JPH0412228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主に樹脂サツシ用障子に使用される
戸車の取付装置に関する。

〔従来の技術〕

従来この種の樹脂サツシ用障子の下框に取付け
られている戸車は、下框の長手方向に沿つて設け
られている取付用凹溝に一端部から差し入れて該
凹溝に沿つて摺動させ、所定位置にビス止めにて
固定していた。そして、戸車を交換する場合には
障子から下框を取り外して戸車の交換作業をしな
ければならず、戸車の取付け及び交換作業が頗る
面倒なものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は前記事情に基づいてなされたものであ
り、樹脂サツシ用障子における戸車の取付け及び
交換作業を簡便に行い得る戸車の取付装置を提供
することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案における技術
的手段は、障子受枠部と戸車受枠部より成る樹脂
サツシ用障子における下框において、障子受枠部
の下面を長手方向に沿つて支持する補強部材を戸
車受枠部内に挿設し、該補強部材は断面略コ字形
状であり、障子受枠部の下面に当接する支持板
と、戸車受枠部の内壁面に対向して突出する突起
帯に下端が保持され略ハの字状に広がる一対の脚
部とから成り、戸車受枠部の下端に屈曲する内向
きの対向鉤部に、戸車のケーシングの両側外方に
突設した爪部を係止して、戸車を所定位置に固定
でき得るようにしたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、本考案における戸車の取付装置の一実施
例を図面を参照しながら具体的に説明する。

第１図において、１で示すのは、障子受枠部１
Ａと戸車受枠部１Ｂとが上下に連成されてなる樹
脂サツシ用障子における下框であり、障子受枠部
１Ａには軟質部材２を介して例えばペアガラス３
が嵌着されており、戸車受枠部１Ｂ内には、障子
受枠部１Ａの下面に接合する支持板４Ａと、戸車
受枠部１Ｂの中間内壁面に対向して突出する突起
帯５に下端が保持される略ハの字状の一対の脚部
４Ｂ，４Ｂとから成る例えば鉄或いはアルミニウ
ム合金製の断面略コ字形状をした補強部材４が、
戸車受枠部１Ｂの長手方向に沿つて挿設されてい
る。

６で示すのは、戸車受枠部１Ｂ内に装設される
戸車であり、該戸車６は、第４図及び第５図に示
すように、ケーシング６Ａに軸６Ｂを介して車輪
６Ｃが軸支されており、その軸方向に沿つた前記
ケーシング６Ａの両側外方に複数の爪部７Ａ，７
Ｂ，７Ｃが夫々に同じ高さ位置を保つて設けられ
ている。爪部７Ｂ，７Ｃは、前記軸６Ｂを中央に
して形成されている逆Ｕ字状凸帯８における両下
端縁が前記爪部７Ｂ及び７Ｃをなし、その他の爪
部７Ａと共に、戸車受枠部１Ｂの下端に屈曲して
いる内向きの対向鉤部９，９に係止するようにな
つている。このように戸車受枠部１Ｂ内に装設さ
れている戸車６は、上端面が前記支持板４Ａに当
接すると共に、その両側面が一対の脚部４Ｂ，４
Ｂにより挟持されている。

前記対向鉤部９，９は下面が面一になつてお
り、第２図に示すように、下框１の下面の所定箇
所に方形の挿入口１０を穿設して対向鉤部９，９
を形成してもよく、第３図に示すように、下框１
の下面における所定箇所に、開口１１Ａに連成さ
れている挿入口１１を穿設して対向鉤部９，９を
形成してもよい。尚、挿入口１０，１１の形状及
び大きさは、戸車６におけるケーシング６Ａの上
面の形状及び大きさに適合している。

