JP2021193171A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Shiori Noguchi
涼二 薄井
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Abstract

【課題】優れた低圧縮永久歪み特性を有する熱可塑性エラストマー組成物を提供すること。【解決手段】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ゴム成分及び(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含有し、前記(A)ゴム成分中に、共役ジエン化合物に由来する構造単位と芳香族ビニル化合物に由来する構造単位をランダムに有し、かつ、二重結合を有する共役ジエン系重合体を50質量%以上含有し、前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分を10〜100質量部含有する混合物を、(C)架橋剤の存在下で、動的に架橋して得られるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関する。
熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)組成物は、自動車、家電、医療、食品、電線及び日用品等の種々の分野で注目されている。例えば、熱可塑性を与えるポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂と、ゴム弾性を与えるエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムを含む混合物に、架橋剤を添加して動的架橋して製造される熱可塑性エラストマー組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような熱可塑性エラストマー組成物は、加硫工程が不要でありながらも、ゴム的な軟質材料としての特性を示し、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有するものである。
特開2014−193969号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の熱可塑性エラストマー組成物では、圧縮永久歪み特性を低く抑えることが困難であるという課題があった。
本発明に係る幾つかの態様は、優れた低圧縮永久歪み特性を有する熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。また、本発明に係る幾つかの態様は、優れた低圧縮永久歪み特性に加えて、機械的強度にも優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の一態様は、
(A)ゴム成分、及び、
(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、
を含有し、
前記(A)ゴム成分中に、共役ジエン化合物に由来する構造単位と芳香族ビニル化合物に由来する構造単位をランダムに有し、かつ、二重結合を有する共役ジエン系重合体を50質量%以上含有し、
前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分を10〜100質量部含有する混合物を、(C)架橋剤の存在下で、動的に架橋して得られるものである。
前記熱可塑性エラストマー組成物の一態様において、
前記共役ジエン系重合体が、
(A−1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1.0×10〜2.0×10であり、かつ、下記式(1)で表される構造単位、下記式(2)で表される構造単位、下記式(3)で表される構造単位、及び下記式(4)で表される構造単位の構造比(モル比)をそれぞれp、q、r、sとしたとき、下記式(i)の条件を満たす重合体を含有してもよい。
0.50≦(p+0.5r)/(p+q+0.5r+s)≦0.95 ・・・(i)
Figure 2021193171
前記熱可塑性エラストマー組成物のいずれかの態様において、
前記(A)ゴム成分中の、前記(A−1)成分の含有割合が40質量%以上であってもよい。
前記熱可塑性エラストマー組成物のいずれかの態様において、
前記(A)ゴム成分が、前記(A−1)共役ジエン系重合体以外の、(A−2)ブタジエンに由来する構造単位を有する共役ジエン系重合体を含有してもよい。
前記熱可塑性エラストマー組成物のいずれかの態様において、
前記(C)架橋剤が、有機過酸化物であってもよい。
前記熱可塑性エラストマー組成物のいずれかの態様において、
前記(C)架橋剤の配合量が、前記(A)成分100質量部に対し、0.2〜5質量部であってもよい。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の一態様によれば、優れた低圧縮永久歪み特性が得られる。また、本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の一態様によれば、優れた低圧縮永久歪み特性に加えて、機械的強度にも優れる。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
本明細書において、「X〜Y」を用いて記載された数値範囲は、数値Xを下限値として含み、かつ、数値Yを上限値として含むものとして解釈される。
なお、本明細書中においては、(A)ゴム成分を「(A)成分」と、(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を「(B)成分」と、(C)架橋剤を「(C)成分」と、(A−1)重合体を「(A−1)成分」と、(A−2)重合体を「(A−2)成分」と、それぞれ略して用いることがある。
1.熱可塑性エラストマー組成物
本発明の一実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、
