JPH04127462U - オイルシール - Google Patents

オイルシール

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JPH04127462U
JPH04127462U JP1991033111U JP3311191U JPH04127462U JP H04127462 U JPH04127462 U JP H04127462U JP 1991033111 U JP1991033111 U JP 1991033111U JP 3311191 U JP3311191 U JP 3311191U JP H04127462 U JPH04127462 U JP H04127462U
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seal lip
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lip
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哲夫 深川
喜好 新井
圭三 小林
力 水谷
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富士重工業株式会社
エヌテイエヌ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、シールリップの接触長さが短か
く、しかもシールの両側で圧力変動があっても安定した
シール力が得られるオイルシールを提供する。 【構成】 環状のシール本体2に連成したシールリップ
7のシール面を、転がり軸受12の内輪14に対して、
35度以上のほぼ同じ角度(α≒β)で傾斜する2つの
傾斜面9、10で形成し、各傾斜面9、10の先端だけ
を内輪14の表面に接触させる。また、シール本体2
に、シールリップ7の連成基部まで延びる補強環3を一
体に固着し、外部の圧力変動によるシールリップ7の動
きを抑制する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、オイルシールに関し、特に、シールの両側で圧力変動を伴なう場 合に用いられるオイルシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のオイルシールは、図4に示すように、軸の支持部材20に嵌合するよう に環状に形成したシール本体22に、軸21と接触するシールリップ23を連成 し、そのシールリップ23をリング状のガータースプリング24により軸21に 押さえる構造をとっている。
【0003】 シールリップ23のシール面は、オイルシールの軸線方向に対して反対方向に 傾斜する2つの傾斜面25、26で形成され、通常、オイル封入側の傾斜面26 と軸線とのなす角度(以下先端角という)αを、反対側の傾斜面25と軸線との なす角度(以下接触角という)βより大きく(α>β)設定している。この理由 は、圧力をもったオイルが軸表面とシールリップとの接触部において小さい角度 から大きい角度の方に向かって漏れやすい性質によるものであり、一般に先端角 αは45度前後に、接触角βは30度前後にそれぞれ設定されている。
【0004】 また、シール本体22には金属の補強環27が取付けられているが、軸21に 対するシールリップ23の動きの追随性を損なわないように、補強環27とシー ルリップ23の連成部28との間は固着しない構造をとっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記のように接触角βを30度前後に設定した構造では、シールに 圧力が作用した場合、シールリップ23の傾斜面25と軸21の表面とが接近し 、両者の接触長さが大きくなるため、軸とオイルシールの相対回転によってその 接触部分に大きな発熱が生じ、シールの摩耗が早くなる問題点があった。しかし 、接触長さが小さくなるように接触角βを大きくすると、α>βの関係を保つ上 から先端角αを著しく大きくしなければならず、このため、シールリップの肉厚 が薄くなって剛性が落ち、シール性を悪化させる不具合がある。
【0006】 また、自動車エンジンなどの過給機のギヤ室に設けられるオイルシールには、 過給室とギヤ室の両方向から圧力変動が加えられるが、従来のようにシールリッ プ23を一方向に対して補強環27から自由に変形できるようにした構造では、 その反対方向からの圧力によって、シールリップ23が補強環27とシールリッ プ23の連成部との間に隙間ができる方向に変形して軸線方向に移動したり、ま た、甚だしい場合には、シールリップ23が矢印aのように変形して浮き上り、 オイルが洩れやすくなる問題点がある。
【0007】 この考案は、上記の課題を解決するためになされたもので、その第1の目的は 、シール力を落とさずにシールリップの接触長さを短くし、発熱と摩耗を減少さ せたオイルシールを提供することにある。
【0008】 また、第2の目的は、シールの両側から圧力変動があってもオイルの洩れを確 実に防止することができるオイルシールを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するため、この考案は、シールリップの2つの傾斜面 とシール本体の軸線とのなす角度(先端角及び接触角)を、35度以上のほぼ同 じ角度で設定したのである。
【0010】 また、第2の目的を達成するため、この考案は、上記の構造において、シール リップの連成基部まで延びる補強環を、シール本体に一体に固着した構造とした のである。
【0011】
【作用】 第1の手段においては、接触角側の傾斜面が被シール部材に対して上向きに立 ち上り、2つの傾斜面で形成されるシールリップの先端部分だけが被シール部材 の表面に接触するため、シールリップの接触長さが短くなる。
【0012】 また、先端角を小さくすることにより、シールリップ先端部の肉厚が大きくな るため、シールリップの剛性が増大し、被シール部材に対する密着力が向上する 。
【0013】 一方、第2の手段においては、補強環がシールリップの基部の動きを規制し、 シールリップの両方向の変形あるいは移動を小さく抑えるため、圧力変動の影響 を軽減できる。
【0014】
【実施例】
図1及び図2は、この考案に係る実施例を示している。
【0015】 この実施例は、図3に示すような自動車用エンジンの過給機(スーパーチャー ジャー)において、ロータ軸15支持用の転がり軸受12に装着するオイルシー ルについて示したものである。
