JPH04123071U - 分岐接続器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 分岐接続器のケーシング内側に圧接端子を設
置してこれに電線をクロスして布設し電線を分岐接続
し、分岐接続器の小型化、薄肉化、構造の簡易化を図
る。 【構成】 分岐接続器は上、下ケーシング１ａ、１ｂか
ら形成し、その内側の碁盤目状の溝に適宜圧接端子４を
設置する。圧接端子４上にはハーネスの電線端末が接続
されるコネクタ２に接続された接続コード３がバスバー
と同様にクロスして布線され、圧接端子４により必要位
置で分岐接続される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ワイヤハーネス、特に自動車用ワイヤハーネスを構成する電線を 圧接端子を用いて相互に分岐接続する分岐接続器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近の自動車用ワイヤハーネスは、電装品の高密度化に伴って非常に多くの分 岐回路を有し、このために生じるハーネス径の肥大化、ハーネス自体の複数化を 分岐接続器を設けジョイントを吸収して緩和している。 かかる分岐接続器として小型化、軽量化、作業性等を改善するための提案が種 々行われており、一例として特開平１−１７３５７９号公報によるものがある。 この公報の分岐接続器は、内部に導電体としてバスバーを複数回路多層状に設け その分岐回路の所望の位置に圧接端子を挿通しこれにワイヤハーネス端子のコネ クタを接続するように構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、一般に圧接端子を用いた分岐接続器ではワイヤハーネス端子を分岐 回路に結合するためのコネクタとこれを受け入れる挿着部を必要とし、このため 部品コストが高くなるいう問題があった。又、コネクタを挿着部に嵌合する工程 が必要となり、誤結線をしないようにするためコネクタを正しい位置に嵌合する 作業が煩わしく、組立作業に多くの労力と時間を必要とする。

【０００４】 前記特許公報による従来例の分岐接続器では、小型化を図る工夫がなされてい るが、分岐接続器（導電部）と絶縁部が幾層にも重なっているため厚み方向の小 型化には限界がある。又、コネクタを受け入れる挿着部はコネクタの形状に応じ て異なり、このため一種類のワイヤハーネスに対してそれぞれに適合する分岐接 続器を設計する必要があり、汎用性に欠けるという問題もある。

【０００５】 この考案は、上述した従来の分岐接続器に伴う種々の問題点に留意して、従来 の分岐接続器に設けられていたハーネス端子のコネクタとそれを受け入れる挿着 部を省略し圧接端子をケーシング内部に設置してこれにクロスして支持される電 線を分岐接続するようにした極めて簡略な構成の分岐接続器を提供することを課 題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するためこの考案は、ケーシング本体内面に碁盤目状に複数の 窪みを設け、分岐回路が必要な箇所で適宜窪みに圧接端子を設置し、ワイヤハー ネスを構成する電線を互いにクロスして布線し、上記圧接端子で電線を支持する ことにより分岐回路を接続してなる分岐接続器の構成としたのである。

【０００７】 かかる分岐接続器では、前記ケーシングを上ケーシングと下ケーシングから構 成し、両ケーシングの一端部をヒンジ部にて連結し折り曲げ重ね合わせ使用でき るようにすることができる。

【０００８】

【作用】

上記のように構成したこの考案の分岐接続器では、電線と電線が互いにクロス して布線され、これらは圧接端子で支持されると共にこの圧接端子により分岐接 続される。従って、ワイヤハーネス端子を分岐接続器のコネクタに接続すること により全体を極めてコンパクトにかつ薄肉化して構成できる。

【０００９】

【実施例】

以下この考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１は実施例の分岐接続器の外観斜視図である。 この実施例の分岐接続器１は上下２つに開閉自在な上ケーシング１ａと下ケー シング１ｂから成り、上下ほぼ対称に形成されている。分岐接続器１にはワイヤ ハーネスの電線に接続するためのコネクタ２とその接続コード３が接続されてい る。コネクタ２、接続コード３は３芯のもの、５芯のものが例として示されてい る。コネクタ２の接続孔２ａに電線が挿入される。 図２に分岐接続器１のケーシングを開いた状態を示している。上、下ケーシン グ１ａ、１ｂ内には分岐回路の接続が必要な位置に適当数の圧接端子４が設置さ れ、この圧接端子４に接続コード３が互いにクロスして支持されている。

