JP2772080B2 - 自動合焦装置および合焦位置検出方法 - Google Patents

自動合焦装置および合焦位置検出方法

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JP2772080B2 JP1319473A JP31947389A JP2772080B2 JP 2772080 B2 JP2772080 B2 JP 2772080B2 JP 1319473 A JP1319473 A JP 1319473A JP 31947389 A JP31947389 A JP 31947389A JP 2772080 B2 JP2772080 B2 JP 2772080B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、いわゆる山登り方式により合焦調節を行な
うカメラの自動合焦装置および合焦位置検出方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来より知られている合焦方法として、撮像素子より
得られる画像信号から所定の周波数成分を抽出し、その
抽出した周波数成分の出力振幅が最大となる位置に撮影
光学系を移動させることにより合焦調節を行なういわゆ
る山登り方式がある。
このような山登り方式を適用したテレビカメラの自動
合焦装置が、例えばNHK技術報告.昭和40.第17巻・第1
号通巻第86号(P21〜P37)に説明されている。
上記文献に示されている山登り方式を適用した自動合
焦装置について、第34図および第35図を参照して説明す
る。
第34図は上記自動合焦装置の構成を示す図である。こ
の自動合焦装置は、撮影光学系1により形成された被写
体像が撮像素子2に結像され、光電変換されてビデオ信
号として出力される。撮像素子2より出力されたビデオ
信号は、プリアンプ3で増幅された後、バンドパスフィ
ルター(以下、「BPF」と称する)4に入力し、所定の
周波数成分が抽出される。そして、この抽出された周波
数成分の出力振幅が検波器5,ピーク検出回路6により検
出される。BPF4にて抽出されたビデオ信号の周波数成分
の出力振幅を第35図に示す。同図に示すように、ビデオ
信号の出力振幅は合焦位置で最大値を示す。このような
特性を示す出力振幅をサンプルホールド回路7でビデオ
信号のフィールド毎にホールドし、1フィールド遅延回
路8および比較回路9に出力する。比較回路9では、1
フィールド遅延回路8から送られてくる前回ホールドし
た値とサンプルホールド回路7より送られてくる今回ホ
ールドした値とを比較し、この比較結果に基づいて出力
振幅が増加する方向へ撮像光学系が移動するようにモー
ダ駆動回路10を駆動制御する。そして、モータ11にて撮
影光学系1が合焦位置に移動される。
例えば、上記合焦位置において、前回ホールドされた
出力振幅値が第35図に示すAのレベルで今回ホールドさ
れた出力振幅値がBのレベルであれば、比較回路9では
A<Bと判断して撮影光学系1の移動方向をそのまま維
持するように、モータ駆動回路10を制御して撮影光学系
1を合焦位置に近付ける。そして、サンプルホールド回
路7より比較回路9へ送られてくる出力振幅値がEレベ
ルとなったときに比較回路9はD>Eと判断し、すなわ
ち撮影光学系1が合焦位置を通過したと判断してモータ
11の駆動方向を反転させ、撮影光学系1を合焦位置方向
へ移動させる。このような動作を繰返していくことによ
り、合焦位置付近でこきざみに振動しながら定常状態に
達し合焦調節が行われる。
また、他の合焦方法として、撮影光学系の異なる瞳位
置を通過する2光束を用いて合焦調節を行なういわゆる
位相相関方式が知られている。この位相相関方式は、例
えばミノルタテクノレポート(1986年)に掲載されてい
る。
第36図は上記位相相関方式を適用した自動合焦装置の
構成を示す図である。同図に示す21は撮像レンズであ
り、この撮像レンズ21でとらえられた被写体像は、結像
面Fで一度結像した後、セパレータレンズ22a,22bによ
り撮像素子23a,23b上に再結像する。なお、24a,24bは絞
りマスクであり、特定のFナンバーの光束のみを通過さ
せる機能を有している。そして、撮像素子23a,23bで光
電変換されて得られた画像信号はプリアンプ25a,25bで
増幅された後、A/D変換器26a,26bでA/D変換され、デジ
タル化された画像信号がマイクロプロセッサ27に入力す
る。マイクロプロセッサ27は撮像素子23a,23bにそれぞ
れ結像された被写体像の画像間距離dを計算し、モータ
駆動回路28に制御信号を出力して、モータ29を駆動して
合焦調節を行なう。ここで、前ピンの時には画像間距離
は小さく、後ピンのときは大きくなるので、マイクロプ
ロセッサ27では相関演算を用いて画像間距離を算出し、
デフォーカス量および焦点方向を検出している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、第34図に示す山登り方式を適用した自
動合焦装置では、ビデオ信号の1フィールド時間ずれた
出力振幅値を比較して行なっているので、1回の合焦動
作に1フィールド分の時間を要してしまい、カメラの自
動合焦装置としては合焦時間が長すぎるという欠点があ
る。
また、BPF4より抽出される周波数成分の出力振幅は、
電気的ノイズ,手ぶれ,被写体の急変(物体が瞬間的に
通り過ぎるような場合)等の原因により滑らかな曲線を
描くとは限らず、例えば第37図に示すように複数の極大
点P1〜P4を持つ場合がある。このような出力振幅曲線を
用いて山登り方式の合焦調節を行なうと、各極大点P1〜
P4を合焦位置と判断してしまい、著しく合焦精度が低下
する。
また、位相相関方式を適用した自動合焦装置の場合に
は、絞りマスク24a,24bで所定領域の入射光量をカット
しているので、入射光量が著しく減じられてしまう。そ
のため、暗い被写体の場合には、適正な露出による撮影
を行なうために撮像素子23a,23bの電荷蓄積時間を長く
する必要があり、かつ、電荷蓄積中は撮影光学系の駆動
は行なえないので、合焦動作に長時間を要してしまう。
また、位相相関演算では被写体が周期的なパターン等
の場合には、正確な画像間距離を求めることができない
ので、合焦精度が低下してしまう。
なお、特開昭61−32669号公報には、山登り方式の改
良として、暗い被写体のように信号のS/N比が低い画像
に対して前後する水平走査線の信号を加算することによ
り信号のS/N比を向上させる方法が開示されているが、
この方法では前後する水平走査線の相関が低い場合には
逆に信号のS/N比を低下させる恐れがある。
また、BPF4の出力振幅が複数の極大点P1〜P4を持つ場
合の対策として、特開昭58−215176号公報には、被写体
の変化を絞り値の変化で検出し、絞り値が急変した場合
には合焦調節を一定時間停止し、その後、再起動すると
いう手段が開示されている。また、特開昭61−107312号
公報には、一定時間毎にサンプリングする評価関数の変
化を監視し、変化がn(n≧2)回連続して所定のレベ
ルで発生した場合に、レンズと被写体の距離が変化した
ことを検出する手段が開示されている。しかし、両公報
に開示されている手段とも、合焦に多くの時間を要する
という問題があった。
そこで本発明の目的は、被写体の状態に影響を受ける
ことなく高速かつ高精度に合焦調節を行なうことのでき
る自動合焦装置を提供することにある。
また別の目的は、上記自動合焦装置に適用して極めて
高精度な合焦調節を可能とする合焦位置検出方法を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記課題を解決し、目的を達成するために次
のような手段を講じた。すなわち撮影光学系により形成
される画像を撮像する撮像素子と、この撮像素子と前記
撮影光学系との相対位置を光軸方向に変化させるための
駆動手段と、この駆動手段により前記相対位置を変化さ
せながら所定時間間隔で撮像し前記撮像素子に蓄積され
た電荷を画像信号として読出す手段と、この読出し手段
で読出された画像信号から所定帯域の周波数成分を取出
すための周波数抽出手段と、この周波数抽出手段で取出
された周波数成分の出力振幅を検出する振幅検出手段
と、この手段で検出された出力振幅値を加算して焦点信
号を生成する焦点信号生成手段と、この焦点信号生成手
段から出力される焦点信号に含まれる高周波成分をカッ
トする如きフィルタリング処理を行なうフィルタリング
手段と、このフィルタリング手段から出力される焦点信
号の複数の値を用いて合焦状態および合焦位置検出演算
を行ない、この演算結果に基づく制御信号を前記駆動手
段へ出力する制御手段とを備えた構成とした。
また、上記目的を達成するために、撮影光学系により
形成される画像を撮像する非破壊読出し可能な撮像素子
