JPH04122533U - 枚葉取り出し装置 - Google Patents

枚葉取り出し装置

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JPH04122533U
JPH04122533U JP2695691U JP2695691U JPH04122533U JP H04122533 U JPH04122533 U JP H04122533U JP 2695691 U JP2695691 U JP 2695691U JP 2695691 U JP2695691 U JP 2695691U JP H04122533 U JPH04122533 U JP H04122533U
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吉輝 三村
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新田ゼラチン株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積み重ねられた多数の枚葉シートから、1枚
づつの枚葉シートを取り出す際に、複数枚の枚葉シート
が重なったままで取り出されることがなく、確実に1枚
づつの枚葉シートを取り出すことができるとともに、構
造が簡単でコスト安価に製造できる枚葉取り出し装置を
提供する。 【構成】 枚葉シートPを積み重ねて置く載置台部20
を備え、一対の連動回転する摩擦回転ローラ30、32
が、積み重ねられた枚葉シートPの上面に当接して、枚
葉シートPの取り出し方向の前後に配置されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、枚葉取り出し装置に関し、詳しくは、商品ラベルやチラシ等、比 較的薄いシート状物いわゆる枚葉シートを、多数が積み重ねられた状態から、1 枚づつ確実に取り出すための枚葉取り出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
商品ラベルやチラシ等の枚葉シートは、多数枚を積み重ねた状態で保管あるい は取扱いを行うので、これらの枚葉シートを1枚づつ使用する際には、積み重ね られた枚葉シートの山から、1枚づつ順番に取り出す作業が必要になる。 商品ラベル等を自動化ラインで大量に製造したり、印刷したりする際には、真 空吸着機構やエアー分離機構あるいは光センサ等を利用して、枚葉シートを1枚 づつ分離したり、移送したりする各種の枚葉取扱い装置が工程ラインに組み込ま れている。
【0003】 しかし、比較的少量の枚葉シートを取り扱う必要がある場合には、前記した設 備ラインにおけるような大掛かりな枚葉取扱い装置を用いることは、経済的に引 き合わない。また、作業によっては、最終的に手作業で枚葉シートを1枚づつ取 り扱う必要が生じる場合も多い。 例えば、商品ラベルを商品に貼り付ける作業や、パンフレットにチラシを挟み 込む作業などは、手作業で行うことが多く、積み重ねられた多数の枚葉シートの 山から、1枚づつの枚葉シートを取り出さなければならない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、整然と積み重ねられた枚葉シートの山から、1枚の枚葉シートのみ を確実に取り出すのは大変に難しく、複数枚の枚葉シートが重なったままで取り 出される場合が頻繁に起こる。重なったままで取り出された枚葉シートを1枚毎 に分離するのは非常に手間の掛かる作業である。
【0005】 そこで、作業者が指先を水分で湿らせたり、指先にゴムサックを装着したりし て、枚葉シートを取扱い易い状態にして作業を行うことも行われている。しかし 、枚葉シートに水分が付着すると枚葉シートの機能や性能に悪影響を与えたり、 枚葉シートの表面が汚れたりするという問題が発生する。また、枚葉シートを取 り扱う作業が、作業者が手に軍手やゴム手袋をはめて行わなければならない作業 とともに行われる場合、分厚い軍手やゴム手袋を嵌めた状態では、薄い枚葉シー トを1枚づつ取り出すような微妙な作業は極めて困難である。枚葉シートを取り 出す度に、軍手などを脱いで指先にゴムサックを装着するような動作は、非常に 面倒で作業性を大きく阻害する。
