JPS6337454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電子制御燃料噴射装置付エンジンの
吸気構造に関するものである。

［従来の技術］ この種のエンジンではエアクリーナの直下流側
にフラツプタイプのエアフローメータが設けら
れ、このメータで計測された吸入空気量に応じて
燃料噴射量を制御する構成になつている。また、
スロツトルチヤンバ直下流の吸気マニホールドと
の接続部に吸気系の吸気脈動によるエアフローメ
ータのハンチングを防止するためのダンピングチ
ヤンバが設けてあり、このダンピングチヤンバは
各気筒への空気等の分配を考慮して各気筒から略
等距離に位置されていることから、そこに負圧取
出部と特開昭55−43221号公報に示されるような
ブローバイガス還流用のバルブが取付けられてい
る。

また、慣性過給用のサージタンクにオイルセパ
レータを取付けたものが、実開昭57−152412号公
報に示されているが、負圧作動式装置の負圧取出
のための負圧ポートに関する開示はない。

［考案が解決しようとする課題］ 従つて、ダンピングチヤンバ内にはブローバイ
ガス還流用のバルブから流入するブローバイガス
及びそこに含まれるオイルが拡散し、特にターボ
チヤージヤ付エンジンのようにダンピングチヤン
バ内が正圧になる場合は顕著にそれらのブローバ
イガス及びオイルが負圧取出部に入り込んで、負
圧通路中に溜つたり、種々の負圧作動式装置に進
入して、作動不良を生じる危惧がある。

本考案はこのような事情に鑑み、ダンピングチ
ヤンバにブローバイガス還流用のバルブと負圧取
出部が共に配置される場合に、ブローバイガス及
びオイルが負圧取出部へ進入することを防ぐよう
にした電子制御燃料噴射装置付エンジンの吸気構
造を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この目的のため本考案による吸気構造は、スロ
ツトルチヤンバと吸気マニホールドとの接続部に
ダンピングチヤンバを設け、上記ダンピングチヤ
ンバにブローバイガス還流用のバルブを配設する
と共に、吸入負圧を取出すための負圧ポートと上
記吸気マニホールドの吸気通路とを開口してなる
吸気系において、上記吸気マニホールドの吸気通
路を、少なくとも上記ダンピングチヤンバの一側
の略中央部内側底壁に接して開口し、上記ダンピ
ングチヤンバ内に開口する上記吸気通路の一側
に、所定の高さの隔壁を上記ダンピングチヤンバ
の内側底壁へ立設して上記ダンピングチヤンバを
２室に仕切り、上記隔壁の下部で上記ダンピング
チヤンバの内側底壁に接して貫通孔を形成し、上
記吸気通路側の室に負圧作動式装置に連通する上
記負圧ポートを開口し、上記吸気通路側と反対側
の室に上記ブローバイガス還流用のバルブを配設
したものである。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案の一実施例を具体
的に説明する。第１図においてエンジン全体の概
略を説明すると、符号１はエンジン本体であり、
シリンダヘツド２に取付けられる吸気マニホール
ド３とスロツトルチヤンバ４との間の接続部にダ
ンピングチヤンバ５が設けられ、スロツトルチヤ
ンバ４は吸気管６によりエアクリーナ７のエアフ
ローメータ８に連通する。エアフローメータ８は
制御装置９を介して各気筒のインジエクタ１０に
電気的に接続され、吸入空気量に応じた燃料噴射
を行うようになつている。また、ロツカカバー１
１からダンピングチヤンバ５に取付けられたブロ
ーバイガス還流用のバルブ１２にブローバイガス
還流用の通路１３が接続してあり、ダンピングチ
ヤンバ５に更に開口される負圧ポート１４，１５
がインジエクタ１０の燃料系において燃圧を調整
する負圧作動式装置としてのプレツシヤレギユレ
ータ１６やキヤニスタ１７に負圧通路１８，１９
を介してそれぞれ接続される。

