JPH0413421Y2 - - Google Patents

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JPH0413421Y2
JPH0413421Y2 JP1984107100U JP10710084U JPH0413421Y2 JP H0413421 Y2 JPH0413421 Y2 JP H0413421Y2 JP 1984107100 U JP1984107100 U JP 1984107100U JP 10710084 U JP10710084 U JP 10710084U JP H0413421 Y2 JPH0413421 Y2 JP H0413421Y2
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ignition
capacitor
circuit
voltage
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、点火コイルの1次電流を1次電流制
御用サイリスタにより制御して点火用の高電圧を
誘起させる内燃機関用点火装置に関するものであ
る。
[従来の技術] この種の点火装置として、積分回路や比較器等
からなる電子回路を用いて進角特性を得る電子制
御式の点火装置が知られている。従来のこの種の
点火装置では、機関の最大進角位置及び最小進角
位置でそれぞれ第1及び第2の信号を出力する信
号コイルの出力を入力として最大進角位置から最
小進角位置までの区間に相応する点火動作許容区
間を検出する点火動作許容区間検出信号と最小進
角位置から次の最大進角位置までの区間に相応す
る点火動作禁止区間を検出する点火動作禁止区間
検出信号とを発生させ、これらの区間検出信号に
より積分回路を制御することにより、最小進角位
置から最大進角位置までの点火動作禁止区間の間
直線的に上昇し、最大進角位置から最小進角位置
までの点火動作許容区間の間直線的に下降して最
小進角位置で零に戻る波形の積分電圧を発生させ
る。そしてこの積分電圧を比較回路により基準電
圧と比較し、点火動作許容区間において積分電圧
が基準電圧以下になつた時に点火信号を得るよう
にしている。
[考案が解決しようとする課題] 従来の電子制御式の点火装置では、進角幅、進
角開始回転数及び進角終了回転数を正確に定める
ことができるが、積分回路の外に比較回路等多数
の素子からなる回路を必要とするため、装置が複
雑で大形化し、コストが高くなるという問題があ
つた。
そこで特開昭57−65865号広報及び特開昭58−
170855号広報に示されたように、比較回路を1個
のPNPトランジスタにより構成した点火装置が
提案された。
これらの点火装置では、最大進角位置で一定の
値まで瞬時に立上つた後最小進角位置まで更に一
定の傾きで上昇する第1の積分電圧と、各最小進
角位置から次の最小進角位置まで一定の傾きで上
昇する第2の積分電圧とを発生させて、第1の積
分電圧をPNPトランジスタのエミツタに、また
第2の積分電圧をトランジスタのベースに印加し
て、第1の積分電圧が第2の積分電圧を超えたと
きにトランジスタを導通させる。そしてこのトラ
ンジスタの出力をトランジスタ増幅器を介して1
次電流制御用サイリスタのゲートに供給し、該サ
イリスタを導通させることにより点火コイルの1
次電流を制御して、該点火コイルの2次コイルに
点火用の高電圧を発生させる。第2の積分電圧を
得る積分回路のコンデンサは最小進角位置で発生
する信号によりトリガされるスイツチを通して放
電させられる。第1の積分電圧を得る積分回路の
コンデンサは、比較回路を構成するトランジスタ
と、該トランジスタの出力するトランジスタ増幅
回路のベース回路とを通して所定の時定数で放電
していく。
この点火装置では、比較回路が1個のトランジ
スタにより構成されるため、比較回路の構成は簡
単になる。
しかしながら、トランジスタは自己保持機能を
有しておらず、比較回路を構成するトランジスタ
は、第1の積分電圧が第2の積分電圧を超えてい
る期間しか導通しないため、積分回路のコンデン
サを十分に放電させることができなくなることが
あつた。そのため、動作を確実にするためには、
各積分回路のコンデンサを放電させるための回路
を設けることが必要になり、全体の回路構成はや
はり複雑になるという問題があつた。
