JPH04120165U - 硬貨鑑別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鑑別不良を完全に解消できるようにした高鑑別
処理能力を有する点。 【構成】投入された硬貨を転動搬送させる傾斜通路に、
この傾斜通路内を転動搬送する硬貨の外径を検知する外
径検知センサと、転動搬送する硬貨の材質を検知する材
質検知センサとを備えた鑑別ユニットを着脱許容して配
設した硬貨鑑別装置であって、前記傾斜通路の通路内高
さ方向の開口断面全体を外径検知域に設定した外径検知
センサを前記鑑別ユニットの前部位置に配設し、その後
部位置に材質検知センサを配設したことを特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、硬貨を取扱う各種の自動取引機に内部構成されるような硬貨の鑑 別装置に関し、さらに詳しくは硬貨の読取り鑑別性能を高めた硬貨鑑別装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、この種の硬貨鑑別装置は、硬貨投入口より投入された硬貨を傾斜通路 上で転動搬送させ、この傾斜通路内を転動搬送する硬貨の外径を検知する外径検 知センサと、転動搬送する硬貨の材質を検知する材質検知センサとを備えた鑑別 ユニットで、投入された硬貨の真偽判別および金種判別を行っている（例えば特 願平２ー１８６６４５号参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この鑑別ユニットは、通常、ユニット毎一括して取換えできるように 、またメンテナンス性を高めるために傾斜通路に着脱許容して取付けられており 、このため取付けられた鑑別ユニットと傾斜通路との取付け部分に継目が形成さ れて、この継目の位置で転動搬送されて来た硬貨が飛び跳ねたり、不安定な動き を呈して通過することになる。それゆえ、鑑別ユニットを傾斜通路上に配設する ときは、計測機器を用いるなどして高精度に接合しているが完全な接合が難しく 、これが鑑別不良を誘起する原因となっていた。特に、近年、この鑑別に際して は、外径や材質が近似している外国硬貨との違い、あるいは近似形成された偽硬 貨との違いを正確に判別するために高精度の鑑別処理が要求されている。 そこでこの考案は、鑑別不良を完全に解消できるようにした高鑑別処理能力を 有する硬貨鑑別装置の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、投入された硬貨を転動搬送させる傾斜通路に、この傾斜通路内を 転動搬送する硬貨の外径を検知する外径検知センサと、転動搬送する硬貨の材質 を検知する材質検知センサとを備えた鑑別ユニットを着脱許容して配設した硬貨 鑑別装置であって、前記傾斜通路の通路内高さ方向の開口断面全体を外径検知域 に設定した外径検知センサを前記鑑別ユニットの前部位置に配設し、その後部位 置に材質検知センサを配設したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

この考案によれば、鑑別ユニットに導かれた硬貨は、前部位置の外径検知セン サで検知され、このとき外径検知センサが傾斜通路の通路内高さ方向の開口断面 全体を検知するため、ここを通過する全ての硬貨の外径と、そのときの通過状況 を正確に捉え、続いて後部位置の材質検知センサで材質を検知して真偽および金 種を判定する。このとき、硬貨が大きく飛び跳ねるなど極めて不安定な動きを呈 したと検知した時は、鑑別不良となる恐れがあるので、この場合は事前に偽硬貨 扱いし、正常搬送された硬貨に対してのみ、外径検知動作に加えて、その後部位 置の材質検知センサで検知して真偽および金種を判定する。

【０００６】

【考案の効果】

このため、鑑別ユニットに導かれた硬貨は、外径検知センサで事前に硬貨の外 径と、そのときの飛び跳ね具合とが正確に求められて、検知動作に不適な硬貨は 検知せず、一枚毎の硬貨の通過状況に応じた適切な検知動作をさせることができ る。この結果、外径や材質が近似する硬貨であっても、正確に読取って金種判定 することができ、鑑別不良のない正確で信頼性の高い鑑別処理動作をすることが できる。

