JPH0412295Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、湯沸かし器具等に配管されるガス立
管や水道給水立管を設置場所に対応して簡便に固
定支持するための配管支持具に関する。

〔従来の技術〕および〔考案が解決しようとする
問題点〕 従来、例えば湯沸かし器等の設置パターンとし
ては、特に建築段階のビル等の現場において、限
られた狭い設置スペースや複雑な配管に合わせ、
鋼材を所要の形状に機械加工して配管支持部材を
その都度作製し、この配管支持部材をコンクリー
ト等の壁面に取り付けると共に、ガス立管や給水
立管を所定の間隔で位置合わせしつつ設置する方
法が最も一般的である。

このように、配管支持部材としては、市販の山
形鋼や平鋼などの鋼材を用い、狭いスペースでの
非能率な現場加工に頼らざるを得ないことから、
必然的に製作コストの高騰を招来せしめるという
実情にある。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みなさ
れ、設置場所や配管の事情に自在に対応し、現場
加工を最小限に抑えることで、配管設置時間の大
幅な短縮を可能にする配管支持具の提供を目的と
している。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決して目的を達成するために、
本考案による配管支持金具は次なる構造とした。
即ち、長手方向に所定ピツチで設けた長孔と長手
方向の両端にそれぞれ一体結合させた受孔付の受
カラーを有する棒状の本体、取付用貫通孔を設け
た取付座とこの中心部に垂直に一体結合されて前
記受カラーに挿通させるネジ棒を有するアジヤス
タ・ベースおよび前記ネジ棒に螺合せしめたロツ
クナツトを備え、器具設置場所にて所定の間隔で
対向する壁面のそれぞれに前記アジヤスタ・ベー
スをその取付座の貫通孔に挿通するアンカボルト
を用いて締結固定すると共に、締結固定された対
向一対のアジヤスタ・ベース間に前記本体を介在
させて前記ネジ棒の各々に前記受カラーを挿通さ
せて連結し、前記ロツクナツトを回転調節して本
体をアジヤスタ・ベースに対して緊締固定して、
前記長孔に挿通するＵ−ボルトを用いて隣合う複
数の配管を配管間隔に応じた間隔で本体に緊締支
持するようにした。

〔作用〕

器具設置場所にて対向する両側の壁面間の寸法
に対応して、器具支持具を長さ調節自在に調節し
て緊締固定し、この器具支持具の本体上に隣合う
複数のガス立管や給水立管を別に用意されたＵ−
ボルトで互いに任意の間隔寸法で緊締固定する。

〔実施例〕

以下、本考案による配管支持具の一実施例につ
いて図面を参照しつつ説明する。

第１図および第２図において、市販鋼材の等辺
山形鋼、通称アングル鋼を用い、これを所要の長
さ寸法Ｌで切り揃えた支持具の本体１は、その長
手方向の所定のピツチＰで長孔１ａが穿孔されて
いる。また、この本体１の両端にはそれぞれ規格
鋼管を利用した受カラー１ｂが溶接によつて結合
されている。但し、この受カラー１ｂとしては、
鋼管に限らず受孔を設けた機械加工品であつても
よい。

一方、前記本体１とは別体に設けられるアジヤ
スタ・ベース２は、平板状の取付座２ａの中心部
面に垂直に、全ネジによるネジ棒２ｂが溶接によ
つて一体に結合されたものであり、取付座２ａに
はアンカボルト用の貫通孔２ｃおよびアンカ釘用
の貫通孔２ｄが穿孔されている。両貫通孔２ｃ，
２ｄの個数については図示のように２個づつに限
定されるものではなく、取付強度の事情によつて
は、アンカボルト用貫通孔２ｃのみ、またはアン
カ釘用貫通２ｄのみが用いられる。また、ネジ棒
２ｂには予め長さ調節用のロツクナツト３が螺合
されている。