また比較回路を1個のトランジスタにより構成
した従来の点火装置では、電源部からトランジス
タ増幅回路を通して1次電流制御用サイリスタに
点弧信号を供給していたため、電源部の容量を一
次電流制御用サイリスタに信号を与えることがで
きる程度に大きくする必要があり、そのため電源
部が大型化し且つ価格が高くなるのを避けられな
かつた。
本考案の目的は、簡単な構成でしかも進角幅、
進角開始回転数及び進角終了回転数を正確に定め
ることができるようにした電子制御式の内燃機関
用点火装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案は、点火コイルと、導通した際に前記点
火コイルの1次電流を急変させるように制御して
該点火コイルの2次コイルに点火用の高電圧を誘
起させる1次電流制御用サイリスタと、内燃機関
の点火時期に前記1次電流制御用サイリスタの制
御極に点弧信号を供給する点火時期制御回路とを
備えた内燃機関用点火装置において、簡単な構成
で進角特性を得ることができるようにしたもので
ある。
本考案においては、点火時期制御回路が、内燃
機関の回転に同期して該機関の点火時期の最大進
角位置及び最小進角位置でそれぞれスレシヨール
ドレベル以上になる第1及び第2の信号を出力す
る信号コイルと、前記第1の信号により制御され
て前記最大進角位置で第1の積分コンデンサを一
定の電圧まで瞬時に充電すると共に該最大進角位
置から該第1の積分コンデンサを一定の時定数で
追加充電する積分動作を行なう第1の積分回路
と、前記第2の信号により制御されて各最小進角
位置の直後から次の最小進角位置まで第2の積分
コンデンサを一定の時定数で充電して該最小進角
位置で該第2の積分コンデンサを瞬時に放電させ
る積分動作を行なう第2の積分回路と、アノード
とゲートとカソードとを有して該カソードが前記
1次電流制御用サイリスタの制御極に接続された
スイツチ素子とを具備している。前記スイツチ素
子はそのアソードカソード間電圧がゲートカソー
ド間電圧を超えた時に導通してアノード電流が保
持電流より小さくなるまで導通状態を保持する素
子からなり、該スイツチ素子のアノードと1次電
流制御用サイリスタの陰極端子との間に第1の積
分コンデンサの端子電圧が印加され、該スイツチ
素子のゲートと1次電流制御用サイリスタの陰極
端子との間に第2の積分コンデンサの端子電圧が
印加されている。
上記スイツチ素子としては例えば、Nゲートサ
イリスタまたはプログラマブルユニジヤンクシヨ
ントランジスタを用いることができる。
また点火コイルの1次電流を制御する回路はサ
イリスタの導通により点火コイルの1次電流を急
変させるように制御する回路であればよく、コン
デンサ放電式の回路または電流遮断式の回路のい
ずれを用いてもよい。
[作用] 上記の構成において、機関の回転数が進角開始
回転数未満の場合には、最小進角位置まで第2の
積分コンデンサの端子電圧が第1の積分コンデン
サの端子電圧を超えている状態にあるので、最小
進角位置までの間にスイツチ素子が導通すること
はない。最小進角位置で第2の積分電圧が零にな
つた瞬間にスイツチ素子がトリガされ、該最小進
角位置で第1の積分コンデンサがスイツチ素子及
び1次電流制御用サイリスタの制御極を通して放
電する。これによりサイリスタが導通し、点火動
作が行なわれる。従つて機関の回転数が進角開始
回転数未満の領域では、点火時期は常に最小進角
位置となり、点火時期は一定になる。
第1及び第2の積分コンデンサを充電する時間
は機関の回転数の上昇に伴つて短くなつていくた
め、両コンデンサの端子電圧は回転数の上昇に伴
つて低くなつていくが、第1の積分コンデンサは
その充電開始時に一定の電圧だけ瞬時充電される
ので、機関の回転数の上昇に伴つて両コンデンサ
の充電時間が短くなつていくと、やがて第1の積
分コンデンサの端子電圧が第2の積分コンデンサ
の端子電圧を超えるようになる。機関の回転数が
進角開始回転数に達すると、第1の積分コンデン
サの端子電圧が最小進角位置で第2の積分コンデ
ンサの端子電圧に等しくなる状態になり、機関の
回転数が進角開始回転数を僅かでも超えると最小
進角位置より位相が進んだ位置で第1の積分コン
デンサの端子電圧が第2の積分コンデンサの端子
電圧を超えるようになり、該第1の積分コンデン