図中において、１２は車輪６Ｃの軸高を調節す
るための調節ビスである。

以上構成される戸車の取付装置は、下框１の下
面に設けられている挿入口１０又は１１から戸車
受枠部１Ｂ内に戸車６を差し込み、戸車６のケー
シング６Ａの上面が補強部材４における支持板４
Ａに当接すると同時に、ケーシング６Ａの外壁に
形成されている各爪部７Ａ，７Ｂ，７Ｃが対向鉤
部９，９に樹脂製下框１の弾力を利用して係止
し、戸車６を戸車受枠部１Ｂ内に保持固定できる
ものである。この際、補強部材４の脚部４Ｂがケ
ーシング６Ａの両側を挟持すると共に、上下方向
が支持板４Ａと爪部７Ａ，７Ｂ，７Ｃにより拘持
されているので、戸車６の保持固定が強固にな
り、安定した取付状態を維持することができる。
また、戸車受枠部１Ｂ内に挿設されている補強部
材４により下框１にかかる荷重が下框全体にバラ
ンス良く分散されるため、対向鉤部９，９間の間
隔が広がることなく、常に一定に保つことができ
るので、対向鉤部９，９と爪部７Ａ，７Ｂ，７Ｃ
との係止状態を安定して保持することができる。

一方、戸車６を交換する場合には、例えばドラ
イバー等を用いて対向鉤部９，９の間隔を広げて
爪部７Ａ，７Ｂ，７Ｃとの係止状態を解除して、
古くなつた戸車を戸車受枠部１Ｂから取り出し、
新しい戸車を前述と同様の操作により取付けるも
のである。る 尚、前記した逆Ｕ字状凸帯８は挿入口１０又は
１１からの戸車６の挿入を容易になるように、そ
の上端部分を面取りしておくことが望ましい。

本考案は前記実施例に限定されるものではな
く、本考案の要旨の範囲内において種々の変形例
を包含していることは言うまでもない。例えば、
ケーシングの外側外方に突設する爪部は、前記実
施例のように逆Ｕ字状凸帯８の下端縁として形成
することは必ずしも必要ではなく、爪部７Ａと同
様なものを複数個並設してもよい。

〔考案の効果〕

本考案の戸車の取付装置は、戸車受枠部内に障
子受枠部の下面を長手方向に沿つて支持する補強
部材を挿設し、しかも戸車のケーシングに突設し
た爪部を利用して戸車を所定位置に取り付け得る
ように構成したので、戸車の取り付け作業がワン
タツチで簡単に行え、戸車の交換作業も迅速且つ
容易にすることができると共に、戸車をバランス
良く支持することができる。また、強度の弱い樹
脂より成る障子であつても、下框の戸車取付位置
に加わる障子の局部的荷重を分散させることがで
き、下框を損傷させることがなく長年に亘つて使
用することができる等の効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る戸車の取付装置の一実施
例を示す断面図、第２図及び第３図は本考案に使
用される下框の斜視図、第４図は本考案に使用さ
れる戸車の一例を示す正面図、第５図はその底面
図である。 １……下框、１Ａ……障子受枠部、１Ｂ……戸
車受枠部、４……補強部材、６……戸車、６Ａ…
…ケーシング、７Ａ，７Ｂ，７Ｃ……爪部、９，
９……対向鉤部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 障子受枠部１Ａと戸車受枠部１Ｂより成る樹脂
   サツシ用障子における下框１において、障子受枠
   部１Ａの下面を長手方向に沿つて支持する補強部
   材４を戸車受枠部１Ｂ内に挿設し、該補強部材４
   は断面略コ字形状であり、障子受枠部１Ａの下面
   に当接する支持板４Ａと、戸車受枠部１Ｂの内壁
   面に対向して突出する突起帯５に下端が保持され
   略ハの字状に広がる一対の脚部４Ｂ，４Ｂとから
   成り、戸車受枠部１Ｂの下端に屈曲する内向きの
   対向鉤部９，９に、戸車６のケーシングの両側外
   方に突設した爪部７Ａ，７Ｂ，７Ｃを係止して、
   戸車を所定位置に固定でき得るようにしたことを
   特徴とする戸車の取付装置。