(A)ゴム成分及び(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含有し、
前記(A)ゴム成分中に、共役ジエン化合物に由来する構造単位と芳香族ビニル化合物に由来する構造単位をランダムに有し、かつ、二重結合を有する共役ジエン系重合体を50質量%以上含有し、
前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分を10〜100質量部含有する混合物を、(C)架橋剤の存在下で、動的に架橋して得られるものである。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、少なくとも前記(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含有する海相中に、少なくとも前記共役ジエン化合物に由来する構造単位と芳香族ビニル化合物に由来する構造単位をランダムに有し、かつ、二重結合を有する共役ジエン系重合体を50質量%以上含有する(A)ゴム成分の島相が分散している海島構造を有するものである。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、動的に架橋することで架橋点が増えているため、優れた低圧縮永久歪み特性が得られる。
以下、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物に含まれる各成分について説明する。
1.1.(A)成分
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ゴム成分を含有する。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物においては、(A)ゴム成分として、共役ジエン化合物に由来する構造単位と芳香族ビニル化合物に由来する構造単位をランダムに有し、かつ、二重結合を有する共役ジエン系重合体(以下、「特定共役ジエン系重合体」ともいう。)を50質量%以上含有する。(A)ゴム成分中の特定共役ジエン系重合体の含有割合は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。かかる特定共役ジエン系重合体は、分子鎖に万遍なく架橋点が存在しており、架橋効率が極めて高い。そのため、(A)ゴム成分中に特定共役ジエン系重合体を50質量%以上含有することにより、架橋点が多く存在するようになるため、圧縮永久歪み特性を低く抑えることが可能となる。
特定共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との分布が不規則なランダム共重合部分を有し、さらに、共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物に由来する構造単位からなるブロック部分を有していてもよい。
重合に際して使用し得る共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合に際して使用し得る芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、5−tert−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−tert−ブチルスチレン、3−tert−ブチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレン(例えば、1−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチレンなど)等が挙げられる。これらの中でも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
特定共役ジエン系重合体中の芳香族ビニル化合物の含有量(芳香族ビニル含量)は、重
合に使用する共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物の合計100質量%中、3〜55質量%とすることが好ましく、5〜50質量%とすることがより好ましい。なお、特定共役ジエン系重合体中の芳香族ビニル含量は、H−NMRによって測定することができる。
重合に際しては、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物以外の他のモノマーを使用してもよい。他のモノマーとしては、例えばアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。他のモノマーの使用量は、重合に使用するモノマーの全体量100質量%中、25質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすることがより好ましく、10質量%以下とすることが特に好ましい。
使用する重合方法としては、溶液重合法、乳化重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれを用いてもよいが、溶液重合法が好ましい。また、重合形式としては、回分式及び連続式のいずれを用いてもよい。溶液重合法を用いる場合、具体的な重合方法の一例としては、有機溶媒中において、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を含むモノマー混合物を、重合開始剤及び必要に応じて用いられるランダマイザーの存在下で重合する方法が挙げられる。