サの端子電圧が第2の積分コンデンサの端子電圧
を超えた位置でスイツチ素子が導通してサイリス
タに点弧信号を供給する。第1の積分コンデンサ
の端子電圧が第2の積分コンデンサの端子電圧を
超える位置は回転数の上昇に伴つて進んでいく
為、機関の点火時期は機関の回転数の上昇に伴つ
て進角していく。
機関の点火時期が最大進角位置まで進角した後
は、第1の積分コンデンサが最大進角位置で一定
の電圧まで瞬時充電されると同時にスイツチ素子
が導通し、該最大進角位置で点火動作が行なわれ
る。従つて機関の低速時には点火時期を最小進角
位置に固定し、進角開始回転数以上の領域で点火
時期を進角させ、高速時に点火時期を最大進角位
置に固定する特性を得ることができる。
そして、本考案においては、積分回路の電圧を
比較して点火時期を定める信号を得るので、従来
の電子制御式の点火装置の場合と同様に進角開始
回転数及び進角終了回転数を正確に定めることが
できる。
また本考案においては、Nゲートサイリスタや
プログラマブルユニジヤンクシヨントランジスタ
(以下PUTとも言う。)のような自己保持機能を
有するスイツチ素子を用いて第1及び第2の積分
コンデンサの端子電圧を比較すると共に、第1の
積分コンデンサをサイリスタの制御極に放電させ
てサイリスタに点弧信号を供給するので、大容量
の電源部、比較回路及び第1の積分コンデンサの
リセツト回路が不要になり、回路構成を簡単にす
ることができる。
上記スイツチ素子は自己保持機能を有するの
で、第1の積分コンデンサのリセツトを確実に行
わせることができる。
[実施例] 以下添附図面を参照して本考案の実施例を説明
する。
第1図は本考案の一実施例を示したもので、同
図において1は一端が接地された1次コイル1a
及び2次コイル1bを有する点火コイル、2は図
示しない機関の気筒に取りつけられて点火コイル
1の2次コイル1bに接続された点火プラグであ
り、1次コイル1aの両端にはカソードを接地側
に向けたダイオード3が接続されている。点火コ
イルの1次コイル1aの非接地側の端子には点火
エネルギー蓄積用コンデンサ4の一端が接続さ
れ、該コンデンサの他端にはカソードを接地した
1次電流制御用サイリスタ5のアノードが接続さ
れている。サイリスタ5のゲートカソード間には
抵抗R6及びコンデンサ7が並列に接続されてい
る。コンデンサ4とサイリスタ5のアノードとの
接続点にはダイオード8のカソードが接続され、
ダイオード8のアノードは一端が接地されたエキ
サイタコイル9の非接地側端子に接続されてい
る。エキサイタコイウ9は機関に取付けられた磁
石発電機内に配置されて機関の回転に同期して交
流電圧を発生する。エキサイタコイル9の両端に
はアノードを接地側に向けたダイオード10が並
列に接続され、ダイオード3,8,10、コンデ
ンサ4及びサイリスタ5により点火コイル1の1
次電流を制御する1次電流制御回路が構成されて
いる。
エキサイタコイル9の非接地側端子には、ダイ
オード11のアノードが接続され、該ダイオード
11のカソードは抵抗12を通して電源コンデン
サ13の一端に接続されている。電源コンデンサ
13の他端は接地され、該コンデンサ13の両端
にアノードを接地側に向けたツエナーダイオード
14が並列接続されている。ダイオード11、抵
抗12、コンデンサ13及びツエナーダイオード
14により電源回路15が構成され、エキサイタ
コイル9に誘起する図示の矢印方向の電圧により
ダイオード11及び抵抗12を通してコンデンサ
13が図示の極性にツエナーダイオード14のツ
エナー電圧まで充電されるようになつている。ツ
エナーダイオード14のカソードからは電源出力
端子t1が導出され、該電源出力端子に後記する
積分回路の電源端子が接続されるようになつてい
る。
上記の1次電流制御回路においては、エキサイ
タコイル9に図示の矢印方向の半サイクルの出力
電圧が発生した時にエキサイタコイル9からダイ
オード8及び1次コイル1aを通してコンデンサ
4が図示の極性に充電される。次いでサイリスタ
5の制御極に点弧信号が供給されると該サイリス
タ5が導通し、コンデンサ4の電荷を1次コイル
1aに放電させる。従つて点火コイルの鉄心中で
大きな磁束変化が生じ、2次コイル1bに点火用
の高電圧が誘起する。これにより点火プラグ2に
花火が生じ、機関が点火される。すなわち、この
点火装置では、サイリスタ5に点弧信号が供給さ