【0006】 そこで、この考案の課題は、積み重ねられた多数の枚葉シートから、1枚づつ の枚葉シートを取り出す際に、複数枚の枚葉シートが重なったままで取り出され ることがなく、確実に1枚づつの枚葉シートを取り出すことができるとともに、 構造が簡単でコスト安価に製造できる枚葉取り出し装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する、この考案にかかる枚葉取り出し装置は、枚葉シートを積 み重ねて置く載置台部を備え、一対の連動回転する摩擦回転ローラが、積み重ね られた枚葉シートの上面に当接して、枚葉の取り出し方向の前後に配置されてい る。
【0008】 枚葉シートとは、前記した商品ラベルやチラシのように、紙や合成樹脂、金属 その他任意の材料からなるシート状物であって、一定の外形状に形成された枚葉 シートを、上下に多数積み重ねた状態で、保管したり、運搬したりするようにな っているものである。枚葉シートとしては、紙のように柔軟なものから、金属板 のように変形し難い硬質の材料まで使用できる。また、紙や合成樹脂フィルムか らなる袋を折り畳んで薄いシート状に形成したものなど、1枚のシートでなくて も、実質的に枚葉シートとみなせるものであれば適用可能である。
【0009】 載置台部は、枚葉シートを積み重ねた状態で載置しておければよい。載置台部 は、平坦な板状の載置台部のみからなるものであってもよいし、枚葉の外形状に 対応する平面形を有する箱状あるいは枠状の収容部内に、載置台部を収容してお くようになったものでもよい。その他、通常の枚葉取扱い装置で採用されている 各種の枚葉シート保持機構が自由に採用できる。枚葉シートの周囲を囲む箱状も しくは枠状の収容部は、少なくとも枚葉の取り出し方向が開放されている必要が ある。箱状の収容部には、枚葉シートの取り出し方向で、側壁の一部に開口部を 設けておけばよい。箱状もしくは枠状の収容部の場合、枚葉シートを囲む壁面の 一部が、中心に向かって移動調整できるようになっていると、枚葉シートの面積 や形状に合わせて、収容部の大きさや形状を変更することが可能になる。
【0010】 摩擦回転ローラは、枚葉シートの表面に当接して回転力で枚葉シートを駆動で きる程度の摩擦力が発揮できれば、ゴムや合成樹脂その他の通常のローラ材料を 用いることができる。摩擦回転ローラの表面に細かな凹凸や梨目仕上げなどを形 成しておけば、枚葉シートへの回転力の伝達がより確実に行える。 一対の摩擦回転ローラを、載置台部から枚葉シートを取り出す方向に沿って、 前後に間隔をあけて設置しておく。摩擦回転ローラは、載置台部に積み重ねられ た枚葉シートの最上面に当たる位置に配置される。摩擦回転ローラ同士の間隔は 、枚葉シートの長さに合わせて適当な間隔に設定される。摩擦回転ローラ同士が 間隔をあけずに隣接していると、この考案の作用効果が十分に発揮できない。
【0011】 一対の摩擦回転ローラのうち、枚葉シートの取り出し方向に対して前方側にな る摩擦回転ローラすなわち前方ローラは、積み重ねられた枚葉シートの前端より も少し前方に配置されてあってもよい。これは、前方ローラは、積み重ねられた 枚葉シートよりも前方に引き出される最上部の枚葉シートの上面に当接していれ ばよいからである。この場合、前方ローラが、後述する分離部材の上縁に当接す る位置に配置されるようにしておけば、前方ローラと分離部材の間に枚葉シート を挟んで、前方ローラから枚葉シートへと確実に回転力を伝達できたり、後続の 枚葉シートが余分に引き出されてしまわないようにすることができる。
【0012】 一対の摩擦回転ローラは、枚葉シートの取り出しに伴って、枚葉シートと一緒 に取り出し方向に移動しないようになっていれば、その支持手段は通常の回転ロ ーラに対する各種支持手段が自由に適用できる。そして、一方のローラが回転す れば、その回転力が他方のローラにも伝達されて連動回転するようになっている 。連動回転機構としては、ベルト機構やギヤ機構、リンク機構などを組み合わせ る、通常の機械装置における、離れた回転体同士の連動回転機構を用いることが できる。
