JPH0725426Y2 - 複層ガラス並びにその取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複層ガラスに関し、詳細には外装用、トップ
ライト等に用いる複層ガラスに係るものである。

（従来の技術） 建築物の窓に用いる複層ガラスは、通常２枚のガラス板
を各々の端縁部間に沿って配設された乾燥剤入りのスペ
ーサーにて所定の間隔に保持し、その四周を弾力性を有
する所定の封着剤で気密に封止して、内部の空気を乾燥
状態に保つようにしたもので、その取付けは、凹状溝を
有する金属製サッシ窓枠を躯体に固着し、複層ガラス端
縁部を該凹状溝に挿着するものである。

近年、デザイン的効果、省エネルギー等を目的として建
物の外装材にガラス板を多く用い、しかも複層化したガ
ラスを使用するケースもあり、その取付けにおいては、
美的上、または水捌けを良くする目的により固定するサ
ッシを外部から見えないように構成するが、例えば特開
昭64−24939号公報には、複層からなる外装ガラスのう
ち建物外部に面して配設された外部側ガラス相互の接合
端縁を第１シリコン製防水シール材にて接合するととも
に、前記各外部側にガラス及び内部側ガラスを、各々端
縁より所定寸法分だけ該各ガラスの中心側にずらせた位
置で第２シリコン製防水シール材にて接着接合すること
により各ガラス外周に自由端部を形成し、内部側ガラス
の自由端部を固定部材のフランジ部で外方から掛止して
金属製サッシ枠体に固定する外装ガラスの取付構造が開
示され、さらには例えば実開昭63−30323号公報には、
一対のガラス板を、その端縁部より内側に配置したスペ
ーサーにより隔置し、該スペーサーの外周を封着した複
層ガラスにおいて、前記ガラス板を選択された辺におけ
るスペーサーよりもガラス板の内側に配置し、封着剤等
のガラス板に対する接着面積を大きくし、この周辺をサ
ッシに嵌挿しないで使用してもガラス板の剥離は生じな
い複層ガラスが開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来技術の前者は、第２シリコン製防水シール材にて室
内外面のガラス板を貼着し、室内面側ガラス板と躯体と
を掛止し、複層ガラスを保持するものであるが、シリコ
ン製防水シール材では風圧の負圧に耐えられない懸念が
もたれ、また、複層化された内部空間に乾燥空気の処理
をおこたると露点時に曇り、さらに固定方法において
は、隣接する室内側ガラス相互の接合部に前記固定部材
を設定し、対向する一対の自由端にフランジ部を挟持
し、室外側ガラス間の隙間を介して外部からビスにより
室内側ガラスをサッシ枠材に固定するための、間隔の少
ない個所におけるビスの締付けは、工具とガラスとの接
触等でエッジ部に破損を生ずる等の問題があり、後者に
おける複層ガラスを外装用に用いるには、室内側のガラ
ス板面を構造用シーリング材でサッシ枠体に貼着するも
ので、貼着作業に複雑な手間と、現場において硬化に多
くの時間を要する欠点があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、従来のかかる問題点に鑑みてなしたもので、
間隔をおいたガラス板間周辺部に乾燥剤を充填したスペ
ーサー枠体を配設し、前記両ガラス板およびスペーサー
枠体を構造用シーリング材で接合し一体化した複層ガラ
スにおいて、前記スペーサー枠体を前記ガラス板の中心
寄りに配置し、該スペーサー枠体の外周側に前記構造用
シーリング材を充填せしめて前記ガラス板の外周側内面
に形成の空間端部を設け、該空間端部の室内側となる単
板の周縁に、断面コ字状のガスケットを介し、かつ該空
間端部内に突出の凸部を設けたＥ文字状のサッシを挿着
した複層ガラス、さらに前記サッシを躯体と固着する固
定部材に螺着し、該サッシと隣接の他のサッシとの前記
凸部間にバックアップ材を設け、該バックアップと前記
サッシを挿着しない室外側となる単板の周端間とにウエ
ザーシーリング材を充填するようにした複層ガラスの取
付け構造を提供するものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に従って説明する。