れる時期が点火時期となる。
上記点火装置の点火時期を機関の回転数
(rpm)に応じて制御するため、点火時期制御回
路20が設けられている。この制御回路は、一端
が接地された信号コイル21を備え、該信号コイ
ル21の出力は第1及び第2の積分回路22及び
23に入力されている。第1の積分回路22は、
一端が接地された第1の積分コンデンサ22aを
備え、該第1の積分コンデンサ22aの非接地側
端子にはNPNトランジスタ22bのエミツタが
接続されている。トランジスタ22bのコレクタ
はスイツチ回路22cを通して前記電源回路の出
力端子t1に接続されている。トランジスタ22
bのコレクタと接地間には抵抗22d及び22e
の直列回路からなる分圧回路が接続され、抵抗2
2d及び22eの接続点にトランジスタ22bの
ベースが接続されている。またコンデンサ22a
の非接地側端子は充電回路22fを通して電源の
出力端子t1に接続されている。スイツチ回路2
2cはそのトリガ信号入力端子22c1に所定レ
ベルの負のトリガ信号が供給された時に導通する
スイツチ回路で、該トリガ信号入力端子に信号コ
イル21の出力が入力されている。
第2の積分回路23は、一端が接地された第2
の積分コンデンサ23aを備え、該第2の積分コ
ンデンサ23aの非接地側端子は充電回路23b
を通して電源の出力端子t1に接続されている。
コンデンサ23aの両端にはスイツチ回路23c
が並列に接続されている。スイツチ回路23cは
そのトリガ信号入力端子23c1に所定レベルの
正のトリガ信号が入力された時に導通するスイツ
チ回路で、該スイツチ回路23cのトリガ信号入
力端子23c1に信号コイル21の出力が入力さ
れている。
第1の積分コンデンサ22aの非接地側端子は
サイリスタ5に点弧信号を供給するスイツチ素子
としてのPUT24のアノードに接続され、第2
の積分コンデンサ23aの非接地側端子は抵抗2
3dを介してPUT24のゲートに接続されてい
る。PUT24のカソードは抵抗25を介してサ
イリスタ5の制御極に接続されている。即ち、第
1の積分コンデンサ22aの端子電圧(第1の積
分電圧)Vc1はPUT24のアノードとサイリス
タ5の陰極端子との間に印加され、第2の積分コ
ンデンサ23aの端子電圧(第2の積分電圧)
Vc2はPUT24のゲートとサイリスタ5の陰極
端子との間に印加されている。
サイリスタ5に点弧信号を供給するスイツチ素
子は、アノードとゲートとカソードとを有してそ
のアノードカソード間電圧がゲートカソード間電
圧を超えた時に導通状態になる素子であればよ
く、この様な素子としては、上記の素子の外、N
ゲートサイリスタを用いることができる。
上記の実施例において、信号コイル21は機関
に取付けられた信号発電機内に設けられて第2図
Aに示したように機関の点火時期の最大進角位置
θ1及び最小進角位置θ2でそれぞれスレシヨー
ルドレベルVt以上になる、異なる極性の第1及
び第2の信号Vs1及びVs2を出力する。本実施
例では、第1の信号Vs1が負極性の信号からな
り、第2の信号Vs2が正極性の信号からなつて
いる。尚第2図において横軸の各位置の角度θ
1,θ2等は機関の上死点TDCを起点として該
上死点から進角側に計つている。
上記実施例において、コンデンサ4が充電され
た後、信号コイル21が第1の信号Vs1を出力
すると、第1の積分回路22のスイツチ回路22
cが導通し、第2図Bに示したように電源回路1
5の出力電圧V1が抵抗22d及び22eの直列
回路の両端に印加される。これによりトランジス
タ22bが導通し、第1の積分コンデンサ22a
が抵抗22d及び22eにより定まる一定の電圧
V2まで瞬時に充電される。次いでコンデンサ2
2aは充電回路22fにより一定の時定数で追加
充電され、該コンデンサ22aの端子電圧(第1
の積分電圧)Vc1は第2図Cに示したように上
昇する。後記する動作によりPUT24が導通す
ると該第1の積分コンデンサ22aの電荷がサイ
リスタ5の制御極及び陰極を通して放電し、第1
の積分電圧Vc1が零に戻る。
一方第2の積分回路23のスイツチ回路23c
は第2の信号Vs2が入力された時に導通してコ
ンデンサ23aの電荷を放電させる。第2の信号
Vs2が消滅するとスイツチ回路23cが遮断状
態になり、充電回路23bを通して第2の積分コ
ンデンサ23aが一定の時定数で充電される。従
