JPH0413379B2 - - Google Patents

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JPH0413379B2
JPH0413379B2 JP56131649A JP13164981A JPH0413379B2 JP H0413379 B2 JPH0413379 B2 JP H0413379B2 JP 56131649 A JP56131649 A JP 56131649A JP 13164981 A JP13164981 A JP 13164981A JP H0413379 B2 JPH0413379 B2 JP H0413379B2
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JP
Japan
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block copolymer
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composition
vinyl aromatic
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JP56131649A
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Toshinori Shiraki
Fusakazu Hayano
Hideo Morita
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規な熱可塑性重合体組成物に関
し、更に詳しくはスチレン系重合体と、ビニル芳
香族化合物重合体ブロツクとオレフイン化合物重
合体ブロツクからなるブロツク共重合体にカルボ
ン酸基またはその誘導体基を含有する分子単位が
結合した変性ブロツク共重合体及び/または該変
性ブロツク共重合体のイオン性架橋物からなる成
型用材料として好適な熱可塑性重合体組成物に関
する。 ポリスチレンで代表されるスチレン系重合体
と、スチレン含有量が70%以下、多くは50%以下
であり、熱可塑性エラストマーと称されるスチレ
ン−ブタジエンブロツク共重合体で代表されるビ
ニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロツク共
重合体からなる重合体組成物は、スチレン系重合
体が主成分である場合は、スチレン系重合体の耐
衝撃性が改良された組成物の得られることが知ら
れており、例えば、特公昭44−7126号公報、特公
昭47−43618号公報、特公昭51−27701号公報、特
開昭49−5450号公報等には各種のポリマー構造の
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロツク
共重合体がポリスチレンの耐衝撃性改善に利用で
きることが開示されており、また特公昭52−
21012号公報には、ブロツク共重合体の添加によ
り耐衝撃性ポリスチレンの耐衝撃性が更に増加で
きることが記載されている。一方、熱可塑性エラ
ストマーと称されるビニル芳香族化合物−共役ジ
エン化合物ブロツク共重合体の含有量が多い領域
においては、硬さ、引張強度、耐油性等が改良さ
れた組成物として知られており、例えば特公称45
−19388号公報には、A−B−A構造を有するブ
ロツク共重合体に平均分子量300〜150000のポリ
スチレンを添加してブロツク共重合体の特性が改
質できることが記載されている。これらの組成物
はその成型加工性が容易であることもあつて、食
品用容器、包装材料、玩具、日用雑貨、はきもの
等の各種成形品用途に広く使用されている。 また、共役ジエン含有量が約30重量%未満の、
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロツク
共重合体は、樹脂状でありスチレン系重合体、特
にポリスチレンの透明性を維持しつつ、耐衝撃性
を改良した重合体として注目されているが、これ
らの樹脂状のビニル芳香族化合物−共役ジエン化
合物ブロツク共重合体と、一般用ポリスチレンあ
るいは耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン系重合
体との組成物も、上記樹脂状のビニル芳香族化合
物−共役ジエン化合物ブロツク共重合体と同様
に、透明性および耐衝撃性を有するスチレン系共
重合体組成物として各種成形品用途等に有用であ
ることが知られている。例えば特公昭52−16496
号公報、特公昭52−32774号公報、特開昭54−
62251号公報には上記の共役ジエン含有量の少な
いブロツク共重合体とポリスチレンまたはゴム変
性耐衝撃性ポリスチレンとからなる組成物が記載
されている。 かかる現状において、本発明者らはスチレン系
樹脂とビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブ
ロツク共重合体とからなる組成物の諸特性を更に
改良することについて鋭意検討し、該ブロツク共
重合体にカルボン酸基またはその誘導体基を含有
する分子単位が結合した変性ブロツク共重合体を
用いることによりその目的が達成されることを見
出し、特願昭54−158710号、特願昭54−158711号