重合開始剤としては、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を用いることができる。これらの具体例としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、1,4−ジリチオブタン、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、ナフチルリチウム、1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン、1,3−フェニレンビス(3−メチル−1−フェニルペンチリデン)ジリチウム、3−(ジメチルアミノ)プロピルリチウム、ナフチルナトリウム、ナフチルカリウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、エトキシカリウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、リチウム化合物が好ましい。重合開始剤の合計の使用量は、重合に使用するモノマー100gに対して、0.2〜20mmolとすることが好ましい。なお、重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ランダマイザーは、重合体中におけるビニル結合(1,2−結合及び3,4−結合)の含有率を表すビニル結合含量の調整等を目的として用いることができる。ランダマイザーの例としては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、2−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合に使用する有機溶媒としては、反応に不活性な有機溶媒であればよく、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などを用いることができる。中でも、炭素数3〜8の炭化水素が好ましく、その具体例としては、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロヘキセン等が挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶液重合法を用いる場合、反応溶媒中のモノマー濃度は、生産性と重合コントロールの容易性のバランスを維持する観点から、5〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。重合反応の温度は、−20℃〜150℃であることが好ましく、0℃〜120℃であることがより好ましく、20℃〜100℃であることが特に好ましい。また、重合反応は、単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力の下で行うことが好ましい。このような圧力は、重合反応に対して不活性なガスによって、反応器内を加圧する等の方法によって得ることができる。
特定共役ジエン系重合体において、共役ジエン化合物に由来する構造単位におけるビニル結合含量は、30〜65モル%であることが好ましく、33〜62モル%であることがより好ましく、35〜60モル%であることが特に好ましい。ビニル結合含量が前記範囲であると、架橋が均一となり応力の集中を抑制できるので、強度(破断伸び)や耐摩耗性が向上する傾向がある。なお、本明細書において「ビニル結合含量」は、共役ジエン系重合体中において、共役ジエン化合物に由来する全構造単位に対する、ビニル結合を有する構造単位の含有割合を示す値であり、H−NMRによって測定した値である。
反応溶液に含まれる特定共役ジエン系重合体を単離するには、例えばスチームストリッピング等の公知の脱溶媒方法及び熱処理等の乾燥の操作によって行うことができる。得られた特定共役ジエン系重合体は、必要に応じて伸展油等を添加することによりムーニー粘度を調整してもよい。この処理により、加工性を良好にすることができる。伸展油としては、例えばアロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。伸展油の配合量は、重合に用いるモノマー等に応じて適宜設定すればよいが、例えば特定共役ジエン系重合体100質量部に対し、10〜50質量部である。
特定共役ジエン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1.0×10〜2.0×10であり、より好ましくは1.2×10〜1.0×10であり、特に好ましくは1.5×10〜5.0×10である。Mwが前記下限値よりも小さいと、低圧縮永久歪み特性が損なわれやすくなる傾向にあり、前記上限値よりも大きいと、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性が低下しやすい傾向にある。
特定共役ジエン系重合体の分子量分布、すなわち重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5であり、特に好ましくは1.5〜2.2である。Mw/Mnが前記範囲にあると、機械的強度や耐摩耗性が良好となる傾向にある。
特定共役ジエン系重合体としては、(A−1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1.0×10〜2.0×10であり、かつ、下記式(1)で表される構造単位、下記式(2)で表される構造単位、下記式(3)で表される構造単位、及び下記式(4)で表される構造単位の構造比(モル比)をそれぞれp、q、r、sとしたとき、下記式(i)の条件を満たす高飽和共役ジエン系重合体を含有することが好ましい。
0.50≦(p+0.5r)/(p+q+0.5r+s)≦0.95 ・・・(i)
Figure 2021193171
特定共役ジエン系重合体として(A−1)成分を含有することにより、以下の効果が得られると考えられる。
(1)(A−1)成分は、熱、光、オゾンなどに弱い不飽和結合の数が低減されているため、(A−1)成分を含有することにより耐候性が向上する。
(2)(A−1)成分は、回転不可である不飽和結合の数が低減されているため、分子鎖の運動自由度が向上し、ゴム分子同士の絡み合いが増える結果、強度(応力)や耐摩耗性が向上する。
(3)(A−1)成分は、不飽和結合数が制御されているため、架橋が集中するのを抑制できる。その結果、架橋が均一となり応力の集中を抑制できるので、強度(破断伸び)や耐摩耗性が向上する。
また、(A−1)高飽和共役ジエン系重合体は、ヨウ素価が2.8〜188の範囲内であることが好ましい。ヨウ素価が前記範囲にあると、熱、光、オゾンなどに弱い不飽和結合の数が十分に低減されているため、耐候性が向上する傾向にある。
(A−1)高飽和共役ジエン系重合体は、上記重合方法により非水添共役ジエン系重合体を製造し、得られた非水添共役ジエン系重合体に水素添加することによって製造することができる。また、同様の構造を得るために、スチレン、ブタジエン、エチレンをメタロセン触媒で共重合することで得てもよい。