なお、前記実施例の配管支持具としては、鋼材
や鋼管による金属製部材で構成したものを使用し
たが、所要の取付強度が得られるならば、合成樹
脂材による金型成形部品とすることも勿論可能で
ある。

また、本体１の長さ寸法Ｌの設定にしても、設
置場所に広く対応できるよう数種のものを用意し
て、標準化しておくことが好ましい。

したがつて、第１図に示すように、設置場所に
おける例えば湯沸かし器具４等の設置に際して、
ガス立管や給水立管等による複数の配管５を固定
支持する場合は、予め用意された本考案の配管支
持具を用いて容易に行うことができる。即ち、コ
ンクリート等による左右両側の壁面６，６のそれ
ぞれに、まずアジヤスタ・ベース２，２を取り付
ける。この取り付けの要領は、取付座２ａの貫通
孔２ｃに市販のアンカボルト７を打ち込むことで
行われる。取付壁が木材のような場合は、貫通孔
２ｄにアンカ釘（図示せず）で取り付ける場合も
ある。

左右の壁面６，６にそれぞれアジヤスタ・ベー
ス２，２が対向する形で固定されると、これらア
ジヤスタ・ベース２，２の各ネジ棒２ｂに本体１
をその両端の受カラー１ｂ，１ｂを挿通させて一
旦仮固定する。これより、各ネジ棒２ｂ上のロツ
クナツト３によつて、左右のアジヤスタ・ベース
２，２に対して本体１がこの長さ方向に遊び代が
なくなるまで回転調節して緊締する。

次いで、湯沸かし器具４の周辺に立ち上がる複
数の配管５の各々をＵ−ボルト８によつて抱き込
ませ、このＵ−ボルト８の両端を本体１の隣合う
２つの長孔１ａに挿通させてナツト９を締め、本
体１に配管５同士を所要の間隔で緊締固定する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による配管支持具
は、器具の設置場所に最も適合し易いものを選択
し、本体両側の各アジヤスタ・ベースを壁面に取
り付けてのち、ロツクナツトによる調節のみで、
壁面管の距離に自在に対応して本体を簡単に緊締
固定し、この本体に複数の配管を長孔の長さを利
用して配管間隔に応じた間隔で緊締固定すること
ができる。この間の作業に要する時間は、従来の
ように壁面間の寸法に合わせて現場加工するもの
に比較すれば格段に短縮され、配管作業能率を向
上させて、現場工数の高騰を抑える実用性に優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案による配管支持具
を用いた湯沸かし器具等の設置態様を示す正面図
と斜視図である。 符合の説明、１……本体、１ａ……長孔、１ｂ
……受カラー、２……アジヤスタ・ベース、２ａ
……取付座、２ｂ……ネジ棒、２ｃ……アンカボ
ルト用貫通孔、２ｂ……アンカ釘用貫通孔、３…
…ロツクナツト、４……湯沸かし器具、５……配
管、６……壁面、７……アンカボルト、８……Ｕ
−ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向に所定ピツチで設けた長孔と長手方向
   の両端にそれぞれ一体結合させた受孔付の受カラ
   ーを有する棒状の本体、取付用貫通孔を設けた受
   取座とこの中心部に垂直に一体結合されて前記受
   カラーに挿通させるネジ棒を有するアジヤスタ・
   ベースおよび前記ネジ棒に螺合せしめたロツクナ
   ツトを備え、器具設置場所にて所定の間隔で対向
   する壁面のそれぞれに前記アジヤスタ・ベースを
   その取付座の貫通孔に挿通するアンカボルトを用
   いて締結固定すると共に、締結固定された対向一
   対のアジヤスタ・ベース間に前記本体を介在させ
   て前記ネジ棒の各々に前記受カラーを挿通させて
   連結し、前記ロツクナツトを回転調節して本体を
   アジヤスタ・ベースに対して緊締固定して、前記
   長孔に挿通するＵ−ボルトを用いて隣合う複数の
   配管を配管間隔に応じた間隔で本体に緊締支持す
   ることを特徴とする配管支持具。