JPS597564Y2 - 内燃機関用気化器のエアブリ−ド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ブリード用空気通路に設けた空気計量部に、
ブリード用空気中の不純物が付着することを防止した内
燃機関用気化器のエアブリード装置に関するものである
。

一般に、気化器のエアブリード装置は、吸気通路のベン
チュリ部上流側から吸入空気を分流してブリード用空気
通路に吸入するようになっているが、エンジンのバック
ファイアや吸入負圧の脈動によって吸気が逆流するため
に、バックファイアによって生ずるカーボンや、排気ガ
ス還流装置から吸入系に還流される排気ガス中のカーボ
ンなどの不純物がブリード用空気中に含まれ、従来のエ
アブリード装置では、その空気計量部に不純物が付着，
堆積することにより、ブリード用空気の流量が経時的に
減少し、混合気が濃厚化して燃費が悪化するという問題
があった。

もつとも、この問題の解決についての先行技術例として
特開昭５１−７４１２３号公報に記載されたものがある
が、これによれば、吸気通路よりエアブリード通路への
空気の導入は、吸気通路壁に設けた比較的小さい面積を
もつ多孔性のフィルタ部材を介して直接行われているか
ら、その空気中の不純物による目詰りが比較的早い時期
に生じ、該導入が吸入通路から前記フィルタ部材を通し
ての不安定な空気の流動状態のもとで行われることにな
り、従ってエアブリード通路への導入空気量は、フィル
タ部材の目詰りにより経時的に減少すると共に導入状態
が不安定であるという欠点があった。

本考案は、この欠点を解消することを目的とするもので
あって、その内燃機関用気化器のエアブリード装置は、
ベンチュリ部より上流側の吸気通路壁内面全周にわたっ
て、通気性を有する多孔質のリング状の剛体フィルタ部
材を嵌合すると共に、その裏面に接してリング状の拡張
室を形威し、該室に、空気計量部を有するエアブリード
通路を開口して、該通路を、前記の室，フィルタ部材な
どを介して吸気通路と連通させたことを特徴とするもの
である。

以下図面を参照して本考案の実施例を具体的に説明する
。

第１図において、符号１は気化器の吸気通路で、この吸
気通路１には、ベンチュリ部２およびスロットル弁３が
設けられている。

気化器の吸気通路壁４のベンチュリ部２より上流側の全
周部分には、焼結合金などの通気性を有する多孔質の剛
体からなるリング状のフィルタ部材５が嵌合され、この
フィルタ部材５は、比較的大きな面積を有してその表面
は吸気通路壁面と平らになっている。

前記フィルタ部材５の裏面に接してリング状の拡張室１
６が形威され、この室１６には、スローエアフリード通
路６およびスローエコノマイザエアブリード通路７が、
互に離れた位置に開口され、前記両空気通路６，７のフ
ィルタ部材５に近い上流部分には、空気計量部であるエ
アジェット８，９がそれぞれ設けられている。

なお、前記フィルタ部材５は、気化器本体２３とチョー
ク室部材２４とにより、上下から挾着固定されている。

前記スローエアブリード通路６の下流側がスロ＝通路１
０の中間部に連通され、この連通部より下流側がバイパ
スポート１１およびアイドルポート１２によって吸気通
路１に開口され、上流側がプライマリスロージェット１
３を介してフロート室と連通され、このスローエコノマ
イザエアブリード通路７の下流端が、プライマリスロー
ジェット１３内にその外周側空間部およびスローエコノ
マイザホール１４を介して連通されていることは、従来
のこの種気化器と同様である。

なお、第１図中、符号１５はアイドル調整ねしである。

以上のように構威されたスローおよびスローエコノマイ
ザエアブリード装置は、エアブリード用空気が吸気通路
１から通気性を有する多孔質の剛体フィルタ部材５を通
り、拡張室１６を経て、スローエアブリード通路６およ
びスローエコノマイザエアブリード通路７に導入される
。

