JP2012005409A - 壁面緑化構造および壁面緑化構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植物が植栽される固化培土(植栽基盤)3と、植栽基盤3を保持する固化培土保持部(植栽基盤保持部)4と、を備える壁面緑化ユニット2がカーテンウォール構法の構造物21の壁面に沿って設置される。カーテンウォールにおける構造物21の水平方向に隣り合う方立22、22および方立22、22間に位置し鉛直方向に隣り合う無目23、23で囲まれた領域には、周縁部が方立22、22および無目23、23に形成されたガラス溝22a、23aに嵌めこまれたパネル材8が設けられている。保持する固化培土保持部4は、パネル材8に着脱可能に取り付けられている
【選択図】図1
Description
また、建物の外壁をカーテンウォールで構成したカーテンウォール構法の場合には、主要部材である方立や無目にボルトを挿通させる孔をあけたり、ピンを打ち込んだりする必要があるため、方立や無目の強度が低下する虞がある。また、方立や無目に形成された孔から建物内部に雨水などが浸入する虞もある。
なお、カーテンウォールの無目カバーや方立カバーを工夫して、ボルトなどを予め組み込むことも可能であるが、カーテンウォールの種類ごとに型を製作しなくてはならない。
さらに、従来の壁面緑化構造では、壁面緑化ユニットの構造物への設置や取り外しが困難であり、設置作業や交換作業、メンテナンスが行いにくいという問題がある。
また、壁面緑化ユニットは、植栽基盤保持部が構造物に設置されたパネル材に対して着脱可能であるため、構造物の方立や無目に固定される従来の壁面緑化ユニットと比べて、壁面緑化ユニットの設置や取り外しを容易に行うことができる。
また、パネル材は、周縁部を構造物の方立および無目のガラス溝にはめ込んで設置されるため、構造物に容易に設置できると共に、方立や無目を傷つけずにパネル材を構造物に設置することができる。
また、パネル材は既設の構造物の方立および無目のガラス溝にも容易に嵌め込むことができるため、既設の構造物に対しても壁面緑化を容易に行うことができる。
本発明では、固定具は、近接する前記方立または前記無目との間隔が5〜15cmであることにより、構造物の外側から、壁面緑化ユニットをパネル材に容易に着脱することができる。
本発明では、第1固定具のボルトが第2固定具の孔部に挿通され、ナットで締結されることで植栽基盤保持部をパネル材に容易に固定することができる。
本発明では、壁面緑化ユニットには、植栽基盤保持部に対して着脱可能なメッシュが植栽基盤の他方の面に沿って配されていることにより、植栽基盤が変形または移動してしまうことを防ぐことができる。また、メッシュの間隙部から植栽基盤に植物を植栽することができる。
本発明では、植栽基盤保持部は、植栽基盤の一方の面に沿って設けられた板部材と、板部材から植栽基盤側に突出し植栽基盤を保持可能な複数の突起部と、を備えることにより、突起部が植栽基盤に突き刺さって植栽基盤保持部に植栽基盤を確実に保持させることができる。特に、植栽基盤のサイズが大きい場合や、植栽基盤が水分を多く含んで重量が重くなった場合に、植栽基盤が自重により変形または移動してしまうのを防ぐことができる。
また、パネル材を方立および無目のガラス溝にはめ込むことで構造物に設置するため、パネル材を容易に設置できると共に、方立や無目を傷つけることがない。
また、パネル材は既設の構造物の方立および無目のガラス溝にも容易に嵌め込むことができるため、既設の構造物に対しても壁面緑化を容易に行うことができる。
図1(a)、(b)に示すように、本実施の形態による壁面緑化構造1では、板状に形成されて図示しない植物が植栽される固化培土(植栽基盤)3と、固化培土3の一方の面3aに沿って設けられて固化培土3を保持する固化培土保持部(植栽基盤保持部)4と、固化培土3の他方の面3bに沿って設けられたメッシュ5と、固化培土3に水を供給する潅水チューブ(潅水手段)6と、固化培土3からの排水を収集する排水受け(排水手段)7とから概略構成される壁面緑化ユニット2が、カーテンウォール構法の構造物21の外壁に設置されている。
本実施の形態の壁面緑化ユニット2は、このガラスやパネルに代わって設置されたパネル材8に着脱可能に取り付けられている。
ガラス溝22a,23aは、方立22および無目23の延在方向に延び、カーテンウォール構法の構造物において外壁面のガラスやパネルが嵌め込まれる公知の溝部である。
図1および図2に示すように、パネル材8には、ガラス溝22a,22bに嵌め込まれたときに外側となる面8aに、壁面緑化ユニット2を固定するためのパネル材側固定金具(第1固定具)9が、例えば四隅の近傍に4箇所取り付けられている。
このように、固化培土3を植栽基盤とすることにより、壁面緑化ユニットの軽量化2を図ることができて、構造物21への荷重負担を軽減することができると共に、壁面緑化ユニット2の設置や取り外しを容易にすることができる。
