JPH0413374B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0413374B2
JPH0413374B2 JP8282882A JP8282882A JPH0413374B2 JP H0413374 B2 JPH0413374 B2 JP H0413374B2 JP 8282882 A JP8282882 A JP 8282882A JP 8282882 A JP8282882 A JP 8282882A JP H0413374 B2 JPH0413374 B2 JP H0413374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
group
aromatic
cured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP8282882A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58198532A (ja
Inventor
Kazuhiko Morio
Hisashi Murase
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP8282882A priority Critical patent/JPS58198532A/ja
Publication of JPS58198532A publication Critical patent/JPS58198532A/ja
Publication of JPH0413374B2 publication Critical patent/JPH0413374B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエネルギー線の照射及び/又は比較的
低温の加熱により深部まで硬化し得るカチオン重
合性組成物に関するものである。
特に本発明は無機質充填剤が含まれた比較的厚
みのある系でもエネルギー線の照射で深部迄完全
硬化できる硬化性組成物に関するものである。
カチオン重合性物質、たとえばエポキシ樹脂の
光重合は物性が優れていることから注目され、ル
イス酸の芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニ
ウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族スルホキ
ソニウム塩等が硬化用感光性オニウム塩として知
られている(たとえば米国特許第3794576号、特
開昭50−151996号、同50−151997号、同50−
158680号、同52−30899号、同56−8428号、同56
−149402号など)。
しかしながらこれら高知のオニウム塩を使用し
た場合、500ミクロン以上の厚みを持つ場合には
実用的な紫外線照射時間たとえば60秒以内に深部
まで硬化させることができず、無機質充填剤が含
まれている場合にはより悪くなる欠点を持つてい
る。この欠点を改良する為に芳香族スルホニウム
塩の特殊なものを用いる方法(特開昭56−55420
号)、エポキシ樹脂用の熱硬化剤を併用してエネ
ルギー線で表面を、次いで加熱により内部を各々
硬化する方法(特開昭54−17979号、同57−122
号、同56−53129号)、銅塩により硬化を促進する
方法(特開昭56−26927号)が提案されているが、
2mm以上の厚さのものを実用的な紫外線照射時間
内で硬化するのは困難であつたり、硬化物の物性
に問題があつていずれも実用的でない。
本発明の目的は実用的な時間内のエネルギー線
の照射及び/又は比較的低温の加熱で比較的厚み
のある場合も完全に硬化し得るカチオン重合硬化
性組成物を提供することにある。
本発明の硬化性組成物は必須の構成成分とし
て、 () エポキシ樹脂と、 () エネルギー線の照射によりルイス酸を発生
する非求核生陰イオンの芳香族オリウム塩の有
効量と、 () 熱によりルイス酸を発生する非求核生陰イ
オンの有機スルホニウム塩の有効量 (但し、ここでいう「ルイス酸を発生する」と
は反応の機構を正確に記述するものではない) とを含有する。
本発明に使用されるエポキシ樹脂とは従来公知
の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂
肪族エポキシ樹脂が挙げられる。ここで芳香族エ
ポキシ樹脂として特に好ましいものは、少なくと
も1個の芳香族核を有する多価フエノール又はそ
のアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジル
エーテルであつて、例えばビスフエノールA又は
そのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒ
ドリンとの反応によつて製造されるグリシジルエ
ーテル、エポキシノボラツク樹脂が挙げられる。
また脂環族エポキシ樹脂として特に好ましいもの
としては少なくとも1個の脂環族環を有する多価
アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロ
ヘキセン又はシクロペンテン環含有化合物を過酸
化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化する
ことによつて得られるシクロヘキセンオキサイド
又はシクロペンテンオキサイド含有化合物があ
る。ポリグリシジルエーテルの代表例としては、
水素添加ビスフエノールA又はそのアルキレンオ
キサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応に
よつて製造されるグリシジルエーテルが挙げられ
る。
さらに脂肪族エポキシ樹脂として特に好ましい
ものは脂肪族多価アルコール又はそのアルキレン
オキサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあ
り、その代表例としては、1,6−ヘキサンジオ
ールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールの
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルのジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪
族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレ
ンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド)を付加することにより得られるポリ
エーテルポリオールのポリグリシジルエーテルが
挙げられる。さらに脂肪族高級アルコールのモノ
グリシジルエーテルやフエノール、クレゾール又
はこれらにアルキレンオキサイドを付加すること
により得られるポリエーテルアルコールのモノグ
リシジルエーテル等も希釈剤として配合する事が
できる。
本発明のカチオン重合性物質として使用可能な
その他の酸重合性または酸硬化性有機物質として
はエピスルフイド樹脂、環状エーテル、ラクト
ン、オルガノシリコーン環状体、ビニルエーテ
ル、フエノール/ホルムアルデヒド樹脂等の有機
物質が挙げられる。かかるカチオン重合性物質は
単独或いは二種以上の混合物とりて使用できる。
本発明に使用される陰イオンが非求核性陰イオ
ンであり、エネルギー線の照射によりルイス酸を
発生することが可能な酸エネルギー線芳香族オニ
ウム塩()は下記の一般式〔1〕で表わされ
る。
〔A〕+〔B〕- 〔1〕 (式中Aは感エネルギー性有機基を含む置換オニ
ウム構造を示し、またBは非求核性の陰イオンを
示す。) 上記非求核性陰イオンBとして好ましいものは
一般式 MQm (式中MはB,P,Sb,As,Fe,Al,Cu,Ti,
Cd,Zn,Snから選ばれる原子、Qはハロゲン原
子、mは1〜6の整数) で示される陰イオンであり、例えばテトラフルオ
ロボレート(BF4)、ヘキサフルオロホスフエー
ト(PF6)、ヘキサフルオロアンチモネート
(SbF6)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6)、
ヘキサフルオロアルセネート(AsF6)等が挙げ
られる。
さらに一般式MQn-1OH(式中M、Q、mは上
記に同じ)で示される陰イオンも用いることがで
きる。さらに他の非求核性陰イオンとしては過塩
素酸イオン(ClO- 4)、トリフルオロメチル亜硫酸
イオン(CF3SO- 3)、フルオロスルホン酸イオン
(FSO- 3)、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニ
トロベンゼンスルホン酸陰イオン等が挙げられ
る。
これらのうち特にSbF6及びSbF5(OH)が深部
硬化性に優れている。一般式〔1〕中Aは、感エ
ネルギー線構造を有するオニウム塩の陽イオン構
成部分であり、エネルギー線の照射により効率よ
く分解するものである。望ましい構造を有するも
のは数多く発見されているが、なかでも、特開昭
50−158680号、同50−151996号等に記載の芳香族
ハロニウム塩、同50−151997号、同52−30899号、
同56−55420号、同56−8428号、同56−149402号
等に記載のA族芳香族オニウム塩(芳香族スル
ホニウム塩、オキソスルホニウム塩など)、同50
−158698号等に記載のVA族芳香族オニウム塩等
が好ましい。
また本発明の組成物を塗料等の薄膜の硬化に応
用し、より物性の優れた塗膜を得ようという等の
目的には、たとえば特公昭49−17040号に記載の
芳香族ジアゾニウム塩を使用したり、さらにジチ
オリウム塩、チオピリリウム塩なども有効に用い
られる。
さらにこれらの陽イオン部分Aを構成すること
のできるオニウム塩は特開昭55−125105号等に記
載のビス−オニウム塩またはトリス−オニウム塩
等の形をしていてもよい。
本発明の目的に特に好ましいものは、芳香族
(オキソ)スルホニウム塩と芳香族ヨードニウム
塩であり、とりわけ芳香族スルホニウム塩が効果
的である。
本発明のもう一つの重要な構成部分である陰イ
オンが非求核性である感熱性有機スルホニウム塩
()は(1)150℃以下の温度でエポキシ樹脂等の存