と、この撮像素子と前記撮影光学系との相対位置を光軸
方向に変化させるための駆動手段と、この駆動手段によ
り前記相対位置を変化させながら所定時間間隔で撮像し
前記撮像素子に蓄積された電荷を画像信号として非破壊
的に読出す手段と、この読出し手段で読出された画像信
号から所定帯域の周波数成分を取出すための周波数抽出
手段と、この周波数抽出手段で取出された周波数成分の
出力振幅を検出する振幅検出手段と、この手段で検出さ
れた出力振幅値を加算して焦点信号を生成する焦点信号
生成手段と、この焦点信号生成手段から出力される焦点
信号の差演算を行なうと共に、この差演算により得られ
た焦点信号の複数の値を用いて合焦状態および合焦位置
検出演算を行ない、この演算結果に基づく制御信号を前
記駆動手段へ出力する制御手段とを備えた構成とした。
また上記目的を達成するために、前記撮影光学系で形
成される画像の輝度を判定し、その輝度に応じて前記読
出し手段における読出し時間間隔を設定する測定光手段
を備えた。
〔作用〕
本発明の自動合焦装置によれば、撮影光学系により形
成される画像が、駆動手段により撮影光学系と撮像素子
との相対位置を移動しながら撮像素子で撮像される。こ
の撮像された画像は画像信号として読出され、周波数抽
出手段で特定帯域の周波数成分が抽出される。この抽出
された周波数成分は、焦点信号生成手段で、その出力振
幅が検出され、複数の画像信号を加算して生成された焦
点信号が出力される。この焦点信号はフィルタリング手
段でフィルタリング処理される。その結果、焦点信号の
S/N比が改善されると共に、焦点信号の極大点が抑制さ
れる。制御手段では、このフィルタリング処理された焦
点信号の複数の値を用いて合焦状態および合焦位置検出
演算が行われる。この演算により合焦位置が算出される
と駆動手段に制御信号が出力され、合焦調節がなされ
る。
また本発明の自動合焦装置によれば、非破壊読出し可
能な撮像素子より画像信号が読出され、周波数抽出手
段,焦点信号生成手段により焦点信号に変換される。こ
の焦点信号は制御手段にて、撮影光学系と撮像素子との
相対位置を変化させたときの位置の差を用いた差演算が
なされ、焦点信号がフィルタリング処理される。そし
て、フィルタリング処理された焦点信号を用いて合焦位
置が算出され、この検出した合焦位置に基づいて駆動手
段に制御信号が出力され、合焦調節が行われる。
また、測光手段を設けたことにより、撮像素子の電荷
蓄積量を推定でき、画像の輝度に応じて読出し時間間隔
を設定するので撮像素子の電荷蓄積量が飽和するのを有
効に防止できるものとなる。
〔実施例〕
第1図は本発明の第1実施例に係る自動合焦装置の構
成を示す図である。同図に示す31は撮影光学系であり、
この撮影光学系31により形成される画像はCCD等からな
るラインセンサ32上に結像される。このラインセンサ32
は、所定時間間隔で蓄積された電荷を画像信号SOとして
プリアンプ33へ出力すると共に、蓄積電荷量を示すピー
ク信号PEを駆動回路34へ出力する。
上記ラインセンサ32の具体的な構成を第2図に示す。
このラインセンサ32は、n個のフォトセンサ51−1〜51
−nを列状に配列し、このフォトセンサ51−1〜51−n
の列の一方の側にトランスファゲート52を介してCCDシ
フトレジスタ53を配置している。このシフトレジスタ53
は出力アンプ54を介して端子55に接続されており、この
端子55より画像信号が出力される。また、列状をなす各
フォトセンサ51−1〜51−nは、バッファ56−1〜56−
nを介してピーク検出部57に接続されている。このピー
ク検出部57は各フォトセンサ51−1〜51−nから送られ
てくる信号からピーク値を選択し、端子58からピーク信
号PEを出力する。なお、トランスファゲート52が接続さ
れている端子59には、後述する駆動パルスφが入力さ
れる。
駆動回路34は、上記ラインセンサ32の駆動回路であ
り、ラインセンサ32に対しクロックパルスφS,駆動パル
スφを出力すると共に、カウンタ35に対しリセット信
号およびピーク信号PEが飽和量に達した時にはカウント
停止信号を出力する。カウンタ35は発振器36から送られ
てくるクロックパルスφをカウントし、カウント数N
を後述する除算器へ出力する。一方、プリアンプ33で増
幅された画像信号はBPF37に入力する。PBF37は画像信号
の所定周波数成分を抽出して検波器38へ出力する。振幅
検出器38へ出力する。振幅検出器38は抽出された周波数
成分の出力振幅の検出を行なう。この振幅検出器38の出
力はA/D変換器39でA/D変換された後、上記除算器41に出
力される。除算器41は、A/D変換器39から入力したデジ
タルデータをカウンタ35から送られてくるカウント数N
で除算し、画像信号に対し蓄積時間の値に補正を施す。
42は積分回路であり、加算器43およびラッチ44から構成
され、焦点信号f(x)をフィルタリング回路45に出力
する。フィルタリング回路45は後述するフィルタリング
処理を行ないフィルタリングされた焦点信号(以下「フ
ィルタリング信号」と称する)g(x)をマイクロプロ
セッサ46に出力する。このマイクロプロセッサ46は、フ
ィルタリング回路45から送られてきたフィルタリング信
号g(x)をメモリ47に記憶すると共に、このメモリ47
に記憶されているフィルタリング信号g(x)を用い
て、合焦状態および合焦位置を求めるための演算処理を
行なう。48はモータ駆動回路であり、マイクロプロセッ
サ46より送られてくる制御信号に基づいてパルスモータ
49を駆動する。
次に、本実施例において特徴的な信号処理について説
明する。
本実施例では、ラインセンサ32の蓄積に飽和が生じ信
号のS/N比が劣化するのを防止する目的で、ラインセン
サ32より出力されるピーク信号PEが飽和したときに、ラ
インセンサ32の蓄積を停止し、読出しを行うと共に、飽
和に達するまでの時間から、画像信号値を換算し、この
換算結果となるように読出された画像信号に対し補正を
加えている。第3図を参照して詳細に説明する。同図は
ラインセンサ32における電荷蓄積量と蓄積時間との関係
を示しており、横軸に電荷蓄積時間,縦軸に蓄積電荷量
をとっている。tSは単位蓄積時間であり、焦点信号の検
出時間間隔に等しい。eSは蓄積電荷の飽和量を示してい
る。ここで、3種類の画像i1(r),i2(r),i3(r)
の信号最大位置での蓄積電荷量が直線P1,P2,P3のように
変化した場合を考える。なお、rはラインセンサ32の位
置を示している。
画像i1(r)は、ピーク値e1<eSとなり、飽和が生じ
ていない場合であり、単位蓄積時間tSにおける蓄積電荷
量はすべてのラインセンサ位置rにおいてi1(r)<eS
である。画像i2(r),i3(r)は、少なくとも信号ピ
ーク値は飽和する場合であり、ピーク値飽和時間t2,t3
で電荷蓄積を停止し、読出しを行なう。そして、これを
次式を用いて単位蓄積時間tSにおける値に換算する。
i′(r)=i2(r)×tS/t2 i′(r)=i3(r)×tS/t3 または、単に i′(r)=i1(r)/tS i′(r)=i2(r)/t2 i′(r)=i3(r)/t3 とする。すなわち、蓄積時間で除算することにより、蓄
積時間が異なることによる信号出力の相違を補正する。
次に、フィルタリング回路45におけるフィルタリング
処理について説明する。h(x)をフィルタ関数とし、
「*」をコンボルーション記号とすれば、フィルタリン
グ信号g(x)は、 g(x)=f(x)*h(x) …(1) と表わせる。
フィルタ関数h(x)としては、rect関数,スプライ
ン関数,sinc関数等がある。ここで、rect関数をrect(x
/a),スプライン関数をspline(x/a)とし、例えば以
下のように定義する。
rect(x/a): |X|≦a/2のとき rect(x/a)=1 |X|>a/2のとき rect(x/a)=0 …(2) spline(x/a): |X|≦a/2のとき spline(x/a)=(2x/a)−2(2x/a)+1 a/2<|X|≦aのとき spline(x/a)=−(2x/a)+5(2x/a)
8(2X/a)+4 |X|>aのとき spline(x/a)=0 …(3) このように定義したrect関数およびスプライン関数の
形状を第4図(a)(b)に示す。また、両関数のスペ
クトルを第5図(a)(b)にそれぞれ示す。同図より
明らかなように、ローパスフィルターとしての特性を有
しており、両関数を用いてフィルタリング処理すること
により極大点のような高周波成分が抑制される。なお、
第5図(a)と同図(b)とを比較することにより、ス
プライン関数のほうがよりローパスフィルタに近いこと
がわかる。例えば、第5図(a)(b)に示すように、
ナイキスト周波数をu=3×(1/a)に設定すれば、フ
ィルタリング関数のサンプリングピッチΔXは、(a/
