JPH0413059Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、各種鋼帯ラインにおいて鋼帯の先
端、後端で剪断された端板を、鋼帯ライン外へ速
やかに除去する端板処理装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、鋼帯処理ラインにおける端板処理装置と
しては、鋼帯の先端、後端の不良部分をスクラツ
プとして切断し、ライン外へ除去する場合に、シ
ヤーで切断された端板をその切断の都度、ライン
の下部ゲートを開閉させて、下方に配置させた端
板バツグへ落下させるものがある。

また、端板を鋼帯処理ラインの横方向へ端板押
し出し機等により押し出し、シユートを介して端
板バツクへ入れる構成のものもある。

さらに、特開昭55−156112号公報に記載される
ように、マグネツトで吸着して移動させる装置も
提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来例においては、
一つの鋼帯処理ラインで端板の切断を繰り返す場
合、各端板毎に下部ゲートの開閉、又は端板押し
出し機などの作動を行なわなくてはならず、その
動作に時間を要し、複数枚の端板の切断となる
と、その処理能率が悪いという問題点があつた。

また、前記した両従来例において、端板バツク
の搬出入作業が鋼帯処理ラインの下方又はその付
近で行われるため、操業性、作業上の安全性等に
問題点を有していた。

また、特開昭55−156112号公報記載のもので
は、 通板テーブル上の空間を使用する構成となる
ので、通板テーブルのメンテナンスが困難とな
る。

マグネツトへの押しつけ機構が必要となる。

マグネツトでの吊り上げ方式なので、運搬時
に吊り落としのおそれがある。

複数枚重ねた処理ができない。

などの問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、鋼帯処理ライン上の鋼帯の端部を
切断する剪断機の入側及び出側の少なくとも一方
に、切断された端板を送出するように設けられた
送出手段と、前記鋼帯処理ラインのパスラインよ
り低い位置に搬送作業面が設けられていて、前記
送出手段から送出された端板の積み重ねを可能と
するドツグ付チエーンコンベヤと、前記ドツグ付
チエーンコンベヤで搬送された端板を前記鋼帯処
理ライン外へ搬送するスラツトコンベヤと、を備
えてなることを、その構成としている。

〔作用〕

送出手段は、剪断機の入側又は出側において切
断された端板を、ドツグ付チエーンコンベヤの搬
送作業面に送出し、この動作を繰り返すことによ
り複数の端板が、ドツグ付チエーンコンベヤの搬
送作業面に積み重ねられる。前記ドツグ付チエー
ンコンベヤは、前記複数の端板をドツグで支持し
つつ、スラツトコンベヤに搬送し、該スラツトコ
ンベヤは、所定の場所に配置された端板バツグ等
へ、前記端板を搬送する。

〔実施例〕 以下、この考案に係る端板処理装置を、上パス
及び下パスを有する鋼帯処理ラインの入側に設置
した一実施例を図面に基づいて説明する。

図中、１はドツグ付チエーンコンベヤであつ
て、少なくとも２本の平行なシヤフト１３にそれ
ぞれ所定数のチエーン歯車１４を装着し、シヤフ
ト１３どうしの対応するチエーン歯車１４どうし
の間に無端状のチエーン１５を掛け渡し、所定の
シヤフト１３をモータ９で回転駆動する構成にお
いて、チエーン１５の半周長毎の２箇所に、ドツ
グ１ａをチエーン１５の外側方に向けて突設し、
しかも、該ドツグ１ａは、チエーン１５の動作に
伴い被搬送物を載せるテーブルエプロン１６の搬
送方向に開設した割溝１６ａを、走行するように
している。

かゝるドツグ付チエーンコンベヤ１は、鋼帯処
理ラインの上パスと下パスの入側端部に、それぞ
れ、該ラインのパスラインよりもテーブルエプロ
ン１６が低い位置で、しかも、その搬送方向が該
鋼帯処理ライン上の鋼帯移動方向と直角をなすよ
うに配置されている。また、前記鋼帯処理ライン
の入側には、鋼帯端部の不良部分を剪断するダウ
ンカツト型のダブルカツトシヤー２が設けられて
おり、このダブルカツトシヤー２の出側には別途
設けられた駆動手段によつて回転駆動されるピン
チロール３が軸装されている。そして、前記ピン
チロール３は押えシリンダ４により下方に押圧さ
れており、前記ダブルカツトシヤー２により剪断
された鋼帯の端板５を押えながらドツグ付チエー
ンコンベヤ１に送出するようにしている。

なお、ドツグ付チエーンコンベヤ１は、前述し
たようにその搬送作業面であるテーブルエプロン
１６が、前記鋼帯処理ラインのパスラインよりも
低い位置に設定されているため、該コンベヤ１の
テーブルエプロン１６上面には、複数枚の端板５
を積み重ねることが出来る。その場合、ドツグ付
チエーンコンベヤ１のドツグ１ａは、ピンチロー
ル３によつて送出される端板５の進行を阻害しな
い位置に待機した状態を保ち、所定複数枚の端板
の積み込みが終了した後、該コンベヤ１の駆動に
より端板５の搬送方向後部を当該ドツグ１ａで後
押しするように支持する。

