JPH04125694U - 逆止弁付水中ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水中ポンプの吸込側の平坦なストレーナ６に
複数の小孔７からなる複数の小孔群を設ける。そして、
上記ストレーナ６上に各小孔群を覆う弾性材料からなる
平坦な弁体１０を配置し、この弁体１０の内側または外
側をストレーナ上に固定して、逆流時に弁体１０が小孔
群を閉鎖し、揚水時には弁体１０の自由端がストレーナ
６から離れて小孔群を全開とする。 【効果】 逆止弁をポンプと一体にしたので配管工事が
簡単となる。弁体１０を弾性材料で形成して逆止弁の作
用が確実に行えるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はビル、マンションなどの高架水槽またはプールや各種ピットなどに おける残水の排水用、あるいは河川工事、地下道などの湧水や溜水などの排水に 用いる逆止弁付水中ポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近ビル、マンションなどの高架水槽やピットなどの残水を排出したいという 要望が生まれている。 このような残水の排水では非常に低水位の揚水が要求され、最低水位が１mmか ら０となり水溜りの水も吸水したいという希望が出ている。

【０００３】 このような低水位の吸水用として水中ポンプを用いる場合、水の吸上の最後に なって、水位が０近くで揚水するとき、空気を吸うとポンプからホースに至る水 が逆流して折角吸った水が吐き出されて溜り水となる。

【０００４】 このような吐き出される水を防ぐため、排水管に切替弁を取り付け、空気を吸 う以前に手動で弁を作動させて逆流を防ぐようにしたものと、市販の逆止弁を同 様に取り付けて空気を吸って水が逆流しようとしたとき、自動的に逆止弁が働い て水の逆流を防止するようにしたものがある。そしてこの逆止弁は吐出側に取付 いたものが大半である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来技術のうち手動操作の切替弁を用いるものは切替弁を排出管に取付 ける工事が必要となる。手動操作のために取付位置が限定される。切替弁を手動 操作しなければならないので操作が面倒である。また、市販の逆止弁を用いるも のも、同様に逆止弁を取付けるための工事が必要となる。さらに、切替弁や逆止 弁以下の配管内の全ての水が逆流するので逆流水が多いなどの問題がある。

【０００６】 この考案の課題は上記のような従来技術の問題点を解決して別の切替弁や逆止 弁を取付ける必要のない逆止弁付水中ポンプを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案は水中ポンプの吸込側の平坦なストレ ーナに設けた小孔群の上部に弾性材料からなる平坦な弁体の一部を固定すること により、ポンプの無作動時には上記弁体が上記ストレーナの上面に密着して上記 小孔群を閉鎖し、揚水時は水流により上記弁体の自由端がはね上って各小孔群を 開放するようになした逆止弁付水中ポンプを提供する。

【０００８】 また、上記ストレーナに複数の小孔群を配置し、この各小孔群を開閉する弁体 の外側を上記ストレーナの中央部上面に固定した逆止弁付水中ポンプおよび上記 ストレーナに複数の小孔群を配置し、この各小孔群を開閉する弁体の内側を上記 ストレーナの外周部上面に固定した逆止弁付水中ポンプも提供する。

【０００９】

【作用】

この考案は上記の構成であるから、ポンプの無作動時においては弁体は平坦と なり、ストレーナの小孔群を閉じた状態で平坦なストレーナ上に密着している。 つぎにポンプの運転を開始するとケーシング内が負圧となり弁体の自由端が吸い 上げられ、小孔群が開放されて揚水する。

【００１０】 水の吸上の最終近くになり水位が低下し、空気を吸い込んで、水が逆流しよう としたとき、逆流する水の圧力で弁体が平面状となり、平坦なストレーナに密着 し、小孔群を全閉して水の逆流を阻止する。

【００１１】

【実施例】

図１ないし図３は最も好ましい施例を示すもので、これらの図において、１は ポンプケーシングで、中央に吸込口２を有する底板３をパッキンを介して複数の ボルト４により一体に結合したものである。５は底板３の下端に固定したストレ ーナ保持リングで、このリング５の下端に金属板、硬質プラスチック板などから なる硬質の平坦なストレーナ６の外周部がリング５および底板３とともに前記各 ボルト４によりケーシング１に固定されている。

【００１２】 ７は上記ストレーナ６に設けた小孔で、図２のように複数の小孔群ａとしてス トレーナ６の中心から等しい距離に等間隔で配置してある。

【００１３】 １０は合成ゴムなどからなる平坦な弁体で、ストレーナ６と同径の円板状のゴ ム板の中央に開口１１を設け、この開口１１から放射状に複数のスリット１２を 設けてその間を弁体１０としたもので、各弁体１０の外側に取付孔１３を設ける 。

