JPH0412887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、御影石や大理石などの石材パネルを
用いたカーテンウオールに関する。

〔従来の技術〕

建物躯体に取り付けた方立間に横材を横架連結
して方形枠を形成し、この方形枠にパネルを装着
した方立式のカーテンウオールや、縦材と上下の
横材を方形状に枠組みして方形枠を形成し、この
方形枠をフアスナーを介して建物躯体に取り付け
ると共に、方形枠内にパネルを装着したユニツト
式のカーテンウオールが知られている。

いずれのカーテンウオールにおいても、パネル
の上下縁部を横材の凹溝内に臨ませ、パネルの室
内・外側面と凹溝との間に室内・外側シール材を
装着して両者間をシールしている。

特に、パネルの室内側面と凹溝の室内側部との
間にシールが不十分であると、雨水がその部分よ
り室内側に浸入して建物躯体側に雨水が流れ込み
好ましくない。

他方、パネルには風雨が直接作用し、強風で破
損しないようにするために耐風圧性に優れた材質
より成るパネルを使用する必要がある。

そこで、パネルとしては前述のシール性と耐風
性を考慮して、シール材との当りが良くてシール
性を向上できると共に、品質が全体に亘つて均一
であつて強度的に安定したガラス板やアルミ板を
用いている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述のようにカーテンウオールとしてはガラス
板やアルミ板より成るパネルを用いたものが主で
あり、外観意匠に限りがあるので、パネルとし御
影石や大理石などの石材パネルを用いて外観意匠
に特徴のあるカーテンウオールが要望されてい
る。

しかしながら、石材パネルはシール材との当り
が悪くてシール性に問題があると共に、石材は品
質が一定でなく強度的に不安定であるから石材パ
ネルの耐風圧が悪く強風で破損することがあり、
石材パネルを用いたカーテンウオールの妨げとな
つている。

そこで、本考案は石材パネルを用いてもシール
性を損なうことがないと共に、優れた耐風圧性を
得られるようにしたカーテンウオールを提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

石材パネル４の室内側面４ａに四周連続したス
ペーサ４４を介して当該石材パネル４と同一大き
さで材質が全体に亘つて均一で強度が大でかつシ
ール材との当りが良い材質より成るパネル４１を
取付けて石材パネル４とパネル４１との間に空間
４５を有するパネル付き石材パネルとし、このパ
ネル付き石材パネルを建物躯体に取付けられる方
形枠３に、前記パネル４１を室内側として配設
し、前記パネル４１の外周縁を方形枠３を構成す
る縦材、横材における室内寄りにそれぞれ固定
し、そのパネル４１の外周縁と前記方形枠３を構
成する縦材・横材における室内寄りとの間に室内
側シール材５１を装着し、前記スペーサ４４に空
間４５に開口した連通孔を形成し、その連通孔を
前記方形枠における室内側シール部材５１より室
外側部から大気に開口して、石材パネルの室内側
面と室外側面とに等圧が作用すると共に、横材と
の間を確実にシールできるようにしたもの。

〔実施例〕

方立式のカーテンウオールは第４図に示すよう
に、建物躯体に取り付けた縦材となる方立１間に
横材２を横架連結して方形枠３を形成し、この方
形枠３に石材パネル４を装着してある。石材パネ
ル４としては御影石や大理石などの石材を所定の
厚さに切断したものである。

前記方立１は第２図に示すように、方立本体１
０と左右一対の係止枠１１，１１と、左右一対の
縁枠１２，１２とより成り、方立本体１０は中空
基部１０ａと横板１０ｂを連結板１０ｃで連結
し、かつ横板１０ｂに突出板１０ｄを一体形成し
て左右一対の溝１３，１３を長手方向に連続して
形成したもので、その左右一対の溝１３に係止枠
１１の取付片１１ａを、第１図に示す切欠き１３
ａより挿入して上下に移動させることで嵌合し、
ビス１１ｃを方立１０の突出板１０ｄに螺合して
取付けると共に、係止枠１１のコ字状片１１ｂ内
にコ字状となつた縁枠１２の室内板１２ａを臨ま
せ、係止枠１１のコ字状片１１ｂの室内側片１
１′ｂに螺合した調整ボルト１４を、パネル固定
と層間変位吸収の際の変位を容易とするためのプ
レート１５を介して縁枠１２の室内板１２ａに押
しつけて室外側片１１″ｂとで縁枠１２を挾持し
ていると共に、左右の縁枠１２，１２は環状のガ
スケツト１６，１６を介して当接し、その室外板
１２ｂは左右面一となつている。

前記横材２は第１図に示すように、本体２０と
押縁２１とより成り、本体２０は中空形状の基部
２２の室外側に中空形状の突出部２３を一体形成
すると共に、突出部２３の室外側上部に受片２４
を、下部に吊下板２５を一体形成したもので、こ
の吊下板２５と基部２２の室外板２２ａ下部と突
出部２３の下板２３ａとで下向きの凹溝２６を形
成していると共に、押縁２１と基部２２の室外板
２２ａ上部と突出部２３の上板２３ｂとで上向き
の凹溝２７を形成し、押縁２１は縦板２１ａと上
下鉤片２１ｂ，２１ｃを備え、その上鉤片２１ｂ
が受片２４に係合し、下鉤片２１ｃが吊下板２５
の受片２５ａに係合していると共に、連結具２８
を介して突出部２３に連結してある。

