本発明の第1実施形態の硬貨包装機を図1〜図7を参照して以下に説明する。
第1実施形態の硬貨包装機は、複数の発行国で発行されるとともに、表面に金種情報を含む各発行国共通の図柄の刻印が形成され、裏面に各発行国別の図柄の刻印が形成された硬貨、具体的にはユーロ硬貨を包装する硬貨包装機である。
第1実施形態の硬貨包装機は、投入されたバラ硬貨を種類別に計数するとともに同一種類の処理対象設定種の硬貨のみを集めて包装する包装モードでの処理と、投入されたバラ硬貨を種類別に計数するとともに同一種類の処理対象設定種の硬貨のみを集める計数モードでの処理とが可能なものである。ここで、同一種類とは、発行国は問わず同一金種であれば同一種類とする発行国混在形態と、同一金種且つ同一発行国であれば同一種類とする発行国別形態とがある。
包装モードの発行国別形態が選択された状態では、投入されたバラ硬貨に対して硬貨の真偽、正損、金種および発行国の識別と、計数とを行って、この識別結果に基づき、真且つ正の硬貨であって所定種(同一金種且つ同一発行国)の処理対象設定種の硬貨の受け入れと、偽硬貨および真且つ汚損の硬貨の機外排除と、真且つ正の硬貨であって前記所定種の処理対象設定種の硬貨以外の非処理対象設定種の硬貨の一時貯留とを行いつつ、受け入れた処理対象設定種の硬貨を所定枚数単位で包装する。
包装モードの発行国混在形態が選択された状態では、投入されたバラ硬貨に対して硬貨の真偽、正損および金種の識別と、計数とを行って、この識別結果に基づいて、真且つ正の硬貨であって所定種(発行国は問わず同一金種)の処理対象設定種の硬貨の受け入れと、偽硬貨および真且つ汚損の硬貨の機外排除と、真且つ正の硬貨であって前記処理対象設定種の硬貨以外の非処理対象設定種の硬貨の一時貯留とを行いつつ、受け入れた処理対象設定種の硬貨を所定枚数単位で包装する。
なお、包装モードでは、投入されたバラ硬貨について真且つ正の硬貨であって所定の同一種類の処理対象設定種の硬貨を包装しつつ、真且つ正の硬貨であって他の種類の非処理対象設定種の硬貨を一時貯留し、前記所定の同一種類の処理対象設定種の硬貨の包装が終わると、一時貯留していた非処理対象設定種の硬貨から次に他の所定の同一種類の硬貨を処理対象設定種に設定して、この処理対象設定種の硬貨を包装するといった処理を順次行うことが可能となっている。
また、計数モードでは、投入されたバラ硬貨について真且つ正の硬貨であって所定の同一種類の処理対象設定種の硬貨を計数しつつ機外に取り出し可能に繰り出し、真且つ正の硬貨であって他の種類の非処理対象設定種の硬貨を一時貯留し、前記所定の同一種類の処理対象設定種の硬貨の計数および繰り出しが終わると、一時貯留していた非処理対象設定種の硬貨から次に他の所定の同一種類の硬貨を処理対象設定種に設定して、この処理対象設定種の硬貨について計数および繰り出しを行うといった処理を順次行うことが可能となっている。
図1に示すように、この硬貨包装機は略直方体形状をなすもので、機体11の上面には、オペレータによりバラ硬貨が投入される投入口12が設けられており、この投入口12の下側には、投入された硬貨を一枚ずつ繰り出す硬貨供給部(供給手段)10が設けられている。
硬貨供給部10は、投入口12からバラ硬貨が導かれる鉛直軸回りに回転可能な供給円盤13と、この供給円盤13の横に隣接して設けられた鉛直軸回りに回転可能な回転円盤14とを有している。この回転円盤14は、供給円盤13から遠心力で繰り出されるバラ硬貨を受け入れるとともに、この受け入れた硬貨を遠心力で図示せぬ分離部を通過させることにより一枚ずつ硬貨を案内するための硬貨通路15に繰り出す。これら供給円盤13および回転円盤14は、図2に示す制御装置(設定手段,過不足判断手段)100で制御される図示略のモータを含む供給駆動部101で正逆駆動される。
そして、回転円盤14から繰り出される硬貨を両側の一段高いガイド16,17の間の通路面で案内する硬貨通路15が、機体11の背面部11A、側面部11Bおよび前面部11Cに沿って、回転円盤14を囲むように水平配置されている。
硬貨通路15は、回転円盤14に接続されるとともにこの回転円盤14と背面部11Aとの間のスペースに背面部11Aに沿って配置された第1直線部20と、この第1直線部20の回転円盤14に対し反対側に接続され、第1直線部20に対し回転円盤14の方向に直角に屈曲された第1屈曲部21と、この第1屈曲部21の第1直線部20に対し反対側に接続されることにより第1直線部20に対し直角をなす第2直線部22と、この第2直線部22の第1屈曲部21に対し反対側に接続され、第2直線部22に対し回転円盤14の方向に直角に屈曲された第2屈曲部23と、この第2屈曲部23の第2直線部22に対し反対側に接続されることにより第2直線部22に対し直角をなす第3直線部24とを有している。
硬貨通路15の近傍には、硬貨供給部10から硬貨通路15上に繰り出された硬貨をこの硬貨通路15に沿って搬送する搬送機構部26が設けられており、硬貨通路15と搬送機構部26とで、硬貨供給部10から繰り出された硬貨を搬送する硬貨搬送部(硬貨搬送手段)25が構成されている。
搬送機構部26は、硬貨通路15の上側に設けられて、回転円盤14から繰り出された硬貨を第1直線部20、第1屈曲部21および第2直線部22の一部に沿って移動させる搬送ベルト27Aと、硬貨通路15の下側に設けられて、搬送ベルト27Aで搬送されてきた硬貨を第2直線部22の一部に沿ってさらに移動させる搬送ベルト27Bと、硬貨通路15の上側に設けられて、搬送ベルト27Bで搬送されてきた硬貨を第2直線部22の一部に沿ってさらに移動させる搬送ベルト27Cと、硬貨通路15の上側に設けられて、搬送ベルト27Cで搬送されてきた硬貨を第2直線部22の残りの一部、第2屈曲部23および第3直線部24に沿って移動させる搬送ベルト28とを有している。また、搬送機構部26は、制御装置100で制御される図2に示す搬送駆動部102の図示略のモータと、このモータからの動力を、搬送ベルト27A〜27C,28へ伝達するためのベルト29とを有しており、これら搬送ベルト27A〜27C,28およびベルト29を連動して正逆駆動する、
回転円盤14と硬貨通路15の第1直線部20との間であって、一方のガイド16の先端部位置には、このガイド16の先端部に衝突して滞留する硬貨を、回転円盤14内へ戻すか、硬貨通路15へ導きやすくするための、回転自在のガイドローラ30が設けられている。
硬貨通路15の硬貨搬送方向における上流側となる第1直線部20には、第1直線部20上で搬送される硬貨の材質を磁気的性質より検出する材質検出センサ31が、硬貨通路15の通路面の一部を構成するように配置されている。なお、材質検出センサ31の両側には、該材質検出センサ31による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ31a,31bが設けられている。すなわち、制御装置100は、これら硬貨検知センサ31a,31bで共に硬貨が検出された時点で材質検出センサ31に検出データの取り込みを実行させる。