2)×(1/3)=a/6となり、rect関数は6個,スプライ
ン関数は12個のインパルス応答信号を用いてコンボルー
ションによるフィルタリング処理を行なうことができ
る。
このようなフィルタリング処理を実際に行なう回路と
しては、第6図(a)に示す構成のものが考えられる。
これは、焦点信号f(x)をシフトレジスタ等の遅延素
子Tで次々と遅延していき、各遅延素子の出力にrect関
数またはスプライン関数としての係数w1,w2,…wmを乗算
した後、加算器にて加算し、フィルタリング信号g
(x)として出力する構成をしている。また、第6図
(b)に示すように、焦点信号f(x)にそれぞれ係数
w1,w2,〜wmを乗算してから、各々遅延素子Tで遅延し、
順次加算したものをフィルタリング信号g(x)として
出力する構成にしてもよい。
さらに、フィルタリング関数としてrect関数を用いる
場合には、係数w1=w2=…=wm=1となるので、単なる
信号の加算となり、第6図(c)に示す回路構成とする
ことができる。
このようなフィルタリング処理を行なうことにより、
第7図に示すように、複数箇所に極大点のある実線で示
す焦点信号f(x)が、図中破線で示す複数の極大点が
抑制されたフィルタリング信号g(x)に変換される。
なお、ΔXは焦点信号の検出間隔を示している。
次に、合焦状態および合焦位置を求めるための演算処
理について第8図(a)(b)を参照して説明する。第
8図(a)はフィルタリング信号を示す図であり、縦軸
はフィルタリング信号の出力レベルg(x)を示してお
り、横軸は撮影光学系31の位置Xを示している。今、横
軸方向に距離lだけ離れたフィルタリング信号上の2点
g(xi),g(xi−l)をそれぞれV1,V2とする。なお、
g(xi)は最も新しく計算されたフィルタリング信号値
とする。先ず、V1とV2との大小を比較し、V1>V2ならば
ラインセンサ32の駆動方向をそのままの維持する。そし
て、V1,V2を横軸方向へ移動させていき、V1が合焦位置
を過ぎ、V1<V2となる位置を検出する。そして、合焦位
置を挟んでV1<V2となる一対の2点(以下、Vd,Vcとす
る)と、V1>V2となる一対の2点(以下、Vb,Vaとす
る)を設定する。このように設定した4点Va,Vb,Vc,Vd
の位置関係を第8図(b)に示す。4点Va,Vb,Vc,Vdを
設定したならば、線分VaVcと線分VbVdとを横切り、か
つ、X軸に平行な直線mを求める。そして、直線mと線
分VaVcとの接点をC1とし、直線mと線分VbVdとの接点C2
として、接点をC1,点Va間のX軸方向の距離L2と、接点C
2,点Vb間のX軸方向の距離L1とが等しくなるように直線
mのY軸方向の位置を設定する。そして、線分C1C2の中
点Mを求め、このMのX座標を合焦位置αとする。この
αは次式で表わすことができる。
α=XVa+l/2+ΔX(Vb−Va)/(Vc−Vd+Vb−Va) …(I) となる。上記(I)式をマイクロプロセッサにて演算処
理することにより、合焦位置を検出できる。なお、実験
の結果、上記合焦位置検出方法にて合焦調節をしたとこ
ろ、2次関数レベルでは検出誤差はゼロであった。ま
た、上記(I)式におけるXVaはVaのX座標を示してい
る。距離lは、デフォーカス量や画像,ズーム位置やF
ナンバーにより適当な距離に設定する。例えば、この距
離を大きく設定すると、フィルタリング信号g(x)の
差が大きくなり、計算時のS/N比がとりやすくなる。
次に、以上説明した構成および信号処理を行なう自動
合焦装置の動作について説明する。撮影光学系31を例え
ば常焦距離(撮影頻度の多い距離)に近づく方向へ高速
度で駆動させる。このとき、ラインセンサ32ではトラン
スファゲート52によりフォトセンサ51−1〜51−nがリ
セットされ電荷の蓄積を開始する。また、これと同時に
カウンタ35もリセットされ、クロックパルスφのカウ
ントが始まる。そして、所定の読出し間隔である単位蓄
積時間tS経過しても、ピーク値信号PEが飽和量に達しな
かった場合には、tS経過した時点でカウンタ35のカウン
トを停止、トランスファゲート54を介して画像信号SOを
プリアンプ33に出力する。同時にカウンタ35をリセット
し、次の電荷蓄積を開始する。また、tS時間経過前にピ
ーク値信号PEが飽和値を示したときには、その時点で画
像信号SOを出力すると共に、カウンタ35のカウントを停
止する。そして、時間tS経過後にフォトセンサ51−1〜
51−nおよびカウンタ35をリセットし次の電荷蓄積を開
始する。ラインセンサ32から読出された画像信号はプリ
アンプ33で増幅された後、BPF37で所定の周波数成分が
抽出され、この抽出された周波数成分の出力振幅が振幅
検出器38にて検出される。そして、A/D変換器39でA/D変
換されデジタル化された信号は除算器41でカウンタ35よ
り送られてくるカウント数で除算される。すなわち、上
記したようにして、画像信号を単位蓄積時間に応じた値
に補正する。蓄積時間に応じた補正の施された画像信号
は積分回路42に順次入力する。ここで、n個(画素数)
の出力振幅が加算されて、焦点信号f(x)が生成され
る。このようにして、tS時間毎にΔxずつ位置の異なる
値が得られ、第9図中に実線で示す焦点信号f(x)が
検出される。この焦点信号f(x)はフィルタリング回
路45に入力し、上述したフィルタリング処理が施され
る。このフィルタリング処理により焦点信号f(x)の
S/N比が改善されると共に、極大点が抑制され、第9図
中破線で示すフィルタリング信号g(x)が得られる。
このようにして得られたフィルタリング信号g(x)は
マイクロプロセッサ46に入力し、順次メモリ47に記憶さ
れる。そして、このメモリ47に記憶したフィルタリング
信号値を用いて、上述した方法により合焦位置αを求め
る。この求めた合焦位置αに基づいた制御信号がモータ
駆動回路48に出力され、パルスモータ49が駆動される。
その結果、撮影光学系31が合焦位置に移動し、合焦調節
が行われる。
このように本実施例によれば、ラインセンサ32から読
出した画像信号をその蓄積時間に応じたカウント数で除
算する構成としたので、画像信号を単位蓄積時間におけ
る値に補正することができ、露光過多の場合であっても
画像信号を損ねることなく撮像を行なうことができる。
また、フィルタリング回路45で焦点信号f(x)とス
プライン関数またはrect関数とをコンボルーションして
フィルタリング処理するようにしたので、焦点信号f
(x)のS/N比を確保することができる。具体的には、
第4図(a)に示すrect関数によりフィルタリング処理
では、6個の焦点信号f(x)の位置xをずらしながら
単に加算したものがフィルタリング信号g(x)とな
り、その信号成分はおよそ加算個数倍になるのに対し、
雑音成分は加算個数の2乗根倍となるため、S/N比は に改善される。また、周波数領域で考えると、信号成分
は帯域幅に比例し、雑音成分は帯域幅の2乗根に比例す
るため、スプライン関数を用いた場合であってもS/N比
はおよそ に改善される。したがって、S/N比を確保できることか
ら、短い間隔で電荷を読出すことができ、合焦に要する
時間を短縮できる。しかも、S/N比を確保できることか
ら焦点信号の検出間隔ΔXを小さくでき、その上、焦点
信号f(x)の極大点を抑制することができるので、合
焦精度を向上させることができる。
さらに、上記合焦位置検出方法にて、合焦位置を検出
するので、極めて高精度に合焦位置を検出できる。
なお、上記第1実施例では、焦点信号を得るために1
つのBPF37を備えた構成としているが、中心周波数の異
なる複数のBPFを切換えて用いる構成としてもよい。こ
のような構成とすることにより、次のような不都合を除
去できる。すなわち、BPFの中心周波数が低い場合に
は、得られる焦点信号は第10図に示すAのようにブロー
ドな形状となり、撮影光学系31の位置の検出範囲が広い
反面、合焦位置を正確に求めることができない。また、
BPFの中心周波数が高い場合には、得られる焦点信号は
第10図中Bで示すように合焦位置で鋭く突出した形状に
なり、高精度な合焦位置を検出するのには適している
が、撮影光学系の位置の検出範囲が狭い。そこで、上記
した構成とし、デフォーカス量が大きいときには中心周
波数の低いBPFに切換え、合焦位置近傍に撮影光学系が
移動したならば、中心周波数の高いBPFに切換える。ま
た、画像やズーム位置,Fナンバー等により切換えてもよ
い。
また、上記実施例では、画像信号を焦点信号に変換す
るために、BPF37,振幅検出器38,A/D変換器39,除算器41,
積分回路42を第1図に示す構成としているが、第11図
(a)に示す構成としてもよい。すなわち、プリアンプ
33から出力される画像信号をA/D変換器61でA/D変換した
後、除算器62にてカウンタからのカウント数Nで除算す