前記横材２の本体２０は方立本体１０の突出板
１０ｄに突き合せてあると共に、その突出板１０
ｄにビス２９で固着した支持金具３０で支持さ
れ、係止枠１１は上下の横材２，２間の途中にお
いて前述のようにして方立本体１０に取着されて
いると共に、縁枠１２は上下の横材２，２間に亘
つて前述のようにして取着され、左右の縁枠１
２，１２の上面間及び下面間には横枠３１がそれ
ぞれ横架連結されて左右の縁枠１２，１２と上下
横枠３１，３１とで方形状の内枠３２を形成して
いる。

前記石材パネル４の室内側面４ａにはパネルシ
ート４０が貼着されて石材パネル４が万一ひび割
れした場合には落下飛散しないようにしてあると
共に、その石材パネル４の室内側面４ａと前記内
枠３２との間にはアルミパネル等の全体に亘つて
均質で強度が安定かつシール材との当りの良い材
質より成るパネル４１が配設され、このパネル４
１の室内側面４１ａの周縁にはアルミ製のスペー
サ４２が方形枠状に四周連続して配設され、かつ
左右の縁枠１２，１２と上下の横枠３１，３１と
にビス４３でそれぞれ固着してあると共に、パネ
ル４１の室外側面４１ｂの周縁と石材パネル４の
室内側面４ａの周縁との間に弾性を有するスペー
サ４４が四周連続してそれぞれ介在されて石材パ
ネル４とパネル４１との間に空間４５を形成して
いる。

前記石材パネル４、パネル４１、内枠３２は凹
溝２６，２７内に臨み、内枠３２の上下の横枠３
１がシール材５０を介して横材２の基部室外板２
２ａに圧着していると共に、パネル４１の上下端
と上下の横枠３１とが室内側シール材５１で凹溝
２６，２７の室内側部分に圧着し、石材パネル４
の室外側面４ｂの上下が室外側シール材５２で凹
溝２６，２７の室外部分に圧着している。

前記空間４５は下側のスペーサ４４に形成した
図示しない連通孔、受片２４に形成した透孔４
６、下鉤片２１ｂと受片２５ａに形成した透孔４
７，４８を経て外気に開口し、その空間４５は外
気と等圧となつた等圧空間となつている。

なお、下側のスペーサ４４に形成した連通孔
は、スペーサ４４を間隔を置いて取付けることで
隣接するスペーサ４４間に形成しても良いし、ス
ペーサ４４に直接穿孔しても良い。

第３図に示すように、隣接する石材パネル４，
４が90度となつたコーナー部においては、中空の
方立本体６０の室外側に一対の突出板６１，６１
を90度に一体形成して成るコーナー方立６２を建
物躯体に取付け、その突出板６１の溝６１ａに係
止枠１１の取付片１１ａを嵌合してビス止めする
と共に、縁片１２を調整ボルト１４で前述と同様
に取付けて一対の縁枠１２，１２の室外板１２
ｂ，１２ｂが90度となるようにし、その隣接する
室外板１２ｂ，１２ｂ間に矩形中空形状の束６３
を配設すると共に、この束６３の隣接する２つの
板６３ａ，６３ａと隣接する石材パネル４，４の
室内側面４ａ，４ａの突出端との間にＬ型のスペ
ーサ６４を取付け、隣接する石材パネル４，４の
端面相間をシールするシール材６５をスペーサ６
４で支持するようにしてある。

以上の実施例は方立式のカーテンウオールにつ
いて述べたが、ユニツト式のカーテンウオールの
場合も同様である。

〔考案の効果〕

石材パネル４とパネル４１との間に形成した空
間４５に外気が導入されて石材パネル４の室内側
面４ａと室外側面４ｂとに等圧が作用するので、
石材パネル４が強風で破損することがなく耐風圧
が優れたものとなり、しかもパネル４１の外周縁
と方形枠３の縦材・横材との間に室内側シール材
５１を装着し、この室内側シール材５１より室外
側寄りから外気を前記空間４５に導入したのでシ
ール性を損なうことがない。

したがつて、石材パネル４を用いて外観意匠を
優れたカーテンウオールとしても、シール性が損
なうことがないと共に、優れた耐風圧性が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図は横断面図、第３図はコーナー部の横
断面図、第４図は方立式のカーテンウオールの一
部正面図である。 １は方立（縦材）、２は横材、３は方形枠、４
は石材パネル、４１はパネル、５１は室内側シー
ル材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 石材パネル４の室内側面４ａに四周連続したス
   ペーサ４４を介して当該石材パネル４と同一大き
   さで材質が全体に亘つて均一で強度が大でかつシ
   ール材との当りが良い材質より成るパネル４１を
   取付けて石材パネル４とパネル４１との間に空間
   ４５を有するパネル付き石材パネルとし、 このパネル付き石材パネルを建物躯体に取付け
   られる方形枠３に、前記パネル４１を室内側とし
   て配設し、前記パネル４１の外周縁を方形枠３を
   構成する縦材、横材における室内寄りにそれぞれ
   固定し、そのパネル４１の外周縁と前記方形枠３
   を構成する縦材・横材における室内寄りとの間に
   室内側シール材５１を装着し、前記スペーサ４４
   に空間４５に開口した連通孔を形成し、その連通
   孔を前記方形枠における室内側シール材５１より
   室外側部から大気に開口したことを特徴とするカ
   ーテンウオール。