また、硬貨通路15の第2直線部22の第1屈曲部21側であって下側に設けられた搬送ベルト27Bの位置には、第2直線部22で搬送される硬貨の画像を上側から検出するCCDエリアセンサ等の上側画像検出部32が配置されている。なお、上側画像検出部32の両側には、この上側画像検出部32による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ32a,32bが設けられている。すなわち、制御装置100は、これら硬貨検知センサ32a,32bで共に硬貨が検出された時点で上側画像検出部32に検出データの取り込みを実行させる。
さらに、硬貨通路15の第2直線部22の上側画像検出部32よりも下流側であって上側に設けられた搬送ベルト27Cの位置には、第2直線部22で搬送される硬貨の画像を下側から検出するCCDエリアセンサ等の下側画像検出部33が、硬貨通路15の通路面の一部を構成するように配置されている。なお、下側画像検出部33の両側には、この下側画像検出部33による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ33a,33bが設けられている。すなわち、制御装置100は、これら硬貨検知センサ33a,33bで共に硬貨が検出された時点で下側画像検出部33に検出データの取り込みを実行させる。
以上により、硬貨通路15上の硬貨を識別するための材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33で構成される識別部(識別手段)34が、硬貨搬送部25で搬送中の硬貨の表面および裏面の画像を検出して硬貨を識別することになり、この識別部34が、硬貨通路15の第1直線部20および第2直線部22の二つにまたがって配置されている。
ここで、材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の出力は、制御装置100に入力されることになり、この制御装置100では、例えば、上流側の材質検出センサ31の検出硬貨に対する検出データを各金種の硬貨の材質の基準データと順に比較し、材質の検出データがいずれの金種の硬貨の材質の基準データとも一致しないと判定した場合には、その時点で検出硬貨を偽硬貨と識別する。
他方、制御装置100は、材質検出センサ31の検出結果から、いずれかの金種の硬貨の材質の基準データと一致したと判定した場合には、次に、この一致した材質の金種の硬貨の表裏の画像の基準パターンデータを読み出し、これらの画像の基準パターンデータと、同じ検出硬貨に対する上側画像検出部32の検出パターンデータおよび下側画像検出部33の検出パターンデータとを比較して、表裏それぞれのパターンデータおよび外径が一致しているか否かを検出する。そして、表裏それぞれの画像の基準パターンデータと検出パターンデータとが一致し、且つこれらの外径が一致していると判定した場合には、この検出硬貨が検出された金種の真硬貨であると判定する一方、少なくとも表裏のいずれか一方の画像の基準パターンデータおよび検出パターンデータが一致せず、あるいは外径が一致していないと判定した場合には、この検出硬貨が偽硬貨であると判定する。
なお、取り扱う硬貨は、同一金種に対し片面がすべての発行国で共通の図柄であって、逆の片面が発行国毎に異なる図柄のものであるため、識別時に、片面の各発行国共通の図柄については各発行国共通のマスタデータに対して一致を判定し、各発行国毎に異なる逆の片面の図柄については各発行国毎のマスタデータに対して一致を判定して、共通の図柄が一つのマスタデータに対して一致し、各発行国毎に異なる図柄についてはいずれかの発行国の図柄のマスタデータに一致していれば、真硬貨と判定する。
ここで、制御装置100は、上記したように、検出硬貨の上下つまり表裏のそれぞれについて、基準パターンデータに対し検出パターンデータが所定の一致度以上に一致し、且つ基準パターンデータの硬貨外径に対し検出パターンデータの硬貨外径の誤差が許容範囲内にあるとき、これらの一致度が高く正常な真硬貨であると判定する一方、検出硬貨の上下つまり表裏のいずれかについて、基準パターンデータに対し検出パターンデータが所定の一致度以上に一致していない場合、または、基準パターンデータの硬貨外径に対し検出パターンデータの硬貨外径の誤差が許容範囲内にないとき、これらの一致度が低く異常な偽硬貨であると判定する。
加えて、制御装置100は、上記により真硬貨であると判定した検出硬貨に対して、上下つまり表裏それぞれについて、基準パターンデータに対する検出パターンデータの例えば色調についての一致度を比較し、色調についての一致度が所定の一致度以上に一致していた場合に、汚れ度が許容範囲内にあって正常であると判定し、色調についての一致度が所定の一致度以上に一致していない場合に、汚れ度が許容範囲内になく異常であると判定し検出硬貨を汚れ硬貨と判定する。
さらに、制御装置100は、上記により真硬貨であると判定した検出硬貨に対して、上下つまり表裏それぞれについて、基準パターンデータおよび検出パターンデータの一致度が局所的に所定の割合より低い部分があるか否かを判定し、一致度が局所的に所定の割合より低い部分がない場合に、損傷度が許容範囲内であって正常であると判定し、一致度が局所的に所定の割合より低い部分がある場合に、損傷度が許容範囲内になく異常であると判定し検出硬貨を局所損傷硬貨と判定する。
加えて、制御装置100は、上記により真硬貨であると判定した検出硬貨に対して、上下つまり表裏それぞれについて、検出パターンデータから硬貨の外径部の変形度(真円度)を検出することになり、外径部の変形度が所定値未満の場合に、変形度が許容範囲内にあって正常であると判定し、変形度が所定値以上の場合に、変形度が許容範囲内になく異常であると判定し検出硬貨を全体損傷硬貨と判定する。
そして、制御装置100は、真硬貨のうち、汚れ硬貨、局所損傷硬貨および全体損傷硬貨の少なくともいずれか一つに当てはまる硬貨は汚損硬貨と判定し、偽硬貨と汚損硬貨とを異常硬貨と判定する。また、真硬貨のうち、汚れ硬貨、局所損傷硬貨および全体損傷硬貨のいずれにも当てはまらない硬貨を正硬貨と判定する。
第2直線部22の下側画像検出部33より下流側には、第2直線部22上の硬貨に下流側から当接してこれを停止させるストッパ部材(硬貨停止手段)36a,36bが第2直線部22を挟んで両側に設けられている。これらストッパ部材36a,36bは、図示略のロータリソレノイドを含む図2に示すストッパ駆動部103で所定角度正逆回転させられるものである。
これらストッパ部材36a,36bは、第一に包装時の計数用のストッパとして機能することになり、その際に、必要種類の通貨硬貨が所定枚数に達すると、制御装置100の制御により、双方同時に第2直線部22内に突出し第2直線部22で搬送される所定枚数を超える硬貨の通過を阻止する。また、これらストッパ36a,36bは、第二に異常硬貨の停止用のストッパとして機能することになり、その際に、搬送される硬貨が真且つ正の硬貨以外の異常硬貨であった場合に、制御装置100の制御により、この異常硬貨の通過直前に、双方同時に第2直線部22内に突出し異常硬貨に当接してその通過を阻止する。なお、計数用のストッパとして機能する場合、これらストッパ部材36a,36bを作動させた後に、制御装置100が搬送機構部26で搬送ベルト27A〜27C,28を逆回転させることになり、その結果、ストッパ部材36a,36bよりも上流側にあった硬貨をすべて回転円盤14に戻す。
