JPH04134007U - 焦点検出装置 - Google Patents
焦点検出装置Info
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- JPH04134007U JPH04134007U JP2975292U JP2975292U JPH04134007U JP H04134007 U JPH04134007 U JP H04134007U JP 2975292 U JP2975292 U JP 2975292U JP 2975292 U JP2975292 U JP 2975292U JP H04134007 U JPH04134007 U JP H04134007U
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ナイキスト周波数以上の空間周波数成分を十
分に除去できるように焦点検出装置の受光部感度分布を
定め、誤動作のない精度の良い焦点検出装置を提供する
事である。 【構成】 長方形形状の受光部が所定幅の素子分離部を
介して、ピッチP0で多数配列された一対の光電変換素
子アレイと、前記一対の光電素子アレイ上にそれぞれ対
象物のほぼ同一部分の2像を投影する焦点検出光学系
と、前記一対の光電変換素子アレイの出力に基づいて前
記2像の相対的変位を算出し焦点検出信号を作成する演
算手段とを有する焦点検出装置において、前記素子分離
部によって前記素子分離部及びその周辺に入射した光に
より発生した電荷が該光入射位置の両側にその中心を持
つ受光部出力のどららに対しても寄与する様にして、こ
の寄与に基づいて定まる各受光部の空間的感度分布が光
電変換素子並びの方向に台形状の感度分布を持つように
なし、前記素子分離部に起因して生じる台形状感度分布
の斜辺の幅をvとするときP0 >=v>=0.5P0 とし
たことを特徴とする焦点検出装置。
分に除去できるように焦点検出装置の受光部感度分布を
定め、誤動作のない精度の良い焦点検出装置を提供する
事である。 【構成】 長方形形状の受光部が所定幅の素子分離部を
介して、ピッチP0で多数配列された一対の光電変換素
子アレイと、前記一対の光電素子アレイ上にそれぞれ対
象物のほぼ同一部分の2像を投影する焦点検出光学系
と、前記一対の光電変換素子アレイの出力に基づいて前
記2像の相対的変位を算出し焦点検出信号を作成する演
算手段とを有する焦点検出装置において、前記素子分離
部によって前記素子分離部及びその周辺に入射した光に
より発生した電荷が該光入射位置の両側にその中心を持
つ受光部出力のどららに対しても寄与する様にして、こ
の寄与に基づいて定まる各受光部の空間的感度分布が光
電変換素子並びの方向に台形状の感度分布を持つように
なし、前記素子分離部に起因して生じる台形状感度分布
の斜辺の幅をvとするときP0 >=v>=0.5P0 とし
たことを特徴とする焦点検出装置。
Description
【0001】
本考案は、多数の受光部を配列して成る受光部アレイ上に光像を投影し、その
受光部アレイの一連の光電出力を処理し光像の状態を検出するカメラ用焦点検出
装置に係り、特に光像中の特定の空間周波数成分を抑制する事により検出精度の
向上をはかった焦点検出装置に関する。
【0002】
投影レンズの射出瞳の異なる部分を通過した光束による一対の被写体像の相対
的ずれ量を光電的に検出し、そのずれ量から撮影レンズの焦点検出をする又は被
写体までの距離を測定するカメラ用焦点検出装置は多数提案されている。
図1と図2にそのうちの代表的な焦点検出装置の光学系を示す。
図1は特開昭54−104859号公報に記載された光学系を示し、投影レン
ズ1の射出瞳の第1及び第2部分1a、1bを夫々通過した光束は、投影レンズ
1の予定結像面2の近傍に第1及び第2被写体像を夫々形成する。この第1、第
2被写体像は夫々フィールドレンズ3を介して第1及び第2再結像レンズ4、5
により第1及び第2光電素子アレイ6、7上に再結像される。光電素子アレイ6
、7は共に図1(b)に示す如く幅P0 を有する光電素子PTがピッチP0 で即
ち実質的に間隙なく配列されている。第1光電素子アレイ6の一連の光電出力a 1
、a2 、a3 ……のパターンは、第1被写体像の照度分布パターンに、第2光
電素子アレイ7の一連の光電出力b1 、b2 、b3 ……のパターンは第2被写体
像の照度分布パターンに夫々対応する。上記両光電出力パターンから上記第1と
第2被写体像の相対的ずれが検出される。
【0003】
図2はu.s.p 4,230,941に記載された光学系を示し、同図(a)において
撮影レンズ1の射出瞳の第1及び第2部分1a、1bを夫々通過した光束は、フ
ィールドレンズ3を経て撮影レンズ1の予定結像面2の近傍に夫々第1及び第2
被写体像を形成する。この予定結像面2の近傍には、小レンズアレイ8が配置さ
れている。この小レンズアレイ8は、図2(b)に示す如く互いにわずかな間隙
を隔ててピッチP0 で一方的に配列された多数の小レンズ801、802……か
ら構成されている。各小レンズ801、802……の背後には、一対の光電素子
PT1 、PT2 が配置されている。第1、第2被写体像は夫々小レンズアレイ8
の小レンズにより小部分に分割され、この分割された第1被写体像は、第1光電
素子群PT1 、PT1 ……により、第2被写体像は第2光電素子群PT2 、PT 2
により夫々光電変換される。第1被写体像の照度分布パターンに対応する第1
光電素子群の光電出力a1 、a2 、a3 ……のパターンと第2被写体像の照度分
布パターンに対応する第2光電素子群の光電出力b1 、b2 、b3 ……のパター
ンとから像ずれが検出される。
【0004】
上記被写体像は、図1ではピッチP0 で配列された光電素子により量子化され