非水添共役ジエン系重合体に水素添加する方法及び条件は、所望の水素添加率の重合体が得られるのであれば特に限定されない。水素添加の方法の例としては、チタンの有機金属化合物を主成分とする触媒を水素添加触媒として使用する方法、鉄、ニッケル、コバルトの有機化合物とアルキルアルミニウム等の有機金属化合物からなる触媒を使用する方法、ルテニウム、ロジウム等の有機金属化合物の有機錯体を使用する方法、パラジウム、白金、ルテニウム、コバルト、ニッケル等の金属を、カーボン、シリカ、アルミナ等の担体に担持した触媒を使用する方法等がある。各種の方法の中では、チタンの有機金属化合物の単独、又はそれとリチウム、マグネシウム、アルミニウムの有機金属化合物とからなる均一触媒(特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報)を用い、低圧、低温の穏和な条件で水素添加する方法が工業的に好ましく、またブタジエンに由来する二重結合への水素添加選択性も高いため好適である。
水素添加は、触媒に不活性で、かつ共役ジエン系重合体が可溶な溶剤中で行われる。好ましい溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンのような脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類の単独又はそれらを主成分とする混合物が挙げられる。
水素添加反応は、一般には重合体を水素又は不活性雰囲気下、所定の温度に保持し、攪
拌下又は不攪拌下にて水素添加触媒を添加し、次いで水素ガスを導入して所定圧に加圧することによって行われる。不活性雰囲気とは、水素添加反応のいかなる関与体とも反応しない雰囲気を意味し、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン等により形成する。水添共役ジエン系重合体を得る水素添加反応プロセスは、バッチプロセス、連続プロセス、及びそれらの組合せのいずれを用いてもよい。水素添加触媒の添加量は、水素添加前の非水添共役ジエン系重合体100g当たり0.02〜20ミリモルとすることが好ましい。
(A)ゴム成分中の(A−1)成分の含有割合は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。(A)ゴム成分中の(A−1)成分の含有割合が前記範囲であると、動的に架橋することで架橋点が増えるため、優れた低圧縮永久歪み特性が得られることに加え、上記の効果(1)〜(3)が得られやすいため好ましい。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ゴム成分として前記(A−1)成分以外のゴム成分を含有する場合には、前記(A−1)成分以外の、(A−2)ブタジエンに由来する構造単位を有する共役ジエン系重合体を含有することが好ましい。(A−2)成分は、(A−1)成分との相容性に優れているため、本発明の効果を損なわずに配合することができる。(A)ゴム成分中の(A−2)成分の含有割合は、好ましくは0〜40質量%であり、より好ましくは0〜30質量%である。
また、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、(A)ゴム成分として他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
1.2.(B)成分
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含有する。(B)成分は、熱可塑性エラストマー組成物に機械的強度及び耐熱性を付与することを主たる目的として使用することができる。この場合には、(B)成分は、α−オレフィン単位を主成分とする重合体からなる樹脂であることが好ましい。例えば、重合体全体を100mol%とした場合に、α−オレフィン単位を80mol%以上含有する重合体からなる樹脂であることが好ましい。
また、(B)成分は、熱可塑性エラストマー組成物の溶融粘度を下げて流動性を付与し、金型内の流動過程で固化するのを防止することを主たる目的として使用することもできる。この場合には、(B)成分は、α−オレフィンの単独重合体もしくは2種類以上のα−オレフィンの共重合体であるか、又はα−オレフィンとα−オレフィン以外の不飽和単量体との共重合体であることが好ましい。これらの(B)成分は、添加目的に応じて適時二種類以上使用することができる。
ここで「α−オレフィン」とは、エチレンをも含む概念である。(B)成分におけるα−オレフィン単位を導くα−オレフィンとしては、エチレン及び炭素数3〜12のα−オレフィンが好ましく、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができる。これらのうち、α−オレフィンの少なくとも一部として、有機過酸化物崩壊型のプロピレン及び1−ブテンよりなる群から選択される1種以上を使用することが、成形時の加工性を維持する観点から好ましい。
(B)成分としては、例えばプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ペンテン共重合体、プロピレン・3
−メチル−1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・3−エチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1−ウンデセン共重合体、プロピレン・1−ドデセン共重合体等を挙げることができる。これらのうち、プロピレン単独重合体及びプロピレン・エチレン共重合体が好ましい。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、(A)成分100質量部に対し、(B)成分を10〜100質量部含有するが、20〜90質量部含有することが好ましく、30〜80質量部含有することがより好ましい。(B)成分の含有割合が前記範囲内にあると、低圧縮永久歪み特性と機械的強度とのバランスに優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