そこでこのような構成において、第３図に示す
ようにダンピングチヤンバ５の略中央部内側底壁
に接して吸気通路３ａが開口し、吸気通路３ａか
ら外れた個所の下部に、ダンピングチヤンバ５の
略半分の高さの隔壁２０が立設されて、２つの室
２１，２２に仕切る。そして、狭い室２１の方に
上記ブローバイガス還流用のバルブ１２が取付け
られ、広くて実際に空気が流れる室２２の方に負
圧ポート１４，１５が取付けられる。また、隔壁
２０の中央下部にはダンピングチヤンバ５の内側
底壁に接して貫通孔２３が開口してある。

このように構成されることから、エンジン運転
時ブローバイガス還流用のバルブ１２からダンピ
ングチヤンバ５に還流するブローバイガスは先ず
隔壁20で仕切つた室２１内に入つて拡散し、この
ときガス分は隔壁２０を乗り越えて吸引されるの
に対し、オイルはチヤンバ５及び隔壁２０の壁面
に捕捉されそれを伝わつて流下するようになり、
こうして気液分離される。そして、ブローバイガ
スは直ちに空気に混入し、オイルは隔壁下部の貫
通孔２３から室２２の方に流入して吸気マニホー
ルド３側に流れる。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように本考案による
と、ダンピングチヤンバ５においてブローバイガ
ス還流用のバルブ１２からのブローバイガスは、
一旦吸気通路３ａの反対側の室２１に入つて気液
分離され、ブローバイガスは隔壁２０を乗り越
え、オイルは隔壁２０の下方の貫通孔２３よりそ
れぞれ吸気通路３ａに一方向流で導かれるので、
ブローバイガスは完全に吸気系へ還流される。

さらに、吸気通路３ａの側の室には、オイルま
たはオイルミストが存在しなくなるために、負圧
ポート１４，１５へオイルまたはオイルミストが
流入しないので、エンジン運転状態に応じた負圧
を取出すことができる。

また、負圧ポート１４，１５を各気筒と等距離
のダンピングチヤンバ５に設けることが可能にな
つて、負圧ポート１４，１５に連通する負圧作動
式装置の動作による調整が正確になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による構造の概略を示す図、第
２図は要部の正面図、第３図は第２図の−断
面図である。 １……エンジン本体、２……シリンダヘツド、
３……吸気マニホールド、３ａ……吸気通路、４
……スロツトルチヤンバ、５……ダンピングチヤ
ンバ、６……吸気管、７……エアクリーナ、８…
…エアフローメータ、９……制御装置、１０……
インジエクタ、１１……ロツカカバー、１２……
ブローバイガス還流用のバルブ、１３……通路、
１４，１５……負圧ポート、１６……プレツシヤ
レギユレータ、１７……キヤニスタ、１８，１９
……負圧通路、２０……隔壁、２１，２２……
室、２３……貫通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スロツトルチヤンバと吸気マニホールドとの接
   続部にダンピングチヤンバを設け、上記ダンピン
   グチヤンバにブローバイガス還流用のバルブを配
   設すると共に、吸入負圧を取出すための負圧ポー
   トと上記吸気マニホールドの吸気通路とを開口し
   てなる吸気系において、 上記吸気マニホールドの吸気通路を、少なくと
   も上記ダンピングチヤンバの一側の略中央部内側
   底壁に接して開口し、 上記ダンピングチヤンバ内に開口する上記吸気
   通路の一側に、所定の高さの隔壁を上記ダンピン
   グチヤンバの内側底壁へ立設して上記ダンピング
   チヤンバを２室に仕切り、上記隔壁の下部で上記
   ダンピングチヤンバの内側底壁に接して貫通孔を
   形成し、 上記吸気通路側の室に負圧作動式装置に連通す
   る上記負圧ポートを開口し、上記吸気通路側と反
   対側の室に上記ブローバイガス還流用のバルブを
   配設したことを特徴とする電子制御燃料噴射装置
   付エンジンの吸気構造。