JP6590639B2 - 距離検出装置、撮像装置、および距離検出方法 - Google Patents

距離検出装置、撮像装置、および距離検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、距離検出装置、撮像装置、および距離検出方法に関する。
デジタルカメラに適用可能な距離検出技術として、撮像素子の一部または全ての画素に測距機能を持たせ、位相差方式で被写体までの距離を検出する距離検出技術が知られている。測距機能を有する画素(以下、「測距画素」ともいう)は、結像光学系の瞳上の異なる領域をそれぞれ通過した光束を受光する複数の光電変換部を備える。各光電変換部で生成される像信号のズレ量を推定し、変換係数を用いてズレ量をデフォーカス量に変換することによって測距が行われる。
測距精度低下の要因として、各光電変換部で生成される像信号の形状変化が挙げられる。光学系の枠などによる光束のケラレや画素の感度特性の相違により、各光電変換部で生成される像信号が互いに異なる形状となると、像信号のズレ量の推定精度が低下し、測距精度が低下してしまう。
特許文献1には、像信号にフィルタを施すことで形状差を修正し、ズレ量の検出精度を向上させる方法が記載されている。像信号の形状差はデフォーカス量に応じて変化する。そこで特許文献1は、修正前の像信号を用いて暫定的にズレ量(以下、「暫定ズレ量」と呼ぶ)を算出することで、概略のデフォーカス量を検出し、この結果に基づいて生成されるフィルタを用いて像形状を修正する。
特許第5606208号公報
暫定ズレ量には一般に誤差が含まれるため、暫定ズレ量に基づくフィルタを用いて像形状を修正しても像形状を完全に回復することはできない。デフォーカス量(被写体距離)が大きい場合には、暫定ズレ量にある程度の誤差が含まれても、像形状の修正効果が低下するだけで済む。しかしながら、デフォーカス量が小さい場合には、暫定ズレ量の誤差の影響が大きくなり、修正信号の形状差が元の像信号の形状差よりも増大し、測距精度が低下してしまうこともありうる。
本発明は、上記課題に鑑み、高精度な測距を行うことができる距離検出装置及び距離検出方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、結像光学系の射出瞳の第1の瞳領域を通過した光束に対応する第1の信号と、前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過した光束に対応する第2の信号と、に基づき、被写体の距離情報を検出する距離検出装置であって、
前記第1の信号と前記第2の信号の間の位置のズレ量である暫定ズレ量を算出するズレ量算出手段と、
前記暫定ズレ量に基づいて生成されるフィルタを用いて、前記第1の信号および前記第2の信号の一方または両方にフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理が施された前記第1の信号と前記フィルタ処理が施された前記第2の
信号の間の位置のズレ量、または前記フィルタ処理が施された一方の信号と前記フィルタ処理が施されていない他方の信号の間の位置のズレ量、に基づいて被写体の距離情報を導出する距離導出手段と、を備え、
前記フィルタは、前記第1の瞳領域または前記第2の瞳領域に対応する位相伝達関数と前記暫定ズレ量とに基づく関数に、0より大きく1より小さい実数である係数を乗算した関数を位相項に有する、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、結像光学系の射出瞳の第1の瞳領域を通過した光束に対応する第1の信号と、前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過した光束に対応する第2の信号と、に基づき、距離検出装置が被写体の距離情報を検出する距離検出方法であって、
前記第1の信号と前記第2の信号の間の位置のズレ量である暫定ズレ量を算出する暫定ズレ量算出ステップと、
前記暫定ズレ量に基づいて生成されるフィルタを用いて、前記第1の信号および前記第2の信号の一方または両方にフィルタ処理を施すフィルタ処理ステップと、
前記フィルタ処理が施された前記第1の信号と前記フィルタ処理が施された前記第2の信号の間の位置のズレ量、または前記フィルタ処理が施された一方の信号と前記フィルタ処理が施されていない他方の信号の間の位置のズレ量、に基づいて被写体の距離情報を導出する距離導出ステップと、
を含み、
前記フィルタは、前記第1の瞳領域または前記第2の瞳領域に対応する位相伝達関数と前記暫定ズレ量とに基づく関数に、0より大きく1より小さい実数である係数を乗算した関数を位相項に有する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、高精度な測距が可能となる距離検出装置、距離検出方法を提供することができる。
実施形態に係る距離検出装置を有する撮像装置の一例を示す模式図 測距画素の感度特性と瞳領域を説明する図 点像分布関数を示す模式図 実施形態に係る距離検出方法のフローの一例を示す図 実施形態に係る信号修正処理を行い、変形された点像分布関数を示す図 実施形態に係る距離検出方法の効果を説明する図 実施形態に係る係数αの一例を示す図 実施形態に係る距離検出方法のフローの一例を示す図
以下の説明では、本発明に係る距離検出装置を備えた撮像装置の一例として、デジタルスチルカメラを用いて説明するが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係る距離検出装置は、デジタルビデオカメラやデジタル距離計測器などにも適用することができる。