等にて提案した。その後、本発明者らかはかかる
変性ブロツク共重合体とスチレン系樹脂とからな
る組成物の特性改良について更に検討を進めた結
果、不飽和度の少ないブロツク共重合体にカルボ
ン酸基またはその誘導体基を含有する分子単位が
結合した変性ブロツク共重合体及び/または該変
性ブロツク共重合体のイオン性架橋物を用いるこ
とにより耐候性や耐熱老化性に優れた組成物が得
られることを見出し、本発明を完成するに到つ
た。 すなわち、本発明は、 (a) ポリスチレン又はスチレンを含む重合体の中
から選ばれた少なくとも1種のスチレン系樹脂
と (b) 少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体
ブロツクAと少なくとも1個の不飽和度が20%
を超えないオレフイン化合物重合体ブロツクB
とからなり、ビニル芳香族化合物の含有量が10
〜90重量%であるブロツク共重合体に、不飽和
カルボン酸又はその誘導体が該ブロツク共重合
体100重量部あたり0.1〜10重量部の割合で、該
不飽和カルボン酸又は誘導体の不飽和結合を介
して、該ブロツク共重合体のいずれかの炭素原
子に付加している変性ブロツク共重合体及びあ
るいは該変性ブロツク共重合体中のカルボン酸
基又はその誘導体基を架橋位置として、1価、
2価又は3価の金属イオンのうちのいずれか1
種又は2種以上によりイオン性架橋した該変性
ブロツク共重合体のイオン性架橋物(架橋剤金
属化合物と該変性ブロツク共重合体中のカルボ
ン酸基又はその誘導体基とのモル比は0.1〜
3.0) とからなる組成物であつて、 () 成分(b)中のビニル芳香族炭化水素の含有
量が10重量%以上70重量%以下の場合、成分
(a)と成分(b)の重量比が98/2〜2/98 () 成分(b)中のビニル芳香族炭化水素の含有
量が70重量%を超え、90重量%以下の場合、
成分(a)と成分(b)の重量比が90/10〜5/95で
ある熱可塑性重合体組成物 (たゞし、成分(a)100重量部に対してガラス
繊維5〜250重量部を含有する組成物を除く) である。 本発明においては、成分(a)のスチレン系樹脂と
成分(b)の変性ブロツク共重合体及び/または該変
性ブロツク共重合体のイオン性架橋物(以後これ
らを変性ブロツク共重合体等と呼ぶ)との組成比
により、組成物の機械的性質が、樹脂状のものか
らゴム状ないし皮革状のものまで広範囲に変化す
る。例えば、成分(a)のスチレン系樹脂が多い組成
比の場合、耐衝撃性や光沢あるいは透明性に優れ
た強靭な樹脂状組成物が得られる。また、成分(b)
として弾性的な性質を示す変性ブロツク共重合体
等を用い、その含有量が多い組成比の場合には、
引張強度、耐熱性、耐油性等に優れたゴム状ない
しは皮革状の組成物となる。 また、本発明で使用する変性ブロツク共重合体
等はオレフイン化合物重合体ブロツクの不飽和度
が20%を越えないように限定されているため、不
飽和度の高い従来のブロツク共重合体、例えばス
チレン−ブタジエンブロツク共重合体を用いた場
合に比較して耐候性及び耐熱老化性に優れた成形
品が得られる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の組成物の(a)成分であるスチレン系樹脂
は、ポリスチレンもしくはスチレンを含む重合体
の中から選ばれた少なくとも1種のスチレン系樹
脂である。スチレンを含む重合体としては、スチ
レンとこれと共重合可能な他のモノマー、例えば
α−メチルスチレン、アルキル基置換スチレン、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビ
ニル、無水マレイン酸等のモノマーとの共重合体
や、スチレンもしくはスチレンとこれと共重合可
能な上記モノマーにエラストマーを溶解もしくは
分散させた混合物を懸濁重合、乳化重合、塊状重
合、塊状−懸濁重合、溶液重合などの方法により
重合したゴム変性スチレン系重合体などを挙げる
ことができる。ゴム変性スチレン系重合体の製造
に使用されるエラストマーとしては、天然ゴム、
合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ポリブタ
ジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブテンゴ
ム、ゴム状エチレン−プロピレン共重合体、ゴム
状ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブチ
ルゴム、各種ニトリル系ゴム、ゴム状エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ゴム状エチレン−アクリル
酸エステル共重合体、ゴム状アタクチツクポリプ
ロピレン樹脂、ゴム状エチレン−アクリル酸アイ
オノマー等が使用される。かかるスチレンを含む
重合体において、スチレンは一般に50重量%以上
の割合で含有される。 本発明で使用するスチレン系樹脂として好適な
ものは、ポリスチレン、スチレン−α−メチルス
チレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共
重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、耐衝撃