て光電変換され、図2ではピッチP0 で配列された小レンズにより量子化され、
対応の光電素子により光電変換される。この様に、光像を量子化し光電変換する
部分を本明細書においては受光部と言い、それらが配列されたものを受光部アレ
イと言う。従って、図1では光電素子それ自身が受光部であり、図2では小レン
ズとその背後の光電素子との組合せが受光部に相当する。
【0005】
光電出力(a1 、a2 、a3 ……)及び(b1 、b2 、……)を夫々サンプリ
ングピッチp(=np0 、nは1以上の整数)でサンプリングして、このサンプリ
ングされたデータに基づき像のずれを検出する場合、サンプリングピッチpで決
まるナイキスト周波数fN=1/2p以上の光像の空間周波数成分は、像ずれ検
出の誤差要因となる。このことを図3乃至図7を用いて例証する。尚、以下の説
明ではp=p0 とし、光電素子アレイからの光電出力をすべてサンプリングする
ものとする。従ってこの時のサンプリングピッチで決まるナイキスト周波数fN
は1/2p0 となる。
【0006】
図3は、ピッチp0 で配列された幅p0 の光電素子PT1 〜PT5 と、各光電
素子の光電出力a1 〜a5 とを示す。
図4(a)〜(f)は、空間周波数3/4p0 を持つ周期格子像(ハッチング
が付されている。)が光電素子アレイPT1 〜PT5 上を矢印方向に移動した時
の状態を夫々示し、図4(a’)〜(f’)は図4(a)〜(f)の時の光電出
力a1 〜a5 の変化を示す。図5(a)〜(f)、(a’)〜(f’)、図6(
a)〜(f)、(a’)〜(f’)、及び図7(a)〜(f)、(a’)〜(f
’)は、夫々空間周波数1/2p0 、3/8p0 、1/4p0 の周期格子像に関
する図4(a)〜(f)、(a’)〜(f’)と同様の図である。なお、図6と
図7では、光電出力のパターンの変化を明らかにする為に、光電素子数を10個
として示してある。
【0007】
図4に示す様に周波数3/4p0 即ちナイキスト周波数1/2p0 の1.5倍の
空間格子像に関しては、光像の動き方向とそれに伴う光電出力パターンの動き方
向とが逆になる。一般に、ナイキスト周波数fNからその2倍の周波数2fNま
での間の周波数の空間格子像は、像の移動と光電出力パターンの位相変化とは方
向が逆となる。図5において、空間周波数1/2p0 即ちナイキスト周波数に等
しい周波数の空間格子像に関しては、光像の移動に伴う光電出力パターンが振幅
を変化させるのみで、光電出力パターンの位相変化は無い。図6において、ナイ
キスト周波数の3/4倍の周波数3/8p0 を有する空間格子像に関しては光像
の矢印方向の動きに対して、光電出力パターン位相も同方向へ変化するが、その
位相変化は滑らかさを欠く。図7においてナイキスト周波数の1/2の周波数1
/4p0 を有する空間格子像については、光像の矢印方向への動きに応じて光電
出力パターンの位相も同方向に滑らかに変化している。
【0008】
以上の事から明らかなように、サンプリングされた出力パターンの位相の動き
から光像の変位を検出する為には、ナイキスト周波数fN以上の高次の空間周波
数成分を充分に除去する必要がある。
ところが、図1に示す様に幅p0 を有する矩形受光部のMTF特性は図8(a
)の実線Aに示すごとく、空間周波数1/p0 でほぼ零となる特性を有する。こ
のピッチp0 で発生する光電出力を上述のごとくすべてサンプリングするとすれ
ば、図8(a)の実線Aに示した受光部のMTF特性は、ナイキスト周波数fN
=1/2p0 以上の高次の空間周波数成分を多量に含むものとなる。同様に図2
に示した受光部ピッチp0 の0.8倍の直径を有する受光部のMTF特性は図8(
a)の実線Bに示す如くナイキスト周波数fN=1/2p0 以上の高次の空間周
波数成分を図1のものよりも更に多く含む。従って、従来の焦点検出装置は被写
体像が低空間周波数成分に比べてナイキスト周波数以上の高空間周波数成分を多
く含むときには誤った焦点検出を行うと言う欠点があった。
【0009】
そこで、本出願人は、特願昭56−185723号と特願昭56−17782
7号の2件の特許出願において上記欠点を低減した焦点検出装置を提案している
。前者の出願は、受光部アレイの隣接する受光部同士の光電出力をすべて加算し
、サンプリングピッチは受光部ピッチp0 のままである新たな加算信号を作成す
るフィルタ手段を設け、この加算信号を用いて像ずれ検出の演算を行う焦点検出
装置を開示している。このフィルタ手段と図1の受光部とから決まる合成MTF
特性及びこのフィルタ手段と図2の受光とから決まる合成MTF特性は夫々図8
(b)と(c)において実線で示す如く、ナイキスト周波数fN=1/2p0 に
おいて零をとるものであり、上記ナイキスト周波数近傍の空間周波数成分を同図
において点線で示した受光部のみのMTF特性よりも一層抑制しているが、しか
し周波数零付近の低空間周波数に第1ピークを、ナイキスト周波数1/2p0 と
その2倍の周波数1/p0 との間にかなり大きな第2ピークpk が存在している
。後者の出願は、受光部アレイの受光部1箇を置いて隣り合う受光部の光電出力
を減算するフィルタ手段を設け、その減算信号を上記と同様に用いて像ずれ検出
の演算を行う焦点検出装置を開示している。このフィルタ手段と図1の受光部と
により決まる合成MTF特性は、図8(d)において実線で示す如く周波数零に
おいて零となる点を除いて、図8(b)とほぼ同一となる。
【0010】
以上の如く、これらの先願の発明に係る焦点検出装置も、ナイキスト周波数よ
り大きい周波数成分の除去は必ずしも十分ではなく、光像によっては誤検出を行
う可能性を有する。
また、以上では、受光部アレイに対する光像のずれ検出におけるナイキスト周