【００１４】 そしてこの弁体１０を各小孔群ａ上を被うようにストレーナ６上に載せ、外側 部に設けた取付孔１３に前記ボルト４を挿入して、ストレーナ６とともにリング ５に固定する。図１の１４はケーシング１上にボルト１５で固定したモータケー スで、１６はその内部の縦型モータである。

【００１５】 また、モータ１６の軸１７は上記ケース１４の軸受１９およびその下部のメカ ニカルシール２０を貫通してケーシング１内に入りその下端に羽根車２１を固定 してある。

【００１６】 また、ケーシング１の外周一部には吐出口２２を設け、この吐出口に揚水管を 連結する。なお、図１の２７は外ケースである。

【００１７】 つぎに上記実施例の作用を説明すれば、運転停止中においては図１の実線のよ うに弁体１０は平坦状となり、ストレーナ６上に弁体１０が接触している。

【００１８】 モータ１６による羽根車２１の回転でケーシング１内が負圧となり、その作用 で各弁体１０の内端が図１の鎖線のように吸い上げられ、各小孔７が開放されて この各小孔７から流入した水が吸込口２からケーシング１内に吸込まれ、このケ ーシング１内を旋回しつつ遠心力で吐出口２２から揚水管へ出ていく。

【００１９】 また、吸上の最終近くになって水位が低下し、各小孔７から空気を吸込んだた め水が逆流しようとして逆圧がかかると弁体１０が図１の実線のように平坦とな りストレーナ６に密着して各小孔７が閉鎖され、ストレーナ６より上の水が吐き 出されることを防止する。

【００２０】 図４は弁体の他の実施例を示すもので、各弁体１０の外側が連結部２３により 連結されてストレーナ６と同径のリング状となっている。この場合も前記実施例 と同様に外側部に設けた取付孔１３にボルト４を挿入して、ストレーナ６ととも にリング５に固定する。また、この場合も揚水時に各弁体１０の内端が吸い上げ られて小孔７を開放する。 その他の構造は図１の実施例と同様である。

【００２１】 また、図５、図６のような実施例もある。この場合、複数の弁体１０の内側が 図６のように中心部２４により一体につながっているが、この弁体１０の数は小 孔群ａの数だけ設けてある。

【００２２】 そしてこの弁体１０を各小孔群ａ上を被うようにストレーナ６上に載せ、中心 部２４を図５のように座板２９およびボルト２５とナット２６によりストレーナ ６の中心に固定する。 その他の構造は図１の実施例と同様である。なお、各小孔群ａは弁体１０の形 状に合せて設ける。

【００２３】

【効果】

この考案は上記のように逆止弁が水中ポンプと一体の内蔵型となっているので 別に切替弁や逆止弁を用意する必要がなく、配管工事が簡単となり、ポンプ扱い が容易となる。

【００２４】 また、逆止弁はポンプの吸込側に設けた平坦状の弁体と平坦状のストレーナで 構成されているので逆流水はほとんどない。さらに、弁体の外側を連結した場合 は弁体をパッキンと共用できるので組立作業が簡単である。

【００２５】 なお、弁体は磁性体を混練したラバー板とし、ストレーナには磁気感応金属を 使用し、ケーシングシュラウドやこれを一体形成したケーシングに樹脂、ラバー などを使用したものでは、弁体とストレーナの密着度が増し水もれを皆無にする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断正面図

【図２】図１のＡ−Ａ線の横断平面図

【図３】同上の弁体の平面図

【図４】弁体の他の実施例の平面図

【図５】他の実施例の縦断正面図

【図６】同上のＢ−Ｂ線の横断平面図

【符号の説明】

１ ポンプケーシング ２ 吸込口 ６ ストレーナ ７ 小孔 １０ 弁体 １２ スリット ２３ 連結部 ａ 小孔群

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水中ポンプの吸込側の平坦なストレーナ
   に設けた小孔群の上部に弾性材料からなる平坦な弁体の
   一部を固定することにより、ポンプの無作動時には上記
   弁体が上記ストレーナの上面に密着して上記小孔群を閉
   鎖し、揚水時は水流により上記弁体の自由端がはね上っ
   て各小孔群を開放するようになしたことを特徴とする逆
   止弁付水中ポンプ。
2. 【請求項２】 上記ストレーナに複数の小孔群を配置
   し、この各小孔群を開閉する弁体の外側を上記ストレー
   ナの中央部上面に固定したことを特徴とする請求項１記
   載の逆止弁付水中ポンプ。
3. 【請求項３】 上記ストレーナに複数の小孔群を配置
   し、この各小孔群を開閉する弁体の内側を上記ストレー
   ナの外周部上面に固定したことを特徴とする請求項１記
   載の逆止弁付水中ポンプ。
4. 【請求項４】 上記弁体を磁性体を混練したラバー板と
   し、上記ストレーナには磁気感応金属を使用し、ポンプ
   ケーシングに樹脂、ラバーなどを使用したことを特徴と
   する請求項１ないし３の何れかに記載の逆止弁付水中ポ
   ンプ。