性ゴム変性スチレン重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エス
テル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリ
ル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、
耐衝撃性ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重
合体などがあげられる。 これらのスチレン系樹脂としては、低分子量の
ものから高分子量のものまで使用でき、重量平均
分子量で例示すれば300〜1000000のものが使用さ
れる。使用するスチレン系樹脂の分子量は、本発
明の組成物に付与する特性に応じて選定すること
ができ、ゴム状もしくは皮革状の本発明の組成物
において加工性の良好なものを得る場合には、重
量平均分子量が300〜25000、好ましくは500〜
10000のものが、また耐熱性の良好なものを得る
場合には50000〜1000000、好ましくは100000〜
500000のものが使用される。また、樹脂状の本発
明の組成物において耐衝撃性の良好なものを得る
場合には重量平均分子量が50000〜1000000、好ま
しくは100000〜500000のものが使用される。 本発明の組成物の(b)成分の1つである変性ブロ
ツク共重合体は、少なくとも1個のビニル芳香族
化合物重合体ブロツクAと少なくとも1個の不飽
和度が20%を越えないオレフイン化合物重合体ブ
ロツクBとからなるブロツク共重合体(以下これ
を、「基体となるブロツク共重合体」と呼ぶ)に、
不飽和カルボン酸又はその誘導体が、その不飽和
結合を介して、該ブロツク共重合体のいずれかの
炭素原子に付加している変性ブロツク共重合体で
ある。ここでオレフイン化合物重合体ブロツクと
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
チレン等のモノオレフイン、あるいはブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の共役
ジオレフイン、1,4−ヘキサジエン、ノルボル
ネン、ノルボルネン誘導体等の非共役ジオレフイ
ンのうちから選ばれた1種以上のオレフイン化合
物が重合、あるいは共重合した形態を有する重合
体ブロツクであり、しかも該ブロツクの不飽和度
は20%以下である。従つてオレフイン化合物重合
体ブロツクの構成モノマーとして上記のジオレフ
イン類を用いた場合には、該ブロツク部分の不飽
和度が20%を越えない程度にまで水添等の方法に
より不飽和度を減らす処置が施されていなければ
ならない。またオレフイン化合物重合体ブロツク
にはビニル芳香族化合物がランダムに共重合され
ていてもよい。本発明において、「基体となるブ
ロツク共重合体」としては、ビニル芳香族化合物
と共役ジエン化合物からなるブロツク共重合体の
水添物、ビニル芳香族化合物とモノオレフインと
のブロツク共重合体等が挙げられる。本発明で使
用する変性ブロツク共重合体は、前記の「基体と
なるブロツク共重合体」に、不飽和カルボン酸又
はその誘導体をその不飽和結合を介して、該ブロ
ツク共重合体のいずれかの炭素原子に付加反応さ
せることにより製造できる。 本発明において(b)成分として最も好ましい変性
ブロツク共重合体は、ビニル芳香族化合物重合体
ブロツクと共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロツクとから構成されてなるブロツク共重合体
(以後これを、「前駆体としてのブロツク共重合体
と呼ぶ)の共役ジエン部分の不飽和度が20%を越
えない程度にまで選択的に水添され、次いで、不
飽和カルボン酸またはその誘導体が付加反応によ
り結合されて得られた変性ブロツク共重合体であ
る。 「前駆体としてのブロツク共重合体」は、少な
くとも1個、好ましくは2個以上のビニル芳香族
化合物重合体ブロツクと少なくとも1個の共役ジ
エンを主体とする重合体ブロツクとを含有するも
のである。ここで共役ジエンを主体とする重合体
ブロツクは、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物との重量比が0/100〜50/50、好ましくは
0/100〜30/70の組成範囲からなる重合体ブロ
ツクであり、このブロツクにおけるビニル芳香族
化合物の分布は、ランダム、テーパー(分子鎖に
沿つてモノマー成分が増加または減少するもの)、
一部ブロツク状またはこれらの任意の組合せのい
ずれであつてもよい。なほ、本発明における「前
駆体としてのブロツク共重合体」中には、ビニル
芳香族化合物重合体ブロツクと共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロツクとの遷移部等にビニ
ル芳香族化合物の含有量が50重量%を越えるビニ
ル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体
ブロツクが存在してもよいが、かかる重合体ブロ
ツクは前記の共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロツクに含めるものとする。 「前駆体としてのブロツク共重合体」におい
て、ビニル芳香族化合物の含有量と共役ジエン化