このため、エアブリード用空気は、吸気通路１の一部分
の全周面にわたる前記フィルタ部材５を通過する際に吸
気の脈動が減衰されると共にその中に含まれたカーボン
などの不純物が捕捉分離された後、上記全周面にわたる
容積の大きいリング状の拡張室１６でその速度を十分に
低下して安定した状態となって前記フィルタ部材５によ
り捕捉されながったより小さい不純物がその底部にさら
に沈下分離された後、前記両エアブリード通路６，７に
設けたエアジェット８，９に導かれるので、これらに前
記不純物が付着して目詰りを生ずることがなく、従って
、ブノード用空気の流量をほとんど経時変化させないう
え、前記エアジェットへの空気の導入を安定した空気の
状態のもとで行うことができる。

本考案において、前記実施例ではスローおよびスローエ
コノマイザエアプリード装置のみについて述べたが、必
要に応じて第２図に示すようにメインエアブリード装置
についても、本考案を適用できる。

すなわち、第２図において、符号５は第１図のフィルタ
部材と同一の環状のフィルタ部材で、このフィルタ部材
５の背面に接して設けた拡張室１６に、エアジェット１
７を有するメインエアブリード通路１８が開口されてい
る。

なお、第２図中、符号１９はフロート室、２０はメイン
通路、２１はメインジェット、２２はメインノズルであ
り、これらの構或は、従来のこの種気化器と同様である
がら説明を省略する。

このメインエアブリード装置でも、フィルタ部材５が前
述したと同様な作用を行うことにより、メインエアブリ
ード通路１８のエアジェット１７にブリード用空気中の
不純物が付着し難い。

なお、本考案において、フィルタ部材および室はメイン
系とスロー系とに共用させることなく独立させて設けて
もよく、さらに、エコノマイザエアプリード装置のない
気化器に適用できる。

以上説明したように本考案のエアブリード装置は、吸気
通路壁に埋設した焼結合金などがらなるフィルタ部材お
よびその裏面に接して形或したリング状の室などを介し
てエアブリード通路を吸気通路と連通させるという簡単
な構造で、前記フィルタ部材でエアブリード用空気に含
まれたカーボンなどの不純物を捕捉除去し、さらに該フ
ィルタ部材で捕捉しきれなかったより小さい不純物を、
該空気が安定状態となる前記の大なる容積を有する室で
捕捉した後、空気を空気計量部に導くものであるから、
長期間にわたって使用しても空気計量部に前記不純物が
付着，堆積し難く、空気計量部に目詰りなどがなく、ブ
リード用空気流量の経時的な変化を防止することができ
、長期間にわたり安定した空燃比を維持し、燃費の悪化
を防止でき、しかも、安定した状態での空気を導入でき
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案をスローおよびスローエコノマイザエア
ブリードに適用した実施例を示す縦断面図、第２図はメ
インエアブリードに適用した実施例を示す縦断面図であ
る。 １・・・・・・吸気通路、２・・・・・・ベンチュリ部
、３・・・・・・スロットル弁、４・・・・・・吸気通
路壁、５・・・・・・フィルタ部材、６・・・・・・ス
ローエアブリード通路、７・・・・・・スローエコノマ
イザエアブリード通路、８，９．１７・・・・・・エア
ジェット、１０・・・・・・スロー通路、１１・・・・
・・バイパスポート、１２・・・・・・アイドルポート
、１３・・・・・・プライマリスロージェット、１４・
・・・・・スローエコノマイザホール、１５・・・・・
・アイドル調整ねし、１６・・・・・・拡張室、１８・
・・・・・メイン通路、２１・・・・・・メインジェッ
ト、２２・・・・・・メインノズル、２３・・・・・・
気化器本体、２４・・・・・・チョーク部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベンチュリ部より上流側の吸気通路壁内面の全周にわた
   って、通気性を有する多孔質のリング状の剛体フィルタ
   部材を嵌合すると共に、その裏面に接してリング状の拡
   張室を形或し、該室に、空気計量部を有するエアブリー
   ド通路を開口して、該通路を、前記の室，フィルタ部材
   などを介して吸気通路と連通させたことを特徴とする内
   燃機関用気化器のエアブリード装置。