なお、図を参照した説明においては、図番は異なっても原則として同一部位を示す部位には、同一の符号を付すこととし、なるべく重複した説明は避ける。
<距離検出装置>
図1(a)は、本実施形態に係る距離検出装置40を有する撮像装置の模式図である。
この撮像装置は、距離検出装置40の他に、撮像素子10と結像光学系20と記録装置30とを有する。さらに、撮像装置は、結像光学系20の合焦のための駆動機構、シャッター、観賞用画像生成手段、画像確認用の液晶等のディスプレイ等を有している。
図1(b)は、撮像素子10の一例を示す模式図である。撮像素子10は、光電変換部11、12を含む測距画素13を複数有している(以下、「測距画素」のことを単に「画素」とも称する)。具体的には、CMOSセンサ(相補型金属酸化物半導体を用いたセンサ)や、CCDセンサ(電荷結合素子を用いたセンサ)等の固体撮像素子を撮像素子10として用いることができる。
図1(c)は、画素13の一例を示す断面模式図である。画素13の光電変換部11、12は基板14内に形成されている。画素13はマイクロレンズ15を有している。マイクロレンズ15は、射出瞳21と光電変換部11、12とが光学的に共役関係になるように配置されている。
図1(a)に示すように、結像光学系20は、外界の被写体の像を撮像素子10の面上に結像する。撮像素子10は、結像光学系20の射出瞳21を透過した光束を、マイクロレンズ15を介して画素13の光電変換部11または光電変換部12で取得し、電気信号に変換する。具体的には、射出瞳21の第1の瞳領域23(図2(b))を通過した光束は各画素13の光電変換部11で電気信号に変換される。また、射出瞳21の第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域24(図2(c))を通過した光束は各画素13の光電変換部12で電気信号に変換される。画素13は、電気信号を距離検出装置40に出力するために、フローティングディフュージョン(FD)部、ゲート電極、配線等を備えている。
撮像素子10の全画素が測距画素13であってよい。あるいは、撮像素子10は、単一の光電変換部を有する画素と測距画素13とを有してもよい。画素13の複数の光電変換部11、12で取得した信号を合算することで、単一の光電変換部を有する場合と同等の画像信号を生成することができる。あるいは、撮像素子10は、第1の瞳領域23を通過した光束を受光する光電変換部11のみを含む画素と、第2の瞳領域24を通過した光束を受光する光電変換部12のみを含む画素とを有してもよい。なお、画素13は、撮像素子10の中で離散的に配置されていてもよく、X方向とY方向で異なる間隔で配置されていてもよい。
距離検出装置40は、結像光学系20の射出瞳21の第1の瞳領域23を通過した光束に対応する第1の信号Sと、第2の瞳領域24を通過した光束に対応する第2の信号Sと、に基づき、被写体の距離情報を算出する機能を有している。具体的には、距離検出装置40は、フィルタ生成部41、信号処理部(フィルタ処理手段)42、ズレ量算出部(ズレ量算出手段)43、距離導出部(距離導出手段)44、の各機能部を備える。距離検出装置40は、例えば、CPU、メモリを含む信号処理基板で構成され、CPUがプログラムを実行することによりこれらの機能部が実現される。信号処理基板は、半導体素子を集積化した集積回路を用いて構成することができ、IC、LSI、システムLSI、マイクロ処理ユニット(MPU)、中央演算装置(CPU)等で構成することができる。
なお、第1の信号Sは、各画素13の光電変換部11で生成された各電気信号の集合である。第1の信号Sにおいて、各画素13の撮像素子上の位置と各画素13の光電変換部11で生成された各電気信号とが対応付けられている。
また、第2の信号Sは、各画素13の光電変換部12で生成された各電気信号の集合である。第2の信号Sにおいて、各画素13の撮像素子上の位置と各画素の光電変換部12で生成された各電気信号とが対応付けられている。
ズレ量算出部43は、2つの像信号の位置のズレ量を算出する機能を有している。ズレ量算出部43は、例えば、信号SとSとの位置のズレ量(暫定ズレ量)を算出したり、後述するフィルタ処理後の信号CSとCSとの位置のズレ量を算出したりする。
フィルタ生成部41は、ズレ量算出部43で算出された暫定ズレ量と信号Sに対応する位相伝達関数と信号Sに対応する位相伝達関数とに基づき、フィルタ(デジタルフィルタ)を生成する機能を有している。
信号処理部42は、フィルタ生成部41で生成したフィルタを用いて信号SとSのうちいずれか一つまたは両方の信号をフィルタ処理する機能を有している。
距離導出部44は、ズレ量算出部43で算出したズレ量から被写体の距離情報を算出する機能を有している。
記録装置30は、読み書き可能なメモリから構成され、距離検出装置40が読み出した信号あるいは演算結果を一時的あるいは永続的に記録する機能を有している。
<距離検出方法>
本実施形態においては、画素13の大きさに対して、結像光学系20と撮像素子10の間の距離が十分に長い。このため、結像光学系20の射出瞳21上の異なる位置を通過した光束は、異なる入射角の光束として撮像素子10の面上に入射する。光電変換部11、12には、射出瞳21の形状や像高(光束が到達する撮像素子上の位置)に応じて、所定の角度範囲22(図1(a))からの光束が入射する。