合物の含有量の重量比は、10/90〜90/10の範囲
であり、15/85〜85/15の範囲が好ましい。かか
るブロツク共重合体は、ビニル芳香族化合物の含
有量が約70重量%以下、好ましくは60重量%以下
の場合には熱可塑性弾性体としての特性を示し、
「前駆体としてのブロツク共重合体」として好適
に用いられる。 「前駆体としてのブロツク共重合体」を構成す
るビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン等のうちから1
種または2種以上が選ばれ、中でもスチレンが特
に好ましい。また共役ジエン化合物としては、ブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等
のうちから1種または2種以上選ばれ、中でもブ
タジエンおよび/またはイソプレンが特に好まし
い。上記ブロツク共重合体は、数平均分子量が
20000〜500000の範囲であり、分子量分布(重量
平均分子量と数平均分子量の比)は、1.05〜10の
範囲が好ましい。またブロツク共重合体の分子構
造は、直鎖状、分岐状、放射状またはこれらの組
合せなどいずれでもよい。さらに、ブロツク共重
合体において共役ジエン化合物として、ブタジエ
ンを使用した場合は、ブタジエン部分のミクロ構
造の1,2結合量が10〜80%の範囲が好ましい。
変性ブロツク共重合体にゴム弾性を持たせること
を必要とする場合には、1,2結合量は25〜65
%、好ましくは35〜55%の範囲にすることが推奨
される。 上記ブロツク共重合体が、ビニル芳香族化合物
重合体ブロツクまたは共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロツクを2個以上含有する場合にお
いては、各ブロツクは同一の構造であつてもよい
し、モノマー成分含有量、それらの分子鎖におけ
る分布、ブロツクの分子量、ミクロ構造などの各
構造が異なるものであつてもよい。 「前駆体としてのブロツク共重合体」の製造方
法としては、例えば特公昭36−19286号公報、特
公昭43−14979号公報、特公昭49−36957号公報、
特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報な
どに記載された方法があげられる。これらはすべ
て、炭化水素溶剤中でアニオン重合開始剤として
有機リチウム化合物等を用い、必要に応じてビニ
ル化剤としてジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ランの如きエーテル化合物、トリエチルアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ンの如き第3級アミン、ヘキサメチルホスホアミ
ドの如きホスフイン化合物などのルイス塩基、カ
ツプリング剤として四塩化ケイ素やエポキシ化ダ
イズ油の如き多官能性化合物を用い、ビニル芳香
族化合物と共役ジエン化合物をブロツク共重合す
る方法であり、直鎖状、分岐状あるいは放射状の
構造を有するブロツク共重合体として得られる。
本発明においては、いかなる重合法で得られたも
のであつても、上記の範囲のものであれば使用可
能である。更に、ブロツク共重合体は1種のみな
らず2種以上の混合物として使用することも可能
である。 上記の「前駆体としてのブロツク共重合体」
を、公知の方法、例えば特公昭42−8704号公報に
記載の方法で水添することにより「基体となるブ
ロツク共重合体」が得られる。「基体となるブロ
ツク共重合体」は、「前駆体としてのブロツク共
重合体」の共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロツク中における共役ジエン化合物に基づく脂
肪族二重結合の少くとも80%が水素添加されてい
ること、換言すれば、共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロツクの水素添加によつて形態的に
オレフイン化合物重合体ブロツクBに変換された
ブロツク中の不飽和度が20%を越えないことが必
要である。オレフイン化合物重合体ブロツクの不
飽和度が20%を越えると熱可塑性重合体組成物の
成形品の耐候性や耐熱老化性が劣るため好ましく
ない。一方、ビニル芳香族化合物重合体ブロツク
中のビニル芳香族化合物および必要に応じて共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロツク中に共
重合されているビニル芳香族化合物に基づく芳香
族二重結合の水素添加率については特に制限はな
いが、水素添加率を20%以下にするのが好まし
い。オレフイン化合物重合体ブロツクの不飽和度
は、赤外分光光度計(IR)や核磁気共鳴装置
(NMR)等を用いた機器分析、ヨード滴定法等
による滴定分析などにより測定できる。 「基体となるブロツク共重合体」は、次いで、
不飽和カルボン酸またはその誘導体との付加反応
により変性され、本発明で使用する変性ブロツク
共重合体が合成される。不飽和カルボン酸または
その誘導体の例としては、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エ
ンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプ
テン−2,3−ジカルボン酸等や、これらジカル
ボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミドな
ど、アクリル酸、メクリル酸等や、これらモノカ
ルボン酸のエステル、アミドなどが挙げられる。
これらは1種のみならず2種以上混合しても使用
できる。これらの中では不飽和ジカルボン酸また
はその誘導体が好ましく、とりわけ無水マレイン
酸が好ましい。 変性ブロツク共重合体は、「基体となるブロツ
ク共重合体」に不飽和カルボン酸またはその誘導
体を、溶液状態または溶融状態において、ラジカ
ル開始剤を使用あるいは使用せずにして付加せし
めることによつて得られる。これら変性ブロツク
共重合体の製造方法に関しては、本発明において
は特に限定はしないが、得られた変性ブロツク共
重合体がゲル等の好ましくない成分を含んだり、
その溶融粘度が著しく増大して加工性が悪化した
りする製造方法は好ましくない。好ましい方法と
しては、たとえば押出機中で、ラジカル開始剤存
在下で、「基体となるブロツク共重合体」と不飽
和カルボン酸またはその誘導体と反応させる方法
が挙げられる。 変性ブロツク共重合体に含まれるカルボン酸基
またはその誘導体基を含有する分子単位の量、即
ち不飽和カルボン酸またはその誘導体の付加量
は、本発明において使用する変性ブロツク共重合
体全体の平均値として、「基体となるブロツク共
重合体」100重量部あたり、0.1〜10重量部、好ま
しくは0.3〜5重量部である。カルボン酸基また
はその誘導体基を含有する分子単位が0.1重量部
未満では、未変性ブロツク共重合体に比して改良
効果がほとんど認められず、10重量部をこえて
も、それ以下の場合に比してその改良効果が顕著
でない。 変性ブロツク共重合体中のカルボン酸基または
その誘導体基を含有する分子単位の含有量は、赤
外分光光度計や滴定等による方法により容易に把
握することができる。また、本発明においては、
成分(b)として使用する変性ブロツク共重合体中の
不飽和カルボン酸またはその誘導体の付加量が全
体の平均値として上記範囲を満たす範囲内におい
て未変性のブロツク共重合体が含まれていてもよ
い。 本発明において、前記の変性ブロツク共重合体
はイオン性架橋物として組成物中に混在させるこ
ともできる。変性ブロツク共重合体のイオン性架
橋物は、本発明の成分(b)として単独で用いてもよ
いし、イオン性架橋していない変性ブロツク共重
合体との混合物として用いてもよい。 このイオン性架橋物は、前記の変性ブロツク共
重合体を1価、2価および3価の金属イオンのう
ちのいずれか1種又は2種以上の混合物でイオン
性結合によつて架橋させたもので、変性ブロツク
共重合体に1価、2価および3価の金属の化合物
のうちのいずれか1種又は2種以上の混合物を架
橋剤化合物として反応させることによつて得られ
る。 上記イオン性架橋物において、変性ブロツク共
重合体のカルボン酸基またはその誘導体基は、架
橋剤化合物を添加することによつて、イオン化す
る。そして架橋剤化合物の添加量によつてイオン
化量を調節することができ、その量は例えば赤外
分光光度計により測定される。 架橋剤化合物の添加量は、変性ブロツク共重合
体に含有されるカルボン酸基またはその誘導体基
の一部ないし全量がイオン化する量が加えられ、
上記イオン化反応は、ほぼ定量的に進行するが、
所望のイオン化量を得るためには理論量より過剰
の架橋剤が必要な場合もある。イオン性架橋物を
効果的に得るためには、上記金属化合物と変性ブ
ロツク共重合体に含有されるカルボン酸基または
その誘導体基とのモル比が0.1〜3.0であることが
好ましい。 変性ブロツク共重合体に添加することによつて
イオン性架橋物を得るために使用する架橋剤化合
物としては、周期律表第族、第族、第族の
金属化合物のうちのいずれか1種又は2種以上の
混合物が好ましく、具体的にはナトリウム化合
物、カリウム化合物、マグネシウム化合物、カル
シウム化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物
等があげられる。これらの金属化合物の好適なも
のは、水酸化物、アルコラート、カルボン酸塩で
ある。 変性ブロツク共重合体のイオン性架橋物を得る
具体的な方法としては、溶融状態の変性ブロツク
共重合体に架橋剤化合物を添加する方法や、変性
ブロツク共重合体を適当な溶媒に溶解させ、この
溶液に架橋剤化合物を添加して架橋反応をおこさ
せる方法、さらには変性ブロツク共重合体をラテ
ツクスとしこれに架橋剤を加える方法などが挙げ
られ、いずれも本発明において使用できるイオン
性架橋物を得る方法として使用できる。 また、本発明においては成分(a)のスチレン系重
合体と成分(b)の変性ブロツク共重合から成る混合
物を溶融させた状態で、又は適当な溶媒に溶解さ
せた状態で架橋剤化合物を添加して架橋反応をお
こさせ、イオン性架橋物を形成させる方法も採用
できる。 本発明で使用される変性ブロツク共重合体のイ
オン性架橋物は熱可塑性であり、高温において加
工可能であると共に、イオン性架橋は可逆的な架
橋である。これらの特徴は、通常に用いられるイ
オン架橋、パーオキサイド架橋あるいは放射線架
橋などの不可逆的な架橋によつて得られたブロツ
ク共重合体の架橋物と、本発明で用いる変性ブロ
ツク共重合体のイオン性架橋物とが本質的に異な