る。そして、この画像信号をデジタルバンドパスフィル
タリング回路63で所定の周波数成分を抽出し、さらにこ
の周波数成分を振幅検出回路64に入力し、この振幅検出
回路64で検出された出力振幅を積分回路65で積分する構
成とする。このような構成とすることにより、プリアン
プ33から出力される画像信号をA/D変換した後、各種の
信号処理が行われるので、信号のダイナミックレンジを
有効に使用できる。また、第11図(b)に示すように、
BPF71,検波器72,積分回路73,サンプルホールド回路74,A
/D変換器75,除算器76から構成してもよい。なお、積分
回路73としては、ローパスフィルターを用いることも可
能である。このように構成することにより、A/D変換を
焦点信号の検出時間間隔毎に行なえばよく、A/D変換の
動作クロックを遅くすることができると共に、構成が簡
素化され製作が容易となる。
さらに、プリアンプ33の出力をA/D変換して、その後
の信号処理を全てマイクロプロセッサ内で行なうように
してもよい。
次に、本発明の第2実施例について説明する。
第12図は第2実施例に係る自動合焦装置の構成を示す
図である。この自動合焦装置は、撮像素子としてSIT(S
tatic Induction Transistor),AMI(Applified Mos In
telligent Imager),CMD(Charge Modulation Dvice),
MOS等の非破壊読出し可能な撮像素子(以下、「非破壊
素子」と称する)71を備え、この非破壊素子71から読出
された画像信号を焦点信号に変換した後、この焦点信号
の差演算を行ない、フィルタリング処理するようにした
ことに特徴がある。なお、第1図に示す第1実施例と同
一部分には同一の符号を付している。
非破壊素子71から読出された画像信号は増幅器33で増
幅した後、BPF37,振幅検出器38で所定の周波数成分の出
力振幅を検出し、この検出値をA/D変換器39を介して積
分回路42に入力する。そして、積分回路42から所定の間
隔で焦点信号▲▼(x)をマイクロプロセッサ73に
出力する。このマイクロプロセッサ73に入力した焦点信
号▲▼(x)はメモリ74に記憶される。マイクロプ
ロセッサ73はメモリ74に記憶されている焦点信号▲
▼(x)により光軸上の撮影光学系31の位置の差を用い
た差の演算を行なってフィルタリング処理されたフィル
タリング信号g(x)を求める。そして、フィルタリン
グ信号g(x)を用いた補間演算を行ない合焦位置を検
出し、この検出結果に基づいてモータ駆動回路48に制御
信号を出力する。そして、モータ駆動回路48でパルスモ
ータを駆動して撮影光学系31の位置を移動させ、合唱調
節する構成としている。
第13図は上記非破壊素子71の構成を示す図である。同
図に示す81−1〜81−nは非破壊読出しフォトセンサで
あり、このフォトセンサ81にはそれぞれ読出しスイッチ
82−1〜82−nが接続されている。この読出しスイッチ
82−1〜82−nは走査回路83に接続されていて、走査回
路83で駆動され読出された画像信号は出力アンプ84を介
して端子85から画像信号として出力される。なお、86は
リセットスイッチである。また、各非破壊フォトセンサ
81−1〜81−nはそれぞれバッファ87−1〜87−nを介
してピーク検出部88に接続され、このピーク検出部88か
らピーク値が検出されて端子89よりピーク値信号PEとし
て出力される。
次に、焦点信号(x)の光軸上の撮影光学系31の位
置の差を用いた差演算によるフィルタリング処理ついて
説明する。
撮影光学系31を等速度で光軸方向へ移動しながらt1
間だけ電荷の蓄積を行なった場合、そのとき得られる画
像信号は撮影光学系31の移動範囲における画像信号の積
分値となる。また、その画像信号より得られる焦点信号
も撮影光学系31の移動範囲におけるその焦点信号の積分
値となる。
つまり、撮影光学系31が時間t1で位置XOから位置X1
で移動したときの焦点信号 となり、第14図に示す斜線部の面積と等しくなる。そし
て、fN(x)は、第15図示の如く表わすことができ、fN
(x)を微分したものがf(x)となっている。
また、焦点信号fN(x)の差(撮影光学系31の光軸方
向の差はPxとする)は、 となり、撮影光学系31が光軸方向に移動したときの各位
置での焦点信号f(x)を、rect関数でフィルタリング
処理したことになる。
以上のように、非破壊素子71を用いた場合にはフィル
タリング処理が差の演算に起き代えられる。
なお、実際には、非破壊素子71に飽和が生じてしまう
ため、ピーク値信号PEが飽和した時点で非破壊素子71の
蓄積電荷をリセットする。そのため、第15図に示す焦点
信号fN(x)は、第16図に示す実線のように変化する。
同図は、撮影光学系31が光軸方向の位置Xa,Xbのときに
素子のリセットが行われたことを示している。そして、
Xa<X<Xbでは、 として得られる。
また、本実施例における合焦位置検出は、焦点信号の
最大値近傍の複数点を用いた補間演算により求めてい
る。以下、第17図(a)(b)を参照して説明する。
第17図(a)は焦点信号を示す図であり、横軸は光軸
方向に移動する撮影光学系31の位置を示し、縦軸は焦点
信号g(x)の信号レベルを示している。焦点信号の最
大値であるPo点と、この前後のP1,P2の3点において、
その焦点信号値が各々g(xm),g(xm−1),g(xm+
1)であるとする。
ここで、g(xm−1)<g(xm+1)の場合、点Poと
点P1とを結ぶ直線と、この直線に対し傾きの正負が逆で
かつ点P2を通る直線との交点PXの横軸における座標αが
合焦位置となる。この座標αは、幾何学的関係により次
式により得られる。
α=Xm+ΔX/2[{g(Xm+1)−g(Xm−1)} /{g(Xm)−g(Xm−1)}] …(II) また、g(xm−1)>g(xm+1)の場合は次式によ
り得られる。
α=Xm−ΔX/2[{g(Xm−1)−g(Xm+1)} /(g(Xm)−g(Xm+1)}] …(III) 次に、本実施例の動作について説明する。
非破壊素子71をリセットし、電荷蓄積を開始する。そ
して、時間tS毎に読出しスイッチ82−1〜82−nを走査
して非破壊フォトセンサ81−1〜81−nから蓄積電荷を
読出して画像信号として出力させる。読出された画像信
号は、プリアンプ33で増幅され、BPF37で所定の周波数
成分が抽出される。この周波数成分は振幅検出回路38で
出力振幅が検波され、A/D変換された後、積分回路42で
n個の画像信号が加算されこの加算された信号が焦点信
号▲▼(x)として出力される。そして、非破壊素
子71から出力されるピーク信号PEの値が飽和点に達した
ときは、駆動回路72よりリセット信号が出力され、非破
壊素子71がリセットされる。このような合焦動作により
第18図のような焦点信号▲▼(x)が得られる。こ
の焦点信号▲▼(x)がメモリ74に記憶される。ま
た、第18図に示す、時間ta,tbが飽和点に達した時間で
あり、この時間における撮影光学系31の位置Xa,Xbもメ
モリ74に記憶される。メモリ74に記憶された焦点信号▲
▼(x)は、rect関数によるフィルタリング処理さ
れたフィルタリング信号g(x)を得るための差演算を
行なった後、不必要なものから消去されていく。
フィルタリング処理された焦点信号g(x)を得るた
めの差演算は、撮影光学系31の光軸上の位置の差をdす
ると、 g(x)=fN(X+d/2)−fN(X−d/2) …(8) と表わせる。
ここでfN(x)は である。
このようにして得られたフィルタリング信号g(x)
を新しい順にV1,V2,V3とすれば、マイクロプロセッサ73
はこの3つの値から焦点状態を判断し、パルスモータ49
の制御駆動を行なう。つまり、V1>V2>V3の時は、焦点
信号が増大する場合であるので、そのまま撮影光学系31
を駆動し、V1<V2<V3の時は、フィルタリング信号が減
少する場合であるので、駆動方向を反転させる。そし
て、V1<V2,V3<V2の時は、V2がフィルタリング信号の
最大値であると判断し、補間演算による合焦位置計算を
行なう。この補間演算は、g(Xm−1)=V3,g(Xm)=
V2,g(Xm+1)=V1として、上記(II)(III)式に代
入することにより行われる。
このようにして得られた合焦位置と、パルスモータ49
駆動時のパルス数から得られる現在の撮影光学系31の位
置とから、駆動量を判断し、撮影光学系31を合焦位置へ
駆動させる。
このような本実施例によれば、上記第1実施例と同様
に高速度でかつ、高精度な合焦調節を行なうことができ
る。しかも、非破壊読出し可能な撮像素子7を用いたの
で、焦点信号fN(x)の差演算を行なうことによりrect
関数によりフィルタリング処理された焦点信号g(x)
を得ることができ、その結果、第1実施例において用い
ていたフィルタリング回路45を削減することができ、装