入射光束に対する光電変換部11、12の感度特性を、角度に応じて射出瞳上に射影したときの射出瞳上の感度分布を瞳透過率分布という。このときの瞳透過率分布の重心位置を瞳重心という。瞳重心は、以下の式(1)で算出することができる。式(1)において、rは射出瞳21上の座標であり、tは光電変換部11、12の瞳透過率分布を表し、積分範囲は射出瞳21上の領域である。
Figure 0006590639
また、光電変換部で受光される光束が通過する射出瞳21上の領域のうち、瞳重心を含み、対応する光電変換部の感度が所定の閾値よりも高い領域を瞳領域という。また、2つの瞳領域の瞳重心を結ぶ方向を瞳分割方向といい、瞳重心間の長さを基線長という。本実施形態においては、瞳分割方向はx方向であり、この方向を第1の方向とし、x方向に垂直なy方向を第2の方向とする。
また、本実施形態では、結像光学系20の結像面と撮像素子10の受光面との光軸方向(z方向)におけるズレ量の絶対値をデフォーカス量と呼ぶ。
図2(a)は、xz平面内において入射した光束に対する、光電変換部11の感度特性16と光電変換部12の感度特性17を示す。横軸は、xz平面内における入射光束とz軸が成す角度を示し、縦軸は感度を表している。
図2(b)は、結像光学系20の射出瞳21、および光電変換部11に対応する瞳透過
率分布25と瞳重心27と瞳領域23(第1の瞳領域)を示した図である。瞳領域23は、射出瞳21の中心から+x方向(第1の方向)に偏心した瞳領域である。各画素13の光電変換部11は、主として瞳領域23を通過した光束を受光するように構成されている。この構成により、瞳領域23を通過した光束に対応する第1の信号Sが得られる。
図2(c)は、結像光学系20の射出瞳21、および光電変換部12に対応する瞳透過率分布26と瞳重心28と瞳領域24(第2の瞳領域)を示した図である。瞳領域24は、射出瞳21の中心から−x方向(第2の方向)に偏心した瞳領域である。各画素13の光電変換部12は、主として瞳領域24を通過した光束を受光するように構成されている。この構成により、瞳領域24を通過した光束に対応する第2の信号Sが得られる。
信号S、Sは、以下の式(2)のように記述できる。
Figure 0006590639

fは被写体の光量分布、*は畳み込み積分を表している。添え字jは、1または2を表す。PSFjおよびOTFはそれぞれ第jの瞳領域に対応する点像分布関数および光学
伝達関数である。点像分布関数および光学伝達関数は、被写体からの光束が信号Sjとし
て取得される際の結像光学系20や撮像素子10による劣化度合いを、それぞれ実空間領域および空間周波数領域で表した伝達関数である。FFTはフーリエ変換を表し、FFT[f]は被写体の光量分布fをフーリエ変換したものである。FFT−1は逆フーリエ変換を表している。
OTFは、空間周波数領域において、振幅伝達関数MTFを振幅項に、位相伝達関数PTFを位相項に有する関数として表される(OTFj=MTFj×exp(iPTFj))。MTF、PTFは、それぞれ伝達に伴う各空間周波数成分の振幅、位置の変化量を決定する関数である。
PGは、PSFの重心位置のデフォーカスに伴う移動量を、各空間周波数に対する位相量に換算した成分であり、信号の形状に影響しない成分である。
ptfは、PTFからPGを除いた成分であり、PTFに含まれる信号の形状に影響する成分である。光学系の枠などによる光束のケラレや画素13の感度特性が異なることにより、PSFとPSF、あるいはMTFとMTF、あるいはPTF(ptf)とPTF(ptf)は、それぞれ互いに異なる形状を有する関数となる。
図3(a)(b)は、それぞれPSF、PSFを示す。縦軸及び横軸はそれぞれx座標、y座標を表す。また、値が大きいほど部分ほど白く描かれている。図3(c)は各PSFのx方向の断面図を示したものである。図3(a)(b)のようにPSFとPSFが異なるため、信号SとSは形状が異なる信号となり、ズレ量の算出誤差が生じる。また、同一距離にある被写体でも、被写体に含まれる空間周波数成分の分布によって両信号の形状差が変化し、ズレ量の算出誤差量が変化する。これらにより、測距誤差あるいは測距値のばらつきが増大する。
図4は、距離検出装置40が行う、被写体までの距離を検出する距離検出方法のフロー
チャートである。この距離検出方法は、ズレ量算出工程と信号処理工程と距離算出工程を有する。
[暫定ズレ量算出工程]
暫定ズレ量算出工程(暫定ズレ量算出ステップ;ステップS10)では、ズレ量算出部43が、信号SとSからズレ量(暫定ズレ量)を算出する。信号SとSのx方向(第1の方向)における信号のズレ量は公知の方法により求められる。例えば、一対の信号(S、S)のうち、片方の信号をx方向にずらしながら相関演算を行い、最も相関が高いときのズレ量を暫定ズレ量として算出できる。
[フィルタ生成工程]
次に、フィルタの生成工程(ステップS11)では、フィルタ生成部41が、像信号を修正するフィルタ(デジタルフィルタ)を生成する。本実施形態では、フィルタ生成部41は、信号Sに適用されるフィルタICFと信号Sに適用されるICFを生成する。フィルタ生成部41は、ステップS10で算出された暫定ズレ量の大きさと光学伝達関数OTFとに基づき、フィルタICFを生成する。これらのフィルタは、x方向にAx、y方向にAy(Ax及びAyは1以上の整数)のセル数を有するフィルタである。
フィルタICFは、周波数空間において、OTFの逆数と係数αとを追加した関数で表される。フィルタICFは、周波数空間において、OTFの逆数と係数αとを追加した関数で表される。なお、本実施形態ではOTFの振幅伝達関数MTFを用いず、位相伝達関数PTFのみを用いた例を示す。OTF及びMTF及びPTFは、デフォーカス量に応じて変化する関数である。