波数以上の周波数成分の除去の必要性を述べたが、この様な除去は上記例に限ら
ず、光像をサンプリングして処理し光像の状態を検出する装置には必要である。
【0011】
以下に本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
図9は、実施例に係る焦点検出装置の光学系を示し、この光学系は基本的には
図1の光学系と同一であるが、全体の構成の小型化を図ったものである。同図に
おいて撮影レンズの如き結像光学系1の予定焦点面(1次像面)の近傍に、フィ
ールドレンズ15が配置され、このフィールドレンズ15はその中央部に矩形の
光透過領域15aを有し、その領域15a以外は遮光領域となっている。ほぼ直
方体状の透明ブロック16はガラスやプラスチック等の高屈折率物質から成り、
この一端面16aには上記フィールドレンズ15が貼付されている。この一端面
16aに対向した他端面16bには、互いに逆方向にわずかに傾いた一対の凹面
鏡17、18が設けられている。これらの凹面鏡17、18は夫々図1の再結像
レンズ4、5に対応する。この両端面16a、16bの間のブロック16中には
所定の間隙を隔てて一対のミラー19、20がほぼ45°の角度で斜設されてい
る。透明ブロック16の下方には、夫々光電変換装置21が配置されている。こ
の光電変換装置21は、上記ミラー19、20の下方に夫々に対応した一次元イ
メージセンサ22A、22Bが形成されている。
【0012】
結像光学系1を通過した光束はフィールドレンズ15の光透過領域15aを通
過しブロック16内に入り、ミラー19、20の間の間隙を通って一対の凹面鏡
17、18に入射する。一方の凹面鏡17は入射光をミラー19の方へ、他方の
凹面鏡18は入射光をミラー20の方へ夫々反射し、各反射光はミラー19、2
0を介して夫々イメージセンサ22A、22Bに到達する。こうしてほぼ同一被
写体についての一対の被写体像がセンサ22A、22B上に形成される。
【0013】
この光電装置21からの光電出力を処理する回路系を図10により説明する。
図10において、一次元イメージセンサ22A、22Bは間隔p0 で配列され
た受光部から成る受光部アレイ23A、23Bと、トランスファゲート24A、
24Bと、電荷転送シフトレジスタ25A、25Bとから構成される。受光部ア
レイ23A、23Bの各受光部の電荷信号即ち光電出力a1 ……ap 、b1 ……
bp は、トランスファーゲート24A、24Bを介して夫々電荷転送シフトレジ
スタ25A、25Bに並列的に送られ、受光部の配列順に時系列化される。イメ
ージセンサ22A、22Bの一連の光電出力は、夫々対応のフィルタ手段26A
、26Bに送られる。尚、この光電出力とは光電素子の出力に関連した信号を意
味し、従って光電素子出力を線形増幅や対数増幅したものを当然含む。このフィ
ルタ手段26A、26Bは共に図11(a)に示すトランスバーサルフィルタに
より構成されている。このトランスバーサルフィルタは、互に直列接続された一
画素分の遅延回路D1 〜Dq と、各遅延回路D1 〜Dq の出力端子にアンプAm
を介して接続された乗算器W1 〜Wq と、これらの乗算器の出力を加算する加算
器T1 とから成る。乗算器W1 は遅延回路D1 の出力に重みW1 を乗算し、残り
の乗算器W2 〜Wq も同様に遅延回路D2 〜Dq の出力に夫々重みW2 〜Wq を
掛ける。ここで、W1 〜Wq は正、零、又は負の数である。フィルタ手段26A
、26Bは以上の如き構成であるので、例えばイメージセンサ22Aからの一連
の光電出力a1 、a2 ……ap がフィルタ手段26Aに順次入力され、最初の光
電出力a1 が遅延回路Dq に送られると、フィルタ手段26Aは加算出力
【0014】
【数1】
【0015】
を発生し、続いて光電出力の転送が進むにつれて、加算出力I2 、I3 、……を
順次出力する。フィルタ手段26Bについても同様である。サンプルホールド回
路27A、27Bは夫々フィルタ手段26A、26Bの加算出力I1 、I2 、I 3
……をn個毎にサンプルホールドする。例えばn=2とすると、加算出力I1
、I3 、I5 、I7 ……がサンプリングされる。上記サンプリング間隔をnとす
ることは、空間的にみるとサンプリングピッチpがp=np0 となることにあたる
。上記フィルタ手段とサンプルホールド回路とから、第1手段を構成し、この第
1手段は、近接した複数個の受光部の光電出力に夫々所定の重みを付して加算し
た加算出力を、所定ピッチnp0 毎に作成する。
【0016】
変位検出手段として働く演算手段28は、上記サンプルホールド回路27A、
27Bの各出力を演算し、両回路27A、27Bの出力パターンの位相差を算出
し、受光部アレイ23A、23B上の光像のずれ即ち光像の変位を検出する。こ
の演算手段28の出力に基づき、撮影レンズの合焦駆動又は、焦点調節状態の表
示が行われる。
【0017】
図11(b)は図11(a)のトランスバーサルフィルタの具体的構成例であ
る分割電極形CCDトランスバーサルフィルタを示す。3相クロックラインφ1
、φ2 、φ3 のうちのクロックラインφ3 の転送電極は重みWに応じて分割され
ている。CMはカレントメータである。尚、複数の重みに正の数と負の数とが存
在する場合には、正の重みに関する部分和と負の重みに関する部分和とを夫々求
めた後、それらの部分和の差を求めるとよい。
【0018】
このフィルタ手段26A、26Bとして、図12(a)に示す如くWq =W5
とし、W1 =0.28、W2 =0.76、W3 =1.0、W4 =0.76、W5 =0.28
であるフィルタを用いた場合の、このフィルタ手段と受光部形状とから決まる合
成MTFを図12(b)の実線(A)に示す。尚、同図の点線(B)は、受光部