なお、本実施形態では、固化培土3を植栽基盤としているが、固化培土3に代わって、不織布マットやスポンジ状のマットなどを植栽基盤としてもよい。また、植栽基盤は、その形状を保持可能で、飛散しにくく、垂直面への植栽が可能であれば、その他のものとしてもよい。
板部材11の一方の面11aが固化培土3と当接したときに、複数の突起部12は、固化培土3に突き刺さった状態となり、固化培土3を保持できるように構成されている。複数の突起部12は、板部材11の一方の面11aに均等に配されている。
複数の突起部12が固化培土3に突き刺さることで、固化培土3は固化培土保持部4に保持されるため、固化培土3の寸法が大きい場合や、固化培土3が水分を含んで重量がある場合でも、固化培土保持部4は、固化培土3が変形または移動してしまうことを防止し、固化培土3を保持することができる。
複数の突起部12に異なる向きの突起部12が混在することで、固化培土保持部4は、固化培土3の保持力をさらに向上させることができる。
本実施の形態では、図1(b)に示すように、パネル材側固定金具9および固化培土保持部側固定金具13は、両方とも断面形状がL型の金物で、L型を構成する2片のうち一方の片9a,13aがパネル材8または固化培土保持部4に固定され、他方の片9b、13bがパネル材8の面8aまたは固化培土保持部4の板部材11の他方の面11bから略垂直方向に突出している。
そして、他方の片9b,13bにはボルト(不図示)が挿通する孔部(不図示)が形成され、パネル材側固定金具9の他方の片9bおよび固化培土保持部側固定金具13の他方の片13bが重ねられて、パネル材側固定金具9および固化培土保持部側固定金具13の孔部にボルトが挿通され、ナット(不図示)で締結されている。
また、パネル材側固定金具9の他方の9bに予めボルトを溶接しておき、このボルトを固化培土保持部側固定金具13の他方の辺13bに形成された孔部に挿通させて、ナットで締結することで、壁面緑化ユニット2をパネル材8に容易に固定できるようにしてもよい。
メッシュ5は、固化培土保持部4から固化培土3が脱落することを防止している。
排水受け7は、固化培土3の下方にその幅の略全長にわたって設けられていて、方立22に沿って下方に延びる排水管16(図1(a)参照)に接続されている。排水受け7は、例えば、固化培土保持部4の板部材11に固定されている。排水受け7と排水管16との接続部には排水用ジョイント17(図1(a)参照)が設けられている。
給水管14および排水管16は、隣接する壁面緑化ユニット2の潅水チューブ6や排水受け7とも接続されている。
また、給水管14および排水管16は、方立22に沿って延びる金属製や樹脂製の化粧カバー18(図4(b)参照)によって覆われている。
まず、図3(a)に示すように、構造物21の壁面緑化ユニット2を取り付ける位置にパネル材8を設置する。
構造物21の方立22および無目23のガラス溝22a,23aに、パネル材8を嵌め込み、シール材などの押さえ部材(不図示)で、パネル材8をガラス溝22a,23aに固定する。
このとき、構造物21が既設構造物で、壁面緑化ユニット2の設置位置に既設のガラスやパネルなどが設置されている場合は、このガラスやパネルなどを撤去してからパネル材8の設置を行う。
図1および図2に示すように、固化培土3の一方の面3aと固化培土保持部4の板部材11の一方の面11aとを当接させ、固化培土3に固化培土保持部4の突起部12が突き刺さった状態とし、固化培土3と固化培土保持部4とを一体化させる。
そして、固化培土3の他方の面3bにメッシュ5を取り付け、メッシュ5を固化培土保持部4に固定する。
このとき、潅水チューブ6を固化培土3の上部に設置し、排水受け7を固化培土保持部4の板部材11に固定する。
なお、壁面緑化ユニット2の組み立ては、パネル材8の構造物21への取り付け前に行ってもよい。例えば、予め組み立てた壁面緑化ユニット2を設置現場に搬入することで、壁面緑化ユニット2を設置する時間を短縮することができる。
パネル材8に固定されたパネル材側固定金具9と壁面緑化ユニット2の固化培土保持部4に固定された固化培土保持部側固定金具13とを連結することで、壁面緑化ユニット2をパネル材8に固定する。
なお、給水管14および排水管16の設置は、パネル材8を構造物21に設置する工程や壁面緑化ユニット2をパネル材8に固定する工程の前に行ってもよい。また、潅水チューブ6や排水受け7の壁面緑化ユニット2への取り付けも、壁面緑化ユニット2をパネル材8に固定した後に行ってもよい。
次に、図4(b)に示すように、方立22に化粧カバー18を設置し、給水管14および排水管16(図4(a)参照)を化粧カバー18で覆う。
そして、メッシュ5の間隙部から固化培土3に植物を植栽し、壁面緑化ユニット2が施工される。なお、植物は予め固化培土3に植栽しておいてもよい。