フィルタICFは、以下の式(3)及び(4)で表される。添え字jは、1または2を表す。
Figure 0006590639

FPは、ICFの周波数空間における位相項である。位相項FPは、位相伝達関数PTFの形状に影響する成分であるptfとαとを有する。係数αは0よりも大きく1よりも小さい実数である(0<α<1)。すなわち、フィルタICFは、第jの瞳領域に対応する位相伝達関数PTFの形状に影響する成分ptfに、実数係数α(0<α<1)を乗算した関数を、位相項FPとして有するフィルタである。なお、式(3)及び(4)は他の式の形に変形してもよい。いずれの変形式も、本発明にかかるフィルタの実施形態に含まれるものである。
フィルタICFjの具体的な生成方法は特に限定されない。例えば、フィルタ生成部41は、各条件に応じたフィルタデータ(セル値)を予め保持しておき、ステップS10で算出された暫定ズレ量に基づき、それに対応したフィルタデータを呼び出すことで(決定することで)フィルタを生成する。
フィルタ生成部41は、代表的な暫定ズレ量に対応するフィルタデータのみを保持しておき、代表値以外の暫定ズレ量に対しては、予め保持してあるフィルタデータ間を補間することでフィルタを生成してもよい。暫定ズレ量(デフォーカス量)の増減に応じてptf及びαの最適値も増減する(詳細は後述の原理説明で述べる)。そのため、このような方法でも各暫定ズレ量に応じたフィルタを生成することができる。
また、フィルタ生成部41は、ある暫定ズレ量の代表値に対応しα=0のフィルタ(FP=0)と、その次の代表値に対応しα=1のフィルタ(FP=−ptf)のデータを保持しておき、これらのデータを補間することでフィルタを生成してもよい。このような生成方法でも、同様の理由で、位相項にptfと、0より大きく1よりも小さい係数αとを有するフィルタを生成することができる。これらの方法により、保持するフィルタデータ量を削減でき、フィルタ保持用の記録容量を低減できる。
また、フィルタ生成部41は、フィルタデータを関数で近似し、関数の各係数を保持してもよい。例えば、フィルタのセル値をフィルタ内の位置を変数とする多項式で近似し、フィルタ生成部41が関数(多項式)の各係数を保持する。例えば、式(5)のように、周波数fを有する三角関数の多項式(三角多項式)で近似し、所定の周波数に対する振幅Mと位相Pを係数として保持してもよい。mは任意の整数である。このとき振幅Mと位相Pは、それぞれICPの振幅(本実施形態では省略)と位相FPに対応する。
Figure 0006590639

フィルタ生成部41は、測距条件に応じて係数を読み出して(決定して)、フィルタを生成する。このような方法により、保持するフィルタデータ量を削減でき、フィルタ保持用の記録容量を更に低減できる。
[像信号修正工程]
次に、像信号修正工程(フィルタ処理ステップ;ステップS12)では、信号処理部42が、信号SとSにステップS11で生成したフィルタICFとICFをそれぞれ畳み込み積分することで修正信号CSとCSを生成する。
修正信号CSは、式(2)と式(3)を用いて、式(6)及び式(7)で表わされる。
Figure 0006590639
以下、説明を簡便にするため、MTF=MTFとし、α=α=αとする。MTFが異なる場合については後述する。また、αとαの値が異なる場合であっても本質的な原理は同じであり、同様の効果を得ることができる。
cptfはCSの形状を決定する関数であり、CPSFはPSFを変形した点像分布関数である。cptfがCPSFの形状を決定し、したがって、修正信号CSの形状を決定する。CSとCSの形状の差を決定する位相差は、式(8)で表される。
Figure 0006590639
式(8)において、Δptfはptfとptfの差、Δcptfはcptfとcptfの差であり、それぞれSとSの形状の差、CSとCSの形状の差を位相差で表したものである。αの値を0よりも大きく1よりも小さい実数とすることで、ΔcptfはΔptfよりも小さくなり、CSとCSの形状の差をSとSの形状の差よりも小さくすることができる。
図5(a)(b)は、それぞれCPSF、CPSFを示す。縦軸及び横軸はそれぞれx座標、y座標を表す。また、値が大きい部分ほど白く描かれている。図5(c)はCPSF及びCPSFのx方向の断面図を示したものであり、実線はCPSF、破線CPSFを表している。図5(a)〜5(c)から分かるように、CPSFとCPSFは、元のPSFとPSF(図3(a)〜3(c))よりも、互いに近い形状となる。修正信号CSとCSは、互いに形状が近い信号となり、ズレ量を高精度に算出することができる。このため、後述する距離算出工程によって被写体の距離情報を高精度に算出することができる。
[ズレ量算出工程]
次にズレ量算出工程(ステップS13)では、ズレ量算出部43が、修正信号CSとCSと間のx方向(第1の方向)のズレ量を算出する。ステップS13では、ステップS10の暫定ズレ量の算出工程と同じ方法を用いることができる。
[距離導出工程]
距離導出工程(距離導出ステップ;ステップS14)では、距離導出部44が、ステップS13で算出したズレ量に基づいて、被写体までの距離情報を導出する。ステップS14では、距離導出部44は、求めたズレ量からデフォーカス量を求め、デフォーカス量と結像光学系20の結像関係とから被写体の距離情報を導出することができる。例えば、デフォーカス量ΔLは、例えば以下の式(9)により算出することができる。
Figure 0006590639