【0013】 枚葉シートの供給や排出を容易にするには、摩擦回転ローラを、枚葉シートの 上方に配置された状態と枚葉シートの上方から退出した状態の間で移動可能に取 り付けておくのが好ましい。具体的には、例えば、一対の摩擦回転ローラを取り 付けた支持体が、箱状収容部の一辺の壁面上端などに回動可能に取り付けられて いれば、支持体を回動させることによって、摩擦回転ローラを移動させることが できる。支持体が、収容部の上方を覆う上蓋に吊り下げられており、この上蓋が 収容部に回動可能に取り付けられていれば、上蓋の開閉動作と摩擦回転ローラの 移動動作が同時に行え、大変に便利である。
【0014】 摩擦回転ローラを枚葉シートの表面に当てた状態で、摩擦回転ローラの回転力 を枚葉シートに伝達するのに十分な摩擦力を生じさせるためには、対向して配置 される載置台部および摩擦回転ローラの一方あるいは両方を、バネなどの付勢手 段で相手側に向かって弾力的に付勢しておくことが好ましい。但し、摩擦回転ロ ーラ側には、重しを取り付けるなどして、重力による付勢力を作用させるように してもよい。バネの長さや重しの重量を変更可能にしておくなどして、摩擦回転 ローラと枚葉シートの間に作用する圧力を変えて、互いの間に生じる摩擦力を調 整できるようにしておくと、より好ましいものとなる。
【0015】 載置台部のうち、枚葉シートの取り出す方向で積み重ねられた枚葉シートの外 側位置に、分離部材を設けておくと、1枚づつの枚葉シートの取り出しを確実に 行えるようになる。すなわち、分離部材は、最上部の枚葉シートの取り出しに伴 って、次の枚葉シート、さらにはその下側の枚葉シートまでが余分に引き出され ないように、上方に重ねられた枚葉シートに連れられて引き出されようとする枚 葉シートの下面に接触し、互いの間に働く摩擦力で、枚葉シートが余分に引き出 されるのを阻止する。分離部材のうち、枚葉シートに接触する表面を、摩擦抵抗 の高い材料で形成しておけば、枚葉シートをより確実に引き止めることができる 。摩擦抵抗の高い材料としては、ビニル樹脂やゴムなどが挙げられる。分離部材 の高さを調整可能に設けておけば、枚葉シートとの間に作用させる摩擦抵抗の大 きさを変更できる。分離部材のうち、枚葉シートが接触する側の上縁が滑らかに 湾曲していれば、枚葉シートが引っ掛かったりつかえたりする心配がない。
【0016】 この考案にかかる枚葉取り出し装置は、載置台部に積み重ねられた枚葉シート を、手作業で1枚づつ取り出す場合に用いるのが好ましいが、比較的簡略なコン ベア機構などからなる枚葉取扱い装置の一部に組み込んで使用することも可能で ある。
【0017】
【作用】
この考案にかかる枚葉取り出し装置を使用する際には、多数の枚葉シートが積 み重ねられて載置台部に置かれた状態で、枚葉シートの上面に一対の連動回転す る摩擦回転ローラを当接しておく。そして、使用を開始する前に、最上部の枚葉 シートのみを、作業者の指、あるいは軍手をはめた指でもつかめる程度に、取り 出し方向に少し引き出して、いわゆる頭出しを行っておく。
【0018】 上記のような状態で準備された枚葉取り出し装置で、まず、頭出しされた最上 部の枚葉シートをつかんで引き出す。枚葉シートが引き出されると、少なくとも 取り出し方向の前方側になる摩擦回転ローラには枚葉シートの上面が接触してい るので、枚葉シートの移動に伴ってこの前方ローラが回転する。そうすると、前 方ローラと連動回転する後方ローラも回転する。
【0019】 枚葉シートの引き出しとともに、最上部の枚葉シートが後方ローラの位置を通 過してしまうと、後方ローラは次の枚葉シートの上面に接触する。最上部の枚葉 シートと接触している前方ローラは回転をつづけるので、後方ローラも連動回転 する。そうすると、後方ローラが接触している次の枚葉シートが前方に押し出さ れる。
【0020】 最上部の枚葉シートが前方ローラの位置を通過して完全に取り出されるまで、 前方ローラは回転をつづけ、それに伴って後方ローラも連動回転する。後方ロー ラが接触している次の枚葉シートは、後方ローラの位置を通過するまで前方に押 し出される。次の枚葉シートが後方ローラの位置を通過すると、後方ローラはさ らにその下の枚葉シートに接触して、この枚葉シートを前方に押し出すことにな る。すなわち、前記した次の枚葉シートとその下の枚葉シートとは前後にずれた 状態のままで前方に移動することになる。
【0021】 最上部の枚葉シートが取り出されると、前方ローラは回転を止め、後方ローラ も回転を止める。次の枚葉シートは、回転を止めた前方ローラが表面に当接して おり、摩擦抵抗が作用するので、最上部の枚葉シートに連れられて引き出される ことはない。この状態で、次の枚葉シートは、積み重ねられた下方の枚葉シート よりも、一定の距離だけ引き出されており、場合によっては、次の枚葉シートの さらに下の枚葉シートも少しだけ引き出された状態になっている。
