JPH0413275B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ケーブル巻取りおよび送り出しに用
いられるケーブル巻取り装置に係り、特に簡単な
機構によつて巻取りドラムの空転を防止できるケ
ーブル巻取り装置を提供しようとするものであ
る。

〔従来の技術・発明が解決しようとする問題点〕 一般に、ケーブル巻取り装置は、ケーブルの送
り出しを急に止めたとき巻取りドラムが慣性力で
空転しケーブルの巻付けが緩むことがあつた。

従来、前述した巻取りドラムの空転を防止する
ため、巻取りドラム軸または駆動軸にブレーキ装
置を設けて慣性力による巻取りドラムの空転を防
止していた。しかし、従来のブレーキ装置はスリ
ツプ機構を備えたもので構造が複雑で而も高価で
あつた。

本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもの
で、簡単な機構によつて巻取りドラムの空転を防
止することができるこの種のケーブル巻取り装置
を提供することに目的がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による解決手段は、駆動軸に取付けた駆
動スプロケツトと、ケーブル巻取りドラムの回転
軸に取付けた被駆動スプロケツトと、上記駆動ス
プロケツトおよび被駆動スプロケツトに巻掛けた
伝導チエーンと、上記伝導チエーンに係合したア
イドラースプロケツトとを備えたケーブル巻取り
装置において、外輪とその内側に同軸配置された
内輪とそれら内外輪の間で一方向に回転したとき
だけ係止するように介在されたカムとからなる一
方向クラツチの、当該外輪をアイドラースプロケ
ツトの内側に嵌合固定し且つ内輪を巻取り装置に
取付けてある軸に軸支させ、当該内輪には、その
一端側にデイスクが一体に形成されていて、該デ
イスクの面と巻取り装置の固定部の面のそれぞれ
に摩擦板を取着固定し、上記軸に螺着されたナツ
トを内輪の他端側に圧締することにより当該摩擦
板同士を摺動可能に圧接したことにある。

〔作用〕

前述した手段によれば、巻取りドラムによりケ
ーブルを巻取るときは、伝導チエーンに係合した
アイドラースプロケツトは、一方向クラツチが回
転を伝達しない方向に回転するので効率よくケー
ブルが巻取られる。また、巻取りドラムからケー
ブルを送り出すときは、伝導チエーンに係合した
アイドラースプロケツトは一方向クラツチが回転
を伝達する方向に回転するので摩擦板による負荷
がかかり回転が抑制されてケーブルの送り出しを
急に止めても巻取りドラムが慣性力により空転す
ることがなくなる。

また、一方向クラツチにおける内輪の端部から
圧締するナツトの締め付け力の加減によつて、当
該内輪の反対端に一体化されたデイスクに取着固
定された摩擦板と巻取り装置側の摩擦板との圧接
力が加減でき、延いては摩擦板のブレーキ力の調
整が可能となる。なおまた、一方向クラツチの内
輪を支える軸のナツトを外して当該クラツチを着
脱することにより摩擦板の交換も可能である。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面により説明する。

第１図、第２図および第３図は本発明のケーブ
ル巻取り装置の一実施例を示すものであり、駆動
軸１に取付けた駆動スプロケツト２と、ケーブル
巻取りドラム３の回転軸４に取付けた被駆動スプ
ロケツト５と、上記駆動スプロケツト２および被
駆動スプロケツト５に巻掛けた伝導チエーン６と
上記伝導チエーン６に係合したアイドラースプロ
ケツト７を備え、さらに第２図及び第３図に示す
ような一方向クラツチ８と摩擦機構が備えられて
いる。

しかして、一方向クラツチ８は、外輪９とその
内側に同軸配置された内輪１０とさらにそれら内
外輪の間で一方向に回転したときだけ係止するよ
うに介在されたカム１１とからなつており、かか
る外輪８がアイドラースプロケツトの内側に嵌合
固定され、且つ内輪１０が巻取り装置に取付けて
ある軸１６に軸支されている。

かかる内輪１０には、軸方向の一端側でフラン
ジ状のデイスク１３が一体に形成されていて、そ
のデイスク１３が巻取り装置本体１２の固定部１
２に対向されており、それらデイスク１３の面と
固定部１５の面との間に摩擦板１４を介在してあ
る。