また、前記ドツグ付チエーンコンベヤ１におけ
る端板５がピンチロール３によつて送出される方
向の縁部側方には、送出された端板５の位置決め
を行うストツパ６を配設している。このストツパ
６は、略扇形状のものであつて、その駆動に伴つ
て、弧状縁部６ａが同一円周上を移動するように
支持されており、該弧状縁部６ａで送出される端
板５を受け止めて位置決めを行うようにしてい
る。また、ストツパ６の前記弧状縁部６ａの取付
下端には、半径方向に腕部６ｂが延設されてお
り、この腕部６ｂには、該ストツパ６を作動させ
るシリンダ機構７が連結されていて、前記ドツグ
付チエーンコンベヤ１を稼働させる場合に、該シ
リンダ機構７によつて、ストツパ６の弧状縁部６
ａが端板５と接触しない位置まで移動するように
該ストツパ６を枢動させるようにしている。

前記ドツグ付チエーンコンベヤ１の搬送終端に
は、複数の端板５を受けて、後記するスラツトコ
ンベヤ１０までこの端板５を自重により摺動させ
て搬送するスクラツプシユート８を配設してい
る。また、スクラツプシユート８の終端下方に
は、端板５をライン設備より離れた隣のヤードに
位置する端板バツグ１１まで搬送するスラツトコ
ンベヤ１０が配置されている。なお、このスラツ
トコンベヤ１０は、スラツト状のコンベヤであ
り、その搬送作業面に隙間が無く、平面の状態を
保つているため、いかなる形状の端板であつても
引掛ることが防止され、安定した搬送を行うこと
が出来る。

前記端板バツク１１は、レール１２，１２上を
走行する搬送台車１３に載置され、端板５が所定
量になつたら他の位置である処理場所まで搬送さ
れるものであり、かゝる端板バツク１１を複数待
機させることによつて、端板５の連続的な処理を
可能としている。

なお、前記ドツグ付チエーンコンベヤ１は、前
記ピンチロール３の駆動の繰り返しにより、所定
複数の端板５の送出がなされた後、チエーン１５
を半周長だけ作動することにより、前記端板５を
スクラツプシユート８に移すことが出来ると同時
に、その半周長分のチエーン作動終了後は、作動
前に端板５を押し出すためのドツグ１ａの待機位
置に、もう１つのドツグ１ａが位置し、次の端板
５の搬送が可能な状態となる。

また、前記ドツグ付チエーンコンベヤ１のテー
ブルエプロン１６は、前記したように鋼帯処理ラ
インのパスラインよりも低い位置となるようにさ
れたものであり、ピンチロール３で送出される端
板５は、該パスラインと同じ高さとなるまで積み
重ねが可能であり、端板５を積み重ねた厚さより
も、ドツグ１ａのテーブルエプロン１６から突出
する部分の長さは、長く設定されている。

さらに、前記テーブルエプロン１６には、端板
５の鋼帯処理ラインから送出又はスクラツプシユ
ート８への搬送を円滑にするために、適宜複数箇
所にロール１７が設けられている。

以上、実施例について説明したが、この考案に
係る端板処理装置は、上記実施例の他に、その構
成の要旨に付随した相当の設計変更が可能であ
る。

例えば、上記した実施例にあつては、上パス及
び下パスを有する鋼帯処理ラインの入側に本端板
処理装置を適用した例であるが、鋼帯処理ライン
の出側に設置することも可能であり、またパスラ
インが一つである鋼帯処理ラインの入側、出側の
夫々に設置してもよい。

また、この考案に係る端板処理装置にあつて
は、ダブルカツトシヤー２などの剪断機の動作に
伴い、送出手段、ドツグ付チエーンコンベヤ１、
スラツトコンベヤ１０、端板バツグ１１等の動作
を自動制御することも可能である。

上記した実施例においては、端板５をドツグ付
チエーンコンベヤ１に送出する手段としてピンチ
ロール３を設けているが、剪断機によつて剪断さ
れた端板５をドツグ付チエーンコンベヤ１に送出
する、他の機構を用いた構成としてもよい。

さらに、上記した実施例においては、スクラツ
プシユート８をドツグ付チエーンコンベヤとスラ
ツトコンベヤ１０とに介在させている、これを省
略した構成とすることも可能である。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案に係
る端板処理装置にあつては、送出手段、ドツグ付
チエーンコンベヤ及びスラツトコンベヤにより、
端板を鋼帯処理ラインの操業に支障のない場所へ
円滑に搬送することが出来るため、端板処理作業
を安全且つ円滑に行える効果がある。

また、ドツグ付チエーンコンベヤの搬送作業面
が鋼帯パスラインより低い位置にあるため、該搬
送作業面に端板を複数積み重ねることが可能であ
り、剪断機による複数回の剪断に対してドツグ付
チエーンコンベヤを１回作動させればよく、端板
の搬送作業効率を高め、動作に時間を要しない効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る端板処理装置の一実施
例を示す側面図、第２図はドツグ付チエーンコン
ベヤとピンチロールを鋼帯処理ラインの入側に設
けた状態を示す正面図である。 １……ドツグ付チエーンコンベヤ、２……ダブ
ルカツトシヤー、３……ピンチロール、５……端
板、８……スクラツプシユート、１０……スラツ
トコンベヤ、１１……端板バツグ、１５……チエ
ーン、１６……テーブルエプロン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼帯処理ライン上の鋼帯の端部を切断する剪断
   機の入側及び出側の少なくとも一方に、切断され
   た端板を送出するように設けられた送出手段と、
   前記鋼帯処理ラインのパスラインより低い位置に
   搬送作業面が設けられていて、前記送出手段から
   送出された端板の積み重ねを可能とするドツグ付
   チエーンコンベヤと、前記ドツグ付チエーンコン
   ベヤで搬送された端板を前記鋼帯処理ライン外へ
   搬送するスラツトコンベヤと、を備えてなること
   を特徴とする端板処理装置。