) | 1984-04-17 | 1984-04-17 | Frp製クライオスタツト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60167897U (ja) |
-
1984
- 1984-04-17 JP JP5602084U patent/JPS60167897U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60167897U (ja) | 1985-11-07 |
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