形状のみから決まるMTFである。同図から分るようにこの合成MTFは、空間
周波数零から周波数が大きくなるにつれて徐々に減少し、周波数1/4p0 の近
傍で零となり、該近傍より高い広い周波数帯域にわたって零のままであり、周波
数1/p0 の両側近傍に非常に小さな第2ピーク、第3ピークが現われる特性を
有する。このときのナイキスト周波数fNは、サンプルホールド回路27A、2
7Bのサンプリングピッチp=np0 によって決まるfn=1/2p=1/2np0 と
なり、例えばn=1のとき1/2p0 、n=2のとき1/4p0 となる。図12
(b)と図9(a)〜(d)との対比からも明らかな様に、本実施例の焦点検出
装置はナイキスト周波数が1/4p0 、1/2p0 のいずれであっても、上述し
た従来又は先願に係る焦点検出装置に比べてナイキスト周波数以上の高空間周波
数成分を充分抑制している。
【0019】
尚、焦点検出装置が、本実施例の如き合成MTF特性を有する場合には、サン
プリングピッチをp0 よりも2p0 とした方が以下の理由により望ましい。即ち
、いずれの場合にも抽出される情報量は等しいがサンプリングピッチを2p0 と
した時は、p0 とした時よりもサンプリングされるサンプル数が1/2となり、
演算手段28の演算規模を小さくできるからである。
【0020】
次に、上記実施例の如く互に近接した5個の受光部の光電出力に重みを付して
加算するフィルタ手段が、焦点検出装置全体のMTF特性を改善できる理由を説
明する。
図13(a)は、図8(b)、(d)において説明した先願に係る焦点検出装
置のフィルタ手段単独のMTF特性を示すもので、実線(A)は、図13(b)
に示す如く隣接する2受光部の光電出力に互に等しい重みW1 、W2 を掛けて加
算するフィルタ手段のMTFを、破線(B)は図13(C)に示す如く一個置き
に隣接する2受光部の光電出力に互に符号の異なる重みW1 、W3 を掛けて加算
するフィルタ手段のMTFを夫々示す。従って同図の重みW2 は零である。図1
4(a)は上記実施例のフィルタ手段、即ち近接する5個の受光部の光電出力を
図14(b)に示す重みW1 〜W5 を掛けて加算するフィルタ手段単独のMTF
特性を示す。これらのフィルタ手段のMTFは、空間周波数1/2p0 に関して
対称な形となり又1/p0 の周期関数となる。先願に係るフィルタ手段のMTF
(A)、(B)は図13(a)に示す如くいずれも空間周波数1/2p0 で局所
的に零になるが、そこから高周波側及び低周波側で直ちに立ち上がる特性である
のに対し、図14(a)の本実施例のフィルタ手段のMTFは、周波数1/2p 0
を中心とした広い周波数帯域l0 具体的には1/4p0 〜3/4p0 にわたっ
て充分小さく抑制されている。周波数1/2p0 より高い周波数域について、図
13(a)と図14(a)のMTF特性を比較すると、図13(a)のMTFは
、周波数1/2p0 よりわずかに高い周波数についてかなり多くの抽出効率を有
するので、受光部のMTFが図8(a)に示す特性であっても、受光部とフィル
タ手段との合成MTFは図8(b)、(d)の如く大きな第2ピークが残存する
。他方、本実施例のフィルタ手段のMTFは3/4p0 付近より高い領域でのみ
高い抽出効率を有するが、この領域では受光部MTFは図8(a)に示す如く充
分小さくなっているので、合成MTFは図12の如く、第2ピークは実質的に無
視し得る程小さくなっている。
【0021】
以上の対比から明らかなように、本実施例のフィルタ手段はそのMTFが周波
数1/2p0 を中心に広い周波数帯域にわたって充分小さくなっているので、受
光部のMTF特性と相俟って、誤検出を惹起する高い空間周波数成分を充分抑制
できる。
図15(a)〜図19(a)は、夫々本考案の別のフィルタ手段のMTF特性
を示し、図15(b)〜図19(b)は、それらの重みを示す。
【0022】
図15(a)のフィルタ手段は、4個の重みW1 〜W4 を用いるもので、周波
数1/2p0 を中心とするMTF抑制帯域l0 は3/8p0 〜5/8p0 となる
。このフィルタ手段は図14のフィルタ手段よりもMTF抑制帯域l0 が狭くな
っているが、図13のフィルタ手段よりは大幅に広く、受光部のMTF特性と共
に周波数1/2p0 以上の高周波数成分をほぼ満足できる程度に抑制できる。ま
たサンプリングピッチnp0 を2p0 とした時、ナイキスト周波数は1/4p0 と
なり、これ以上の周波数帯域1/4p0 〜1/2p0 の空間周波数成分もわずか
に抽出するが、この程度の量は光像の変位検出に大きな悪影響を及ぼさず許容で
きる。しかしサンプリングピッチを2p0 とした時は、MTF抑制帯域l0 を図
14(a)又は図16(a)〜図19(a)の如く、1/4p0 〜3/4p0 以
上に広く定めることが望ましい。図16のフィルタ手段は、MTF抑制帯域l0
が1/8p0 〜7/8p0 と広いので、ナイキスト周波数を1/2p0 と定める
ことは有効な空間周波数成分1/8p0 〜1/2p0 を余りにも多く抑制し過ぎ
る為、好ましくなく、ナイキスト周波数が1/4p0 又は1/8p0 となる様に
サンプリング周期を選定することが望ましい。
【0023】
本考案のフィルタ手段が具備すべき条件は以下の通りである。即ち零でない重
みの数は4個以上であり、そのMTF特性が少なくとも、3/8p0 から5/8
p0 までの周波数帯域l0 において充分小さく、その周波数帯域の下限からそれ
より小さい所定周波数まで徐々に増大することである。重みが4個より少ないと
、上記周波数帯域l0 を得ることが困難であり、周波数帯域l0 が上記範囲より
狭いと受光部のMTF特性による1/2p0 以上の周波数成分の抑制が極めて困
難となる。サンプリングピッチnp0 のnが2以上である場合には、上記周波数帯