つて第2の積分コンデンサ23aの端子電圧(第
2の積分電圧)Vc2は第2図Dに示すような波
形になる。
PUT24はそのアノードカソード間電圧(第
1の積分電圧)がゲートカソード間の電圧(第2
の積分電圧)を超えた時にアノードからゲートに
トリガ電流が流れて導通し、第1の積分コンデン
サ22aをサイリスタ5の制御極と陰極とを通し
て放電させる。これによりサイリスタ5に点弧信
号が供給され、点火動作が行なわれる。機関の回
転数が進角開始回転数未満の場合には、最小進角
位置θ2で第2の積分電圧Vc2が第1の積分電
圧Vc1を超えている状態にある。この時最小進
角位置θ2で第2の積分電圧Vc2が零になつた
瞬間にPUT24が導通し、該PUT24を通して
コンデンサ22aがサイリスタ5の制御極に放電
してサイリスタ5に点弧信号が供給される。従つ
て進角開始回転数未満の回転領域では、常に最小
進角位置θ2で点火動作が行なわれる。
機関の回転数が進角開始回転数n1に達すると、
第2図Eに実線で示したように最小進角位置θ2
で第2の積分電圧Vc2が第1の積分電圧Vc1に
等しくなる状態になり、機関の回転数が該設定回
転数を超えてn2に達すると、第2図Eに鎖線で
示したように最小進角位置θ2より位相が進んだ
位置θ3で第1の積分電圧Vc1が第2の積分電
圧Vc2を超え、該位置θ3でPUT24が導通し
て第1の積分コンデンサ22aの電荷でサイリス
タ5に点弧信号が供給される。第1の積分電圧
Vc1が第2の積分電圧Vc2を超える位置は機関
の回転数の上昇に伴つて進んで行くため、機関の
点火時期は機関の回転数の上昇に伴つて進角して
行く。
機関の回転数が進角終了回転数まで上昇する
と、第2図Eに破線で示したように最大進角位置
θ1で第2の積分電圧Vc2が第1の積分コンデ
ンサ22aの初期の充電電圧V2に達することが
できなくなるため、該最大進角位置で第1の積分
コンデンサ22aが一定の電圧まで充電されると
同時にPUT24が導通し、該最大進角位置θ1
でサイリスタ5に点弧信号が供給される。以後機
関の回転数が更に上昇しても、PUT24の導通
位置は、第1の積分コンデンサ22aが初期充電
される位置になるため、点火時期は常に最大進角
位置θ1となり、点火時期は最大進角位置θ1に
固定される。尚第2図Fは点火コイル1の2次側
に得られる点火用の高電圧を示している。
上記の実施例では、点火コイルの1次電流を制
御する回路として、コンデンサ放電式の1次電流
制御回路が用いられたが、例えば、第3図に示し
たような電流遮断式の回路が用いられる場合にも
本考案を適用することができる。第3図の回路に
おいては、エキサイタコイル9の非接地側の端子
にダイオード26のアノードが接続され、ダイオ
ード26のカソードはエミツタを接地したNPN
トランジスタ27のコレクタに接続されている。
ダイオード26のアノードにはまた点火コイル1
の1次コイル1aの非接地側端子が接続され、点
火コイル1aの接地側端子は陰極端子を接地した
1次電流制御用サイリスタ5の陽極端子に接続さ
れている。1次コイル1aとサイリスタ5の陽極
端子との接続点は抵抗28を通してトランジスタ
27のベースに接続されている。
この点火装置においては、エキサイタコイル9
に図示の矢印方向の電圧が誘起した時にトランジ
スタ27にベース電流が流れて該トランジスタ2
7が導通し、エキサイタコイル9からダイオード
26及びトランジスタ27を通して短絡電流が流
れる。次いで前記点火時期制御回路からサイリス
タ5に点弧信号が供給されると、トランジスタ2
7が遮断状態になり、エキサイタコイル9を流れ
ていた短絡電流が遮断される。従つてエキサイタ
コイル9に高電圧が発生し、該高電圧が1次コイ
ル1aに印加される。これにより1次コイル1a
に急激に電流が流れ込み、点火コイルの鉄心中で
大きな磁束変化が生じて2次コイル1bに点火用
の高電圧が発生する。
次に第4図乃至第6図を参照して本考案で用い
る点火時期制御回路20の他の構成例を説明す
る。
第4に示した点火時期制御回路20では、信号
コイル21の非接地側端子にダイオード30のカ
ソードが接続され、該30のアノードにNPNト
ランジスタ31のエミツタが接続されている。ト
ランジスタ31のベースエミツタ間には抵抗32
が接続され、該トランジスタ31のベースと接地