dはズレ量であり、Kaは変換係数である。また、予め得ておいた、ズレ量dとデフォーカス量ΔLとの対応関係を表した表(対応関係表)により、デフォーカス量ΔLを導出することもできる。
デフォーカス量は、結像光学系の結像関係を用いて実空間における、撮像素子10から被写体までの距離に容易に変更可能であるため、デフォーカス量は被写体までの距離情報であると捉えることができる。距離導出部44は、撮像素子10から被写体までの距離情報として、デフォーカス量を出力してもよいし、実空間における距離を出力してもよい。距離導出部44が出力する距離情報は、フォーカス位置(合焦した、実空間における位置)から被写体までの距離(相対距離)であってもよいし、撮影時における、撮像装置(撮像素子10)から被写体までの距離(絶対距離)であってもよい。また、絶対距離あるいは相対距離は、像面側での距離、物体側での距離のどちらであってもよい。また、距離は、実空間における距離で表されてもよいし、デフォーカス量や像ズレ量など実空間における距離に換算できる量で表されてもよい。
このような距離検出方法により、被写体の距離情報を高速かつ高精度に算出することが
できる。
<原理>
以下、本実施形態におけるフィルタの係数(α)の決定方法についてより詳細に説明する。
前述の暫定ズレ量は、像形状の修正前の信号を用いるため、検出誤差を含んでいる。この誤差が有る場合、式(3)及び(4)はそれぞれ式(10)及び(11)のように記述できる。
Figure 0006590639

δptfは暫定ズレ量の誤差に伴う位相誤差であり、δptfとδptfとは異なる空間周波数特性を有する関数である。修正信号の形状差を決定する位相差Δcptf´は、式(12)のように記述できる。
Figure 0006590639

Δδptfは、δptfとδptfとの差を表している。説明を簡便にするために、α=α=αとする。仮に、係数αの値を1とし、暫定ズレ量の誤差が無い場合(δptf=0)、式(12)よりΔcptf´は0となり、両像は同じ形状となる。しかしながら、暫定ズレ量の誤差があると、Δcptf´はΔδptfとなり、修正信号は互いに異なる形状となる。ΔδptfがΔptfよりも大きいとき、修正信号の形状差は、元の信号の形状差よりも増大する。
本実施形態では、係数αの値を0よりも大きく1よりも小さい実数とする。式(12)より、αの値が小さくなると、暫定ズレ量の誤差に伴う項(右辺第2項)は軽減し、元の信号の形状差に伴う項(右辺第1項)は増加する。Δcptf´がΔptfよりも小さくなるように、αの値を最適な値とすることで、暫定ズレ量の誤差の影響を軽減しつつ、修正信号の形状差を低減することができる。そして像ズレ量の算出精度及び距離検出精度を向上することができる。
図6は、各デフォーカス量におけるデフォーカス量の検出誤差との関係を示す図である。横軸はデフォーカス量であり、縦軸は様々な被写体について検出した距離の標準偏差を表している。横軸は右にいくほど、縦軸は上にいくほど、大きな値となる。破線L1は信号SとSから求めた場合、破線L2は従来の像形状修正方法を用いた場合(α=1に相当)、実線L3は、本実施形態の像形状修正方法を用いた場合の結果を表す線である。図6のように、本実施形態の方法により、検出誤差が低減することが分かる。像信号修正処理で、αの値を0よりも大きく1よりも小さい適切な値に設定することで、ズレ量の算出誤差を低減することができ、高精度な距離検出が可能となる。
式(12)において、Δcptf´=0とすると、αは式(13)のように記述できる。すなわち適切なαの値は、Δptf(第1の信号S1と第2の信号S2の形状差)とΔδptfの大きさ(暫定ズレ量の誤差量)に基づいて決定することができる。このように係数αを設定すれば、像形状修正処理によって、修正前よりも形状差を増大させてしまうことを防止できる。
Figure 0006590639
ΔptfとΔδptfは、被写体に含まれる空間周波数成分の分布や距離、結像光学系20や撮像素子10の状態などの条件によって変化する。Δptfは、結像光学系20や撮像素子10の設計値を元に数値計算を行うことで決定できる。Δδptfは、既知の距離にある被写体のズレ量や距離を実測あるいは数値計算によって算出し、誤差量を求めることであらかじめ決定できる。これらの方法により、様々な条件におけるΔptfとΔδptfの大きさをあらかじめ求めておき、撮影条件に応じたαの値を決定することができる。なお、αとαの値が異なる場合であっても本質的な原理は同じであり、同様の効果を得ることができる。
αの値は、暫定ズレ量が小さいときほど、小さい値であることが望ましい。暫定ズレ量(デフォーカス量)が小さくなると、光学系の枠などによる光束のケラレの影響が小さくなるので、Δptfは小さくなる。一方、Δδptfは、信号に含まれるノイズの影響や測距演算の性能によって決定されるため、暫定ズレ量(デフォーカス量)が小さい場合でも、一定値以上の値を有する。暫定ズレ量が小さくなるほど、ΔptfよりもΔδptfの影響が大きくなる。そのため、暫定ズレ量が小さいときほどαの値を小さくし、Δδptfの影響を軽減することで、より高精度な距離検出が可能となる。
図7は、式(13)より算出した係数αとデフォーカス量との関係の一例を示した図である。横軸はデフォーカス量、縦軸はαを表している。横軸は右にいくほど、大きな値となる。実線L4は、式(13)より算出した係数αである。実線L4のように、暫定ズレ量(デフォーカス量)が小さくなるにつれてαの値が小さくなるようにαを設定することで前述の効果を得ることができる。あるいは、式(14)のように、実線L4を多項式で近似して算出したαを用いても良い。n及びmは整数である。1次関数で近似した場合のαの例を破線L5で示す。あるいは破線L6のように、実線L4の一部分について多項式で近似して算出したαを用いてもよい。いずれの場合も前述の効果を得ることができる。