域l0 が3/4np0 〜(1/p0 −3/4np0 )以上であることが必要であり、
望ましくは1/2np0 〜(1/p0 −1/2np0 )以上であるとよい。上記周波
数帯域l0 の下限3/4np0 はこの時のナイキスト周波数1/2np0 の3/2倍
に相当し、この下限を上記値3/4np0 より大きくすると、ナイキスト周波数か
らこの下限値までの空間周波数成分の悪影響を実質的に無視し得なくなる。
【0024】
図10の一方のセンサ22Aの一連の光電出力a1 、a2 、……と、他方のセ
ンサ22Bの一連の光電出力b1 、b2 、……とが同一の出力端子から、a1 、
b1 、a2 、b2 、……の如く交互に出力される場合に適したフィルタ手段を図
20に示す。S個の乗算器W1 〜W3 とm個の遅延回路D1 〜Dm が使用され、
隣接する乗算器W1 とW2 、W2 とW3 ……との間に遅延回路D1 〜Dm が2個
介在している。その他の構成は図11(a)と同一である。この構成によりフィ
ルタ手段30は、センサ22Aの一連の光電出力a1 、a2 ……とセンサ22B
の一連の光電出力b1 、b2 、……とを交互にフィルタリングする。
【0025】
以上の説明では、フィルタ手段のMTF特性が、サンプリングピッチにより決
まるナイキスト周波数以上の周波数領域において具備すべき条件を述べたので、
次にナイキスト周波数以下の領域において具備することが望ましい条件を説明す
る。
図21のグラフは、横軸が一対の受光部アレイ上の光像の相対的ずれ量を表し
、縦軸が焦点検出装置により検出された像ずれ検出量を表し、実線(A)は像ず
れ量と検出量とが一致した理想的な状態を示す。一点鎖線(B)及び破線(C)
は従来の焦点検出装置の検出状態を示し、両線(B)、(C)は実線(A)とサ
ンプリングピッチpの整数倍の所で交わっており、光像のずれ量がサンプリング
ピッチpの整数倍に等しい時はそれを正確に検出するが、整数倍に等しくない時
にはそれを正確に検出できず誤差を含むことを表わしている。この様な誤差は、
像ずれ検出演算に使用する周波数成分中にナイキスト周波数以上の成分をも含ま
れている事により生ずることはもちろんのこと、たとえナイキスト周波数以下の
周波数成分のみを用いた場合にも生ずる。この理由は、ナイキスト周波数fN以
下の周波数帯域fN/2〜fNのうちナイキスト周波数fNの近傍においては、
図6において例示した如く、光像の変位に対する光電出力パターンの位相変化は
滑らかさを著しく欠くからである。この様な理由により、周波数帯域fN/2〜
fN内のナイキスト周波数fN近傍の周波数成分を焦点検出に使用すると、図2
1(a)に示す如くサンプリングピッチの整数倍に等しくない光像のずれ量に対
しては誤差が増大することになる。上記周波数帯域fN/2〜fNにおける光電
出力パターンの位相変化の非円滑性は、この帯域内で周波数が大きい程著しい。
従って、フィルタ手段の、ナイキスト周波数程度以下のMTF特性は、図22(
a)の如く、ナイキスト周波数fN近傍において充分小さく、そこから周波数の
減小に伴い漸増し、ほぼ周波数fN/2より小さい周波数において充分大きくな
ることが望ましい。このMTFが充分大きな値を取るのは、上述の如く周波数f
N/2程度以下であるべきであるが、情報の有効利用を考慮すると、周波数帯域
約fN/2〜約fN/4内であることが好ましい。図22(b)の実線は、MT
F特性が周波数fN/4で充分大きくなる例を示している。上記二つのMTF特
性曲線は、その漸増を開始する点即ち立上がり点がナイキスト周波数近傍であっ
たが、この点は多少高周波側にずらしてもよく、逆に低周波側にずらしてもよい
。この低周波側へのずらし量を大きくする程、上記光電出力パターンの位相変化
の非円滑性を呈する周波数帯域fN/2〜fN内の周波数成分をより多く除去で
きる利点が生ずるが、同時に、有効な情報をも一層多く除去してしまうという問
題も招来する。そこで、上記非円滑性周波数成分の除去と有効情報の除去とを考
慮すると、MTFの上記立上り点の下限周波数としては図22(b)の一点鎖線
で示す如く、約fN/2とすることが望ましい。この一点鎖線で示したMTFは
約fN/2以上の周波数領域において充分小さく、その周波数fN/2付近から
低周波側に漸増し、fN/4付近で充分に大きくなっているため、上記非円滑性
周波数帯域の周波数成分を実質的にすべて除去できる。
【0026】
尚、図22(a)の如きMTF特性を有するフィルタ手段は、図17(b)に
示した重み数値を用いることにより得ることができる。即ちサンプリングピッチ
を2p0 とすると、ナイキスト周波数fNは1/4p0 となり、図17(a)の
MTFはこのナイキスト周波数fN付近から立上り、周波数fN/2(=1/8
p0 )まで漸増し、その周波数fN/2で充分大きくなり、そこから周波数零ま
でほぼ一定となっており、図22(a)のMTF特性とほぼ同一となる。同様に
、図22(b)の実線のMTF特性は、近似的に図14のフィルタ手段により達
成できる。この図14(a)のMTF特性はサンプリングピッチを2p0 とした
時のナイキスト周波数fN=1/4p0 から、その1/4の周波数fN/4(=
1/16p0 )付近まで漸増し、そこで充分大きくなっている。図22(b)の
一点鎖線のMTF特性は、ナイキスト周波数を1/2p0 とした場合の図17(
a)の特性に相当する。
【0027】
焦点検出光学系の特性により光像の一部がケラレたり、又は一対の光電素子ア
レイの増幅率が不均一である等の原因により、像ずれ検出量を表わす直線が、図
21(b)に示す如く、平行移動し、座標の原点を通過せず、焦点検出に誤差が
生ずる。この誤差を除去する為には、周波数零付近の低次の空間周波数成分を抑