(B)成分は、公知の組成や製造方法により合成することができ、例えば特開2014−193969号公報等に記載されている組成や製造方法により合成することができる。
1.3.(C)成分
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分を10〜100質量部含有する混合物を、(C)架橋剤の存在下で、動的に架橋して得られるものである。ここで、「動的に架橋する」とは、(A)ゴム成分と(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを溶融混練すると同時に、せん断下で(A)ゴム成分を架橋するプロセスのことをいう。
(C)成分は、加熱処理によって、(A)成分の少なくとも一部を、同種の成分間又は異種の成分相互間で架橋する機能を有する。このような(C)成分としては、例えば、フェノール系架橋剤、有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物、p−キノン、p−キノンジオキシムの誘導体、ビスマレイミド化合物、エポキシ化合物、シラン化合物、アミノ樹脂、ポリオール架橋剤、ポリアミン、トリアジン化合物、金属石鹸等を挙げることができる。これらのうち、有機過酸化物を用いることが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−p−イソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド、p−メンタンパーオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジラウロイルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ(tert−ブチルパーオキシ)パーベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.2質量部以上であり、より好ましくは0.3質量部以上であり、特に好ましくは0.4質量部以上である。(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下であり、特に好ましくは2質量部以下である。
(C)成分として有機過酸化物を使用する場合、有機過酸化物のみで使用してもよいが、架橋反応を穏やかに進行し、均一な架橋を形成するためには、架橋助剤を併用すること
が好ましい。架橋助剤としては、例えば硫黄、硫黄化合物、p−キノンオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−トルイレンビスマレイミド、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の多官能性モノマー等を挙げることができる。
架橋助剤の配合量は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.2質量部以上であり、より好ましくは0.3質量部以上であり、特に好ましくは0.4質量部以上である。架橋助剤の配合量は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下であり、特に好ましくは2質量部以下である。
1.4.その他の成分
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物には、上記の各成分以外にも、必要に応じて老化防止剤、耐候剤、脂肪酸誘導体、シリコーン化合物、着色剤(例えば酸化チタン、カーボンブラック等)、伸展油等の添加剤を添加してもよい。
<老化防止剤>
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物が老化防止剤を含有することにより、熱分解が抑制されて高温での成形に耐え得るとともに、該組成物を成形して得られる成形体と他の成形体との融着部において、耐熱性が向上する場合がある。
老化防止剤としては、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロキノン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、含硫黄化合物、含リン化合物、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、キノリン系化合物、ヒドロキノン誘導体系化合物、モノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、トリスフェノール系化合物、ポリフェノール系化合物、チオビスフェノール系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系化合物、リン酸系化合物等が挙げられる。これらの老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
老化防止剤としては、市販品を使用することもでき、例えば、ADEKA社製の商品名「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブAO−412S」等を使用することができる。
<脂肪酸誘導体>
脂肪酸誘導体としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩等が挙げられる。脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の直鎖飽和脂肪酸;セトレイン酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、炭素数8以上の高級脂肪酸のエステルが好ましく、例えば、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸ラウリル、トリステアリン酸グリセライド、トリパルミチン酸グリセライド等が挙げられる。脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸のアミド;オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、エルカ酸アミド、アラキドン酸アミド、エイコサペンタエン酸アミド、ドコサヘキサエン酸アミド等の不飽和脂肪酸のアミドが挙げられる。脂