間にコンデンサ33と抵抗34とが並列に接続さ
れている。トランジスタ31のコレクタは抵抗3
5aを通してPNPトランジスタ36のベースに
接続され、トランジスタ36のエミツタベース間
には抵抗35bが接続されている。トランジスタ
36のエミツタは図示しない電源回路の出力端子
に接続され、コレクタはコンデンサ37の非接地
側端子に接続されている。コンデンサ37の両端
に抵抗22d及び22eの直列回路が並列に接続
され、抵抗22dの両端にコンデンサ38が並列
に接続されている。トランジスタ36のコレクタ
にトランジスタ22bのコレクタが接続され、ト
ランジスタ22bのベースは抵抗22d及び22
eの接続点に接続されている。トランジスタ22
bのエミツタと接地間に第1の積分コンデンサ2
2aが接続され、トランジスタ22bのコレクタ
エミツタ間に抵抗39が接続されている。
信号コイル21の非接地側端子にはまた、ダイ
オード40のアノードが接続され、ダイオード4
0のカソードに抵抗41の一端及びコンデンサ4
2の一端が接続されている。抵抗41及びコンデ
ンサ42の他端はエミツタを接地したNPNトラ
ンジスタ43のベースに接続され、トランジスタ
43のベースエミツタ間に抵抗44が並列接続さ
れている。トランジスタ43のコレクタにはダイ
オード45及び46のカソードが接続され、ダイ
オード45のアノードは前記コンデンサ37の非
接地側端子に接続されている。またダイオード4
6のアノードと接地間に第2の積分コンデンサ2
3aが接続され、該コンデンサ23aの非接地側
端子は抵抗47を通して電源回路の出力端子に接
続されている。
第4図の回路においては、鎖線で囲まれた2つ
の部分がそれぞれ第1及び第2の積分回路22及
び23を構成しており、第1の積分回路22にお
いては、トランジスタ31,36、抵抗32,3
4,35,37、コンデンサ33、及びダイオー
ド30がスイツチ回路22cを構成し、抵抗39
がコンデンサ22aの充電回路22fを構成して
いる。また第2の積分回路においては、トランジ
スタ43、抵抗41,44、コンデンサ42及び
ダイオード40,45,46がスイツチ回路23
cを構成しており、抵抗47がコンデンサ23a
の充電回路23bを構成している。
この点火時期制御回路において、信号コイル2
1から負極性の第1の信号Vs1が発生するとト
ランジスタ31にベース電流が流れて該トランジ
スタ31が導通し、これによりトランジスタ36
にベース電流が流れてトランジスタ36が導通す
る。トランジスタ36が導通するとコンデンサ3
7が図示の極性に電源電圧V1まで瞬時に充電さ
れる。コンデンサ37の端子電圧は抵抗22d及
び22eの直列回路の両端に印加されるため、抵
抗22bにベース電流が流れて該トランジスタ2
2bが導通し、第1の積分コンデンサ22aが抵
抗22bと22eとにより定まる一定の電圧まで
瞬時に充電される。その後コンデンサ22aはコ
ンデンサ37の電荷で抵抗39を通して一定の時
定数で追加充電される。従つてコンデンサ22a
の両端には第2図Cに示したような積分波形の電
圧Vc1が得られる。
また信号コイル21から正極性の第2の信号
Vs2が出力されると、トランジスタ43にベー
ス電流が流れて該トランジスタが導通し、コンデ
ンサ23aの電荷を瞬時に放電させる。信号Vs
2が消滅するとトランジスタ43が遮断状態にな
るため、コンデンサ23aは電源回路から抵抗4
7を通して充電される。従つてコンデンサ23a
の両端には第2図Dに示したような積分波形の電
圧Vc2が得られる。
上記の各実施例では、信号コイル21が先に発
生する第1の信号を負極性としたが、第1の信号
Vs1を正極性とし、第2の信号Vs2を負極性と
することもできる。第5図は第1及び第2の信号
Vs1及びVs2をそれぞれ正極性及び負極性の信
号とする場合の点火時期制御回路20の構成例を
示したもので、この実施例においては、ダイオー
ド30のアノードが信号コイル21の非接地側端
子に接続され、該ダイオード30のカソードと接
地間にコンデンサ37とアノードを接地側に向け
たツエナーダイオード48とが並列に接続されて
いる。コンデンサ37に対する抵抗22d及び2
2eの直列回路の接続の仕方と、トランジスタ2
2b、コンデンサ38,22a及び抵抗39の接
続の仕方は第4図の例と同様である。また第2の
積分回路23のダイオード40はそのカソードが