Figure 0006590639
<その他のフィルタ>
フィルタICFは、式(15)及び(16)のように振幅項FMを有するフィルタであってもよい。式(15)及び(16)で表されるフィルタもOTFの逆数に基づくフィルタである。
Figure 0006590639

βはフィルタの振幅を補正する係数(振幅補正係数)である。
暫定ズレ量の誤差がある場合の修正信号CSは、式(6)、(15)及び(16)を用いて、式(17)及び(18)のように表すことができる。
Figure 0006590639

cmtf´はCSの振幅項である、cmtf´とcmtf´の差、並びにcptf´とcptf´の差がCSとCSの形状の差を決定する。前述のようにcptf´の差はフィルタの位相FPにより補正される。cmtf´の差はフィルタの振幅FMにより補正される。cmtf´とcmtf´の差がMTFとMTFの差よりも小さくなるようにβの値を決定することで、暫定ズレ量の誤差がある場合でも信号SとSの振幅の差を補正することができる。式(18)でcmtf´=cmtf´とすると、βとβの比は式(19)のように表すことができる。
Figure 0006590639
式(19)を満たすようにβを決定することで、信号の振幅成分の差を補正することができる。位相ptf及びδptfと同様に、MTF及びδMTFは、数値計算や実測によって求めることができる。このようなフィルタを用いると、SとSの振幅伝達関数及び位相伝達関数の差を補正することができ、SとSの形状差を更に補正することができる。前述のズレ量算出誤差をより低減する効果を得ることができる。
あるいは、フィルタICFは、以下の式(20)〜(24)で表されるフィルタを用いてもよい。式(20)〜(24)で表されるフィルタはOTFに基づくフィルタである。
Figure 0006590639
上記のフィルタを用いた場合の修正信号CSは、式(6)、(20)及び(24)を用いて、式(25)〜(28)で表わされる。
Figure 0006590639
α=α=αとすると、CSの形状差を決定する関数Δcptf及び暫定ズレ量の誤差がある場合の関数Δcptf´は、式(8)及び式(12)と同じ式となる。また、CSとCSの振幅成分が等しくなる条件を求めると、式(19)と同じ式となる。前
述と同様に、適切な値を有するα及びβを用いることで、暫定ズレ量の算出誤差がある場合でも、像形状の差を補正することができる。
あるいは、信号Sあるいは信号Sのいずれか一方のみに像信号修正処理を行ってもよい。例えば、信号Sに施すフィルタICFは、光学伝達関数OTFの逆関数と光学伝達関数OTFに基づいて生成される。フィルタICFは、以下の式(29)〜(31)で表される。
Figure 0006590639

上記のフィルタを用いた場合の修正信号CSは、式(6)、(29)〜(31)を用いて、式(32)〜(33)で表わされる。
Figure 0006590639
α=αとすると、CSとCS(=S)の形状差を決定する関数Δcptf及び暫定ズレ量の誤差がある場合の関数Δcptf´は、式(8)及び式(12)と同じ式となる。また、CSとCS(=S)の振幅成分が等しくなる条件を求めると、式(19)と同じ式となる(ただし、β=1とする)。前述と同様に、適切な値を有するα及びβを用いることで、暫定ズレ量の算出誤差がある場合でも、像形状の差を補正することができる。
像信号の修正処理を一方の信号(第1の信号S)に対してのみ行うだけで、形状の補正を行うことができる。信号の修正処理の計算負荷を減らすことができ、高速な前処理が可能となる。信号の修正処理を一方の信号(例えば第1の信号S)に対してのみ行う場合は、修正信号(例えば信号CS)と像信号修正処理を施していない他方の像信号(例えば第2の信号S)の間のズレ量がステップS13において求められる。
以上のようなフィルタを用いることで、前述と同様に、暫定ズレ量の算出誤差がある場合でも、像形状の差を軽減することができ、ズレ量の算出誤差を低減することができる。
本実施形態において、実空間でフィルタを信号に畳み込み積分することで修正信号を生成する処理方法について示したが、周波数空間で像信号修正処理を行ってもよい。この場合、信号処理部42は、以下に示す処理を行うように構成される。まず、周波数空間におけるフィルタデータ(式(3)における逆フーリエ変換FFT−1の括弧内のデータ)を予め保持しておく。次に、取得した信号Sをフーリエ変換し、周波数空間における信号FSを生成する。信号FSにフィルタを乗算し、逆フーリエ変換することで修正信号CSを生成することができる。フィルタを施す際に、畳み込み積分するよりも計算負荷を軽減することができ、高速かつ高精度な測距が可能となる。
また、フィルタICFを構成する各伝達関数は、上述した関数でなくても、他の関数で近似した関数を用いてもよい。各伝達関数を多項式等で近似した関数を用いてもよい。これらの方法でフィルタICFを生成しても、前述の効果を得ることができる。
<距離検出方法の変形例>
上記の説明では、係数αの値を式(13)にしたがって決定すると説明したが、係数αの値は0より大きく1より小さい値であればよい。上述したように係数αの値は、暫定ズレ量が小さいほど小さいことが望ましいが、暫定ズレ量によらず一定の値としても構わない。係数αを0より大きく1より小さい値とすることで、暫定ズレ量がある閾値よりも小さい場合に、従来技術の方法(α=1)よりも高精度な像形状修正および距離検出が可能となる。