肪酸アミドの中でも、不飽和脂肪酸アミドが好ましく、エルカ酸アミド、オレイン酸アミドがより好ましい。脂肪酸金属塩としては、炭素数10〜25の脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。
1.5.熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分、必要に応じてその他の各種添加剤等を、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、ニーダ、多軸スクリュー押出機、ロール等の一般的な混和機を用いて常法で混合又は混練あるいは溶融混練することにより製造することができる。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物を押出機等で混練して製造する際には、通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃に加熱した状態で溶融混練することが好ましい。なお、動的に架橋(加熱処理)する際の処理時間は、特に限定されないが、生産性等を考慮すると、通常0.1〜30分である。
このように、上記成分(C)の存在下、溶融状態又は半溶融状態で混練して動的に架橋することにより、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
1.6.成形体及び用途
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、例えばガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法等の各種成形方法を用いて成形体とすることができる。これらの中でも、射出成形法が好適である。例えば射出成形を行う場合、成形温度は一般に130〜280℃であり、好ましくは150〜250℃である。また、射出圧力は通常5〜100MPaであり、好ましくは10〜80MPaである。一方、金型温度は通常0〜80℃であり、好ましくは20〜60℃である。なお、これらの成形を行った後に、得られた成形体に積層成形や熱成形等の二次工程をさらに行うこともできる。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、自動車用部材や建材用部材、特に自動車用シール剤や建材用シール剤として好適である。また、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、自動車部品(エアバッグ収納カバー、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ステアリング、ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、各種パッキン類等)、土木・建材部品(止水材、目地材、窓枠、窓枠パッキン等)、スポーツ用品(ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ類等)、工業用部品(医療用容器、ガスケット、パッキン等)、食品用部品(容器、パキン等)、医療用機器部品、電線、雑貨等の幅広い分野で用いることができる。
2.実施例
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記製造例、実施例及び比較例中の「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
2.1.熱可塑性エラストマー組成物の製造
下表1又は下表2に示した種類及び量の、(A)ゴム成分、(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、及び老化防止剤を配合し、ヘンシェルミキサーにて1分間混合した。次いで、同方向二軸押出機(日本製鋼所社製、型式「TEX30」、L/D=46、シリンダーブロック数:12)の上流の供給口に、得られた混合物を質量式フィーダーにて投入した。そして、液添ポンプにて(C)架橋剤、必要に応じて架橋助剤を押出機の途中の供給口から供給し、合計20kg/hの吐出量にて、上流部から下流部を160〜200℃の範囲で昇温させて溶融混練を行い、ペレット化して、各実施例及び各比較例の熱可塑性エラ
ストマー組成物を製造した。
2.2.評価方法
得られた熱可塑性エラストマー組成物の射出成形シートを用いて、圧縮永久歪み、硬度、機械的特性(引張応力、引張破断強度、引張破断伸び)、及び耐候性について下記方法により各々評価した。
(1)圧縮永久歪み
JIS K6262の規格に準拠し、70℃、22時間の条件で測定した。
(2)硬度(デュロA)
JIS K6253(Duro−A)に準拠し、硬度(15秒後)を測定した。
(3)引張応力(MPa)
JIS K6251に準拠し、100%モジュラスとして測定した。
(4)引張破断強度(MPa)
JIS K6251に準拠して測定した。
(5)引張破断伸び(%)
JIS K6251に準拠して測定した。
(6)耐候性
JIS K6259−1:2015の静的オゾン劣化試験のA法に準拠し、オゾン濃度50pphm、温度40℃、20%伸長、200時間暴露にて評価した。目視で亀裂が確認できない場合を「A」、亀裂が確認できる場合を「B」とした。
2.3.評価結果
下表1及び下表2に、各実施例及び各比較例の熱可塑性エラストマー組成物の組成、及び評価結果を示す。
Figure 2021193171
Figure 2021193171
上記の実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
<(A)ゴム成分>
・共役ジエン系重合体(A−1−1)
水添スチレン・ブタジエンゴム、重量平均分子量:27.6万、C/E:25.2%、スチレン含量:19.2%、ビニル結合含量:34.1%、水添率:67.7%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):34.9