置の小型化を図ることができる。
なお、上記第2実施例において、フィルタリング信号
の各値V1,V2,V3(ただし、V1<V2,V3<V2)を検出した
時点で、直ちに補間演算を行なわずに、撮影光学系31の
駆動方向を反転させ、駆動速度を遅くしてから合焦調節
をおこなうようにすれば、焦点信号の検出間隔ΔXを短
くすることができ、さらに精度の向上を図ることができ
る。
次に、本発明の第3実施例について説明する。第3実
施例に係る自動合焦装置の構成を第19図に示す。なお、
第1実施例または第2実施例と同一部分には同一符号を
付し詳しい説明は省略する。本実施例は、撮影光学系31
で形成される画像の輝度を測定して、非破壊素子71から
の読出し時間間隔を設定する例である。非破壊素子71
は、駆動回路90から送信される読出しクロックφcによ
って駆動される。非破壊素子71の蓄積電荷のピーク信号
PEは比較器91を介してDフリップフロップ回路92へ入力
する。比較器91は、そのしきい値Vrefが非破壊素子71の
蓄積電荷のピーク値(飽和レベル)よりも若干小さな値
に設定されている。比較器91はしきい値Vrefよりも大き
いレベルのピーク信号PEが入力したときに、H(ハイレ
ベル)の出力PKをDフリップフロップ回路92へ出力す
る。Dフリップフロップ回路92は、比較器91からのPKを
D入力とし、駆動回路90からの読出しクロックφcをCL
K入力としている。そして、D入力がHでCLK入力に入力
があったときに、Q出力がHとなり、再びCLK入力に入
力があったときにQ出力がL(ローレベル)となる。D
フリップフロップ回路92のQ出力は、Hのときに非破壊
素子71のリセット信号として非破壊素子71へ出力され
る。なお、駆動回路90から出力される読出しクロックφ
cのタイミングはマイクロプロセッサ93によって設定さ
れる。非破壊素子71から読出される画像信号は増幅器33
に入力する。増幅器33の出力端子には、BPF37およびプ
リ測光回路94が接続されている。プリ測光回路94は、入
力する画像信号から非破壊素子71に形成される画像の輝
度を測定し、その測定結果をマイクロプロセッサ93へ出
力する。なお、BPF37へ出力された画像信号から、振幅
検出器38,A/D変換器39,積分回路43を介して焦点信号▲
▼(x)を生成する構成は、第2実施例と同じであ
る。
次に、本実施例の作用について説明する。
プリ測光回路94により画像の輝度を測定する。この測
光は、撮像開始からDフリップフロップ回路92のD入力
がHになるまでの間tv行われる。すなわち、非破壊素子
71のピーク値PEがしきい値Vrefを越えるまで行う。
この時、仮に、時間tvが第1実施例で述べた単位蓄積
時間tsよりも短い場合は、被写体が十分に明るいとき
で、単位蓄積時間tSだけ露光すると非破壊素子71の蓄積
電荷が飽和してしまう場合である。以下、これを飽和モ
ードと呼ぶ。
そこで、本実施例では、マイクロプロセッサ93がプリ
測光回路94から送られてくる測光データに基づいて、
tS′<tvとなる単位蓄積時間tS′を設定する。そして、
単位蓄積時間tS′毎に非破壊素子71をリセットして画像
信号SOを読出す。
また、tvが単位蓄積時間tSよりも長い場合には、被写
体が暗い時で、単位蓄積時間tSの露光では、非破壊素子
71の蓄積電荷は飽和しない場合である。以下、これを非
飽和モードと呼ぶ。
第20図(a)〜(d)は非飽和モードにおけるリセッ
ト動作を示す図である。同図(a)は非破壊素子71の電
荷蓄積状態を示すピーク信号PEの出力レベルを示す。同
図(b)はDフリップフロップ回路92のD入力に入力す
るピーク信号PKのタイミング波形図、同図(c)は単位
蓄積時間tS毎に駆動回路90から出力されDフリップフロ
ップ回路92のCLK入力となる読出しクロックφcのタイ
ミング波形図である。同図(d)はDフリップフロップ
回路92のQ出力となるリセット信号Rのタイミング波形
を示している。
非破壊素子71による撮像が開始されると、単位蓄積時
間tS毎に画像信号が読出される。非破壊素子71に電荷が
蓄積されていき、時間S1でピーク信号PEの出力レベルが
しきい値Vrefを越えると、D入力がHになる。D入力が
Hとなってから次のタイミングで出力される読出しクロ
ックφcによってQ出力がHとなり、非破壊素子71がリ
セットされる。そして、さらに次のタイミング出力され
る読出しクロックφcによってQ出力がLになる。そし
て、時間S2で再びピーク信号PEの出力レベルがしきい値
Vrefを越えると、同様にリセット動作が開始される。
このように本実施例によれば、プリ測光回路94によっ
て画像の輝度を測定し、飽和モードのときには、tS′<
tvとなる単位蓄積時間tS′を設定して、単位蓄積時間
tS′毎に非破壊素子71をリセットして画像信号SOを読出
す。また、非飽和モードのときには、輝度データに基づ
いて読出しクロックφcの出力タイミングとなる単位蓄
積時間を設定し、また一方で非破壊素子71の電荷蓄積状
態を示すピーク信号PEに対して飽和レベルよりも若干低
いレベルにしきい値Vrefを設定しておき、ピーク信号PE
の出力レベルがしきい値を越えたならば、次のタイミン
グで出力される読出しクロックφcによって非破壊素子
71をリセットするようにした。したがって、どのような
輝度の被写体であっても、非破壊素子71が飽和するのを
確実に防止でき、画像信号の劣化を防止でき、高精度の
合焦調節を行うことができる。
なお、上記第3実施例では、飽和モードにおいて、焦
点信号fN(x)に対してフィルタリング処理を施してい
ないが、マイクロプロセッサ93でフィルタリング処理す
る構成としても良い。
次に、本発明の第4実施例について説明する。
第21図は第4実施例に係る自動合焦装置の構成を示す
図である。なお、第1実施例〜第3実施例と同一機能を
有する部分には同一符号を付し詳しい説明は省略する。
本実施例は、エリアセンサを用いて画像の任意領域に
合焦調節を行う例である。
同図に示す100はエリアセンサであり、MOS,SIT,CMD等
のX−Yアドレス方式の撮像素子からなる。このエリア
センサ100は駆動回路101から出力される駆動信号Dによ
って駆動され、所定領域の画像信号が読出される。プリ
測光回路94は、エリアセンサ100から読出された画像信
号が入力され、この入力した画像信号から画像の輝度を
測定する。その輝度データはマイクロプロセッサ102へ
出力される。マイクロプロセッサ102は、入力する輝度
データに基づいてエリアセンサ100の所定領域が飽和し
ないような蓄積時間を設定する機能と、エリアセンサ10
0の読出し領域を指定する機能と、前記フィルタリング
信号g(x)から合焦位置検出演算を実行する機能とを
有している。
第22図はエリアセンサ100の構成を示す図である。こ
のエリアセンサ100は、複数のフォトセンサFSがマトリ
クス状に配列されている。各フォトセンサFSは、垂直ア
ドレスデコーダ103にそれぞれ一端が接続されている複
数の水平信号線L1-1〜L1-Nに、各々垂直アドレススイッ
チ103Sを介して接続されている。また、水平アドレスデ
コーダ104にそれぞれ一端が接続されている複数の垂直
信号線L11-1〜L11-Nに、各々水平アドレススイッチ104S
を介して接続されている。
このように構成されたエリアセンサ100では、垂直ア
ドレスデコーダ103で所定の水平信号線L1-1〜L1-Nを選
択し、水平アドレスデコーダ104で所定の垂直信号線L
11-1〜L11-Nを選択して、各信号線に接続されている水
平アドレススイッチ103Sおよび垂直アドレススイッチ10
4Sを同時にオンさせることにより、選択された領域の複
数のフォトセンサFSから蓄積電荷が画像信号SOとして読
出される。そこで、垂直アドレスデコーダ103,水平アド
レスデコーダ104に入力する駆動信号Dで読出し領域の
アドレスを指定することにより、画像の任意領域の画像
信号を読出すことができる。
以下、本実施例の作用について第23図を参照して説明
する。なお、第22図に示すエリアセンサ100の水平方向
をX軸(X=1,2…n)とし、垂直方向をY軸(Y=1,2
…n)とする。同図中斜線で示す部分を合焦調節する場
合を例にして説明する。
先ず、斜線領域のプリ測光を行う。
マイクロプロセッサ102は、斜線領域((XS,YS)〜
(Xe〜Ye))のアドレス指定データを駆動回路101に対
して出力する。駆動回路101は、垂直アドレスデコーダ1
03に対してアドレス(Ys〜Ye)を指定した駆動信号Dを
出力し、水平アドレスデコーダ104に対してアドレス(X
s〜Xe)を指定した駆動信号Dを出力する。そして、例
えば、所定時間tPに蓄積された電荷を斜線領域の各フォ
トセンサFSから画像信号として順次読出す。測光回路94
では、この読出された画像信号から画像の輝度を測定