在下活性化しカチオン重合を引き起こすことがで
きるスルホニウム塩から選択される。また他の条
件として必ずしも必須ではないが本発明の目的を
有効に達するためには(2)260ミリミクロン以上400
ミリミクロン以下の波長領域に大きな紫外吸収を
実質的に有しないことと、(3)感熱分解の活性化エ
ネルギーが17乃至20kcal/mole以上であること
が好ましい。
上記の条件を満足する感熱性スルホニウム塩
()として好ましいものは脂肪族スルホニウム
塩から選択された特殊な有機基を有するものであ
り、下記の一般式〔2〕で表わすことができる。
ここでR1,R2は同一又は相異なる置換又は非
置換の脂肪族又は脂環族基でR1,R2は環を形成
していてもよく、また基中に不飽和結合、アルコ
キシ基、ニトロ基、ハロゲン基、水酸基、カルボ
キシル基、エステル基、エーテル基、シアノ基、
カルボニル基、スルホン基、チオエーテル基等の
官能基を含むことができる。
Yはイオウ原子に対してα位又はβ位に電子吸
引性官能基を有する脂肪族性の基又は三級の脂肪
族性の基であり、一般式〔3〕、〔4〕又は〔6〕
で示されるものが好ましい。
ここでR3〜R6は水素原子、置換又は非置換の
脂肪族基から選択される基でR3とR4又はR5とR6
は同一でも異なつていてもよい。Xは電子吸引性
の官能基である。
ここで「電子吸引性官能基」と称するのは、隣
接した炭素原子の電子に吸引性作用を及ぼすもの
であり、かかる基にはニトロ基、シアノ基、アル
ケニル基、アルキニル基、カルボキシル基、カル
ボニル基、水酸基、エステル基、スルホン基、ハ
ロゲン基等が含まれる。
このうち特に好ましいものはYが少なくとも1
個の脂肪族基で置換されたアリル基または三級の
脂肪族基であり、次の一般式〔5〕又は〔6〕で
表わされる基を有するものである。
(ここでR7〜R10は水素原子または置換または非
置換の脂肪族基、好ましくはアルキル基であり、
R7〜R9のうち少なくとも1個は置換または非置
換の脂肪族基、好ましくはアルキル基であること
が必要である。またR11〜R13は置換または非置
換の脂肪族基、好ましくはアルキル基から選択さ
れる。) また、場合によつては深部硬化能が多少減少さ
れることもあるが、Yは置換または非置換のベン
ジル基があつてもよい。尚、Bは一般式〔1〕と
同じ意味を持つ。
こうしたスルホニウム塩は比較的容易に合成さ
れ、例えば対応するスルフイドを活性の高いアル
キルハライドと反応させハロゲン陰イオンを有す
るスルホニウム塩を合成し、しかる後に
HMQm,NaMQm,KMQm,NH4MQm(M,
Q,mは上記に同じ)等の試薬により陰イオン交
換を実施しても得られるし、あるいは直接的にス
ルフイドにトリエチルオキソニウムテトラフルオ
ロボレートのごときメールワイン試薬を反応させ
ることにより好収率で合成することも可能であ
る。
また三級の脂肪族基をスルフイドと反応させる
場合は対応するアルコールを出発物質として酸性
条件下で反応を行いスルホニウム塩を得ることが
できる。
本発明の組成物はカチオン重合性物質()
100重量部に対して陰イオンが非求核性陰イオン
でありエネルギー線照射によりルイス像を発生す
ることが可能な感エネルギー線芳香族オニウム塩
()を0.01乃至4重量部含有する。1mm以上の
深部硬化の際には最高1乃至2重量部、好ましく
は硬化性を損なわない範囲でできるだけ少量を使
用することにより光透過性を高める方向で最適量
を決定するのがよい。陰イオンが非求核性の感熱
性有機スルホニウム塩()の使用量は上記
()100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲で
含有することができる。本発明の感熱性スルホニ
ウム塩()は感エネルギー線芳香族オニウム塩
()を分解させるに必要な光透過性を損ないに
くいため、その使用量は比較的広い範囲で決定す
ることが可能である。
本発明の組成物はもし所望ならば無機質充填剤
を含有することができる。代表的な充填剤の例と
してはシリカ、タルク、透明石英粉、白土、ガラ
ス、ガラス繊維、水和アルミナ、アスベスト、バ
ライト、雲母粉末、などが挙げられる。また、
金、銀などの導電性微粒子でもよい。無機質充填
剤の量は、従来の光カチオン重合系ではカチオン
重合性有機物質()100重量部に対して高々15
〜30重量部までしか使用することができなかつた
が、本発明の組成物中では、さらに広い範囲で使
用することができる。好ましい無機質充填剤の量
は0〜500重量部、好ましくは0〜200重量部であ
る。
本発明の組成物は様々な被塗装物乃至成型容器
などに、塗布、含浸、注入した後にエネルギー線
を照射及び/又は加熱して硬化せしめることがで
きる。
適当なエネルギー線としては感光性オニウム塩
の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかな
るものであつてもよいが、好ましくは高・低圧水
銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー
光、太陽灯などから得られる2000Å乃至7000Åの
波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、