る点である。 本発明においては、前述した様に成分(a)の熱可
塑性重合体と成分(b)の変性ブロツク共重合体等と
の組成比により、樹脂状のものからゴム状ないし
皮革状のものまで得られる。樹脂状の組成物を得
る場合の組成比としては、成分(b)中のビニル芳香
族炭化水素の含有量が70重量%を越え、90重量%
以下、好ましくは72重量%以上85重量%以下の場
合には、成分(a)と成分(b)の重量比が90/10〜5/
95、好ましくは85/15〜10/90、更に好ましくは
80/20〜15/85の範囲が、また成分(b)中のビニル
芳香族炭化水素の含有量が10重量%以上70重量%
以下、好ましくは15重量%以上60重量%以下、更
に好ましくは20重量%以上50重量%以下の場合に
は成分(a)と成分(b)の重量比が98/2以上50/50未
満、好ましくは95/5〜60/40、更に好ましくは
90/10〜70/30の範囲である。成分(b)の配合量が
上記範囲より少ないと耐衝撃性の改良効果が少な
く、逆に多すぎる場合には剛性が低下する。ま
た、ゴム状ないし皮革状の組成物を得る場合の組
成比としては、ビニル芳香族炭化水素の含有量が
10重量%以上70重量%以下、好ましくは15重量%
以上60重量%以下、更に好ましくは20重量%以上
50重量%以下の変性ブロツク共重合体等を用い、
しかも該変性ブロツク共重合体等と成分(a)の重量
比が98/2〜5/50、好ましくは95/5〜60/
40、更に好ましくは90/10〜70/30の範囲であ
る。成分(a)の配合量が上記範囲より少ないとゴム
状ないし皮革状の組成物としての前述の改良効果
が小さく、又逆に多すぎる場合にはゴム状ないし
皮革状の性質が失なわれて樹脂状の組成物となつ
てしまう。 本発明において、成分(b)の一成分として変性ブ
ロツク共重合体のイオン性架橋物を使用する場
合、イオン性架橋物の架橋度やイオン性架橋物の
使用量を変化させることにより、組成物の引張強
度、耐衝撃性、耐熱性、耐油性、加工性等を適宜
なものとすることができる。 例えば、本発明の樹脂状の熱可塑性重合体組成
物において、イオン化したカルボン酸基の量が、
変性ブロツク共重合体1分子あたり約0.5〜2個
である場合は、変性ブロツク共重合体のイオン性
架橋物を用いた組成物は、未変性のブロツク共重
合体を使用した場合に比較して透明性が改良され
る。また、イオン化したカルボン酸基の量が変性
ブロツク共重合体1分子あたり約2個以上、好ま
しくは4個以上である場合は、得られた組成物は
未変性のブロツク共重合体を使用した組成物に比
較して、耐衝撃性、光沢、引張強度等が改良され
る。後者の架強度の比較的高い変性ブロツク共重
合体のイオン性架橋物を用いた場合において、ス
チレン系重合体との組成物におけるモルホロジー
は、変性ブロツク共重合体のイオン性架橋物が、
0.2〜10μ、好ましくは0.5〜5μの粒径の粒子状ま
たはそれに近い形状の分散相として存在している
形態であることが、よりすぐれた耐衝撃性の組成
物となるために好適である。 本発明の熱可塑性重合体組成物は、その各成分
の組成比に応じて通常の高分子物質の混合に用い
られる各種混合装置、例えば一軸または多軸のス
クリユー型押出機、ミキシングロール、バンバリ
ーミキサー、ニーダー等を用いることによつて調
整することができ、溶融状態において混合するこ
とが好ましい。また、本発明の組成物は、各成分
の溶液を混合した後、溶剤を加熱除去する方法等
により得ることもできる。 また、本発明の熱可塑性重合体組成物には、そ
の性質を損わない程度に炭酸カルシウム、シリ
カ、カーボンブラツク、ガラス繊維、クレーなど
の補強剤を添加することも可能である。その他の
添加剤として、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、着色材、滑剤、難燃剤、顔料等を添
加することができ、さらに本発明の組成物に発泡
剤を加えて発泡体とすることも可能である。 例えば、ガラス繊維を本発明の樹脂状の熱可塑
性重合体組成物100重量部に対して150重量部以
下、好ましくは10〜100重量部配合した組成物
(たゞし、スチレン系樹脂100重量部に対し、ガラ
ス繊維5〜250重量部含有する組成物を除く)は、
剛性、耐熱性、機械的強度が向上し、優れた成形
品用素材を提供する。ガラス繊維としては、通常
樹脂混合用に使用されている直径2〜20μ、長さ
50〜20000μのものが用いられる。 また、本発明のゴム状ないし皮革状の熱可塑性
重合体組成物を靴底や工業部品の素材として使用
する場合、充てん剤や顔料としての炭酸カルシウ
ム、クレー、シリカ、二酸化チタン等の微粉末状
固体、硬さ調節剤としてのポリスチレン系樹脂、
ポリオレフイン系樹脂等の樹脂類、成形加工性調
節剤としてのパラフイン系油、ナフテン系油等の
プロセス油などを必要に応じて配合することがで
きる。これら添加剤の配合量としては次の様なも
のが一例としてあげられる。 本発明のゴム状ないし皮革状の組成物 100重量部 樹脂類 30〜100重量部 プロセス油 50〜100重量部 微粉末状固体 20〜200重量部 本発明の樹脂状の熱可塑性重合体組成物は、耐
衝撃性、引張強度等のすぐれた成型用組成物とし
て、圧縮成型、射出成型、押出成型などの成形が
可能であり、フイルム、シート、成形品等の形態
で、包装材料、雑貨、日用品、玩具、機械部品等