前記距離検出装置40は、暫定ズレ量の大きさを判定するズレ量判定部を備えてもよい。図8のように、ステップS15にて、ズレ量判定部が、暫定ズレ量の大きさを判定する。暫定ズレ量が所定の閾値よりも小さいとき、前記フィルタの生成工程及び前記信号の修正工程を行い、暫定ズレ量が閾値以上のとき、ステップS11とは異なるフィルタを生成する第2のフィルタ生成工程(ステップS16)を行う。第2のフィルタ生成工程では、像信号の形状を修正する公知のフィルタを生成する。たとえば、上記の説明においてα=1としたフィルタを生成する。暫定ズレ量の誤差の影響はデフォーカス量が小さいほど、大きくなる。そのため、暫定ズレ量が小さいときは、本発明に係るフィルタ(0<α<1)を使用し、暫定ズレ量が大きいときは、従来のフィルタ(α=1)を使用することで、各々のデフォーカス量において、フィルタ処理による像信号の補正効果を十分に得ることができる。すなわち、本変形例による処理によっても、ズレ量の算出誤差及び距離算出誤差を低減することができる。
また、式(34)のように、ズレ量dと被写体距離Lを結びつける変換係数Kbを用いて、被写体の距離Lを直接算出してもよい。
Figure 0006590639
あるいは式(35)よりデフォーカス量ΔLを算出し、デフォーカス量ΔLから被写体距離を算出してもよい。ここで、Kcは変換係数、Hは射出瞳21と撮像素子10までの距離を表している。このような式を用いることにより、より高精度にデフォーカス量及び距離を算出することができる。
Figure 0006590639
<測距結果>
本発明の距離検出装置の測距結果は、例えば、結像光学系の焦点検出に用いることができる。本発明の距離検出装置によって、高速かつ高精度に被写体の距離情報を測定することができ、被写体と結像光学系の焦点位置とのズレ量を知ることができる。結像光学系の焦点位置を制御することで、被写体に対して高速かつ高精度に焦点位置を合わせることができる。本実施形態の距離検出装置を備えてデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置を構成でき、距離検出装置の距離検出結果に基づき、光学系の焦点検出を行うことができる。また、本発明の距離検出装置で、撮像素子10上の複数の位置で距離を算出することで、距離マップを生成することができる。
<その他の実施例>
上述した実施形態では被写体までの距離を算出する例について示したが、ズレ量に対応する視差量を検出する視差量検出装置にも本発明を適用することができる。例えば、視差量検出装置では、ズレ量に基づいて、合焦位置近傍の被写体を画像から切り出すなどの処理を施すことができる。なお、視差量とは、2つの信号のズレ量であってもよく、またはそれらに関連した物理量であってもよい。
この視差量検出装置は、実施形態1の距離検出装置40の距離導出部44の代わりに、2つの信号のズレ量に対応する視差量を算出する視差量算出部を有する構成とすれば、その他の構成は距離検出装置40と同じでよい。さらに、視差量検出装置は、視差量(ズレ量)に応じて、所定の視差量の被写体を画像から抽出する抽出部を有していてもよい。
本実施形態の視差量検出方法は、図4のフローチャートにおいて、距離の算出工程S14の代わりに視差量の算出工程を行うようにすれば、その他の処理工程は、図4と同じでよい。なお、視差量の算出は、信号のズレ量を算出してもよいし、それらに関連した物理量を算出するようにしてもよい。
この視差量検出装置も実施形態1の距離検出装置と同様に撮像装置の一部として用いることができる。
本発明は、距離検出装置や視差量検出装置の他にコンピュータプログラムをも包含する。本実施形態のコンピュータプログラムは、距離の算出あるいは視差量の算出のために、コンピュータに所定の工程を実行させるものである。
本実施形態のプログラムは、距離検出装置、視差量検出装置またはそのいずれかを備えるデジタルカメラ等の撮像装置のコンピュータにインストールされる。インストールされたプログラムがコンピュータによって実行されることで上記の機能が実現し、高速で高精度な距離検出、視差量検出が可能なものとすることができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
40 距離検出装置
41 フィルタ生成部
42 信号処理部(フィルタ処理手段)
43 ズレ量算出部(ズレ量算出手段)
44 距離導出部(距離導出手段)

Claims (13)

  1. 結像光学系の射出瞳の第1の瞳領域を通過した光束に対応する第1の信号と、前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過した光束に対応する第2の信号と、に基づき、被写体の距離情報を検出する距離検出装置であって、
    前記第1の信号と前記第2の信号の間の位置のズレ量である暫定ズレ量を算出するズレ量算出手段と、
    前記暫定ズレ量に基づいて生成されるフィルタを用いて、前記第1の信号および前記第2の信号の一方または両方にフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
    前記フィルタ処理が施された前記第1の信号と前記フィルタ処理が施された前記第2の信号の間の位置のズレ量、または前記フィルタ処理が施された一方の信号と前記フィルタ処理が施されていない他方の信号の間の位置のズレ量、に基づいて被写体の距離情報を導出する距離導出手段と、