信号コイル21の非接地側端子に接続され、ダイ
オード40のアノードはトランジスタ43のエミ
ツタに接続されている。トランジスタ43のベー
スエミツタ間に抵抗44が接続され、トランジス
タ43のベースと接地間に抵抗41とコンデンサ
42とが並列に接続されている。その他の点は第
4図の例と同様である。
第5図の回路においては、信号コイル21が正
極性の第1の信号Vs1を出力した時にダイオー
ド30を通してコンデンサ37が図示の極性に瞬
時に充電され、該コンデンサ37の両端の電圧が
抵抗22d及び22eの直列回路の両端に印加さ
れる。以後第1の積分コンデンサ22aが充電さ
れる動作は第4図の例と同様である。また信号コ
イル21が負極性の第2の信号Vs2を発生する
と、トランジスタ43にベース電流が流れて該ト
ランジスタ43が導通し、コンデンサ23aの電
荷を放電させる。以後第2のコンデンサ23aが
充電される動作は第4図の例と同様である。
第6図は信号コイル21が正極性の第2の信号
Vs1を出力し、負極性の第2の信号Vs2を出力
する場合の点火時期制御回路の他の構成例を示し
たもので、この例の第1の積分回路22において
は、信号コイル21の非接地側端子にアノードが
接続されたダイオード30のカソードにコンデン
サ33及び抵抗34の一端が接続され、コンデン
サ33及び抵抗34の他端にトランジスタ31の
ベースが接続されている。トランジスタ31のエ
ミツタは接地され、該トランジスタ31のベース
エミツタ間に抵抗32が接続されている。トラン
ジスタ31のコレクタは抵抗35を介してトラン
ジスタ36のベースに接続されている。第1の積
分回路22のその他の構成は第4図に示した例と
同様である。また第2の積分回路23の構成は第
5図に示した例と同様である。
第6図に示した点火時期制御回路の第1の積分
回路22においては、第1の信号Vs1が出力さ
れた時にトランジスタ31が導通してコンデンサ
37を充電する。以後第1の積分コンデンサ22
aが充電される動作は第4図に示した例と同様で
ある。また第2の積分回路23の動作は第5図の
例と同様である。
[考案の効果] 以上のように、本考案によれば、アノードカソ
ード間電圧がゲートカソード間電圧を超えた時に
導通状態になつてアノード電流が保持電流より小
さくなるまで導通状態を保持するスイツチ素子を
用い、該スイツチ素子のアノードと1次電流制御
用サイリスタの陰極端子との間に第1の積分コン
デンサの端子電圧を印加し、スイツチ素子のゲー
トと1次電流制御用サイリスタの陰極端子との間
に第2の積分コンデンサの端子電圧を印加したの
で、以下に示すような効果を得ることができる。
(a) 1つのスイツチ素子を用いて簡単に比較回路
を構成することができる。
(b) 第1の積分コンデンサに蓄積された電荷をス
イツチ素子を通して1次電流制御用サイリスタ
のゲート回路に放電させることにより該サイリ
スタをトリガするので、第1の積分コンデンサ
に蓄積された電荷を有効に利用して電源部に負
担をかけることなく、サイリスタに信号を供給
することができる。そのため電源部の容量を必
要以上に大きくしておく必要がなく、電源部に
設ける電源コンデンサとして小形のものを用い
ることができる。
(c) 自己保持機能を有するスイツチ素子を通して
第1の積分コンデンサの電荷を放電させるの
で、第1の積分コンデンサを放電させるための
回路を設けなくても第1の積分コンデンサの放
電を完全に行わせることができる。
(d) したがつて、比較回路の構成が簡単になるこ
とと、電源コンデンサの大形化を防ぐことがで
きることと、第1の積分コンデンサの放電回路
を省略できることとが相俟つて、装置の構成を
簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示した回路図、第
2図は第1図の各部の信号を示した波形図、第3
図は本考案で用いる1次電流制御用半導体スイツ
チの他の構成例を示した回路図、第4図乃至第6
図はそれぞれ本考案で用いる点火時期制御回路の
異なる構成例を示した回路図である。 1……点火コイル、2……点火プラグ、5……
1次電流制御用サイリスタ、9……エキサイタコ
イル、15……電源回路、20……点火時期制御
回路、21……信号コイル、22……第1の積分
回路、22a……第1の積分コンデンサ、22b