放射線等の高エネルギー線を使用する。
エネルギー線への暴露はエネルギー線の種類、
強度や本発明の組成物中の種類、量、厚みなどに
よつて異なるが、通常は10秒から2分程度でも十
分である。
本発明の組成物の硬化に際し、加熱は必ずしも
必要でないことが多いが、場合によつては単独に
加熱のみでも硬化を行うことも可能であり光のあ
たらない部分も硬化せしめることができることか
らその応用範囲は広い。あるいはエネルギー線の
照射の前、同時または後に加熱を併用することに
よつて有効により完全な硬化を行うことができ
る。加熱を単独に行う場合は50〜150℃の温度範
囲で数秒から数分の後に硬化せしめることができ
る。またエネルギー線を併用し、その照射に先だ
つて加熱を行う場合は80℃以下の温度にしておく
のが好ましい。エネルギー線を利用し硬化物を
得、その後に加熱を行うことにより完全硬化を行
う場合は100〜200℃の範囲に数秒から数時間の範
囲に保つことも有効である。エネルギー線と同時
に加熱を行いたいときは、熱線、対流加熱、誘導
加熱やその他の加熱方法を併用してもよいが多く
の場合エネルギー線として熱線を伴う太陽灯のご
ときランプを利用することによつても十分目的が
達せられる。
本発明の組成物には、さらにカチオン重合を損
なわない範囲で希釈のための溶剤や改質のための
非反応性の樹脂やプレポリマーを配合することが
できる。また例えば電気特性を改良する目的など
のため有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、
あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリオ
ールやその他の可撓性プレポリマーを混合するの
もよい。
本発明の組成物はさらに顔料、染料、増量剤、
難燃剤、静電防止剤、ゲル化防止剤、密着性改良
剤、流れ調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、増感
剤などと混合しても用いられる。これらの添加剤
の量は機能と硬化性のバランスで決められるが、
こうした組成物は金属、木材、ゴム、プラスチツ
クス、ガラス、セラミツク製品等に使用すること
ができる。
本発明の具体的な用途としては、例えば塗料、
インキ、接着剤、成形材料、注型材料、ガラス繊
維含浸テープ、パテ、目止め剤などが挙げられ
る。またエポキシ樹脂は電気特性が優れることか
ら各種電気用材料にも使用することができ、コン
デンサー、抵抗、発光ダイオード、半導体、プリ
ント基板、トランス、モータ、電線、太陽電池、
リレー、スイツチやその他の電気・電子部品など
にも応用することができる。また透明性に優れる
ことから各種光学用途にも使用できる。
本発明の組成物は常温において可使時間が長
く、短時間の加熱またはエネルギー線の照射の単
独、または両者を併用することにより、短時間に
硬化し、従来技術では達し得なかつた深部硬化、
無機充填剤の存在下での深部硬化を可能にし、ま
たより物性の優れた硬化物も与えることができ
る。
本発明の効果は実用的な時間内のエネルギー線
の照射及び/又は比較的低温の加熱で比較的厚み
のある場合も完全に効果し得るカチオン重合硬化
性組成物を提供したことにある。
本発明の効果を具体的に列記すると以下の通り
である。
(1) 5mm以上の厚みでも実用的に硬化できる。
(2) 無機質充填剤が多量に混合された5mm以上の
厚みのものも実用的に硬化できる。
(3) 感熱型の有機スルホニウム塩は感光型の芳香
族オニウム塩の硬化を阻害しない(たとえば
BF3・アミン錯体は硬化阻害を起こす)。
(4) 可使時間が長い。
(5) 透明性が良い。
(6) 物性が良い。
以下実施例によつて本発明の有効性を更に具体
的に説明するが本発明はその要旨を越えない限り
以下の実施例に制約されるものではない。
実施例 1 特開昭55−125104号の方法を用いてビス−〔4
−(ジフエニルスルホニオ)フエニル〕スルフイ
ドビスクロライドを得、水溶液中HPF6
KAsF6,またはNaSbF6と塩交換を行うことによ
り、それぞれ対応する非求核性の陰イオンを有す
る感光性スルホニウム塩A・2PF6,A・2AsF6
A・2SbF6を得た(以下陽イオン構成部分、即ち
ビス−〔4−(ジフエニルスルホニオ)フエニル〕
スルフイドをAとして表記する)。この感光性ス
ルホニウム塩を使用し下記の基本配合−Iを得
た。
セロキサイド2021(ダイセル性樹脂式エポキサイ
ド) 100重量部 A・2AsF6 0.4重量部 この組成物を直径5cmのアルミカツプに組成物
の厚みが4mmになるようにとり上部15cmの距離か
ら50W/cmの強度の高圧水銀灯で照射せしめた。
30秒間の照射では組成物は低粘度のままであつ
た。60秒照射することにより表面に軟かい薄膜の
生成がみられたが内部は未硬化のままであつた。
さらに硬化性を高める目的でA・2AsF6を増量し
ていつたが表面の膜の厚さと硬度がやや増加する
だけで内部は未硬化のままであつた。A・2AsF6
の量を減らすと薄膜の生成も見られなかつた。と
ころがこの基本配合−に感熱性スルホニウム塩
としてプレニル・テトラメチレンスルホニウム・