さらに、第2直線部22におけるストッパ部材36a,36bの上流側の直前位置には、これらストッパ部材36a,36bを駆動するストッパ駆動部103の作動タイミングを計るための硬貨検知センサ37a,37bが設けられている。すなわち、制御装置100は、これら硬貨検知センサ37a,37bで共に目的とする硬貨が検出されたタイミングでストッパ駆動部103を駆動してストッパ部材36a,36bを第2直線部22に突出させることになり、その結果、ストッパ部材36a,36bが、この目的とする硬貨に当接してこれを停止させることになる。
第2直線部22におけるストッパ部材36a,36bより下流側には、材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33からなる識別部34の検出結果で異常硬貨と識別された硬貨を排除可能なリジェクト部(硬貨選別手段)40が設けられている。このリジェクト部40は、第2直線部22の通路面に形成されたリジェクト孔41と、該リジェクト孔41の硬貨搬送方向における上流側の端部位置のガイド17側に設けられて第2直線部22内へ突出および第2直線部22内から引込み可能なリジェクト突出部材42と、リジェクト突出部材42を所定角度正逆回転させる図示略のロータリソレノイドを含む図2に示すリジェクト駆動部104とを有している。
ここで、第2直線部22内からリジェクト突出部材42が引込んだ状態においては、リジェクト部40を通過する硬貨は、リジェクト突出部材42が設けられた側のガイド17に接触案内されて移動するように搬送ベルト28や硬貨通路15が設定されており、また、リジェクト孔41は、その幅が、取り扱う硬貨の最小径のものの径よりも小さく設定されている。
そして、制御装置100がリジェクト突出部材42を第2直線部22内から引込めた状態とすると、ガイド17に常に接触しながら移動する硬貨は、リジェクト孔41への落下が回避され該リジェクト孔41を通過してさらに第2直線部22において下流側に移動するようになっている。他方、制御装置100がリジェクト駆動部104を駆動してリジェクト突出部材42を第2直線部22内に突出させると、ガイド17に接触しながら移動していた硬貨は、該リジェクト突出部材42に接触しこれに押されてガイド17から離れるように搬送経路がずれることになり、その結果、リジェクト孔41に落下するようになっている。
さらに、第2直線部22におけるリジェクト突出部材42の上流側の直前位置には、このリジェクト突出部材42を駆動するタイミングを計るための硬貨検知センサ43が設けられている。すなわち、制御装置100は、この硬貨検知センサ43で目的とする硬貨が検出されたタイミングでリジェクト駆動部104によりリジェクト突出部材42を第2直線部22に所定時間だけ突出させると、この目的とする硬貨のみをリジェクト孔41に落下させることになる。
以上のようにして、リジェクト部40は、異常硬貨と識別された硬貨を、リジェクト突出部材42を第2直線部22内に突出させることによってリジェクト孔41に落下させて第2直線部22から排除する一方、真且つ正の硬貨と識別された硬貨を、リジェクト突出部材42を第2直線部22内に突出させないことにより、リジェクト孔41に落下させず第2直線部22においてさらに下流側まで搬送させる。
ここで、リジェクト孔41から落下した硬貨は、図示は略すが、このリジェクト孔41の下部に配置されたリジェクトボックスに回収される。そして、オペレータが硬貨包装機からリジェクトボックスを取り出した後、このリジェクトボックスから異常硬貨を外部に取り出すことになる。
第2直線部22におけるリジェクト部40より下流側には、材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果で、真硬貨且つ正硬貨であって指定された処理対象設定種の硬貨以外の非処理対象設定種の硬貨と識別された硬貨を硬貨通路15から排除することで、処理対象設定種の硬貨と非処理対象設定種の硬貨とを分離する選別部(分離手段)45が設けられている。この選別部45は、リジェクト部40と同様の構造をなしており、第2直線部22の通路面に形成された選別孔46と、該選別孔46の硬貨搬送方向における上流側の端部位置のガイド17側に設けられて第2直線部22内へ突出および第2直線部22内から引込み可能な選別突出部材47と、選別突出部材47を所定角度正逆回転させる図示略のロータリソレノイドを含む図2に示す選別駆動部105とを有している。
ここで、第2直線部22内から選別突出部材47が引込んだ状態においては、選別部45を通過する硬貨は、選別突出部材47が設けられた側のガイド17に接触案内されて移動するように搬送ベルト28や硬貨通路15が設定されており、また、選別孔46は、その幅が、取り扱う硬貨の最小径のものの径よりも小さく設定されている。
そして、制御装置100が選別突出部材47を第2直線部22内から引込んだ状態とすると、ガイド17に常に接触しながら移動する硬貨は、選別孔46への落下が回避され該選別孔46を通過してさらに第2直線部22において下流側に移動するようになっている。他方、制御装置100が選別駆動部105を駆動して選別突出部材47を第2直線部22内に突出させると、ガイド17に接触しながら移動していた硬貨は、該選別突出部材47に接触しこれに押されてガイド17から離れるように搬送経路がずれることになり、その結果、選別孔46に落下するようになっている。
さらに、第2直線部22における選別突出部材47の上流側の直前位置には、この選別突出部材47を駆動するタイミングを計るための硬貨検知センサ48が設けられている。すなわち、制御装置100は、この硬貨検知センサ48で目的とする硬貨が検出されたタイミングで選別駆動部105を駆動して選別突出部材47を第2直線部22に所定時間だけ突出させることになり、その結果、この目的とする硬貨のみを選別孔46に落下させることになる。
以上のようにして、選別部45は、真硬貨且つ正硬貨であって指定された処理対象設定種の硬貨以外の非処理対象設定種の硬貨と識別された硬貨を、選別突出部材47を第2直線部22内に突出させることによって選別孔46に落下させて第2直線部22から排除する一方、真硬貨且つ正硬貨であって包装あるいは計数する指定された処理対象設定種の硬貨と識別された硬貨を、選別突出部材47を第2直線部22内に突出させないことによって選別孔46に落下させず第2直線部22においてさらに下流側まで搬送させる。
ここで、選別孔46から落下した硬貨は、図示は略すが、この選別孔46の下部に配置された一時貯留部に一時貯留される。一時貯留部には、図2に示す一時貯留駆動部120が設けられており、この一時貯留駆動部120の駆動で硬貨を図示略の戻し搬送部に受け渡す。戻し搬送部には、図2に示す戻し搬送駆動部121が設けられており、この戻し搬送駆動部121の駆動で硬貨を供給円盤13に戻す。つまり、包装モードで各種類別に硬貨を包装する場合および計数モードで各種類別に計数および繰り出しを行う場合には、非処理対象設定種の硬貨が選別孔46から一時貯留部に導かれ、適宜供給円盤13に戻される。なお、一時貯留部は一時貯留した硬貨を機外にも取り出し可能となっており、包装モードで指定された処理対象設定種の硬貨のみを包装する場合および計数モードで指定された処理対象設定種の硬貨のみを分離して繰り出す場合に、指定以外の非処理対象設定種の硬貨をまとめて機外に取り出すことが可能となっている。