内輪１０は、これを支える軸１６に螺着された
ナツト１７をデイスクとは反対側の端部から圧締
することで、それ自身が押さえ込まれるとともに
デイスク１３の面で摩擦板１４の一方の面を圧接
し、またそれによつて摩擦板１４の他方の面が固
定部１５の面に圧接される。従つて、ナツト１０
の締め付けを加減すれば、摩擦板１４に対する挟
接力つまりブレーキ力を調節することができる。

上記カム１１は、巻取りドラム３がケーブルを
巻取る方向に回転するときは内外輪９，１０に対
して滑るようにし、巻取りドラム３がケーブルを
送り出す方向に回転するときは内外輪９，１０に
対して引つ掛かるようにし、もつてケーブルが送
り出すときに回転を伝達するように設置されてい
る。

このようなケーブル巻取り装置によれば、巻取
りドラム３によりケーブルを巻取るときは、駆動
スプロケツト２の回転を伝導チエーン６により被
駆動スプロケツト５に伝え巻取りドラム３を巻取
り方向に回転させる。このとき、アイドラースプ
ロケツト７も回転するが、カムクラツチ８は回転
を伝達しないので効率よくケーブルが巻き取られ
る。

また、巻取りドラム３からケーブルを送り出す
ときは、巻取りドラム３を送り出し方向に回転さ
せる。このとき、アイドラースプロケツト７も回
転して、カムクラツチ８も回転を伝達するので内
輪１０に一体化したデイスク１３が回転してそれ
に圧接する摩擦板１４による負荷がかかり回転が
抑制されるから、ケーブルの送り出しを急に止め
ても巻取りドラム１９が慣性力により空転するこ
とがなくなる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明に係るケーブル巻
取り装置は、駆動スプロケツトと被駆動スプロケ
ツトに巻掛けた伝導チエーンに係合したアイドラ
ースプロケツトの回転を伝達する一方向クラツチ
と、上記一方向クラツチで伝達された回転に負荷
を与えて上記アイドラースプロケツトの回転を抑
制する摩擦板とによつて、ケーブル送り出しのと
きの巻取りドラムの空転を防止するので、装置の
構造が簡単になり安価になる。

また、かかる摩擦板は、一方向クラツチのカム
に内接する内輪の一方の端部に一体化したデイス
クに一方の面が向き、内輪を軸支する軸に螺着し
たナツトを当該内輪の他方の端部から圧締させる
ことで、デイスクへの面圧を出して所定の摩擦力
を得ているので、当該ナツトの締め付け力を加減
すれば摩擦板に対する面圧を加減でき、延いては
ブレーキ力の調節がナツトの締め付け力だけで容
易に行うことができる。さらに、ナツトを外せば
消耗品である摩擦板の交換を行うことができる。
等々、実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明のケーブル巻取り装置の一実施例
を示すもので、第１図はアイドラースプロツトお
よびその取付け部分の縦断面図、第２図はアイド
ラースプロケツトの横断面図、第３図はケーブル
巻取り装置の側面図である。 符号において、１は駆動軸、２は駆動スプロケ
ツト、３はケーブル巻取りドラム、４は回転軸、
５は被駆動スプロケツト、６は伝導チエーン、７
はアイドラースプロケツト、８はカムクラツチ
（一方向クラツチ）、９は外輪、１０は内輪、１１
はカム、１２はケーブル巻取り装置本体、１３は
デイスク、１４は摩擦板、１５は固定部、１６は
軸、１７はナツトである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 駆動軸に取付けた駆動スプロケツトと、ケー
   ブル巻取りドラムの回転軸に取付けた被駆動スプ
   ロケツトと、上記駆動スプロケツトおよび被駆動
   スプロケツトに巻掛けた伝導チエーンと、上記伝
   導チエーンに係合したアイドラースプロケツトと
   を備えたケーブル巻取り装置において、外輪とそ
   の内側に同軸配置された内輪とそれら内外輪の間
   で一方向に回転したときだけ係止するように介在
   されたカムとからなる一方向クラツチの、当該外
   輪をアイドラースプロケツトの内側に嵌合固定し
   且つ内輪を巻取り装置に取付けてある軸に軸支さ
   せ、当該内輪の一端側にデイスクが一体に形成さ
   れていて、該デイスクの面と巻取り装置の固定部
   の面との間に摩擦板を介在し、上記軸に螺着され
   たナツトを内輪の他端側に圧締することにより当
   該摩擦板を摺動可能に挟接したことを特徴とする
   ケーブル巻取り装置。