制すればよい。即ち、フィルタ手段のMTFを上記低次空間周波数付近を低下さ
せればよい。そこで、上誤差を低減させる為のフィルタ手段のMTF特性は、図
22(c)及び(d)に示す如く、ナイキスト周波数fN近傍以上の周波数領域
において充分小さく、fN/4〜fN/2付近でピークとなり、低次空間周波数
側で漸減する。このような誤差低減の効果をもたらすためには、この周波数零付
近におけるMTFは、実線又は一点鎖線で示す如くピークのほぼ1/2以下とす
ることが望ましい。これらの図22(c)、(d)に実線で示したMTF特性は
、近似的に図18のフィルタ手段により、また一点鎖線で示したMTF特性は、
近似的に図19のフィルタ手段により夫々得られる。
【0028】
図14〜図19から分るように、本考案のフィルタ手段単独のMTFは周波数
1/p0 付近に大きなピークを有するので、受光部のMTFは同周波数1/p0
付近で充分小さいことが望ましい。図22の各フィルタ特性は像ずれ検出タイプ
の焦点検出装置が備えてほしいMTF特性の例を記したものであるが、受光部ア
レイと像ずれ演算手段の間に設けたフィルタ手段で達成可能なフィルタ特性の範
囲は限られている。
【0029】
この様な加減算によるフィルタ処理を行っても行わなくても図8で示したよう
に実際はナイキスト周波数1/2P0 以上の成分が除去しきれずに残っており、
前述の問題点が生じてしまう。この問題を解決する為には受光部自身のMTF特
性を改善することが不可欠である。しかしながら、従来の受光部MTFはその付
近で充分小さいものとは言えなかった。これを詳述すると、図23(a)に示し
たピッチp0 で配列された幅p0 の矩形光電変換部PTのMTFは図24(a)
の実線(A)で示す特性を有し、図23(b)に示したピッチp0 で配列された
幅0.8p0 の矩形光電変換部PTのMTFは図24(b)の一点鎖線(B)の特
性を有し、ピッチp0 で配列された直径0.8p0 の小レンズのMTFは図24(
b)の破線(C)の特性を有する。尚、図24においてダブルハッチング31は
隣接光電変換部PTの間の間隙である。これらの従来の受光部のMTF特性(A
)、(B)、(C)のうち(A)は周波数1/p0 で零であるか、その近傍例え
ば0.9/p0 で0.109とかなり大きくなり、特性(B)、(C)は周波数1/
p0 ですら大きな値を示している。
【0030】
そこでMTFを1/p0 付近で充分小さくした受光部を以下に説明する。
図25(a)はCCD受光部アレイの断面図を示し、32はポリシリコン電極
、33は二酸化シリコン膜、34は受光部を区画するチャンネルストッパ、35
はシリコン基板であり、点線はポテンシャルの井戸を示す。チャンネルストッパ
34に入射した光により発生した電荷は、隣接するポテンシャルの井戸の両方に
流れ込むので、個々の光電変換部の感度分布は、図25(b)に示す如く台形と
なる。uはこの台形の半値幅であり、vは台形の斜辺の幅でチャンネルストッパ
のx方向の長さに相当する。この様な台形状の感度分布は、上記受光部構造に限
ることなく、図26(a)、(b)の如き光電変換部PTをその配列方向xに対
して傾斜させても得ることができる。この光電変換部PTの、配列方向の幅をu
、隣接光電変換部の境界の、x方向への投影長をvとすると、この感度分布は、
図26(c)に示す如く台形となり、この台形の半値幅と斜辺の幅は夫々上記値
uとvの大きい方及び小さい方である。図25(b)又は図26(c)の如き台
形の感度分布を有する受光部のMTFは、u=p0 、vは0.5p0 とした時、u
=p0 、v=0.7p0 の時、夫々図24(C)の一点鎖線(D)、二点鎖線(E
)となり、u=v=p0 の時、図24(d)の三点鎖線(F)となる。また図2
6(a)、(b)の如く光電変換部を傾斜させた場合には、vを光電変換部ピッ
チp0 よりも大きく設定することができ、例えばu=p0 、v=1.33p0 とす
ることができる。この値における受光部MTFを図24(d)の破線(G)に示
す。これらの本考案に係る受光部のMTF特性(D)、(E)、(F)、(G)
はいずれも周波数1/p0 で零となり、それらのうち特性(D)、(E)は周波
数0.9/p0 においてピークの0.1以下であり、特性(F)、(G)は、周波数
0.8/p0 においてすら0.1以下となっており、図24(a)、(b)の従来の
受光部MTF(A)、(B)、(C)に比べて周波数1/p0 付近において著し
く抑制されていることが分る。
【0031】
尚、この様なMTF特性は、図27(a)に示す如き受光部形状によっても達
成することができる。この受光部は複数列、具体的には第1〜第4の小レンズア
レイ36、37、38、39から成り第2と第4小レンズアレイ37、39の小
レンズ配列は第1と第3小レンズアレイ36、38に対して所定量、具体的には
p0 /2だけずれている。これらの各小レンズアレイは図2の小レンズアレイと
同一構成で、各小レンズは図では左端に位置する小レンズにのみ示した如く一対
の光電素子PT1 、PT2 を有する。各小レンズアレイにおいて、位置的に対応
する小レンズの一対の光電素子の対応する光電素子同士PT1 とPT1 、PT2
とPT2 が導体40により接続されている。この導体40は、接続した光電素子
の出力を合成する働きをするものであるから、この導体の代わりに、各小レンズ
アレイ毎に光電素子の出力を読み出した後に、対応する出力同士を加算するよう
にしてもよい。この様な構成においては、各受光部は各小レンズアレイの位置的
に対応する四つの小レンズから成り、この受光部の感度分布は図27(b)に示
す特性となる。この感度分布特性を適宜設定することにより、図24(c)、(
d)のMTF特性を得ることができる。
【0032】