ヘキサフルオロアンチモネートを0.3重量部加え
た混合物は、同様の照射条件下30秒で深部まで硬
化し、シヨアD硬度85以上の硬い硬化物が得られ
た。またA・2AsF6を0.2重量部に減らして感熱
性スルホニウム塩0.3重量部加えた配合も同様に
深部まで硬化した。
実施例 2 シリカ及びタルクを用いて下記の基本配合−
を得た。
セロキサイド2021 100重量部 A・2SbF6 0.2重量部 シリカ充填剤 50重量部 タルク充填剤 50重量部 この配合物を厚さ4mmになるようにアルミカツ
プにとり、15cmの距離から80W/cmの高圧水銀灯
を用いて45秒間照射したところ表面は硬化したが
深部は未硬化のままであつた。しかし実施例1の
感熱性スルホニウム塩を0.4重量部加えた配合物
は深部まで十分に硬化し、強固な固型物を与え
た。
実施例 3 実施例1の基本配合−にシリカ充填剤70重量
部と実施例1に記載した感熱性スルホニウム塩を
添加した配合物は同様の照射条件で深部まで硬化
し強固な固型物を与えた。
実施例 4 次の基本配合−を調製した。
EP−4100(旭化成製ビスフエノールA型エポキサ
イド) 100重量部 A・2SbF6 0.1重量部 この配合物を実施例1と同様にアルミカツプに
とり、紫外線照射を50秒間行うことにより厚さ4
mmの円板を得た。一方この配合物にさらに実施例
1と同様の感熱性スルホニウム塩0.2部を加え照
射して同じく厚さ4mmの円板を得た。両者をメチ
ルエチルケトン中に一昼夜浸せきしたところ前者
の円板は完全に崩壊していたが後者の円板はもと
のままであつた。また基本配合−において感光
性スルホニウム塩A・SbF6の量を0.4重量部に増
加したものも同様に崩壊した。さらに1.0重量部
以上に増量した配合物は深部の硬化に問題があつ
た。感熱性スルホニウム塩を加えた配合物は室温
下暗所で少なくとも3ケ月以上安定であつた。
実施例 5 実施例4で得た2つの円板を180℃1時間の加
熱処理を行つてから粉砕し、DSC−2示差走査
熱量計(パーキンエルマー製)でガラス転移温度
を測定したところ感熱性スルホニウム塩を混合し
ない配合は70℃、混合した配合は140℃を示した。
実施例 6 トリフエニルスルホニウムヘキサフルオロアン
チモネート0.1重量部とセロキサイド100重量部か
らなる配合物を実施例1の条件下で硬化して厚さ
1mmの円板を得た。この硬化物をメチルエチルケ
トン中に15時間浸せきした後重量変化を測定した
ところ7%以上の重量増が見られた。この配合物
に実施例1の感熱性スルホニウム塩を0.2重量部
加えた配合物は重量増が0.4%以下であつた。
実施例 7 下記の基本配合−を調製した。
セロキサイド2021 100重量部 A・2PF6 1.5重量部 シリコン系界面活性剤 0.5重量部 この配合物をアルミテストパネル(0.3mm厚)
に10μm塗布したものは80W/cmの水銀ランプ2
灯のもとに毎分50mのスピードで通過してタツク
フリーの状態にせしめることができた。この配合
物に感熱性スルホニウム塩としてクロチル・テト
ラメチレンスルホニウム・ヘキサフルオロアルセ
ネートを3重量部混合した配合物は150℃以下の
加熱及び紫外線硬化のどちらでも硬化せしめるこ
とができた。また得られた配合物は室温下暗所で
3ケ月以上安定であり、2種の触媒を混合したこ
とにより、硬化性、物性は改良されこそすれ互い
に悪影響を与えることはなかつた。ところが上記
基本配合−にエポキシ樹脂の潜在性カチオン重
合触媒の代表例として知られるBF3・モノエチル
アミン錯体を3重量部混合した配合は配合物の光
硬化性及び物性を著しく阻害した。また配合物の
ポツトライフは室温下暗所で1週間以内であつ
た。
実施例 8 トリフエニルスルホニウム・ヘキサフルオロア
ルセネート1.5重量部、クロチル・テトラメチレ
ンスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート
0.5重量部、セロキサイド2021 100重量部からな
る配合は室温下暗所で少なくとも3ケ月以上安定
な無溶剤低粘度組成物を与えた。配合物の150℃
のゲルタイムは30秒以内また光硬化性は80W/cm
の水銀灯を10秒以内照射することによつて硬化す
ることができた。このままでもたとえばステータ
ーコイル等の含浸用ワニスとして使用すれば表面
を紫外線照射により硬化せしめることによりタレ
防止を行い光照射が不可能な部分は熱硬化により
硬化させることができる。またさらに可撓性熱衝
撃性等を与えたい場合はポリオール、可撓性エポ
キシ、可撓性酸無水物等を加えることにより実現
することができる。
実施例 9 セロキサイド2021 100重量部、A・2SbF60.1重
量部、クロチル・テトラメチレンスルホニウム・
ヘキサフルオロアンチモネート0.3重量部、フエ
ノール系酸化防止剤1重量部を含む配合物は紫外
線照射後160℃1時間の後加熱により透明性(透
過率90%以上)に優れた硬化物を与えた。この硬
化物は120℃500時間以上の経時変化後も透過率85
%以上を保つていた。この配合物は発光ダイオー