第2直線部22の選別部45よりさらに下流側には、誤選別チェック部50が設けられている。これは、リジェクト部40、選別部45を通過してきた硬貨が、本当に真且つ正の硬貨であって処理対象設定種の硬貨であるか否かを最終確認するためのものであり、この最終確認を、硬貨の材質を硬貨の磁気的性質で検出する材質検出センサ51によって行うのである。なお、この材質検出センサ51の両側には、上記した材質検出センサ31と同様に、材質検出センサ51による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ51a,51bが設けられている。すなわち、制御装置100は、これら硬貨検知センサ51a,51bで共に硬貨が検出された時点で材質検出センサ51による検出データの取り込みを実行させる。
この誤選別チェック部50で、リジェクト部40、選別部45を通過してきた硬貨が、処理対象設定種の硬貨でないと識別された場合に、制御装置100は、直ちに機械全体を停止させ、警報装置110によりエラーが発生した旨の報知を視覚的あるいは聴覚的に行うことになる。
上記誤選別チェック部50より下流側の第2屈曲部23には、硬貨通路15上の硬貨を硬貨通路15上でさらに下流に搬送するか、硬貨通路15から排除するかを振り分ける振分部55が設けられている。
この振分部55は、第2屈曲部23の通路面に形成された振分孔56aと、この振分孔56aを開閉させるシャッタ部材56と、シャッタ部材56の開閉を駆動する図2に示す開閉駆動部112とを有している。制御装置100は、計数処理が作業内容として選択された場合にはシャッタ部材56を開閉駆動部112を駆動することで開状態とする。すると、誤選別チェック部50から下流側に搬送されてきた硬貨がすべて振分孔56aから落下させられることになる。
そして、このように振分孔56aから落下させられた硬貨は、計数用搬送路81および計数シュート部80で案内されて、図示略の取出ボックスに導入される。つまり、計数モードが作業内容として選択された場合にはシャッタ部材56を開状態として処理対象設定種の硬貨を振分孔56aから取出ボックスに導入することになり、オペレータが硬貨包装機から取出ボックスを取り出した後、この取出ボックスから処理対象設定種の硬貨を外部に取り出すことになる。他方、制御装置100は、包装モードが作業内容として選択された場合にはシャッタ部材56を閉状態とする。すると、誤選別チェック部50から下流側に搬送されてきた処理対象設定種の硬貨がすべて、振分孔56aから落下することなく第3直線部24に導かれることになる。
この第3直線部24には、識別部34により処理対象設定種の硬貨と識別されて第3直線部24に搬送されてきた硬貨を、所定枚数ずつに集積し包装する硬貨包装部70が設けられている。
この硬貨包装部70は、第3搬送部24に搬送されてきた硬貨を所定枚数集積させて柱状の集積硬貨を形成する集積部(集積手段)71と、集積部71で集積された集積硬貨の周面に包装紙を巻回してその両端を加締めることにより包装硬貨を形成する包装部(包装手段)72と、集積部71で形成された集積硬貨を包装部72に向け搬送する硬貨移動部73とを具備している。
集積部71は、上下方向にそれぞれ軸線を配置して設けられるとともに螺旋状の突起部74をそれぞれ有する一対の集積ドラム75,75と、これら集積ドラム75,75の間位置の後側に鉛直立設されて突起部74,74の傾斜による硬貨の移動を規制する図示せぬ後側規制板と、該後側規制板に集積ドラム75,75の間位置を介して対向配置された図示せぬ前側規制板と、集積ドラム75,75を、相互の突起部74,74の対向部分の高さ位置を一致させた状態で、第3直線部24からの硬貨の供給に同期して互いに反対方向に回転させる図2に示す集積ドラム駆動部125とを有している。すなわち、第3直線部24を通じて供給された硬貨が、前側規制板および後側規制板で前後方向の移動が規制された状態で、集積ドラム75,75の突起部74,74に乗せられて、集積ドラム駆動部125による集積ドラム75,75の回転で一枚分下降させられ、その後に供給された硬貨が先の硬貨の上に積み重ねられる結果、これら集積ドラム75,75間および規制板間に、複数の硬貨が上下方向に積み重ね状態に集積され、集積硬貨が形成されるようになっている。ここで、硬貨は、常に硬貨通路15上にあったときの姿勢そのままで集積ドラム75,75に受け渡されて集積される。つまり、硬貨通路15上で上側に表面が下側に裏面が向く姿勢となっていた硬貨は集積ドラム75,75に受け渡されても上側に表面が下側に裏面が向く姿勢とされ、硬貨通路15上で上側に裏面が下側に表面が向く姿勢となっていた硬貨は集積ドラム75,75に受け渡されても上側に裏面が下側に表面が向く姿勢とされる。
硬貨移動部73は、集積部71の下側において上下方向に移動自在に配置され、集積部71から受け取った集積硬貨を、下方から支持する支持ポスト77と、支持ポスト77を、集積部71から集積硬貨を受け取る待機位置と、包装部72による包装作業が実施される包装位置との間で移動させる図2に示す硬貨移動駆動部126とを有している。
包装部72は、集積部71の第3直線部24に対し反対側に配置されており、図示は略すが、包装位置に位置させられた硬貨移動部73の支持ポスト77に支持された集積硬貨の周囲に包装紙を供給して巻回する図示略の包装機構と、包装機構を駆動する図2に示す包装機構駆動部127と、図3に示すように、包装された包装紙Pを集積硬貨SCの上下端縁において加締める加締機構130と、加締機構130を駆動する図2に示す加締機構駆動部128と、包装後の包装硬貨を搬送する図示略の棒金搬送部と、棒金搬送部を駆動する図2に示す棒金搬送駆動部129と、棒金搬送部で一方に振り分けて搬送される正常な包装硬貨を機外に取り出し可能に収納する図示略の正常棒金収納部と、棒金搬送部で他方に振り分けて搬送される過不足包装硬貨を機外に取り出し可能に収納する図示略の過不足棒金収納部とを具備している。
図3に示す加締機構130は、集積硬貨の外周に巻回された包装紙Pを、集積硬貨SCの集積方向の両側から集積硬貨に近づいて加締める一対の加締め爪131を有しており、加締機構駆動部128は、これら加締め爪131を集積硬貨SCの集積方向の両端面に当接させることで、集積硬貨SCの実際の集積方向長を検出する図2に示す集積方向長検出部(集積長検出手段)132を備えている。
そして、制御装置100は、識別部34の計数結果から、包装硬貨の集積単位枚数の硬貨を集積部71に搬送することになり、基本的には適正な集積単位枚数の硬貨を集積して包装することになるが、何らかの理由により、過不足を生じてしまう可能性があるため、集積硬貨SCの包装紙Pを加締め爪131で加締めるときに集積方向長検出部132で検出される集積硬貨SCの実際の集積方向長を基準集積長データと比較して、包装硬貨を構成する集積硬貨SCの過不足を検出することになる(後述する)。集積硬貨SCに過不足がなければ、これを棒金搬送部で正常棒金収納部に搬送し、集積硬貨SCに過不足があれば、これを棒金搬送部で過不足棒金収納部に搬送する。
さらに、硬貨包装機は、オペレータにより操作入力が行われるキーボードを含む操作部(操作手段,処理開始操作手段)115と、オペレータに向けて表示を行う液晶画面を含む表示部(表示手段)116とを備えている。
次に、この硬貨包装機の作動を説明する。