……トランジスタ、22c……スイツチ回路、2
2f……充電回路、23……第2の積分回路、2
3a……第2の積分コンデンサ、23b……充電
回路、23c……スイツチ回路、24……PUT。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 点火コイルと、導通した際に前記点火コイル
    の1次電流を急変させるように制御して該点火
    コイルの2次コイルに点火用の高電圧を誘起さ
    せる1次電流制御用サイリスタと、内燃機関の
    点火時期に前記1次電流制御用サイリスタの制
    御極に点弧信号を供給する点火時期制御回路と
    を備えた内燃機関用点火装置において、 前記点火時期制御回路は、 内燃機関の回転に同期して該機関の点火時期
    の最大進角位置及び最小進角位置でそれぞれス
    レシヨールドレベル以上になる第1及び第2の
    信号を出力する信号コイルと、 前記第1の信号により制御されて前記最大進
    角位置で第1の積分コンデンサを一定の電圧ま
    で瞬時に充電すると共に該最大進角位置から該
    第1の積分コンデンサを一定の時定数で追加充
    電する積分動作を行なう第1の積分回路と、 前記第2の信号により制御されて各最小進角
    位置の直後から次の最小進角位置まで第2の積
    分コンデンサを一定の時定数で充電し該最小進
    角位置で該第2の積分コンデンサを瞬時に放電
    させる積分動作を行なう第2の積分回路と、 アノードとゲートとカソードとを有して該カ
    ソードが前記1次電流制御用サイリスタの制御
    極に接続されたスイツチ素子とを具備し、 前記スイツチ素子はそのアソードカソード間
    電圧がゲートカソード間電圧を超えた時に導通
    してアノード電流が保持電流より小さくなるま
    で導通状態を保持する素子からなり、 前記スイツチ素子のアノードと前記1次電流
    制御用サイリスタの陰極端子との間に前記第1
    の積分コンデンサの端子電圧が印加され、 前記スイツチ素子のゲートと前記1次電流制
    御用サイリスタの陰極端子との間に前記第2の
    積分コンデンサの端子電圧が印加されているこ
    とを特徴とする内燃機関用点火装置。 (2) 前記スイツチ素子はNゲートサイリスタであ
    る実用新案登録請求の範囲第1項に記載の内燃
    機関用点火装置。 (3) 前記スイツチ素子はプログラマブルユニジヤ
    ンクシヨントランジスタからなる実用新案登録
    請求の範囲第1項に記載の内燃機関用点火装
    置。
JP10710084U 1984-07-17 1984-07-17 内燃機関用点火装置 Granted JPS6123473U (ja)

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JP10710084U JPS6123473U (ja) 1984-07-17 1984-07-17 内燃機関用点火装置

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5765865A (en) * 1980-10-06 1982-04-21 Shindengen Electric Mfg Co Ltd Condenser charging and discharging type ignition devece
JPS58170855A (ja) * 1982-03-31 1983-10-07 Honda Motor Co Ltd エンジンの点火時期制御装置

Patent Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5765865A (en) * 1980-10-06 1982-04-21 Shindengen Electric Mfg Co Ltd Condenser charging and discharging type ignition devece
JPS58170855A (ja) * 1982-03-31 1983-10-07 Honda Motor Co Ltd エンジンの点火時期制御装置

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