ドの封止や光学用途に応用することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 () エポキシ樹脂と、 () エネルギー線の照射によりルイス酸を発生
    する非求核性陰イオンの芳香族オニウム塩の有
    効量と、 () 熱によりルイス酸を発生する非求核性陰イ
    オンの有機スルホニウム塩の有効量 とを必須の成分として含有する硬化性組成物。 2 芳香族オニウム塩が芳香族スルホニウム塩で
    ある特許請求の範囲第1項記載の硬化性組成物。 3 有機スルホニウム塩が樹脂族性のスルホニウ
    ム塩である特許請求の範囲第1項記載の硬化性組
    成物。
JP8282882A 1982-05-17 1982-05-17 硬化性組成物 Granted JPS58198532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8282882A JPS58198532A (ja) 1982-05-17 1982-05-17 硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8282882A JPS58198532A (ja) 1982-05-17 1982-05-17 硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58198532A JPS58198532A (ja) 1983-11-18
JPH0413374B2 true JPH0413374B2 (ja) 1992-03-09

Family

ID=13785253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8282882A Granted JPS58198532A (ja) 1982-05-17 1982-05-17 硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58198532A (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188425A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 Toagosei Chem Ind Co Ltd カチオン重合方法
JPH0684509B2 (ja) * 1986-05-12 1994-10-26 株式会社日本触媒 洗浄剤組成物
JP2608743B2 (ja) * 1988-01-19 1997-05-14 日東電工株式会社 粘着剤薄層展開物の貼着構造
US5434196A (en) * 1988-02-19 1995-07-18 Asahi Denka Kogyo K.K. Resin composition for optical molding
JPH0826121B2 (ja) * 1988-02-19 1996-03-13 旭電化工業株式会社 光学的造形用樹脂組成物
DE68928521T2 (de) * 1988-02-19 1998-04-16 Asahi Denka Kogyo Kk Kunststoffzusammensetzung für optisches modellieren
JP4539644B2 (ja) * 1993-07-29 2010-09-08 日立化成工業株式会社 回路接続材料とその接続材料を用いた回路の接続方法
JP4228652B2 (ja) * 1993-07-29 2009-02-25 日立化成工業株式会社 回路接続材料とその接続材料を用いた回路の接続方法
WO1995023174A1 (fr) * 1994-02-24 1995-08-31 New Japan Chemical Co., Ltd. Resine epoxy, procede de production correspondant, composition de resine photodurcissable et composition pour poudrage a la resine a base toutes les deux de ladite resine
US6218482B1 (en) 1994-02-24 2001-04-17 New Japan Chemical Co., Ltd. Epoxy resin, process for preparing the resin and photo-curable resin composition and resin composition for powder coatings containing the epoxy resin
JP2001207150A (ja) 2000-01-26 2001-07-31 Sony Chem Corp 接着剤組成物
JP2002302537A (ja) * 2001-04-03 2002-10-18 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法
JP2006199778A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、回路接続用接着剤及びこれを用いた回路接続方法、接続体