し、その輝度データをマイクロプロセッサ102へ出力す
る。マイクロプロセッサ102では、輝度データに基づい
て単位蓄積時間tSを設定する。すなわち、フォトセンサ
FSに蓄積された電荷のピーク値が飽和せず、かつ飽和値
の例えば70%の値に設定されているしきい値を越えてい
る場合には、上記蓄積時間tPを単位蓄積時間tSとする。
また、ピーク値が飽和する場合には、電荷蓄積時間を
順次短くして輝度判定を繰り返し、ピーク値が飽和しな
い蓄積時間tPPを検出し、この検出した蓄積時間tPPを、
単位蓄積時間tSとする。
また、ピーク値がしきい値Vrefに達していない場合に
は、電荷蓄積時間を順次延ばして輝度判定を繰り返し、
ピーク値がしきい値Vrefを越える蓄積時間tPPPを検出
し、その検出された蓄積時間tPPPを単位蓄積時間tSとす
る。
このようなプリ測光により、斜線領域の輝度に応じ、
画像信号の劣化を伴うことのない単位蓄積時間tSが設定
できる。
次に、時間tS毎に斜線領域の画像信号SOを読出す。な
お、斜線領域からの画像信号SOの読出し順序は、以下の
方式に従う。
X軸方向順次読出し この読出し方式は、X軸方向に順次読出す。先ず、Y
=Ys行((Xs,Ys),(XS+1,Y3)…,(Xe,Ys))を読
出し、続いてY=YS+1行,Y2+2行,…Ye行まで読出す。
Y軸方向順次読出し この読出し方式は、Y軸方向に順次読出す。先ず、X
=Xs列((Xs,Ys),(Xs,YS+1),…,(Xs,Ye))を
読出し、続いてX=XS+1列,XS+2列…,Xe列まで読出す。
斜め方向順次読出し この読出し方式は、斜め方向に順次読出す。先ず、
(Xs,Ys)を読出し、以下、第23図の斜線部に沿った順
序で電荷を順次読出す。
以上の3つの読出し方式は、被写体によって適宜選択
する。例えば、横縞の被写体の場合は、Y軸方向順次読
出し方式を使い、縦縞の被写体の場合はX軸方向順次読
出し方式を使う。この読出し方式は、プリ測光時に選択
する。
このようにして、電荷蓄積時間tSと読出し順序が決め
られる。
次に、エリアセンサ100に対する読出しクロック電荷
蓄積時間の関係について、第24図を参照して説明する。
同図には、読出しクロックとその際に読出される画素
(フォトセンサFS)が示されている。1〜N(N=n×
n)は画素の位置に対応しており、1′〜N′は、次回
の読出し位置を示している。ここで、読出しクロックの
時間間隔をtcとすれば、全画素を読出すのに要する時間
tNは、tN=N・tcとなる。
ここで、単位蓄積時間tSがtNより大の場合(第24図
(a))は問題なく読出せるが、tS<tNとなる場合は、
対処できない。
そこで、連続する2クロック(または適当な間隔のク
ロック)で同じ画素を読出す。この様にすれば、tS<tN
(なお、tNは同図(a)の2倍)となる場合であって
も、読出し可能となり、tSの最小時間は、クロック時間
間隔tcとなる(同図(b)(c))。また、さらに短い
時間で読出すためには、水平アドレスデコーダ,垂直ア
ドレスデコーダを複数設けて、交互に読出しを行うよう
にする。さらに、多線読出しを利用して、読出し速度を
早くすると共に、近接画素を加算してSNの向上を図るよ
うにしてもよい。なお、全画素の読出しは逐次読出しの
ため各画素の積分時間が異なる(積分時間はtSで同一)
が、焦点信号が光軸方向に平均化される事になるだけで
あり、特に不具合は生じない。
以上のようにして読出された画像信号は、一次元の信
号としてBPF37に入力され、以下第1実施例と同様にし
て処理され、合焦調節が行われる。
このように本実施例によれば、エリアセンサ100を用
いて形成画像を撮像するので、画像の任意領域に高速か
つ高精度な合焦調節を行うことができる。
なお、上記第4実施例では、画像信号の読出し方式の
選択をプリ測光回路94で行う例を示したが、被写体の種
類を判別する専用回路を設ける構成とすることもでき
る。
また、X軸順次方向読出し方式の場合は、行ごとに、
また、Y軸順次読出し方式の場合は、列ごとに画像信号
を加算する構成にすれば、さらに信号のSNが向上する。
なお、この様な加算を行う構成としては、例えば第21図
に示すBPF37〜A/D変換器39の経路を、第25図に示すよう
にA/D変換器110,加算器111,BPF112,検波器113を直列に
接続したものが考えられる。
また、上記第4実施例では、BPF37は一次元信号(画
像信号)に対するフィルタ回路であったが、バッファ内
臓のマスク処理等による2次元フィルタ回路であっても
よい。
次に、本発明の第5実施例について説明する。
第26図は本実施例の構成を示す図である。なお、第1
〜第4実施例と同一部分には同一符号を付している。本
実施例は、第3実施例で説明したエリアセンサとしてCC
D2次元撮像素子を用いた例である。
同図に示す120はCCD2次元撮像素子であり、駆動回路1
21から転送ゲート駆動パルスφT,垂直クロックパルスφ
V,水平クロックパルスφH,出力ゲート駆動パルスφ01,
φ02が入力される。マイクロプロセッサ122は、第4実
施例で説明したマイクロプロセッサと同様の機能を有し
ており、さらに駆動回路121から出力されるパルスを設
定する機能を有している。
第27図はCCD2次元撮像素子120の構成を示す図であ
る。このCCD2次元撮像素子120は、m×n個の画素数を
有しており、各画素単位となるフォトセンサ131がマト
リクス状に配列されている。Y軸方向に配列された複数
のフォトセンサ131−11〜131−1n,…,131−m1〜131−mn
に沿って転送ゲート132−1〜132−nが設けられてい
る。この転送ゲート132の各々に転送ゲート用駆動パル
スφが入力される。各転送ゲート132−1〜132−nに
沿って垂直シフトレジスタ133−1〜133−mが設けられ
ている。この垂直シフトレジスタ133の各々に垂直クロ
ックパルスφが入力される。各転送ゲート132および
各垂直シフトレジスタ133の一端は、水平シフトレジス
タ134に接続されている。水平シフトレジスタ134には水
平クロックパルスφが入力される。水平シフトレジス
タ134に転送される信号電荷は、水平シフトレジスタ134
に沿って形成された出力ゲート135および水平シフトレ
ジスタ134の一端に設けられた出力ゲート136を介して取
り出される。なお、137,138,139は出力ドレインであ
る。出力ドレン139より取り出される信号電荷は出力ア
ンプ140を介して画像信号SOとして出力される。また、
出力ゲート135,136には、出力ゲート用駆動パルスφ01,
φ02がそれぞれ入力される。
以下、本実施例の作用として、第27図に斜線で示す領
域のフォトセンサ(X=X1〜X2,Y=Y1〜Y2の各領域)に
対して合焦調節する場合を例にして説明する。
電荷蓄積が終了すると、フォトセンサ131−01〜131−
mnの電荷は転送ゲート132−1〜132−mを介して垂直シ
フトレジスタ133−1〜133−mへ転送される。そして、
垂直シフトレジスタ133によって水平シフトレジスタ134
へ高速転送される。水平シフトレジスタ134に転送され
た信号電荷は、出力ゲート135を介して出力ドレイン137
へ排出される。
このような読出しを、Y=n〜Y2+1行の全画素の信号
電荷に対して行う。なお、垂直シフトレジスタ133の高
速転送は、読出される信号電荷を損なわない速度とす
る。そして、Y=Y2行の信号電荷が水平シフトレジスタ
134に転送されてきたならば、この高速転送動作を停止
して、通常の信号読出し動作に入る。ただし、X=X1
X2以外の信号電荷は、出力ゲート136を介して出力ドレ
ン138へ排出する。
このようにして矩形領域画素の信号電荷の読出しが終
了したら、再び高速転送動作に移り、Y=Y1−1〜1行
の画素からの信号電荷を出力ドレイン137へ排出する。
以上の動作によって、第27図に示す矩形領域の画像信
号が高速に読出される。また、以上の読出し動作による
電荷蓄積時間は、電荷を垂直シフトレジスタ133へ転送
するまでの時間であり、この時間が前記単位蓄積時間tS
となる。こ単位蓄積時間tSは、プリ測定光回路94によっ
て測定された輝度データに基づいて、第4実施例と同様
にして設定される。そして、この単位蓄積時間tS毎に矩
形領域の信号電荷が読出されて、BPF37へ入力する。以
後は、第1実施例と同様にして、焦点信号g(x),フ
ィルタリング信号fN(x)が計算され、合焦調節が行わ
れる。
このように本実施例によれば、CCD2次元撮像素子120
を用いた事により、画像の任意領域に、高速かつ高精度
に合焦調節できる。
なお、CCD2次元撮像素子120から読出した画像信号を
列ごとまたは行ごとに加算してやれば、SNが改善され、
さらに高精度の合焦調節ができる。
次に、本発明の第6実施例として捕間演算方法を改良
した自動合焦装置について説明する。