第１図は本考案に係る複層ガラスの中間内部を切欠の組
立断面図、第２図は本考案に係る複層ガラスを示す一部
を切欠の取付け断面図を示す。

方形で間隔をおいた一対のガラス板１、２は、中空部に
乾燥剤９を充填した例えば中空アルミ製のスペーサー枠
体３を配置貼着することにより空間層４を設けるが、ス
ペーサー枠体３はガラス板１、２の中心寄りの位置にブ
チルゴム５を介して配設し、該スペーサー枠体の外周側
に構造用シーリング材６を充填してガラス板１、２と、
スペーサー枠体３とを接着することと、前記乾燥剤９の
作用により空気層４内の空気は乾燥して露点に達せず、
ガラス板１、２を常時曇らせることはなく、その外周側
内面に空間端部７を形成する複層ガラス８となるが、該
空間端部を形成するガラス板１、２の単板側周縁には、
Ｅ文字状の一方側の上方外面に突出する凸部17を設けた
凹溝11を弾性ゴム材よりなる断面コ字状のガスケット12
を介し、他方側の凹溝13の下方面には図示されないボル
ト孔を穿設したサッシ10を挿着し、該サッシは外装材や
トップライトとして用いるための取付脚座として用いる
ことができ、第２図はその取付け構造を示し、サッシ10
と一体な複層ガラス８との取付けは、前記凹溝13に穿設
の図示されないボルト孔と、建築物の躯体と一体な固定
部材14にボルトナット15、16で螺着すると、複層ガラス
８を垂直にも水平状にも容易に取付けることができ、配
列する該複層ガラスは、隣接する複層ガラス８とに間隔
を構成し、該間隔においてサッシ10外面に当接、かつ外
面より突出する凸部17により両端を支えられるバックア
ップ材18を介してウエザーシーリング材19を充填するも
のである。

ガスケット12を挿入するサッシの凹溝11は、通常ガラス
板の単板に使用するサッシの寸法代、すなわちガラス板
の厚みによりガスケットとの溝幅、溝の深さ寸法を採用
すればよいが、サッシ10におよぼす風圧荷重等をも考慮
してその断面寸法を決めるものである。

以下、本考案の取付け順序とその作用を説明する。

一対のガラス板１、２の外周側内面に空間端部７を形成
し、該空間端部の単板側にサッシ10を挿着した工場製作
の複層ガラス８は、建築現場に搬入後躯体と一体の固定
部材14にボルトナット15、16により螺着し、隣接の複層
ガラス８との間隔には、サッシ10の外面にバックアップ
材18を乗せ、その上面にウエザーシール材19を充填す
る。

固定部材14に取付けられた複層ガラス８は、外装面側に
サッシ10部材を露出せずに取付けて美的効果を高め、さ
らには雨水の水捌けが良く、外壁材のみならず広面積な
トップライトにも採用することが出来るものである。

外壁に作用する風圧力は、高モジュラスでガラスとの接
着力の高い構造シーリング材６を使用し、充分なる接着
面積を確保することと、工場製作による安定した品質に
より剥離等の事故は無く、地震によるわずかな変位量も
追従性を有する構造シーリング材６の厚みにより吸収
し、乾燥剤９を充填するスペーサー３により、気温の変
化で発生する空間層４の曇り現象もなく、採光に加えて
断熱性、遮音性に優れが外装材を簡易に取付けることが
出来るものである。

トップライト用の複層ガラス８として、片面に網入ガラ
スを用いることは知られ、該網入りガラスとの組み合わ
せにより安全性はより高められる。

（考案の効果） 本考案の構成による複層ガラスは、複層ガラスとしての
採光、省エネルギー、遮音性等の性能を失うことなく、
さらに取付けサッシを室外面に露出することなくボルト
ナットにより短時間で簡易に取付けることができ、美的
効果と水捌けを高め、さらに構造用シーリング材により
風圧、地震等の荷重に耐えて剥離等の不安はなく優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る複層ガラスの中間内部を切欠の組
立断面図、第２図は本考案に係る複層ガラスの取付けを
示す一部を切欠の取付け断面図を示す。 １、２…ガラス材、３…スペーサー枠体 ６…構造用シーリング材 ７…空間端部、８…複層ガラス10 …サッシ、12…ガスケット 14…固定部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】間隔をおいたガラス板間周辺部に乾燥剤を
   充填したスペーサー枠体を配設し、前記両ガラス板およ
   びスペーサー枠体を構造用シーリング材で接合し一体化
   した複層ガラスにおいて、前記スペーサー枠体を前記ガ
   ラス板の中心寄りに配置し、該スペーサー枠体の外周側
   に前記構造用シーリング材を充填せしめて前記ガラス板
   の外周側内面に形成の空間端部を設け、該空間端部の室
   内側となる単板の周縁に、断面コ字状のガスケットを介
   し、かつ該空間端部内に突出の凸部を設けたＥ文字状の
   サッシを挿着したことを特徴とする複層ガラス。
2. 【請求項２】前記サッシを躯体と固着する固定部材に螺
   着し、該サッシと隣接の他のサッシとの前記凸部間にバ
   ックアップ材を設け、該バックアップと前記サッシを挿
   着しない室外側となる単板の周端間とにウエザーシーリ
   ング材を充填するようにしたことを特徴とする請求項１
   記載の複層ガラスの取付け構造。