【0022】 したがって、次に枚葉シートを取り出すときには、一定の距離だけ引き出され た、すなわち頭出しをされた新たな最上部の枚葉シートを、作業者がつかんで取 り出せばよい。このときも、前記同様の作用で、枚葉シートを取り出した後には 、次の新たな最上部の枚葉シートが頭出しをされて待機した状態になる。 以上のような作用により、この考案にかかる枚葉取り出し装置では、常に、最 上部の枚葉シートが1枚だけ、下方の枚葉シートよりも一定の距離だけ前方に引 き出された頭出し状態で配置されることになり、枚葉シートを1枚づつ取り出す 作業が簡単かつ確実に行えることになる。
【0023】 枚葉取り出し装置の作動、すなわち摩擦回転ローラの回転あるいは回転の停止 は、最上部の枚葉シートを取り出す際の引き出し力のみで制御されるので、外部 の動力やエネルギーは全く使わなくてよい。
【0024】
【実施例】
ついで、この考案の実施例を図面を参照しながら以下に説明する。 図1は、枚葉取り出し装置の全体構造を示している。 概略直方体形をなす箱状の収容部10には、一辺の側壁上端にヒンジ部16を 介して上蓋14が取り付けられている。上蓋14の上面には、鋼板などからなる 重し板50が取り付けられている。上蓋14の開閉する方向で、ヒンジ部16と 対向する収容部10の側壁部分には、上方側が開放された開口部12が設けられ ている。この開口部12から枚葉シートPを取り出す。開口部12の下辺となる 収容部10の側壁上縁は、ビニル樹脂からなる分離部材18で覆われており、分 離部材18の上端縁は滑らかな円形状をなしている。収容部10の内部には、圧 縮コイルバネ22を介して載置台板20が取り付けられている。載置台板20の 上には、多数の枚葉シートPが整然と積み重ねられて収容されている。
【0025】 枚葉シートPの上面には、ゴム等からなる一対の摩擦回転ローラ30、32が 配置されている。一方の摩擦回転ローラ30は、前記開口部12および分離部材 18側になる枚葉シートPの端部近くに設けられ、他方の摩擦回転ローラ32は 、収容部10の奥側で、枚葉シートPの端部に近い位置に設けられている。一対 の摩擦回転ローラ30、32は支持体40に対して、自由に回転するように取り 付けられているとともに、前後の摩擦回転ローラ30、32の回転軸をベルト3 4で連結するなどして、互いに連動回転するようにしている。支持体40は、中 央に立てられた支持軸42を介して上蓋14に吊り下げ固定されている。
【0026】 上記のような構造を有する枚葉取り出し装置の作動について説明する。 図1に二点鎖線で示すように、収容部10の上蓋14を上方に回動させて、摩 擦回転ローラ30、32を載置台板20の上方から外した状態で、載置台板20 の上に多数枚が整然と積み重ねられた枚葉シートPを載せる。上蓋14を下方に 回動させて、摩擦回転ローラ30、32を枚葉シートPの上面に降ろす。摩擦回 転ローラ30、32と枚葉シートPの間には、枚葉シートPを載せた載置台板2 0を支える圧縮コイルバネ22により下方から加わる付勢力と、摩擦回転ローラ 30,32や支持体40、上蓋14、重し板50の重量による上方からの付勢力 により、一定の圧力が作用している。積み重ねた枚葉シートPの上面位置は、前 記分離部材18の上端位置とほぼ同じ高さになっている。
【0027】 枚葉取り出し装置を使用する前には、予め、最上部の枚葉シートPのみを一定 の長さだけ、開口部12から前方に引き出して頭出しを行っておく。この作業は 、枚葉シートPの上に摩擦回転ローラ30,32を載せる前に行っておいてもよ い。 図2(a) 〜(c) は、枚葉シートPの取り出し行程を段階的に示している。
【0028】 図2(a) に示すように、枚葉シートを取り出す開口部12すなわち分離部材1 8に近い側の摩擦回転ローラ30(以下、「前方ローラ」と呼ぶ)は、開口部1 2から一定の長さだけ突出している最上部の枚葉シートP1 の上面に当接してい る。この最上部の枚葉シートP1 の後端は、前方ローラ30と対になる摩擦回転 ローラ32(以下、「後方ローラ」と呼ぶ)の位置よりも前方にあるので、後方 ローラ32は、その下の次に取り出す枚葉シートP2 の上面に当接している。