・共役ジエン系重合体(A−1−2)
水添スチレン・ブタジエンゴム、重量平均分子量:26万、C/E:24%、スチレン含量:10%、ビニル結合含量:41%、水添率:92%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):34、ガラス転移温度:−53℃
・共役ジエン系重合体(A−2−1)
スチレン・ブタジエンゴム、C/E:60%、スチレン含量:10%、ビニル結合含量:39%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):73、ガラス転移温度:−58℃
・共役ジエン系重合体(A−2−2)
商品名「HP755」、JSR社製、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン含量:39.5%、ビニル結合含量:38.2%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):74
・共役ジエン系重合体(A−2−3)
商品名「SL563」、JSR社製、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン含量:20%、ビニル結合含量:55.5%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):74
・エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(1)
商品名「EP331」、JSR社製、エチレンプロピレンゴム、SNB含量:11.3%、エチレン含量:47%、ムーニー粘度(ML1+4,125℃):23
・エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(2)
商品名「EP505EC」、JSR社製、エチレンプロピレンゴム、SNB含量:4.5%、エチレン含量:67%、ムーニー粘度(ML1+4,125℃):64
<(B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂>
・結晶性プロピレン系樹脂
商品名「ノバテックPP MA2」、日本ポリプロ社製、プロピレンホモポリマー、融点:159℃、密度:0.90g/cm、メルトフローレート(230℃、荷重21.2N):16g/10分
<(C)架橋剤>
・商品名「パーヘキサ25B−40」、日油社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン
<架橋助剤>
・商品名「バルノックPM」、大内新興化学工業社製、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド
<老化防止剤>
・商品名「アデカスタブAO−60」、ADEKA社製、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
上表1及び上表2の評価結果より、実施例1〜10の熱可塑性エラストマー組成物は、比較例1〜8の熱可塑性エラストマー組成物よりも、低圧縮永久歪み特性及び機械的特性(引張応力、引張破断強度、引張破断伸び)の点で優れていることがわかった。なお、実施例6〜10及び比較例5〜8の熱可塑性エラストマー組成物は、いずれも耐候性については問題なかった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さ
らに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (6)

  1. (A)ゴム成分、及び、
    (B)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、
    を含有し、
    前記(A)ゴム成分中に、共役ジエン化合物に由来する構造単位と芳香族ビニル化合物に由来する構造単位をランダムに有し、かつ、二重結合を有する共役ジエン系重合体を50質量%以上含有し、
    前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分を10〜100質量部含有する混合物を、(C)架橋剤の存在下で、動的に架橋して得られる、熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記共役ジエン系重合体が、
    (A−1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1.0×10〜2.0×10であり、かつ、下記式(1)で表される構造単位、下記式(2)で表される構造単位、下記式(3)で表される構造単位、及び下記式(4)で表される構造単位の構造比(モル比)をそれぞれp、q、r、sとしたとき、下記式(i)の条件を満たす重合体を含有する、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
    0.50≦(p+0.5r)/(p+q+0.5r+s)≦0.95 ・・・(i)
    Figure 2021193171
  3. 前記(A)ゴム成分中の、前記(A−1)成分の含有割合が40質量%以上である、請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記(A)ゴム成分が、前記(A−1)共役ジエン系重合体以外の、(A−2)ブタジエンに由来する構造単位を有する共役ジエン系重合体を含有する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 前記(C)架橋剤が、有機過酸化物である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 前記(C)架橋剤の配合量が、前記(A)成分100質量部に対し、0.2〜5質量部である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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