JPH04134617U - 汎用エンジンの吸気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランク室から気化器上流側吸気通路にブリ
ードガスを導くようにした汎用エンジンの吸気装置にお
いて、空気取入孔より気化器内に水が浸入したり、氷結
により空気取入孔やベント孔が閉塞したりするのを抑制
し、またブリードガスの吸気流内での拡散を抑え、さら
に吸気通路抵抗の増加をごく僅かにする。 【構成】 気化器上流側の吸気通路に直交して接続した
ブリードガス通路の開口部側方又は前方位置にて吸気流
と並行に遮壁を吸気通路の内壁に設ける。またブリード
ガス通路の開口部とは遮壁によって仕切られる位置に、
気化器の吸気通路内に開口する空気取入孔やフロート室
のベント孔を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、汎用エンジンの吸気装置に係り、特にクランク室からのブリードガ スを気化器より上流側の吸気通路に導くようにした吸気装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、汎用エンジンのクランク室からのブリードガスは、図５に示すようにブ リーザーパイプ１を通してエアクリーナ２内に導入されていた。しかし、この方 式はブリードガスによってフィルターエレメント３が汚れ、またオイルミスト等 がフィルターエレメント３に付着して濾過性能が低下する。この為、フィルター エレメント３内で一点鎖線に示すようにエレメントケース４に設けられたブリー ザーパイプ１の接続口５の開口端を被うようにカバー６を設けて、ブリードガス の拡散を防止したり、或いは接続口５に二点鎖線に示すように気化器７の入口付 近までガイドパイプ８を設けて、ブリードガスを気化器７に導くようにしている が、エアクリーナ２内の構造が複雑になり、製作が面倒で高価となる。

【０００３】 上記のような不都合を解消するものとして、従来、汎用エンジンのクランク室 からのブリードガスを、図６及び図７に示すように気化器７より上流側の吸気通 路９に直交して接続開口したブリードガス通路１０にて吸気通路９に導くように したものがある。しかしこの方式は、エンジン冷機時にブリードガス内の水蒸気 が凝結して、これの一部が気化器７の吸気通路９内に開口する空気取入孔である パイロットエアージェット１６、メーンエアージェット１７より気化器７内に浸 入したり、極低温時（−１０℃〜−３０℃）に氷結してパイロットエアージェッ ト１６、メーンエアージェット１７やフロート室１８のエアーベント１９を閉塞 し、エンジン不調を招く場合がある。またブリードガスが吸気流内で拡散し、気 化器７の吸気通路９内が汚れるものである。これらを抑制する為、図６の一点鎖 線に示すようにブリードガス通路１０の開口部を吸気通路９内に突出した場合に は吸気通路抵抗となる。他の先行技術として実開昭６２−１３８８０９号公報が ある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は図６及び図７に示す汎用エンジンの吸気装置における課題、即 ち空気取入孔より気化器内にブリードガス中の水蒸気が凝結した水が浸入したり 、氷結により空気取入孔やベント孔が閉塞したりすることを抑制でき、またブリ ードガスの吸気流内での拡散を抑えることができ、さらに吸気通路抵抗の増加を 極めて少なくした汎用エンジンの吸気装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案による汎用エンジンの吸気装置の１つは、汎 用エンジンのクランク室からのブリードガスを気化器より上流側の吸気通路に直 交して接続開口したブリードガス通路にて導くようにした吸気装置において、前 記ブリードガス通路の開口部側方又は前方位置にて吸気流と並行に遮壁を吸気通 路の内壁に設けたことを特徴とするものである。

【０００６】 本考案による汎用エンジンの吸気装置の他の１つは、前記吸気装置において、 気化器の入口近くに開口するメーン系及びスロー系の空気取入孔やフロート室の ベント孔を、ブリードガス通路の開口部とは遮壁によって仕切られる位置に設け たことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

上記のように構成された本考案の汎用エンジンの吸気装置の１つによれば、ク ランク室からのブリードガスがブリードガス通路にて気化器より上流側の吸気通 路に導入された際、吸気流と並行な遮壁によって吸気流内で拡散が抑制されて、 気化器の吸気通路内の汚れが少なくなる。しかも遮壁が吸気流と並行であるので 、吸気通路抵抗の増加はごく僅かである。

【０００８】 また、上記のように構成された本考案の汎用エンジンの吸気装置の他の１つに よれば、気化器の入口近くに開口するメーン系及びスロー系の空気取入孔やフロ ート室のベント孔が、ブリードガス通路の開口部から遮壁によって仕切られた位 置にあるので、エンジン冷機時ブリードガス内の水蒸気が凝結した水が空気取入 孔より気化器内に浸入したり、極低温時に氷結により空気取入孔やベント孔が閉 塞したりすることが抑制されて少なくなる。