【００１０】 圧接端子４は、図３に示すように、上、下ケーシング１ａ、１ｂの内面に碁盤 目状に設けられた複数の窪み５に適当数設置されている。圧接端子４は、図示の 例では、底面が正方形でその各辺に垂直な側面に電線を受けるためのスロットを 設けたものから形成されている。なお、底面は、円形状としてもよく電線をいず れかの方向にクロスして支持できるようにスロットが設けられていればよい。 上、下ケーシング１ａ、１ｂの周囲やや内側寄りにはそれぞれ３方に周壁６が 設けられ、この周壁６には接続コード３を挿通し得るスロット７が所定のピッチ で設けられている。又、周壁６のコーナには支柱８が２ケ所ずつ設けられている と共に上、下ケーシング１ａ、１ｂをその一端で折り曲げて開閉するためのヒン ジ分岐回路９が設けられている。折り曲げて両ケーシング１ａ、１ｂを閉じる際 に支柱８の一方の小孔８ａに他方の突起８ｂが嵌合して位置合わせできるように なっている。

【００１１】 かかる分岐接続器１は、前述したように上、下ケーシング１ａ、１ｂの分岐接 続を必要とする適宜位置の窪み５に圧接端子４を設置し、その上にコネクタ２の 接続コード３をクロスして挿置する。その場合、図２に示すように、上、下ケー シング１ａ、１ｂの両方に亘る接続コード３が下位レベルに挿置され、これと直 交する方向に挿置される接続コード３をその上にクロスするように設ける。ただ し、クロスする接続コード３同士は互いに接触しないように設置レベルを異なら せて設ける。

【００１２】 以上のように構成した実施例の分岐接続器１は図２に示すように組立てられる 。そして、ヒンジ部９を中心に上、下ケーシング１ａ、１ｂを折り畳むと図１の ように組立てが完了する。 上記のように組立てられた分岐接続器を結線図として示すと図４のようになる 。黒丸は圧接端子４による分岐接続点を示す。こうして、図４の横方向の接続回 路に対して縦方向の分岐接続回路が自由に必要に応じて接続される。この場合、 同時にコネクタ２、２への電線を圧接結線することもできるし、あるいは予め電 線の付いたコネクタを上記方法にて接続するようにしてもよい。なお、ケーシン グ１ａ、１ｂは樹脂性とし、その周壁６のスロット７は接続コード３よりやや狭 い幅としてコードの位置決め保持をするとよい。 又、図５に示すように、圧接端子４のスロット形状を多サイズ電線共用可能な 形状４ａとすれば、多サイズの電線が混在する自動車用のワイヤハーネスの色々 な所に適用することができる。

【００１３】

【効果】

以上詳細に説明したように、この考案の分岐接続器はケーシング内側の窪みに 設置した圧接端子でその上にクロスして布線される電線を支持して所定位置で互 いに分岐接続するようにしたから、ハーネス端末のコネクタ及びこれを受け入れ る挿着部が不要となり分岐接続器の小型化、薄肉化、及びハーネス自体の簡易化 等が可能となるという利点が得られる。又、組立てについてもコネクタを嵌合す る作業が省略され、布線結線が一括でできるため工数が削減できるという効果も ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の分岐接続器の全体外観斜視図

【図２】分岐接続器の上下ケーシングを開放した状態の
斜視図

【図３】上下ケーシングの詳細な分解斜視図

【図４】実施例の分岐接続器と等価な結線図

【図５】多サイズ電線共用可能な圧接端子のスロット形
状を示す図

【符号の説明】

１ 分岐接続器 １ａ 上ケーシング １ｂ 下ケーシング ２ コネクタ ３ 接続コード ４ 圧接端子 ５ 窪み ６ 周壁 ７ スロット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング本体内面に碁盤目状に複数の
   窪みを設け、分岐回路が必要な箇所で適宜窪みに圧接端
   子を設置し、ワイヤハーネスを構成する電線を互いにク
   ロスして布線し、上記圧接端子で電線を支持することに
   より分岐回路を接続してなる分岐接続器。
2. 【請求項２】 前記ケーシングを上ケーシングと下ケー
   シングから構成し、両ケーシングの一端部をヒンジ部に
   て連結し折り曲げ重ね合わせ使用できるようにしたこと
   を特徴とする請求項１に記載の分岐接続器。