JP2008296557A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Mazda Motor Corp 接着接合部材及び該部材の製造方法
JP4985114B2 (ja) * 2007-06-04 2012-07-25 マツダ株式会社 接着接合部材及び該部材の製造方法
JP5509529B2 (ja) * 2008-03-28 2014-06-04 マツダ株式会社 接合組立品の製造方法および接合組立品の製造装置
JP2011111556A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及び回路部材の接続方法、並びに半導体装置
JP5707754B2 (ja) * 2010-07-12 2015-04-30 横浜ゴム株式会社 導電性組成物および太陽電池セル
JP5392333B2 (ja) * 2011-09-28 2014-01-22 日立化成株式会社 回路接続用接着剤及びこれらを用いた回路接続方法、接続体
JP2012046757A (ja) * 2011-09-28 2012-03-08 Hitachi Chem Co Ltd 回路接続用接着剤及びこれらを用いた回路接続方法、接続体
JP2012046756A (ja) * 2011-09-28 2012-03-08 Hitachi Chem Co Ltd 回路接続用接着剤及びこれらを用いた回路接続方法、接続体
JP2013095881A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Furukawa Electric Co Ltd:The 接着剤組成物、半導体レーザモジュールおよび半導体レーザモジュールの製造方法
CN109661601B (zh) * 2016-09-06 2022-02-01 住友化学株式会社 偏振板及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58198532A (ja) 1983-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0413374B2 (ja)
US4684671A (en) Energy beam curable composition
US6777460B2 (en) Curing agents for cationically curable compositions
US3835003A (en) Photopolymerization of oxetanes
EP1087262B1 (en) Energy-ray curing resin composition
JPS60135402A (ja) 重合性組成物
JP3449595B2 (ja) 感光性で再加工可能なカプセル材
EP0276716A2 (en) UV curable epoxy resin compositions with delayed cure
JPS6047029A (ja) 光重合性有機組成物に使用するジアリールヨードニウム塩及びその製造方法
JP3415047B2 (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物
JP3014251B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
JPH10287643A (ja) 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
US4080274A (en) Photopolymerization of lactone-epoxide mixtures with aromatic diazonium salts as photocatalyst
JPH0320374A (ja) 光重合性脂環式エポキシ組成物の硬化促進法
JP5699835B2 (ja) 硬化性組成物並びにこれを用いたコーティング用組成物、及びこれらの硬化物
JPH0237924B2 (ja) Netsukokaseisoseibutsu
JPH0559931B2 (ja)
WO1992008745A1 (en) Cationically polymerizable organic material composition and stabilization of said composition
US4857562A (en) UV curable epoxy resin compositions with delayed cure
JPH0330616B2 (ja)
JPH07173279A (ja) 硬化物の製造方法
JP3402520B2 (ja) エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH10251375A (ja) α−グリコール基含有グリシジル化合物
EP1309645A2 (en) Use of cross-linker and compositions made therefrom
JP2608094B2 (ja) コンデンサー用ディッピング材