硬貨包装機は、上記したように、投入された硬貨を所定枚数ずつ包装する包装モードおよび投入された硬貨を計数する計数モードでの処理が可能であり、包装モードは、さらに、各金種をそれぞれ発行国毎に分けて包装する発行国別包装形態および各金種をそれぞれ発行国混在で包装する発行国混在包装形態での処理が可能であって、計数モードも、各金種をそれぞれ発行国毎に分けて分離計数する発行国別計数形態および各金種をそれぞれ発行国混在で分離計数する発行国混在計数形態での処理が可能となっている。
まず、包装モードの発行国別包装形態が選択された場合の作動を説明する。
操作部115を介して包装モードの発行国別包装形態が選択された状態で、オペレータが投入口12を介して供給円盤13にバラ硬貨を投入し、操作部115に包装処理開始操作の操作入力を行うと、制御装置100は供給駆動部101を駆動して供給円盤13および回転円盤14を回転させるとともに搬送駆動部102を駆動して搬送ベルト27A〜27C,28およびベルト29を回転させる。すると、供給円盤13から硬貨が回転円盤14に供給されることになり、回転円盤14から硬貨が硬貨通路15に一枚ずつ繰り出されて搬送ベルト27A〜27C,28によって、硬貨通路15の上流側の第1直線部20で搬送された後、第1屈曲部21を介して下流側の第2直線部22で搬送される。そして、これら第1直線部20および第2直線部22で搬送されている間に、これら第1直線部20および第2直線部22にまたがって配置された識別部34としての材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて制御装置100が各硬貨の真偽、正損、金種および発行国の識別と、計数とを行う。
そして、制御装置100は、材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて真且つ正の硬貨と識別した検出硬貨については、リジェクト部40のリジェクト孔41で落下させることなく、硬貨通路15上でさらに下流側に搬送することになる。他方、材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果から異常硬貨と識別した検出硬貨については、上側画像検出部32および下側画像検出部33のそれぞれの検出画像を含む検出結果を記憶するとともに、この異常硬貨を硬貨検知センサ37a,37bが検知したタイミングでストッパ駆動部103を駆動して、ストッパ部材36a,36bを第2直線部22内に突出させてこの異常硬貨の通過を阻止すると同時に供給駆動部101による供給円盤13および回転円盤14の駆動を停止させ、その後、ストッパ部材36a,36bで停止させられたこの異常硬貨よりも下流側の硬貨がすべて硬貨通路15上からなくなると、搬送駆動部102による搬送ベルト27A〜27C,28およびベルト29の駆動を停止させて、この異常硬貨から後続の硬貨の搬送を停止させる。
そして、制御装置100は、表示部116に、検出硬貨を異常硬貨と識別した識別要因を表示させる。例えば、異常硬貨の識別要因が上側画像検出部32および下側画像検出部33のうちの少なくともいずれか一方による検出画像に関わる要因のとき、表示部116にこの異常硬貨の上側画像検出部32および下側画像検出部33のうちの少なくともいずれか一方による検出画像を表示するとともに、この異常硬貨のエラーファクタをテキストで表示する。
これにより、オペレータは、表示部116の表示から、異常硬貨の識別要因の内容を認識するとともに、表示された表裏の検出画像から実際の検出画像を確認する。
そして、オペレータは、上記のような異常硬貨のストッパ部材36a,36bによる停止中に、表示部116の表示を確認後、操作部115へ確認入力を行うことになり、これを受けて制御装置100は、ストッパ駆動部103を駆動して、ストッパ部材36a,36bを第2直線部22内から引込ませて、異常硬貨の停止状態を解除する。それと同時に、供給駆動部101を駆動して供給円盤13および回転円盤14を回転させるとともに搬送駆動部102を駆動して搬送ベルト27A〜27C,28およびベルト29を回転させる。すると、異常硬貨から後続の硬貨の下流側への搬送ベルト27A〜27C,28による搬送が再開されることになる。
次に、制御装置100は、この異常硬貨が硬貨検知センサ43で検出されたタイミングでリジェクト駆動部104によりリジェクト突出部材42を第2直線部22に所定時間だけ突出させると、この異常硬貨のみが硬貨通路15上からリジェクト孔41に落下させられることになり、図示略のリジェクトボックスに回収される。そして、オペレータがすぐに硬貨包装機からリジェクトボックスを取り出し、このリジェクトボックスから異常硬貨を外部に取り出すと、上記のように検出画像で確認した異常硬貨そのものを得ることになる。
上記のように包装モードの発行国別包装形態が選択された状態で操作部115に包装処理開始操作の操作入力が行われると、制御装置100は、包装する処理対象設定種を、処包装処理開始操作の操作入力後に最初に真且つ正の硬貨と識別した硬貨の金種(単一金種)および発行国(単一国)に設定する。
その後、制御装置100は、識別部34を構成する材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて真且つ正の硬貨と識別した硬貨のうち、設定した処理対象設定種の単一金種且つ単一発行国の硬貨を硬貨搬送部25で集積部71に送る一方、真且つ正の硬貨と識別した硬貨のうち、処理対象設定種ではない非処理対象設定種の硬貨を、選別部45で選別孔46から落下させて一時貯留部に一時貯留させる。ここで、硬貨搬送部25で集積部71に搬送された硬貨は、硬貨搬送部25での搬送時の上下姿勢をそのまま、つまり識別部34で識別した表裏の上下姿勢をそのままで集積部71に順次集積されることになる。
そして、制御装置100は、識別部34による計数結果から、真且つ正の硬貨と識別した硬貨であって設定した処理対象設定種の単一金種且つ単一発行国の硬貨が包装単位枚数(例えば50枚)になると、この硬貨よりも上流の硬貨をストッパ部材36a,36bで停止させることになり、包装単位枚数の硬貨がすべて集積部71に集積されると、包装部72で集積硬貨SCの外周に包装紙Pを巻回させ、一対の加締爪131で包装紙Pの集積硬貨SCの集積方向両端から突出する部分を加締める。このとき、一対の加締爪131が集積硬貨SCの集積方向の両端部に当接することになり、当接時点での一対の加締爪131の距離から、集積方向長検出部132が集積硬貨SCの実際の集積方向長を検出する。
ここで、制御装置100は、各金種それぞれの発行国別の集積硬貨SCの基準集積長である単一発行国基準集積長データを記憶している。つまり、同一金種であっても、図柄の刻印が発行国別に異なっているため、発行国別に硬貨の厚さが微小ながら違うことから、同一金種であっても発行国別に基準集積長データが異なるのである。