の各種用途に利用することができる。 一方、本発明のゴム状ないし皮革状の熱可塑性
重合体組成物は、はきもの、ベルト、防振材、ス
ポンジ、パツキンボール、玩具、医療用品などの
用途に用いられ、これらも、射出成形、押出成
型、圧縮成型などの方法で成形することができ
る。 以下、若干の実施例を示すが、これは本発明を
より具体的に説明するものであつて、本発明の範
囲をこれらの例に限定するものでないことはいう
までもない。 なお、以下の実施例で用いた変性ブロツク共重
合体等は、次の様にして調製した。 (1) 水添ブロツク共重合体の調製 n−ブチルリチウムを重合触媒とし、n−ヘ
キサンまたはシクロヘキサン溶媒中で、テトラ
ヒドロフランをビニル含量調節剤として、ブタ
ジエンとスチレンとをアニオン・ブロツク共重
合することにより、表1に示したようなブロツ
ク共重合体を合成した。
【表】 次に、表1に示したブロツク共重合体を、n
−ヘキサンとシクロヘキサンの混合溶媒または
シクロヘキサン溶媒中で、ナフテン酸コバルト
とトリエチルアルミニウムを触媒として、水素
圧7Kg/cm2、温度50℃で5時間水素添加を行つ
て、ブタジエンブロツク部分の二重結合の約90
%が水素添加され、スチレンブロツク部分のベ
ンゼン環はほとんど水添されないで残つた、選
択的に水添されたブロツク共重合体を合成し
た。触媒残渣の金属は塩酸水溶液−メタノール
で洗浄して除去した。 (2) 変性ブロツク共重合体の調製 上記(1)で合成した水添ブロツク共重合体(試
料A−1の水添ブロツク共重合体)100重量部
に対して3重量部の無水マレイン酸、0.1重量
部のパーヘキサ25B(日本油脂社製)を均一に
混合した後、窒素雰囲気下でスクリユー型押出
機(単軸、スクリユー直径20mm、L/D=24、
フルフライト型スクリユー)に供給し、シリン
ダー温度250℃でマレイン化反応を行つた。得
られた変性ブロツク共重合体から、未反応の無
水マレイン酸を加熱減圧除去し、安定剤として
2,6−ジ−ターシヤリー−ブチル−4−メチ
ルフエノール(BHT)を、重合体100重量部あ
たり0.5重量部添加した。この変性ブロツク共
重合体(試料B−1とする)を分析したとこ
ろ、表2の結果が得られた。 次に、無水マレイン酸の添加量及びパーヘキ
サ25Bの添加量を変える以外は同様の方法によ
り、試料A−2〜A−5の水添ブロツク共重合
体を基体とする変性ブロツク共重合体(試料B
−2〜B−5)を得た。
【表】 トリウムメチラートによる滴定に
より測定した。
(3) 変性ブロツク共重合体のイオン性架橋物の調
製 表3に示した処法に従つて試料C−1〜C−
5のイオン性架橋物を得た。イオン架橋反応を
溶媒中で行つた場合には、反応後溶媒を加熱除
去した。かかる処法により試料C−1a〜C−
5の酸無水物基がイオン化していることは、赤
外線スペクトルによつて確認した。
【表】
【表】 実施例1〜3及び比較例1 表4に示した変性ブロツク共重合体または変性
ブロツク共重合体のイオン性架橋物あるいは未変
性のブロツク共重合体と、一般用ポリスチレン
(GPPS)を15/85(重量比)の割合で配合し、30
mm押出機でペレツト化した。得られたペレツト
を、Tダイを有する40mm押出機を用い、200℃の
ダイ温度で押出して厚み0.40mmのシートを成形し
た。 得られたシートの物性を表4に示したが、本発
明の組成物のシートは比較例の組成物のシートに
比較して優れた引張強度、耐衝撃性を有し、しか
も透明性も良好であつた。 次に、下記条件で耐候性試験及び耐熱劣化性試
験を行つた。耐候性試験は、上記で得られたシー
トをウエザオメーター1000時間暴露した後、ダー
ト衝撃強度を測定した。耐熱劣化性試験は、上記
のペレツトを90℃の雰囲気下に500時間放置した
後、上記と同様の方法でシート押出し、得られた
シートのダート衝撃強度を測定した。 その結果、実施例1〜3の組成物は耐候性試験
または耐熱劣化性試験後においても、試験前のシ
ートのダート衝撃強度の70%以上のダート衝撃強
度を有していたが、比較例1の組成物は50%未満
のダート衝撃強度しか示さず、本発明の組成物は
耐候性及び耐熱劣化性に優れることが明らかにな
つた。
【表】 実施例4〜7及び比較例2〜4 表5に示した配合処法に従つて変性ブロツク共
重合体のイオン性架橋物と一般用ポリスチレン
を、ミキシングロールにより温度160℃、混練時
間15分間の条件下で混練し、表5に示す重合体組
成物を得た。 表5より明らかなように、変性ブロツク共重合
体のイオン性架橋物を使用することにより、優れ
た機械的特性を有するポリスチレン系組成物が得
られる。 なお、実施例4〜7の組成物は、いずれも電子
顕微鏡による観察によれば、イオン性架橋物が、
約0.5〜4μの粒径の粒子ないしそれに近い形状で、
ポリスチレンのマトリツクス中に分散している形
態を示していた。これに対し、比較例2〜4の組
成物は、ブロツク共重合体が0.5μ未満の球また
は、棒状で分散している形態であつた。 次に、前記と同様の条件により耐候性試験及び
耐熱劣化性試験を実施したところ、実施例4〜7
の組成物は、試験前の組成物のアイゾツト衝撃強
度の80%以上のアイゾツト衝撃強度を示したが、
比較例2〜4の組成物は50%未満のアイゾツト衝
撃強度しか示さなかつた。
【表】 実施例8〜13及び比較例6〜9 表6の配合処法に従つて、耐衝撃性ポリスチレ