【０００７】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図１は硬貨処理機１１示し、この硬貨処理機１１は上部の投入口１２より投入さ れた硬貨１３を受入れて後段側に一枚ずつ繰出す硬貨供給機構１４をその下部に 設け、この硬貨供給機構１４から硬貨１３を一枚ずつ傾斜通路１５内を転動搬送 させて後段側の鑑別ユニット１６に導き、ここで硬貨の外径、材質等から硬貨１ ３の真偽および金種を判別し、真偽判別された硬貨はその後段に接続した真偽振 分け通路１７に導いて搬送し、この搬送過程で真硬貨収納部１８側と偽硬貨返却 部１９側とに振分け操作するように設けている。 上述の真偽振分け通路１７は、パルスモータＭを駆動源とする搬送チェーン２ ０と、この搬送チェーンの途中位置に対設されるフラッパ２１を備え、搬送チェ ーン２０は搬送方向に送りピン２２…を定ピッチ毎に設けて、これら送りピン２ ２，２２間で硬貨１３を立姿で一枚ずつ個別搬送するように設けている。そして 、この搬送チェーン２０の終端反転部が真硬貨収納部１８に接続されて、真硬貨 は真硬貨収納部１８へと一枚ずつ収納され、偽硬貨は搬送チェーン２０の途中位 置に対設されるフラッパ２１の開操作により、このフラッパ対応位置で自然落下 して下方の偽硬貨返却部１９側へと導くように構成している。 ところで、上述の傾斜通路１５は、大きさの異なる１円・５円・１０円・５０ 円・１００円・５００円の各種の硬貨１３を立姿で共通して転動許容する縦長空 間の断面形状を有し、かつ各種硬貨１３を一定速度で転動させて取込むのに適し た傾斜角度を有している。そして、この傾斜通路１５の途中位置に鑑別ユニット １６を配設している。

【０００８】 この場合、鑑別ユニット１６は、図２に示すように、鑑別ユニット１６毎一括 して取換えできるように傾斜通路１５に着脱許容して取付けており、この取付け 時にあっては、傾斜通路１５に該鑑別ユニット１６の内部通路２３が正確に対応 して、通路１５，２３間の継目２４に段差が生じないように精度よく取付けてい る。 また、鑑別ユニット１６の前部位置には、内部通路２３を転動する硬貨１３の 外径を側方より検知するＣＣＤイメージセンサ等の外径検知センサＳ1 を配設し 、後部位置には内部通路２３を転動する硬貨１３の材質を側方より検知する材質 判別コイル等の材質検知センサＳ2 を装備している。このうち、外径検知センサ Ｓ1 は内部通路２３の通路内高さ方向の開口断面全体を外径検知域に設定して、 仮に継目２４部分で硬貨が飛び跳ねても、そのときの通過状況を正確に捉えて、 ここを通過する全ての硬貨１３の外径を正確に計測する。

【０００９】 図３は鑑別ユニットの制御回路ブロック図を示し、ＣＰＵ３１はＲＯＭ３２に 格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データを読出し可 能にＲＡＭ３３に記憶させる。 この場合、ＣＰＵ３１は外径検知センサＳ1 や材質検知センサＳ2 の検知動作 を制御し、外径検知センサＳ1 が硬貨１３が大きく飛び跳ねるなど極めて不安定 な動きを検知した時は、鑑別不良となる恐れがあるので、そのときは偽硬貨扱い して、両検知センサＳ1 ，Ｓ2 の検知データを無効にして返却処理し、正常搬送 時のみ検知動作させて正確に真偽および金種を判定するように設けている。

【００１０】 図４は硬貨正常搬送時の外径検知センサＳ1 の出力波形を示し、これは外径検 知センサＳ1 が内部通路２３の側方より通路高さ方向の硬貨の通過状態を検知し 、通路下端の検知出力は確実に硬貨により検知光線が閉鎖され、通路上端の検知 出力は検知光線が開放されたままで通過して硬貨１３が飛び跳ねていない適正な 搬送状態を示している。

【００１１】 一方、図５は硬貨異常搬送時の外径検知センサＳ1 の出力波形を示し、この場 合は通路下端の検知出力は硬貨が飛び跳ねたことにより検知光線が開放され、通 路上端の検知出力は検知光線が飛び跳ねた硬貨によりある程度閉鎖されて、硬貨 １３が飛び跳ねている鑑別に不適な搬送状態を示している。