第2実施例で説明したように、焦点信号の最大値と、
その前後の焦点信号値を合わせた3点を用い、前記(I
I)式,(III)式から合焦位置を求めることができる。
この(II)式,(III)式におけるΔxは、3点の間隔
であり、以後捕間間隔と呼ぶ。そして、このΔxは合焦
精度に直接影響を与えるため、最適なΔxを選ぶ必要が
ある。
また、上記3点を用いた捕間演算自身も誤差を含んで
いることから、この誤差を補正する必要がある。
そこで、本実施例では最適な捕間間隔を検出し、捕間
演算の誤差を補正している。
先ず、最適な捕間間隔の検出について説明する。
捕間演算の誤差原因は、演算自信の持つ誤差と、画像
信号のノイズによる誤差とがある。演算自信の持つ誤差
は、捕間間隔Δxと上記3点の検出位置(以後、捕間位
置と呼ぶ)により決まった値となる。例えば、焦点信号
を第28図に示すようなガウス曲線とすれば(なお、至近
をx=0,無限遠をx=90とする)、捕間間隔と捕間位置
とによる誤差は第29図に示すようになる。各図に於て、
縦軸は誤差量を示し、横軸は捕間位置を示している。な
お、各図に示すLは、第30図(a)に示す様に3点のう
ち右側の2点が同じ焦点信号値の場合を示している。ま
た、各図におけるMは、第30図(b)に示す様に、3点
のうちの両側の点の誤差が同じ場合、各図におけるR
は、第30図(c)に示す様に、3点のうちの左側の2点
が同じ焦点信号値の場合をそれぞれ示している。
第29図より、Δx=14のときに、捕間演算自信による
誤差はほぼ0となり、この値が最適値となる。
また、画像信号のノイズによる誤差は、焦点信号のノ
イズとして表れ、焦点信号に複数の極大点が生じる。そ
の為、捕間演算がノイズの影響を受けなくするために
は、Δxをある値よりも大きくする必要がある。
ところで、第1実施例でも説明したように、焦点信号
にフィルタリング処理を施すことにより、焦点信号のノ
イズを抑えることができ、Δxの最低値の条件を緩和さ
せることができる。つまり、フィルタリング処理の際の
重みが大きいほど捕間間隔Δxは小さくでき、逆に重み
が小さいほどΔxを大きくする必要がある。したがっ
て、フィルタリング処理の重みおよび画像信号のノイズ
から決まるΔxの最低値と、捕間演算自信の持つ誤差を
最小にするΔxの最適値を見比べる事により、真のΔx
の最適値が決まる。さらに、捕間演算自信の持つ誤差
は、焦点信号の形状に影響されるので、BPFの帯域,撮
影光学系のMTF,焦点距離,Fナンバー等により決まる。
以上の条件による最適値検出のためのフローを第31図
に示す。同図に示すように、フィルタリング処理の重み
と、BPF通過後の画像信号の輝度データとから焦点信号
のノイズを推定する。また、BPFの帯域と、焦点距離
と、Fナンバーと、撮影光学系のMTFとフィルタリング
重みから焦点信号の形状を求める。そして、上記推定し
た信号ノイズと、焦点信号の形状とからΔxの最適値を
決定する。
次に、捕間演算に生じる誤差の補正について説明す
る。
第29図に示したように、補間間隔とΔxと補間位置に
より計算された合焦位置には、固定の誤差が加算されて
いる。一方、補間演算に用いる3点の値から逆に補間位
置を計算することができるので、加算された誤差量を知
ることができる。したがって、この誤差量を上記補間演
算で求めた合焦位置から減じることにより、正しい合焦
位置を得ることができる。
例えば、Δx=20の場合について説明する。Δx=20
の場合の補間演算による誤差量は、第29図に示す通りで
あり、この部分を第32図(a)に抜き出して示す。ここ
で、第32図(b)に示すように、得られる焦点信号がg
(x1),g(x2),g(x3)であり、これよれ演算された合
焦位置がXであったとする。なお、X1+40=X2+20=X
3、g(x1)<g(x2)、g(x2)>g(x3)である。
g(x1),g(x3)のそれぞれの値をg(x2)で除算し
て、 g1=g(x1)/g(x2),g3=g(x3)/g(x2) …(10) として、g1,g3を求める。
z0=g1−g3 …(11) とすれば、このz0が第32図(a)に示すZ軸に対応する
値となるから、誤差がe(z0)であることがわかる。
そして、真の合焦位置XTは、 XT=X−e(z0) …(12) として求めることができる。
以上のようにして補間演算自信による誤差が補正され
る。
第33図に上記補間演算法を適用した自動合焦装置の構
成を示す。
同図に示す151は撮像素子であり、駆動回路152によっ
て読出しが行われる。また、ROM153にはΔxの値がテー
ブル化されて記憶されていて、撮影光学系31から送られ
てくる焦点距離f,FナンバーF、プリ測光回路94から送
られてくる輝度データE、BPF37の帯域b,フィルタリン
グ回路45のフィルタリングの重みwに基づいて、最適な
Δxが検索され、読出される。ROM154は、補間演算自身
の誤差量e(z0)がテーブル化されて記憶されていて、
ROM153から送られてくる補間間隔Δxとマイクロプロセ
ッサ150から送られてくる補間位置Zから、対応する誤
差量e(z0)を検索し、マイクロプロセッサ150へ出力
する。
このように構成された自動合焦装置は、合焦調節が開
始されると、先ずプリ測光が行われて、撮像素子151の
蓄積時間が設定される。また、プリ測光回路94で測定さ
れた被写体の輝度データがROM153へ出力される。また、
同時に撮影光学系31の焦点距離f,FナンバーF,BPF37の帯
域b,フィルタリング重みwがROM153へ入力される。ROM1
53は、これらのデータから最適な補間間隔Δxをマイク
ロプロセッサ150へ出力する。
そして、焦点信号の検出が開始され、フィルタリング
信号g(x)が、x=Δxの間隔で計算される。この様
にして得られた、フィルタリング信号g(x)の最大値
近傍の3点の値g(x1),g(x2),g(x3)を用いて、
(II)式,(III)式に基づく補間演算がマイクロプロ
セッサ150で実行され、合焦位置Xが計算される。次
に、(10)式,(11)式に基づいて、正しい合焦位置XT
が計算され、この合焦位置XTへ撮影光学系31を移動させ
ることにより、合焦調節がなされる。
この様に本実施例によれば、補間演算に於いて、最適
な補間間隔Δxを用いると共に、補間演算自信が持つ誤
差を補正するので、極めて精度の高い合焦調節を行うこ
とができる。
また、最適な補間間隔Δxおよび補間演算自身の誤差
をテーブル化してそれぞれROM153,ROM154に記憶してお
き、撮像状態に基づいてその記憶データを検出するよう
にしているので、極めて高速に合焦調節できる。
なお、本実施例では、BPF37の帯域は固定であった
が、帯域を切換え可能にして、補間間隔Δxを一定にす
る構成にしても、同様の作用効果を得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、画像信号の周波数成分の出力振幅値
を加算して焦点信号を生成し、さらにこの焦点信号をフ
ィルタリング処理しているので、焦点信号のS/N比を改
善できると共に、焦点信号の極大点を抑制できる。した
がって、高速度でかつ高精度な合焦調節を行なうことが
できる。
また、画像補正手段を備え、撮像素子より読出された
画像信号を蓄積時間に応じた値に補正するようにしたの
で、露光過多による焦点信号のS/N比の劣化を有効に防
止できる。
撮像素子上に形成される画像の輝度に基づいて読出し
時間間隔を設定するようにしたので、撮像素子が飽和す
るのを確実に防止でき、高精度な合焦調節を行うことが
できる。
また、X−Yアドレス方式の撮像素子を用いたことか
ら、画像の任意の領域に対する合焦調節を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例の自動合焦装置の構成図、第2図は
ラインセンサの構成図、第3図は撮像素子における電荷
の蓄積時間と飽和量との関係を示す図、第4図(a)は
rect関数を示す図、第4図(b)はスプライン関数を示
す図、第5図(a)はrect関数のスペクトルを示す図、
第5図(b)はスプライン関数のスペクトルを示す図、
第6図(a)〜(c)はフィルタリング回路の構成を示
す図、第7図は焦点信号とフィルタリング信号を示す
図、第8図(a)(b)は合焦位置検出方法を説明する
ための図、第9図は読出し時間と焦点信号検出時間とに
対応した焦点信号およびフィルタリング信号を示す図、
第10図はバンドパスフィルターの周波数特性に対応した
検出能力を説明するための図、第11図(a)(b)は第
1図に示す自動合焦装置の変形部分の構成を示す図、第
12図は第2実施例に係る自動合焦装置の構成図、第13図
は非破壊読出し可能な撮像素子の構成図、第14図〜第16
図は焦点信号の差演算を説明するための図、第17図は合
焦位置を検出するときの補間演算を説明するための図、