    を備え、
    前記フィルタは、前記第1の瞳領域または前記第2の瞳領域に対応する位相伝達関数と前記暫定ズレ量とに基づく関数に、0より大きく1より小さい実数である係数を乗算した関数を位相項に有する、
    ことを特徴とする距離検出装置。
  2. 前記係数は、前記暫定ズレ量の大きさに応じて決定される係数であり、前記暫定ズレ量が小さいほど小さい値を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の距離検出装置。
  3. 前記係数は、前記暫定ズレ量の誤差量と、前記第1の信号と前記第2の信号の形状差とに基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の距離検出装置。
  4. 前記フィルタは、前記第1の瞳領域に対応する位相伝達関数の逆数を示す関数に前記係数を乗算した関数を位相項に有する第1のフィルタと、前記第2の瞳領域に対応する位相伝達関数の逆数を示す関数に前記係数を乗算した関数を位相項に有する第2のフィルタと、からなり、
    前記フィルタ処理手段は、前記第1のフィルタを用いて前記第1の信号にフィルタ処理を施し、前記第2のフィルタを用いて前記第2の信号にフィルタ処理を施す、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の距離検出装置。
  5. 前記第1のフィルタは、前記第1の瞳領域に対応する振幅伝達関数の逆数を示す関数または前記第2の瞳領域に対応する振幅伝達関数に、振幅補正係数を乗算した関数を振幅項に有し、
    前記第2のフィルタは、前記第2の瞳領域に対応する振幅伝達関数の逆数を示す関数または前記第1の瞳領域に対応する振幅伝達関数に、振幅補正係数を乗算した関数を振幅項に有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の距離検出装置。
  6. 前記フィルタは、前記第1の瞳領域に対応する位相伝達関数と前記第2の瞳領域に対応する位相伝達関数の差を示す関数に、前記係数を乗算した関数を位相項に有し、
    前記フィルタ処理手段は、前記フィルタを用いて、前記第1の信号または前記第2の信号のいずれか一方のみにフィルタ処理を施す、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の距離検出装置。
  7. 前記フィルタは、前記第1の瞳領域に対応する振幅伝達関数と前記第2の瞳領域に対応
    する振幅伝達関数の一方と他方の逆関数とに基づく関数に、振幅補正係数を乗算した関数を振幅項に有する、
    請求項6に記載の距離検出装置。
  8. 前記振幅補正係数は、前記第1の瞳領域または前記第2の瞳領域に対応する振幅伝達関数と前記暫定ズレ量の誤差量とに基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項5または7に記載の距離検出装置。
  9. 前記距離検出装置は、前記フィルタを生成するフィルタ生成手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の距離検出装置。
  10. 前記フィルタ処理手段は、前記暫定ズレ量が所定の閾値よりも小さいときは前記フィルタを用い、前記暫定ズレ量が前記所定の閾値以上のときは前記フィルタとは異なるフィルタを用いて、前記第1の信号および前記第2の信号の少なくとも一方にフィルタ処理を施す、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の距離検出装置。
  11. 結像光学系と、
    前記結像光学系の第1の瞳領域および第2の瞳領域を通過した光束に対応する第1の信号および第2の信号を取得する撮像素子と、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の距離検出装置と、
    を備える撮像装置。
  12. 結像光学系の射出瞳の第1の瞳領域を通過した光束に対応する第1の信号と、前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過した光束に対応する第2の信号と、に基づき、距離検出装置が被写体の距離情報を検出する距離検出方法であって、
    前記第1の信号と前記第2の信号の間の位置のズレ量である暫定ズレ量を算出する暫定ズレ量算出ステップと、
    前記暫定ズレ量に基づいて生成されるフィルタを用いて、前記第1の信号および前記第2の信号の一方または両方にフィルタ処理を施すフィルタ処理ステップと、
    前記フィルタ処理が施された前記第1の信号と前記フィルタ処理が施された前記第2の信号の間の位置のズレ量、または前記フィルタ処理が施された一方の信号と前記フィルタ処理が施されていない他方の信号の間の位置のズレ量、に基づいて被写体の距離情報を導出する距離導出ステップと、を含み、
    前記フィルタは、前記第1の瞳領域または前記第2の瞳領域に対応する位相伝達関数と前記暫定ズレ量とに基づく関数に、0より大きく1より小さい実数である係数を乗算した関数を位相項に有する、
    ことを特徴とする距離検出方法。
  13. 請求項12に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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