【００１２】 図６は１０円、１円、５００円の３金種を連続して鑑別処理した硬貨鑑別処理 時のタイムチャートを示し、鑑別指令信号に基づいて硬貨供給機構１４が一定時 間駆動され、この間に各種硬貨が順次鑑別ユニット１６に導かれ、この始端側で 、外径、穴の有無が外径検知センサＳ1 により検知され、続いて材質が材質検知 センサＳ2 により検知され、これら検知データにより金種が判定される。

【００１３】 このように構成された鑑別ユニットの処理動作を図７のフローチャートを参照 して次に説明する。

【００１４】 硬貨の鑑別に先だって、ＣＰＵ３１は予め材質検知センサＳ2 で硬貨の無い状 態での未検知データを読込ませてＲＡＭ３３で記憶しておき（ステップｎ1 ）、 硬貨の入金処理動作に基づいて鑑別ユニット１６に硬貨の鑑別信号が入力され ると、ＣＰＵ３１は各検知センサＳ1 ，Ｓ2 で読取動作させるようにし（ステッ プｎ2 ）、 前段より鑑別ユニット１６の位置に導かれた硬貨１３は、始めにユニット前部 位置の外径検知センサＳ1 で硬貨の大きさや穴の有無が正確に検知され（ステッ プｎ3 ）、 続いてユニット後部位置の材質検知センサＳ2 で、ＲＡＭ３３に記憶させてお いた未検知データとの比較から硬貨１３の正確な材質が検知され、これら検知デ ータから真偽および金種が判定される（ステップｎ4 〜ｎ6 ）。 そして、この判定後は、次の硬貨の鑑別処理に備えられる（ステップｎ7 ）。

【００１５】 上述のステップｎ3 での外径検知センサＳ1 の検知時に、硬貨１３が大きく飛 び跳ねるなど極めて不安定な動きを検知した時は、鑑別不良となる恐れがあるの で、この場合は事前に偽硬貨扱いし、硬貨を直ちに返却処理する。したがって、 正常搬送された硬貨に対してのみ、外径検知センサＳ1 での外径検知動作に加え て、その後部位置の材質検知センサＳ2 で検知して真偽および金種を正確に判定 する。 上述のように、鑑別ユニットに導かれた硬貨は、外径検知センサで事前に硬貨 の外径と、そのときの飛び跳ね具合とが正確に求められて、検知動作の適否が判 定され、不適な場合は検知しないため、一枚毎の硬貨の通過状況に応じた適切な 検知動作をさせることができ、この結果、外径や材質が近似する硬貨であっても 、正確に読取って金種判定することができ、鑑別不良のない正確で信頼性の高い 鑑別処理動作をすることができる。

【００１６】 この考案と、上述の一実施例の構成との対応において、 この考案の鑑別ユニットの傾斜通路は、実施例の内部通路２３に対応するも、こ の考案は上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の硬貨処理機の概略構成図。

【図２】この考案の鑑別ユニットの使用状態を示す要部
正面図。

【図３】この考案の鑑別ユニットの制御回路ブロック
図。

【図４】この考案の硬貨正常搬送時の外径検知センサの
出力波形図。

【図５】この考案の硬貨異常搬送時の外径検知センサの
出力波形図。

【図６】この考案の鑑別処理動作を示すタイムチャー
ト。

【図７】この考案の鑑別処理動作を示すフローチャー
ト。

【符号の説明】

１１…硬貨処理機 １３…硬 貨 １５…傾斜通路 １６…鑑別ユニット ２３…内部通路 Ｓ1 …外径検知センサ Ｓ2 …材質検知センサ ３１…ＣＰＵ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】投入された硬貨を転動搬送させる傾斜通路
   に、この傾斜通路内を転動搬送する硬貨の外径を検知す
   る外径検知センサと、転動搬送する硬貨の材質を検知す
   る材質検知センサとを備えた鑑別ユニットを着脱許容し
   て配設した硬貨鑑別装置であって、前記傾斜通路の通路
   内高さ方向の開口断面全体を外径検知域に設定した外径
   検知センサを前記鑑別ユニットの前部位置に配設し、そ
   の後部位置に材質検知センサを配設した硬貨鑑別装置。