ン(HIPS)またはHIPSとGPPSの混合物を成分
(a)とする組成物のペレツトを30mm押出機を用いて
作成した。その後、このペレツトを射出成形し、
得られた成形品の物性を測定した。結果を表6に
示した。 なお、実施例12及び13の組成物は、厚さ0.5mm
の圧縮成形品の全光線透過率がそれぞれ、88%、
87%で、ヘイズがそれぞれ17%、20%であり、透
明性の良好で組成物であつた。
【表】 実施例14〜19及び比較例10〜12 表7の配合処法に従つて、アクリロニトリル−
スチレン共重合体樹脂(AS;AN:St=25:75、
重量比)またはメタクリル酸メチル−スチレン共
重合体樹脂(MS−1;MMA:St=50:50、
MS−2;MMA:St=25/75、重量比)を成分
(a)とする組成物のペレツトを30mm押出機を用いて
作成した。その後、このペレツトを射出成形し、
得られた成形品の物性を測定した。結果を表7に
示した。 次に、表7の各組成物の耐候性試験及び耐熱老
化性試験をそれぞれ前述と同様の条件で実施した
結果、本発明の組成物は比較例の組成物に比較し
て優れた耐候性及び耐熱老化性を有していた。
【表】 参考例1、2、3、4及び参考比較例1、2 表8の配合処法に従つて、耐衝撃性アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂
(ABS)またはスチレン−無水マレイン酸共重合
体樹脂(SMa;スチレン;無水マレイン酸=
80:20、重量比)を成分(a)とし、しかもガラス繊
維を有する組成物のペレツトを30mm押出機を用い
て作成した。 その後、このペレツトを射出成形し、得られた
成形品の物性を測定した。結果を表8に示した。 なお、参考例1で成分(b)として用いた試料B−
6は、無水マレイン酸の代わりにアクリル酸を用
いる以外は、試料C−1の変性ブロツク共重合体
と同様の方法により製造した。また、参考例2で
成分(b)として用いた試料C−6は、試料B−6を
試料C−1のイオン性架橋物と同様の方法でイオ
ン架橋させて作成した。
【表】 実施例20〜25及び比較例13〜16 表9の配合処法に従つて、一般用ポリスチレン
を成分(a)とするゴム状の組成物を、150℃に加熱
したオープンロールで溶融混練することにより得
た。得られた組成物の物性を測定し、結果を表9
に示した。 表9より明らかなように、本発明の組成物は比
較例の組成物より引張強度、耐油性、耐熱性に優
れていた。 次に、表9の各組成物の耐候性試験を前記と同
様の条件で行つた結果、本発明の組成物は耐候性
試験後における諸特性の保持率が比較例の組成物
に比較して極めて良好であり、本発明の組成物は
耐候性に優れることが明らかになつた。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) ポリスチレン又はスチレンを含む重合体
    の中から選ばれた少なくとも1種のスチレン系
    樹脂と (b) 少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体
    ブロツクAと少なくとも1個の不飽和度が20%
    を超えないオレフイン化合物重合体ブロツクB
    とからなり、ビニル芳香族化合物の含有量が10
    〜90重量%であるブロツク共重合体に、不飽和
    カルボン酸又はその誘導体が該ブロツク共重合
    体100重量部あたり0.1〜10重量部の割合で、該
    不飽和カルボン酸又は誘導体の不飽和結合を介
    して、該ブロツク共重合体のいずれかの炭素原
    子に付加している変性ブロツク共重合体及びあ
    るいは該変性ブロツク共重合体中のカルボン酸
    基又はその誘導体基を架橋位置として、1価、
    2価又は3価の金属イオンのうちのいずれか1
    種又は2種以上によりイオン性架橋した該変性
    ブロツク共重合体のイオン性架橋物(架橋剤金
    属化合物と該変性ブロツク共重合体中のカルボ
    ン酸基又はその誘導体基とのモル比は0.1〜
    3.0) とからなる組成物であつて、 () 成分(b)中のビニル芳香族炭化水素の含有
    量が10重量%以上70重量%以下の場合、成分
    (a)と成分(b)の重量比が98/2〜2/98 () 成分(b)中のビニル芳香族炭化水素の含有
    量が70重量%を超え、90重量%以下の場合、
    成分(a)と成分(b)の重量比が90/10〜5/95で
    ある熱可塑性重合体組成物(たゞし、成分(a)
    100重量部に対してガラス繊維5〜250重量部
    を含有する組成物を除く)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5662849A (en) * 1979-10-29 1981-05-29 Denki Kagaku Kogyo Kk Low gloss resin composition
JPS585360A (ja) * 1981-07-03 1983-01-12 Asahi Chem Ind Co Ltd ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物

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