【０００９】

【実施例】

本考案による汎用エンジンの吸気装置の一実施例を図１及び図２によって説明 すると、７は気化器で、該気化器７の上流側の吸気通路９に直交してブリードガ ス通路１０が接続開口されている。このブリードガス通路１０の開口部一側方に は吸気流と並行に遮壁１５が吸気通路９の内壁に一体に設けられている。気化器 ７の空気取入孔であるパイロットエアージェット１６、メーンエアージェット１ ７やフロート室１８のエアーベント１９は、前記ブリードガス通路１０の開口部 とは遮壁１５によって仕切られた位置に設けられている。図中２０はチョークバ ルブ、２１はスロットルバルブ、２２はメーンエアーノズル、２３はメーンエア ーブリード室、２４はメーンノズル、２５は燃料供給口、２６はニードルバルブ である。

【００１０】 図３及び図４に示す汎用エンジンの吸気装置の他の実施例は、ブリードガス通 路１０の開口部前方位置にて吸気流と並行に上下端が開放された平面台形状の遮 壁１５′が吸気通路９の内壁に一体に設けられていて、その他の構成は前記実施 例と同じである。

【００１１】 上記各実施例の汎用エンジンの吸気装置は、図示せぬクランク室からのブリー ドガスがブリードガス通路１０にて気化器７の上流側の吸気通路９に導入された 際、吸気流と並行な遮壁１５，１５′によって吸気流内で拡散が抑制され、特に 遮壁１５′の場合は導入されたブリードガスが遮壁１５′の内面に当接し、上下 の開放部から流出し、吸気流と一緒に気化器７に入るので、ブリードガスの拡散 が防止される。従って、気化器７の吸気通路９内の汚れが著しく減少する。また 遮壁１５，１５′が吸気流と並行であるので、吸気通路抵抗の増加はごく僅かで ある。さらに気化器７の入口近くに開口するメーン系及びスロー系の空気取入孔 であるパイロットエアージェット１６、メーンエアージェット１７やフロート室 １８のエアーベント１９が、ブリードガス通路１０の開口部から遮壁１５，１５ ′によって仕切られた位置にあるので、エンジン冷機時ブリードガス内の水蒸気 が凝結した水がパイロットエアージェット１６、メーンエアージェット１７等よ り気化器７内に浸入したり、極低温時に氷結によりパイロットエアージェット１ ６、メーンエアージェット１７、エアーベント１９が閉塞したりすることが抑制 されて少なくなる。特にダウンドラフト式の場合は、空気取入孔であるパイロッ トエアージェット、メーンエアージェットが水平面に開口している為、この面に 滞留した水が気化器内に入り易かったが、遮壁１５，１５′を有すると、水が気 化器内に入るのが防止される。

【００１２】 尚、遮壁１５，１５′を吸気通路９のパイプと一体にすれば、製作において金 型構成が簡単となり、生産性が高くなる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の通り本考案の汎用エンジンの吸気装置の１つ（請求項１）によれば、ブ リードガスが遮壁によって吸気流内での拡散が抑えられるので、気化器の吸気通 路内の汚れを減少できる。また遮壁が吸気流と並行であるので、吸気通路抵抗の 増加はごく僅かで、吸気作用に支障を来たすことがない。

【００１４】 また本考案の汎用エンジンの吸気装置の他の１つ（請求項２）によれば、遮壁 によってブリードガス通路の開口部とは仕切られた位置に空気取入孔やベント孔 があるので、エンジン冷機時、ブリードガス内の水蒸気が凝結した水が空気取入 孔より気化器内に浸入したり、極低温時に氷結により空気取入孔やベント孔が閉 塞したりすることが抑制されて、エンジン不調を来たすことが少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の汎用エンジンの吸気装置の一実施例を
示す縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線横断面図である。

【図３】本考案の汎用エンジンの吸気装置の他の実施例
を示す縦断面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ線横断面図である。

【図５】従来の汎用エンジンの吸気装置を示す縦断面図
である。

【図６】従来の他の汎用エンジンの吸気装置を示す縦断
面図である。

【図７】図６のＣ−Ｃ線横断面図である。

【符号の説明】

７ 気化器 ９ 吸気通路 １０ ブリードガス通路 １５，１５′ 遮壁 １６ パイロットエアージェット １７ メーンエアージェット １９ エアーベント

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 汎用エンジンのクランク室からのブリー
   ドガスを気化器より上流側の吸気通路に直交して接続開
   口したブリードガス通路にて導くようにした汎用エンジ
   ンの吸気装置において、前記ブリードガス通路の開口部
   側方又は前方位置にて吸気流と並行に遮壁を吸気通路の
   内壁に設けたことを特徴とする汎用エンジンの吸気装
   置。
2. 【請求項２】 気化器の入口近くに開口するメーン系及
   びスロー系の空気取入孔やフロート室のベント孔を、ブ
   リードガス通路の開口部とは遮壁によって仕切られる位
   置に設けたことを特徴とする請求項１記載の汎用エンジ
   ンの吸気装置。