【0029】 最上部の枚葉シートP1 を、作業者がつかんで引っ張ると、枚葉シートP1 が 引き出されるのに伴い、枚葉シートP1 の上面に当接している前方ローラ30が 回転する。前方ローラ30が回転すると、これと連動回転する後方ローラ32も 回転する。後方ローラ32は、次の枚葉シートP2 に当接しているので、次の枚 葉シートP2 を前方に押し出すことになる。
【0030】 図2(b) に示すように、次の枚葉シートP2 の後端が、後方ローラ32の位置 を通過すれば、後方ローラ32からの作用力は無くなる。但し、最上部の枚葉シ ートP1 と接触している次の枚葉シートP2 は、最上部の枚葉シートP1 の移動 に伴って前方に移動しようとする。次の枚葉シートP2 の下面が分離部材18の 上端に接触すると、摩擦抵抗が生じるので、次の枚葉シートP2 の前方への移動 を阻止する力が作用する。但し、この段階では、最上部の枚葉シートP1 から加 わる前方への作用力のほうが強いので、次の枚葉シートP2 は前方への移動を続 ける。後方ローラ32は、次の枚葉シートP2 のさらに下の枚葉シートP3 に当 接するので、この枚葉シートP3 を前方に押し出す。
【0031】 図2(c) に示すように、最上部の枚葉シートP1 が前方ローラ30の位置より も引き出されてしまえば、最上部の枚葉シートP1 は完全に取り出される。次の 枚葉シートP2 は、最上部の枚葉シートP1 の引き出しに伴って、分離部材18 よりも少し前方まで引き出されるが、最上部の枚葉シートP1 が無くなれば、前 方ローラ30の回転も止まるので、その時点で次の枚葉シートP2 の引き出しも 終わる。
【0032】 次の枚葉シートP2 のさらに下の枚葉シートP3 は、後方ローラ32の回転に 伴って前方に引き出されるが、後方ローラ32の回転が止まれば、前方への引き 出しは終わる。また、この枚葉シートP3 が分離部材18に接触すると、摩擦抵 抗により移動を阻止される。これは、最上部の枚葉シートP1 の引き出しに伴う 前方への作用力は、次の枚葉シートP2 を介して下の枚葉シートP3 に伝わるの で、あまり大きな力にはならず、分離部材18との間に生じる摩擦抵抗のほうが 大きくなるためである。その結果、前記次の枚葉シートP2 が分離部材18を超 えて前方まで大きく引き出された状態で最上部に位置することになり、その下の 枚葉シートP3 は分離部材18の付近まで少しだけ引き出された状態になる。な お、圧縮コイルバネ22が載置台板20および枚葉シートPを一定の付勢力で押 し上げているので、最上部の枚葉シートP1 が取り出されると、その厚さ分だけ 、載置台板20および枚葉シートPが上昇する。この状態は、前記(a) の状態と ほぼ同じである。
【0033】 このように、最上部の枚葉シートP1 を取り出す毎に、次に最上部にくる枚葉 シートP1 が、常に、他の積み重ねられた枚葉シートP群よりも一定の長さだけ 突出した頭出し状態になるので、枚葉シートP1 の取り出しが非常に行い易くな る。また、前記説明から判るように、最上部の枚葉シートP1 と次の枚葉シート P2 とが、前後にずれるように分離されるので、最上部の枚葉シートP1 のみを 確実に取り出すことができ、複数枚の枚葉シートPが同時に取り出されてしまう ような問題が生じない。
【0034】 なお、上記装置において、分離部材18は、次の枚葉シートP2 あるいはその 下の枚葉シートP3 が最上部の枚葉シートP1 に連れられて過度に引き出される のを確実に阻止するのに有効である。但し、枚葉シートP同士の接触面における 滑り易さ等の条件によっては、分離部材18が無くても、枚葉シートP2 または P3 が、後方ローラ32の位置よりも前方に移動するか、後方ローラ32の回転 が止まれば、それ以上は前方に移動することは無いので、複数枚の枚葉シートP が同時に取り出されることはない。
【0035】 つぎに、図3には、前記実施例と一部構造の異なる枚葉取り出し装置を示して いる。基本的な構造は前記実施例と同様であるので、相違点を主に説明する。 この実施例では、分離部材18が、上端に向けて外側へと湾曲している。そし て、前方ローラ30が、分離部材18の湾曲した上縁の内側に当接する位置に設 けられている。したがって、前方ローラ30と分離部材18の間に最上部の枚葉 シートP1 を挟み込むと、枚葉シートP1 の先端が上方に少し反った状態になる 。