以上に詳述した本考案に係る受光部は、周波数0.9/p0 以上の周波数におい
てMTFが0.1以下であることが必要であり、周波数0.8/p0 以上の周波数に
おいて0.1以下であれば申し分ない。このような受光部のMTF特性であれば前
記フィルタ手段26A、26Bと組み合わせることによりさらに理想的なフィル
タ特性を設計することが可能であるが、前記加減算フィルタを使用しない場合で
もこのような受光部のMTF特性であれば効果は大きい。受光部MTFが0.9/
p0 以上の周波数においては0.1以下であれば、重みを4個しか用いないMTF
抑制帯域l0 の多少狭い図15のフィルタ手段を用いたとしても、それらの合成
MTFは1/p0 付近の高周波数成分を充分抑制した満足できるものとなる。ま
た、受光部MTFが0.8/p0 以上の周波数において0.1以下であれば、本願に
係るフィルタ手段との合成MTFはもちろんのこと、先願に係る図13のフィル
タ手段との合成MTFも充分満足のいくものとなる。又、先願のフィルタ手段以
外にも3項以下の重み数値で決まる例えばW1 =1、W2 =0、W3 =−0.5と
か、W1 =−0.3、W2 =0、W3 =1、W4 =0、W5 =−0.3といったフィ
ルタに対してもほぼ満足のいくものとなる。更に、図24(d)の破線(G)の
如く周波数0.7/p0 以上の周波数においてMTFが0.1以下である受光部は、
これ単独で高周波成分抑制用フィルタ手段を設けなくてもよい程に、周波数1/
2p0 以上の空間周波数成分を抑制している。
【0033】
また、上記実施例は焦点検出装置に関するものであるが本考案はそれに限るこ
となく、他の光像検出装置にも適用できるものである。
【0034】
本考案によると、光電変換素子アレイを構成する個々の光電変換素子(受光部
)の感度分布は、その感度が徐々に低下する形で隣接する両隣の光電変換素子に
まで広がっているので、光電変換素子自身のMTF特性を改善され、焦点検出に
悪影響を及ぼす周波数成分を有効的に除去でき、焦点検出精度を向上させること
ができる。
【提出日】平成4年6月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【0029】
この様な加減算によるフィルタ処理を行っても行わなくても図8で示したよう
に実際はナイキスト周波数1/2P0 以上の成分が除去しきれずに残っており、
前述の問題点が生じてしまう。この問題を解決する為には受光部自身のMTF特
性を改善することが不可欠である。しかしながら、従来の受光部MTFはその付
近で充分小さいものとは言えなかった。これを詳述すると、図23(a)に示し
たピッチp0 で配列された幅p0 の矩形光電変換部PTのMTFは図24(a)
の実線(A)で示す特性を有し、図23(b)に示したピッチp0 で配列された
幅0.8p0 の矩形光電変換部PTのMTFは図24(b)の一点鎖線(B)の特
性を有し、ピッチp0 で配列された直径0.8p0 の小レンズのMTFは図24(
b)の破線(C)の特性を有する。尚、図23(b)においてダブルハッチング
31は隣接光電変換部PTの間の間隙である。これらの従来の受光部のMTF特
性(A)、(B)、(C)のうち(A)は周波数1/p0 で零であるか、その近
傍例えば0.9/p0 で0.109とかなり大きくなり、特性(B)、(C)は周波
数1/p0 ですら大きな値を示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【0030】
そこでMTFを1/p0 付近で充分小さくした受光部を以下に説明する。
図25(a)はCCD受光部アレイの断面図を示し、32はポリシリコン電極
、33は二酸化シリコン膜、34は受光部を区画するチャンネルストッパ、35
はシリコン基板であり、点線はポテンシャルの井戸を示す。チャンネルストッパ
34に入射した光により発生した電荷は、隣接するポテンシャルの井戸の両方に
流れ込むので、個々の光電変換部の感度分布は、図25(b)に示す如く台形と
なる。uはこの台形の半値幅であり、vは台形の斜辺の幅でチャンネルストッパ
のx方向の長さに相当する。図25(b)の如き台形の感度分布を有する受光部
のMTFは、u=p0 、vは0.5p0 とした時、u=p0 、v=0.7p0 の時、
夫々図24(C)の一点鎖線(D)、二点鎖線(E)となり、u=v=p0 の時
、図24(d)の三点鎖線(F)となる。これらの本考案に係る受光部のMTF
特性(D)、(E)、(F)、(G)はいずれも周波数1/p0 で零となり、そ
れらのうち特性(D)、(E)は周波数0.9/p0 においてピークの0.1以下で
あり、特性(F)、(G)は、周波数0.8/p0 においてすら0.1以下となって
おり、図24(a)、(b)の従来の受光部MTF(A)、(B)、(C)に比
べて周波数1/p0 付近において著しく抑制されていることが分る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
本考案によると、光電変換素子アレイを構成する個々の光電変換素子(受光部
)の感度分布は、その感度が徐々に低下する形で隣接する両隣の光電変換素子に
まで広がっているので、光電変換素子自身のMTF特性が改善され、焦点検出に
悪影響を及ぼす周波数成分を有効的に除去でき、焦点検出精度を向上させること
ができる。
【図1】(a)、(b)は従来の焦点検出装置の光学系を示す
光学図とその受光部の正面図
光学図とその受光部の正面図
【図2】別の従来の焦点検出装置の図1(a)、(b)
と同様の図
と同様の図
【図3】受光部アレイを示す正面図
【図4】受光部アレイ上の光像の変位とそのときの光電
出力パターンとを夫々示す説明図
出力パターンとを夫々示す説明図
【図5】受光部アレイ上の光像の変位とそのときの光電