第18図は所定のタイミングで読出しの行われる焦点信号
を示す図、第19図は第3実施例の構成図、第20図はリセ
ット動作を説明するためのタイミング波形図、第21図は
第4実施例の構成図、第22図はエリアセンサの具体的な
構成図、第23図はエリアセンサからの読出し領域を示す
図、第24図は読出しクロックと画素との関係を示す図、
第25図は第21図に示す装置の部分的な変形例を示す図、
第26図は第5実施例の構成図、第27図はCCD2次元撮像素
子の構成図、第28図は焦点信号の波形図、第29図は誤差
量と補間位置との関係を示す図、第30図は各補間位置で
の3点の値を示す図、第31図は補間演算置ける最適位置
検出のためのフロー図、第32図は誤差量の補正原理を説
明するための図、第33図は第6実施例の構成図、第34図
は山登り方式を適用した自動合焦装置の構成図、第35図
は画像信号の出力振幅と合焦位置との関係を示す図、第
36図は位相相関方式を適用した自動合焦装置の構成図、
第37図は焦点信号に現れる極大点を示す図である。 31……撮影光学系、32……ラインセンサ、34,72……駆
動回路、35……カウンタ、37……バイパスフィルタ、38
……検波器、41……除算器、42……積分回路、45……フ
ィルタリング回路、46,73……マイクロプロセッサ、48
……モータ駆動回路、49……パルスモータ、71……非破
壊読出し可能な撮像素子、94……測光回路、100,120…
…エリアセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 7/11

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影光学系により形成される画像を撮像す
    る撮像素子と、この撮像素子と前記撮影光学系との相対
    位置を光軸方向に変化させる駆動手段と、この駆動手段
    により前記相対位置を変化させながら所定時間間隔で撮
    像を行ない前記撮像素子に蓄積された電荷を画像信号と
    して読出す手段と、この読出し手段で読出された画像信
    号から所定帯域の周波数成分を取出すための周波数抽出
    手段と、この周波数抽出手段で取出された周波数成分の
    出力振幅を検出する振幅検出手段と、この手段で検出さ
    れた出力振幅を加算して焦点信号を生成する焦点信号生
    成手段と、この焦点信号生成手段から出力される焦点信
    号に含まれる高周波成分をカットする如きフィルタリン
    グ処理を行なうフィルタリング手段と、このフィルタリ
    ング手段から出力される焦点信号の複数の値を用いて合
    焦状態および合焦位置検出演算を行ない、この演算結果
    に基づく制御信号を前記駆動手段へ出力する制御手段と
    を具備したことを特徴とする自動合焦装置。
  2. 【請求項2】撮影光学系により形成される画像を撮像す
    る非破壊読出し可能な撮像素子と、この撮像素子と前記
    撮影光学系との相対位置を光軸方向に変化させる駆動手
    段と、この駆動手段により前記相対位置を変化させなが
    ら所定時間間隔で撮像を行ない前記撮像素子に蓄積され
    た電荷を画像信号として非破壊的に読出す手段と、この
    読出し手段で読出された画像信号から所定帯域の周波数
    成分を取出すための周波数抽出手段と、この周波数抽出
    手段で取出された周波数成分の出力振幅を検出する振幅
    検出手段と、この手段で検出された出力振幅の値を加算
    して焦点信号を生成する焦点信号生成手段と、この焦点
    信号生成手段から出力される焦点信号の差演算を行なう
    と共に、この差演算により得られた焦点信号の複数の値
    を用いた合焦状態および合焦位置検出演算を行ない、こ
    の演算結果に基づく制御信号を前記駆動手段へ出力する
    制御手段とを具備したことを特徴とする自動合焦装置。
  3. 【請求項3】前記撮像素子に蓄積される電荷が飽和した
    ときに電荷の蓄積を停止し、このとき読出した画像信号
    を飽和に達するまでの時間に基づいて所定の蓄積時間に
    応じた値に補正する画像信号補正手段を具備したことを
    特徴とする請求項1または2に記載の自動合焦装置。
  4. 【請求項4】フィルタリング処理された焦点信号の最大
    値を挟み、かつ、X軸方向に距離l離れた2組の点(V
    a,Vc),(Vb,Vd)を前記焦点信号上に設定し、線分VaV
    cと線分VbVdとを横切り、かつ、X軸に平行な直線mを
    求め、この直線mと線分VaVcとの接点をC1とし、直線m
    と線分VbVdとの接点をC2とし、接点C1,点Va間のX軸方
    向の距離L2と、接点C2,点Vb間のX軸方向の距離L1とが
    等しくなるように直線mのY軸方向の位置を設定し、こ
    のように設定された直線m上の線分C1C2の中点Mを求め
    ることにより合焦位置を検出することを特徴とする合焦
    位置検出方法。
  5. 【請求項5】撮影光学系により形成される画像を撮像す
    る非破壊読出し可能な撮像素子と、この撮像素子と前記
    撮影光学系との相対位置を光軸方向に変化させる駆動手
    段と、前記撮像素子に蓄積された電荷を画像信号として
    読出す手段と、この読出し手段により読出された画像信
    号から前記画像の輝度を判定し、その輝度に応じて前記
    読出し手段における読出し時間間隔を設定する測光手段
    と、この手段で設定された読出し時間間隔で前記撮像素
    子から読出される画像信号から所定帯域の周波数成分を
    抽出する周波数抽出手段と、この周波数抽出手段で抽出
    された周波数成分の出力振幅を検出する振幅検出手段
    と、この手段で検出された振幅の値を加算して焦点信号
    を生成する焦点信号生成手段と、この焦点信号生成手段
    で生成される焦点信号の複数の値を用いて、合焦位置検
    出演算を行い、その算出結果に基づく制御信号を前記駆
    動手段へ出力する制御手段とを具備したことを特徴とす
    る自動合焦装置。
  6. 【請求項6】前記測光手段による判定の結果、画像の輝
    度が高い時は、前記撮像素子は画像信号が読出される毎
    にリセットされ、前記制御手段は前記焦点信号生成手段
    から出力される焦点信号を用いた合焦位置検出演算を行
    い、前記測光手段による判定の結果、画像の輝度が低い
    時は、前記撮像素子は出力する画像信号のピーク値が飽
    和値よりも小さな値に設定されているしきい値を越えた
    時にリセットされ、前記制御手段は前記焦点信号生成手
    段から出力される焦点信号の差演算により得られる焦点
    信号を用いた合焦位置検出演算を行うことを特徴とする
    請求項5記載の自動合焦装置。
  7. 【請求項7】撮影光学系により形成される画像を撮像す
    るX−Yアドレス方式の撮像素子と、この撮像素子と前
    記撮影光学系との相対位置を光軸方向に変化させる駆動
    手段と、この駆動手段により前記相対位置を変化させな
    がら所定時間間隔で撮像を行ない前記撮像素子に蓄積さ
    れた任意位置の電荷を画像信号として読出す手段と、前
    記任意位置の輝度を判定し画像信号の読出し時間間隔を
    設定する測光手段と、前記読出し手段で読出された画像
    信号から所定帯域の周波数成分を取出すための周波数抽
    出手段と、この周波数抽出手段で取出された周波数成分
    の出力振幅を検出する振幅検出手段と、この手段で検出
    された出力振幅を加算して焦点信号を生成する焦点信号
    生成手段と、この焦点信号生成手段から出力される焦点
    信号に含まれる高周波成分をカットする如きフィルタリ
    ング処理を行なうフィルタリング手段と、このフィルタ
    リング手段から出力される焦点信号の複数の値を用いて
    合焦状態および合焦位置検出演算を行ない、この演算結
    果に基づく制御信号を前記駆動手段へ出力する制御手段
    とを具備したことを特徴とする自動合焦装置。
  8. 【請求項8】前記X−Yアドレス方式の撮像素子は、CC
    D二次元撮像素子であることを特徴とする請求項8記載
    の自動合焦装置。
  9. 【請求項9】前記合焦位置検出演算は三点捕間演算であ
    って、少なくとも焦点距離およびFナンバーを含むパラ
    メータと、前記画像信号と、前記周波数抽出手段の帯域
    と、フィルタリングの重みとから前記三点捕間演算にお
    ける捕間の間隔を選ぶことを特徴とする請求項1,2,5,7
    のいずれか一つに記載の自動合焦装置。
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