説明の便宜上、例えば、複数の発行国がA国、B国およびC国の3国であり、金種がa金種、b金種およびc金種の3金種であると仮定すると、制御装置100は、図4(ア)に示すようにA国のa金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の集積長である単一発行国基準集積長データ、図4(イ)に示すようにB国のa金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の単一発行国基準集積長データ、図4(ウ)に示すようにC国のa金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の単一発行国基準集積長データ、図4(エ)に示すようにA国のb金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の集積長である単一発行国基準集積長データ、図4(オ)に示すようにB国のb金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の単一発行国基準集積長データ、図4(カ)に示すようにC国のb金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の単一発行国基準集積長データ、図4(キ)に示すようにA国のc金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の集積長である単一発行国基準集積長データ、図4(ク)に示すようにB国のc金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の単一発行国基準集積長データ、および図4(ケ)に示すようにC国のc金種の硬貨を包装単位枚数集積した集積硬貨の単一発行国基準集積長データを有している。
そして、制御装置100は、このときの処理が、操作部115で発行国別包装形態が選択入力された状況下での処理であることから、集積方向長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積方向長と、処理開始時に設定した処理対象設定種の単一金種且つ単一発行国の硬貨の包装単位枚数の集積硬貨の単一発行国基準集積長データとを比較して、これら実際の集積方向長と単一発行国基準集積長データとの差が許容範囲内である場合には、検出された集積硬貨が正常であると判断し、前記差が許容範囲外である場合には、検出された集積硬貨が過不足であると判断する。
制御装置100は、検出された集積硬貨つまり包装硬貨に過不足がなく正常である場合は、この包装硬貨を棒金搬送部で正常棒金収納部に搬送し、集積硬貨つまり包装硬貨に過不足があれば、これを棒金搬送部で過不足棒金収納部に搬送する。
制御装置100は、次に集積部71で集積させる硬貨が、包装部72に送られた集積硬貨と干渉することがない適宜のタイミングで、ストッパ部材36a,36bによる硬貨の搬送規制を解除するとともに供給駆動部101および搬送駆動部102を駆動して、硬貨を次の包装のために集積部71で集積させて、包装する。
上記により、供給円盤13に投入されたバラ硬貨が、すべて、包装硬貨となって正常棒金収納部あるいは過不足棒金収納部に収納されるか、あるいは、リジェクトボックスに回収されるか、一時貯留部に一時貯留されてなくなると、制御装置100は、一時貯留部に一時貯留されていた非処理対象設定種の硬貨を供給円盤13に供給し、上記と同様の処理を繰り返す。このとき、一時貯留部に一時貯留されていた非処理対象設定種の硬貨を供給円盤13に供給後、最初に識別部34で真且つ正の硬貨と識別した硬貨の金種(単一金種)および発行国(単一国)を、包装する処理対象設定種に設定する。
次に、包装モードの発行国混在包装形態が選択された場合の作動を説明する。
操作部115を介して包装モードの発行国混在包装形態が選択された状態で、オペレータが投入口12を介して供給円盤13にバラ硬貨を投入し、操作部115に包装処理開始操作の操作入力を行うと、制御装置100は、上記と同様に、供給円盤13から回転円盤14を介して硬貨を硬貨通路15に一枚ずつ繰り出して搬送ベルト27A〜27C,28によって搬送し、識別部34としての材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて、制御装置100が各硬貨の真偽、正損、金種および発行国の識別と、計数とを行う。
上記のように包装モードの発行国混在包装形態が選択された状態で操作部115に包装処理開始操作の操作入力が行われると、制御装置100は、包装する処理対象設定種を、処理開始の操作入力後に最初に真且つ正の硬貨と識別した硬貨の金種(単一金種)に設定する。このとき発行国は問わず複数国に設定する。
その後、制御装置100は、識別部34を構成する材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて真且つ正の硬貨と識別した硬貨のうち、設定した処理対象設定種の硬貨を硬貨搬送部25で集積部71に送る。
そして、制御装置100は、識別部34による計数結果から、真且つ正の硬貨と識別した硬貨であって設定した処理対象設定種の硬貨が包装単位枚数(例えば50枚)になると、包装部72で集積硬貨SCの外周に包装紙Pを巻回させ、一対の加締爪131で包装紙Pの集積硬貨SCの集積方向両端から突出する部分を加締める。このとき、一対の加締爪131の距離から、集積方向長検出部132が集積硬貨SCの実際の集積方向長を検出する。
ここで、制御装置100は、各金種それぞれの発行国混在の集積硬貨の基準集積長である発行国混在基準集積長データを、集積硬貨を構成する各硬貨の各組み合わせ(発行国の組み合わせ)毎に記憶している。つまり、上記したように、同一金種であっても、図柄の刻印が発行国別に異なっているため、発行国別に硬貨の厚さが微小ながら違うことから、同一金種であっても集積硬貨を構成する各硬貨の発行国の各組み合わせ別に基準集積長データが異なるのである。
説明の便宜上、例えば、複数の発行国がA国、B国およびC国の3国であり、金種がa金種、b金種およびc金種の3金種であって、包装単位枚数が3枚(実際には50枚)であると仮定すれば、a金種については、制御装置100は、図5(ア)に示すようにA国のa金種の硬貨のみを集積した集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図5(イ)に示すようにA国のa金種の硬貨2枚とB国のa金種の硬貨1枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、図5(ウ)に示すようにA国のa金種の硬貨2枚とC国のa金種の硬貨1枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、図5(エ)に示すようにA国のa金種の硬貨1枚とB国のa金種の硬貨2枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、図5(オ)に示すようにA国のa金種の硬貨1枚とC国のa金種の硬貨2枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、図5(カ)に示すようにA国のa金種の硬貨1枚とB国のa金種の硬貨1枚とC国のa金種の硬貨1枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、図5(キ)に示すようにB国のa金種の硬貨のみを集積した集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図5(ク)に示すようにB国のa金種の硬貨2枚とC国のa金種の硬貨1枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、図5(ケ)に示すようにB国のa金種の硬貨1枚とC国のa金種の硬貨2枚とを組み合わせた発行国混在基準集積長データ、および図5(コ)に示すようにC国のa金種の硬貨のみを集積した集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データを有している。勿論、b金種についても、図6(ア)〜(コ)に示すように同様の発行国混在基準集積長データを有し、c金種についても図7(ア)〜(コ)に示すように同様の発行国混在基準集積長データを有することになる。