出力パターンとを夫々示す説明図
出力パターンとを夫々示す説明図
【図6】受光部アレイ上の光像の変位とそのときの光電
出力パターンとを夫々示す説明図
出力パターンとを夫々示す説明図
【図7】受光部アレイ上の光像の変位とそのときの光電
出力パターンとを夫々示す説明図
出力パターンとを夫々示す説明図
【図8】(a)〜(d)先願に係る焦点検出装置のMTF特性
を夫々示すグラフ
を夫々示すグラフ
【図9】本考案の一実施例の焦点検出装置の光学系を示
す斜視図
す斜視図
【図10】上記実施例の電気処理系を示すブロック図
【図11】(a)、(b)は夫々トランスバーサルフィルタを
示すブロック図と回路図
示すブロック図と回路図
【図12】(a)、(b)は夫々本考案のフィルタ手段の一例
のMTF特性と重み数値を示すグラフ
のMTF特性と重み数値を示すグラフ
【図13】(a)〜(c)は先願に係るフィルタ手段のMTF
特性とその重み数値とを夫々示すグラフ
特性とその重み数値とを夫々示すグラフ
【図14】(a)、(b)は夫々本考案に係るフィルタ手段の
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
【図15】(a)、(b)は夫々本考案に係るフィルタ手段の
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
【図16】(a)、(b)は夫々本考案に係るフィルタ手段の
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
【図17】(a)、(b)は夫々本考案に係るフィルタ手段の
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
【図18】(a)、(b)は夫々本考案に係るフィルタ手段の
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
【図19】(a)、(b)は夫々本考案に係るフィルタ手段の
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
MTF特性と重み数値とを示すグラフ
【図20】トランスバーサルフィルタの別の構成を示す
ブロック図
ブロック図
【図21】(a)、(b)は光像の変位量とその検出量との関
係を示すグラフ
係を示すグラフ
【図22】(a)〜(d)は焦点検出に望ましいMTF特性を
示すグラフ
示すグラフ
【図23】(a)〜(c)は従来の受光部アレイを示す正面図
【図24】(a)、(b)は夫々図23の受光部のMTF(c)、
(d)は本考案に係る受光部のMTFを夫々示すグラフ
(d)は本考案に係る受光部のMTFを夫々示すグラフ
【図25】図24(c)と(d)のMTFを与える受光
部とその感度分布とを示す説明図
部とその感度分布とを示す説明図
【図26】図24(c)と(d)のMTFを与える受光
部とその感度分布とを示す説明図
部とその感度分布とを示す説明図
【図27】図24(c)と(d)のMTFを与える受光
部とその感度分布とを示す説明図
部とその感度分布とを示す説明図
1 結像光学系
26 フィルタ手段
28 演算手段
PT 光電素子
Claims (1)
- 【請求項1】 長方形形状の受光部が所定幅の素子分離
部を介して、ピッチP0 で多数配列された一対の光電変
換素子アレイと、前記一対の光電素子アレイ上にそれぞ
れ対象物のほぼ同一部分の2像を投影する焦点検出光学
系と、前記一対の光電変換素子アレイの出力に基づいて
前記2像の相対的変位を算出し焦点検出信号を作成する
演算手段とを有する焦点検出装置において、前記素子分
離部によって前記素子分離部及びその周辺に入射した光
により発生した電荷が該光入射位置の両側にその中心を
持つ受光部出力のどららに対しても寄与する様にして、
この寄与に基づいて定まる各受光部の空間的感度分布が
光電変換素子並びの方向に台形状の感度分布を持つよう
になし、前記素子分離部に起因して生じる台形状感度分
布の斜辺の幅をvとするとき P0 >=v>=0.5P0 としたことを特徴とする焦点検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2975292U JPH04134007U (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | 焦点検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2975292U JPH04134007U (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | 焦点検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04134007U true JPH04134007U (ja) | 1992-12-14 |
Family
ID=31913562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2975292U Pending JPH04134007U (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | 焦点検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04134007U (ja) |
-
1992
- 1992-05-07 JP JP2975292U patent/JPH04134007U/ja active Pending
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