【0036】 上記実施例では、枚葉シートP1 を前方ローラ30と分離部材18の間に挟み 込んで、強い圧力をかけた状態で枚葉シートP1 を引き出すので、枚葉シートP 1 の引き出し力が確実に効率良く前方ローラ30の回転力に変換される。また、 分離部材18の上縁が湾曲しているので、後方ローラ32で押し出されてくる次 の枚葉シートP2 が、分離部材18に引っ掛かり難い。さらに、枚葉シートP2 あるいはP3 は、分離部材18に押しつけられて摩擦抵抗が増えるので、最上部 の枚葉シートP1 と一緒に大きく引き出されてしまい難くなる。
【0037】
【考案の効果】
以上に述べた、この考案にかかる枚葉取り出し装置によれば、一対の連動回転 する摩擦回転ローラを、積み重ねた枚葉シートの上面に当接しておくだけで、最 上部の枚葉シートとそれよりも下方の枚葉シートとを確実に分離して、最上部の 枚葉シートのみを取り出すことができる。しかも、最上部の枚葉シートを取り出 した際に、次の枚葉シートがある程度の長さだけ引き出されるので、常に、最上 部の枚葉シートが他の枚葉シートよりも一定の長さだけ突出した頭出し状態にな り、作業者が最上部の枚葉のみをつかむのも極めて簡単である。
【0038】 その結果、従来非常に手間のかかっていた、手作業による1枚づつの枚葉シー トの取り出しを、確実かつ能率的に行うことができ、軍手をはめていたり、細か な作業が行い難い状況にある作業者でも、容易に枚葉シートの取り出しを行うこ とが可能になる。 しかも、摩擦回転ローラの回転を始めとする枚葉取り出し装置の作動は、最上 部の枚葉シートを取り出す際の引き出し力のみで駆動されるので、他に動力源を 備えたり、外部からエネルギーを供給する必要が全くなく、極めて経済的である とともに、作動機構が簡単なので、故障や作動不良が生じる可能性も少ない。枚 葉取り出し装置の構造も、摩擦回転ローラなど製造あるいは入手の簡単な部品の みで構成されているので、製造は容易でコスト的にも安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案の実施例を示す枚葉取り出し装置の
断面図
【図2】 作動行程を段階的に示す模式的説明図
【図3】 別の実施例を示す要部断面図
【符号の説明】
10 収容部 20 載置台板 30、32 摩擦回転ローラ P、P1 、P2 、P3 枚葉シート

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枚葉シートを積み重ねて置く載置台部を
    備え、一対の連動回転する摩擦回転ローラが、積み重ね
    られた枚葉シートの上面に当接するよう、枚葉シートの
    取り出し方向の前後に配置されていることを特徴とする
    枚葉取り出し装置。
  2. 【請求項2】 枚葉シートの取り出し方向で、枚葉シー
    トの下面に当接する位置に、上縁が枚葉シートの取り出
    し方向側に湾曲した分離部材を備え、一対の摩擦回転ロ
    ーラのうち、前方側の摩擦回転ローラが分離部材の上縁
    に当接する位置に配置されている請求項1記載の枚葉取
    り出し装置。
  3. 【請求項3】 載置台部が、枚葉シートの取り出し方向
    に開口部を備えた箱状の収容部内に取り付けられるとと
    もに、上方側に弾力的に付勢されており、一対の摩擦回
    転ローラが取り付けられた支持体が、収容部の一部に回
    動可能に取り付けられている請求項1または2記載の枚
    葉取り出し装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037357A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 大日本印刷株式会社 枚葉シート繰出装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037357A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 大日本印刷株式会社 枚葉シート繰出装置

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