そして、制御装置100は、このときの処理が、操作部115で発行国混在包装形態が選択入力された状況下での処理であることから、集積方向長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積方向長と、処理開始時に設定した処理対象設定種の単一金種の国混在の集積硬貨の、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の発行国の組み合わせに対応する発行国混在基準集積長データとを比較して、これら実際の集積方向長と発行国混在基準集積長データとの差が許容範囲内である場合には、検出された集積硬貨が正常であると判断し、前記差が許容範囲外である場合には、検出された集積硬貨が過不足であると判断する。
制御装置100は、検出された集積硬貨つまり包装硬貨に過不足がなく正常である場合は、この包装硬貨を棒金搬送部で正常棒金収納部に搬送し、集積硬貨つまり包装硬貨に過不足があれば、これを棒金搬送部で過不足棒金収納部に搬送する。
上記により、供給円盤13に投入されたバラ硬貨が、すべて、包装硬貨となって正常棒金収納部あるいは過不足棒金収納部に収納されるか、あるいは、リジェクトボックスに回収されるか、一時貯留部に一時貯留されてなくなると、制御装置100は、一時貯留部に一時貯留されていた非処理対象設定種の硬貨を供給円盤13に供給し、上記と同様の処理を繰り返す。このとき、一時貯留部に一時貯留されていた非処理対象設定種の硬貨を供給円盤13に供給後、最初に識別部34で真且つ正の硬貨と識別した硬貨の金種(単一金種)を発行国に関係なく、包装する処理対象設定種に設定する。
以上に述べた第1実施形態の硬貨包装機によれば、操作部115で発行国別包装が選択入力された場合に、硬貨供給部10から一枚ずつ繰り出され硬貨搬送部25で搬送される硬貨を識別部34が表面および裏面の画像を検出して識別し、制御装置100が設定した単一発行国の単一金種の処理対象設定種の硬貨を、選別部45が非処理対象設定種の硬貨から分離し集積部71が所定枚数集積させて包装部72が包装することになる。このとき、各金種それぞれの発行国別の集積硬貨の基準集積長である単一発行国基準集積長データを有する制御装置100が、設定した処理対象設定種の集積硬貨の単一発行国基準集積長データと、集積長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積長とを比較してこの集積硬貨の過不足を判断する。このように、各金種それぞれの発行国別の集積硬貨の基準集積長である単一発行国基準集積長データの中から制御装置100が設定した処理対象設定種の集積硬貨の単一発行国基準集積長データを用いるため、裏面に各発行国別の図柄が形成された硬貨を包装する場合であっても、集積長から正確に集積枚数の過不足を判断することができる。
また、操作部115で発行国混在包装が選択入力された場合に、硬貨供給部10から一枚ずつ繰り出され硬貨搬送部25で搬送される硬貨を識別部34が表面および裏面の画像を検出して識別し、制御装置100が設定した複数の発行国の単一金種の処理対象設定種の硬貨を、選別部45が非処理対象設定種の硬貨から分離し集積部71が所定枚数集積させて包装部72が包装することになる。このとき、各金種それぞれの発行国混在の集積硬貨の基準集積長である発行国混在基準集積長データを、集積硬貨を構成する各硬貨の各組み合わせ毎(発行国の組み合わせ)に有する制御装置100が、設定した処理対象設定種の集積硬貨の、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の組み合わせに対応する発行国混在基準集積長データと、集積長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積長とを比較してこの集積硬貨の過不足を判断する。このように、各金種それぞれの発行国混在の集積硬貨の基準集積長であって集積硬貨を構成する各硬貨の各組み合わせ毎の発行国混在基準集積長データの中から、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の組み合わせに対応する発行国混在基準集積長データを用いるため、裏面に各発行国別の図柄が形成された硬貨を発行国毎の数の規定なく自由に発行国混在で包装する場合であっても、集積長から正確に集積枚数の過不足を判断することができる。
さらに、操作部115に包装処理開始操作が入力された後、最初に識別部34で識別された硬貨の種類を、制御装置100が処理対象設定種に設定するため、処理対象設定種の設定操作が不要になり、操作の簡略化を図れる。勿論、処理対象設定種を操作部115への操作入力で設定するようにしても良い。
次に、本発明の第2実施形態の硬貨包装機について、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態の硬貨包装機は、第1実施形態に対して包装時の集積硬貨の過不足判断が異なっている。
まず、第2実施形態において、包装モードの発行国別包装形態が選択された場合の作動を説明する。
操作部115を介して包装モードの発行国別包装形態が選択された状態で、オペレータが投入口12を介して供給円盤13にバラ硬貨を投入し、操作部115に包装処理開始操作の操作入力を行うと、制御装置100は、上記と同様に、供給円盤13から回転円盤14を介して硬貨を硬貨通路15に一枚ずつ繰り出して搬送ベルト27A〜27C,28によって搬送し、識別部34としての材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて、制御装置100が各硬貨の真偽、正損、金種および発行国の識別と、計数とを行う。
上記のように包装モードの発行国別包装形態が選択された状態で操作部115に包装処理開始操作の操作入力が行われると、制御装置100は、包装する処理対象設定種を、処理開始の操作入力後に最初に真且つ正の硬貨と識別した硬貨の金種(単一金種)および発行国(単一国)に設定する。
その後、制御装置100は、識別部34を構成する材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて真且つ正の硬貨と識別した硬貨のうち、設定した処理対象設定種の硬貨を硬貨搬送部25で集積部71に送る。
そして、制御装置100は、識別部34による計数結果から、真且つ正の硬貨と識別した硬貨であって設定した処理対象設定種の硬貨が包装単位枚数(例えば50枚)になると、包装部72で集積硬貨SCの外周に包装紙Pを巻回させ、一対の加締爪131で包装紙Pの集積硬貨SCの集積方向両端から突出する部分を加締める。このとき、一対の加締爪131の距離から、集積方向長検出部132が集積硬貨SCの実際の集積方向長を検出する。