【0016】 この転がり軸受12は、ロータ室16とギヤ室17の間に配置され、図1に示 すように実施例のオイルシール1は、各転がり軸受12の外輪13と内輪14の 間に装着される。上記の過給機の構造では、ギヤ室17に溜められたギヤ潤滑用 のオイル18が、ギヤによってはね上げられて転がり軸受12内に入り込み、そ の軸受内部を潤滑する。そして、この潤滑したオイルのロータ室16への洩れを オイルシール1が防止する。
【0017】 オイルシール1は、図1に示すように、ゴム等の弾性材料から成るシール本体 2と、そのシール本体2に取付けられる金属製の補強環3と、シール本体2に連 成したシールリップ7に装着されるガータースプリング4とから構成されている 。
【0018】 シール本体2は、転がり軸受の外輪13の内側に嵌入するように形成された環 状部5と、その環状部5から垂下する首部6と、首部6を介して一体に連成され るシールリップ7とから成り、シールリップ7が、その外周側に装着されたガー タースプリング4の弾性力により転がり軸受の内輪14に押し付けられる。
【0019】 上記シールリップ7のシール面(内輪14と向き合う面)は、シール本体の軸 線方向に反対方向に傾斜する2つの傾斜面9、10で形成され、その各傾斜面9 、10と内輪14の表面(シール本体の軸線に平行な面)とのなす角度α、βは 、35度以上のほぼ同じ角度(α≒β)で設定されている。
【0020】 このような実施例のシールリップと、図4に示す従来例のシールリップの形状 を比較すると、実施例の構造では、接触角β側の傾斜面9が内輪14の表面から 上向きに立ち上って、両傾斜面9、10で形成される尖鋭な先端部11だけが内 輪14の表面に接触する状態になり、従来例に比べてシールリップ7と内輪14 との接触長さが短かくなる。
【0021】 また、先端角αが小さくなる分だけシールリップ7の先端部の肉厚が大きくな るため、内輪14の表面に押し付けられるシールリップの剛性が増大し、シール リップと内輪との密着性(シール力)が向上する。
【0022】 なお、上記先端角αと接触角βの大きさは、接触長さを短くする上で35度以 上は必要であるが、シールリップの剛性を必要以上に低下させないように45度 以下で設定するのがよく、特に40度前後が望ましい。
【0023】 補強環3は、一端3aがシール本体2の環状部5の外周に延び、その外径面が 転がり軸受12の外輪13に対する圧入面となっており、他端3bが、シールリ ップ7の連成基部8の背面まで延びている。この補強環3は、シール本体と向き 合う面全体が接着によりシール本体2に一体に固着されている。
【0024】 上記の構造で成る実施例のオイルシールにおいては、従来構造に比べてシール リップ7の内輪14に対する接触長さが短かいために、内輪14との接触による 発熱や摩耗が抑制され、耐久寿命が向上する。
【0025】 また、シールリップ先端の剛性アップによる密着力の増大によって、先端角α と接触角βをほぼ同じにしたことにより従来例に比べて接触部に生じ易くなるオ イルの洩れを確実に遮断することができ、良好なシール性が得られる。
【0026】 さらに、シールリップ7の連成基部8と補強環3が固着していない場合、ロー タ室16側から圧力が作用すると連成基部8と補強環3の間に間隙ができるため 、この間隙にも圧力が加わり、シールリップにかかる荷重が大きくなる。従って 、シールリップが変形あるいは移動しやすくなる。一方、連成基部8と補強環3 が固着してある場合には、上記の間隙ができないため、シールリップにかかる荷 重は軽減される。従って、シールリップの変形あるいは移動が少なくなり、オイ ルを掻き出すことが防止できる。
【0027】 なお、上記の構造において、オイルシール1のシールリップ7は、直接ロータ 軸15の表面に接触させるようにしてもよい。
【0028】 また、実施例では、オイルシールを軸受の外輪に収納した例について示したが 、回転軸とそれの支持部材との間に直接オイルシールを組み込むようにしてもよ い。
【0029】
【効果】
以上のように、この考案の第1の手段においては、シールリップの接触長さの 減少と、被シール部材に対する密着性の向上を同時に図ることができるので、シ ール力を落とすことなくシールの発熱と摩耗を抑えることができ、耐久寿命の優 れたオイルシールを実現できる。
【0030】 また、この考案の第2の手段では、シールリップの両方向の動きを補強環で規 制するので、オイルシールの両側に圧力変動があっても確実にシールの密封性を 維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す断面図
【図2】同上の要部の拡大断面図
【図3】過給機を示す断面図
【図4】従来例を示す断面図
【符号の説明】
1 オイルシール 2 シール本体 3 補強環 4 ガータースプリング 7 シールリップ 9、10 傾斜面 12 転がり軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小林 圭三 桑名市大字播磨2523番地の1 (72)考案者 水谷 力 三重県桑名郡多度町小山1831番地の1

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状のシール本体に連成したシールリッ
    プのシール面を、軸線方向に対して反対方向に傾斜する
    2つの傾斜面で形成し、その2つの傾斜面と軸線とのな
    す角度を、35度以上のほぼ同じ角度で設定したオイル
    シール。
  2. 【請求項2】 上記シール本体に、シールリップの連成
    基部まで延びる補強環を一体に固着した請求項1に記載
    のオイルシール。
JP1991033111U 1991-05-13 1991-05-13 オイルシール Expired - Lifetime JP2546459Y2 (ja)

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JPH04127462U true JPH04127462U (ja) 1992-11-19
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JPS5915856U (ja) * 1982-07-20 1984-01-31 カヤバ工業株式会社 ワイパ−シ−ル
JPS63168391U (ja) * 1987-04-22 1988-11-02

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