そして、パネル材8のパネル材側固定金具9と壁面緑化ユニット2の固化培土保持部4の固化培土保持部側固定金具13との連結を解除し、壁面緑化ユニット2をパネル材8から取り外す。
本実施の形態による壁面緑化構造1では、壁面緑化ユニット2を方立22および無目23に形成されたガラス溝22a,23aに嵌め込まれたパネル材8に固定する構造であることにより、壁面緑化ユニット2を固定するために、固定用のボルトを挿通させる孔を方立22や無目23に開けるなど方立22や無目23を傷つけることがないので、構造物21の強度低下を防止できる効果を奏する。
また、方立22や無目23にボルト孔が形成されないので、ボルト孔から構造物21内部に雨水などが浸入するということがない。
また、壁面緑化ユニット2のパネル材8への設置および取り外しが容易であることにより、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
また、既設構造物の方立22および無目23のガラス溝22a,22bにパネル材8を嵌め込み、このパネル材8に壁面緑化ユニット2を固定することができるので、新設建物だけでなく既存建物にも適用することができる。
例えば、上述した実施の形態では、給水管14および排水管16を化粧カバー18で覆っているが、給水管14および排水管16を化粧カバー18で覆わず露出させた構造としてもよい。
例えば、上述した実施の形態では、固化培土保持部4は、板部材11と、板部材11か突出する複数の突起部12と、を備えた構成であるが、固化培土3を保持できれば他の構成としてもよい。例えば、固化培土保持部4を、チャンネル材を組み立てたフレームとしてもよいし、メッシュ状にしてもよい。
例えば、上述した実施の形態では、パネル材側固定金具9が、パネル材8の四隅の近傍に4箇所取り付けられているため、近接する方立22および無目23との間隔dを、5〜15cm程としているが、パネル材側固定金具9が、パネル材8の四隅近傍以外の外縁部近傍に取り付けられている場合は、近接する方立22および無目23のいずれか一方との間隔dを、5〜15cm程とすればよい。また、パネル材側固定金具9のパネル材8への取り付け位置は、上記以外の位置としてもよい。
2 壁面緑化ユニット
3 固化培土(植栽基盤)
4 固化培土保持部(植栽基盤保持部)
5 メッシュ
6 潅水チューブ(潅水手段)
7 排水受け(排水手段)
8 パネル材
9 パネル材側固定金具(第1固定具)
11 板部材
12 突起部
13 固化培土保持部側固定金具(第2固定具)
21 構造物
22 方立
22a ガラス溝
23 無目
23a ガラス溝
d 間隔
Claims (6)
- 植物が植栽される植栽基盤と、該植栽基盤を保持する植栽基盤保持部と、を備える壁面緑化ユニットがカーテンウォール構法の構造物の壁面に沿って設置される壁面緑化構造であって、
前記カーテンウォールにおける水平方向に隣り合う方立および該方立間に位置し鉛直方向に隣り合う無目で囲まれた領域には、周縁部が前記方立および前記無目に形成されたガラス溝に嵌めこまれたパネル材が設けられ、
前記植栽基板保持部は、前記パネル材に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする壁面緑化構造。 - 前記パネル材には、前記植栽基盤保持部を固定する第1固定具が設けられていて、前記第1固定具は、近接する前記方立または前記無目との間隔が5〜15cmであることを特徴とする請求項1に記載の壁面緑化構造。
- 前記第1固定具にボルトが溶接され、前記植栽基盤保持部は前記ボルトが挿通されるボルト孔が形成された第2固定具を備えることを特徴とする請求項2に記載の壁面緑化構造。
- 前記壁面緑化ユニットには、前記植栽基盤保持部に対して着脱可能なメッシュが前記植栽基盤の他方の面に沿って配されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の壁面緑化構造。
- 前記植栽基盤保持部は、前記植栽基盤の一方の面に沿って設けられた板部材と、該板部材から前記植栽基盤側に突出し該植栽基盤を保持可能な複数の突起部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の壁面緑化構造。
- 植物が植栽される植栽基盤と、該植栽基盤を保持する植栽基盤保持部と、を備える壁面緑化ユニットがカーテンウォール構法の構造物の壁面に沿って設置される壁面緑化構造の施工方法であって、
前記カーテンウォールにおける水平方向に隣り合う方立および該方立間に位置し鉛直方向に隣り合う無目で囲まれた領域に、前記方立および前記無目に形成されたガラス溝に周縁部を嵌めこむようにパネル材を設置する工程と、
前記パネル材に前記植栽基板保持部を取り付ける工程と、を備えることを特徴とする壁面緑化構造の施工方法。
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