ここで、制御装置100は、集積硬貨SCを構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを記憶している。つまり、上記したように、同一金種であっても、図柄の刻印が発行国別に異なっているため、発行国別の図柄の刻印同士が突き合わせられる状態と、発行国別の図柄の刻印と各発行国共通の図柄の刻印とが突き合わせられる状態と、各発行国共通の図柄の刻印同士が突き合わせられる状態とで、集積厚さが微小ながら違うことから、同一金種であっても発行国別に基準集積長データが異なり、しかも集積硬貨を構成する各硬貨の表裏状態によっても基準集積長データが異なるのである。
説明の便宜上、例えば、複数の発行国がA国、B国およびC国の3国であり、金種がa金種、b金種およびc金種の3金種であって、包装単位枚数が3枚(実際には50枚)であると仮定すれば、A国のa金種については、制御装置100は、図8(ア)に示すように集積方向一側の第1硬貨が集積方向一側を表、集積方向逆側を裏とし、次の第2硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次の第3硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図8(イ)に示すように集積方向一側の第1硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次の第2硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次の第3硬貨が同一側を裏、同逆側を表としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図8(ウ)に示すように集積方向一側の第1硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次の第2硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次の第3硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および図8(エ)に示すように集積方向一側の第1硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次の第2硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次の第3硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データを有している。
同様に、B国のa金種についても、図9(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有しており、C国のa金種についても、図10(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有している。
同様に、A国のb金種についても、図11(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有しており、B国のb金種についても、図12(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有していて、C国のb金種についても、図13(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有している。
同様に、A国のc金種についても、図14(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有しており、B国のc金種についても、図15(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有していて、C国のc金種についても、図16(ア)〜(エ)に示すように集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有している。
以上の単一発行国基準集積長データは、反転させることで、集積順による表裏状態が完全に逆にパターンに対しても単一発行国基準集積長データとなる。
そして、制御装置100は、このときの処理が、操作部115で発行国別包装形態が選択入力された状況下での処理であることから、集積方向長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積方向長と、処理開始時に設定した処理対象設定種の単一金種の単一国の集積硬貨の、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の表裏状態に対応する発行国別基準集積長データとを比較して、これら実際の集積方向長と発行国別基準集積長データとの差が許容範囲内である場合には、検出された集積硬貨が正常であると判断し、前記差が許容範囲外である場合には、検出された集積硬貨が過不足であると判断する。
次に、第2実施形態において、包装モードの発行国混在包装形態が選択された場合の作動を説明する。
操作部115を介して包装モードの発行国混在包装形態が選択された状態で、オペレータが投入口12を介して供給円盤13にバラ硬貨を投入し、操作部115に包装処理開始操作の操作入力を行うと、制御装置100は、上記と同様に、供給円盤13から回転円盤14を介して硬貨を硬貨通路15に一枚ずつ繰り出して搬送ベルト27A〜27C,28によって搬送し、識別部34としての材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて、制御装置100が各硬貨の真偽、正損、金種および発行国の識別と、計数とを行う。
上記のように包装モードの発行国混在包装形態が選択された状態で操作部115に包装処理開始操作の操作入力が行われると、制御装置100は、包装する処理対象設定種を、処理開始の操作入力後に最初に真且つ正の硬貨と識別した硬貨の金種(単一金種)に設定する。このとき発行国は問わず複数国に設定する。
その後、制御装置100は、識別部34を構成する材質検出センサ31、上側画像検出部32および下側画像検出部33の検出結果に基づいて真且つ正の硬貨と識別した硬貨のうち、設定した処理対象設定種の硬貨を硬貨搬送部25で集積部71に送る。
そして、制御装置100は、識別部34による計数結果から、真且つ正の硬貨と識別した硬貨であって設定した処理対象設定種の硬貨が包装単位枚数(例えば50枚)になると、包装部72で集積硬貨SCの外周に包装紙Pを巻回させ、一対の加締爪131で包装紙Pの集積硬貨SCの集積方向両端から突出する部分を加締める。このとき、一対の加締爪131の距離から、集積方向長検出部132が集積硬貨SCの実際の集積方向長を検出する。
ここで、制御装置100は、各金種それぞれの発行国混在の集積硬貨の基準集積長である発行国混在基準集積長データを、集積硬貨を構成する各硬貨の各配列表裏状態(発行国の配列およびそれぞれの表裏状態)毎に記憶している。つまり、上記したように、同一金種であっても、図柄の刻印が発行国別に異なっているため、発行国別に硬貨の厚さが微小ながら違い、しかも集積硬貨を構成する各硬貨の表裏状態によっても基準集積長データが異なるのである。
説明の便宜上、例えば、複数の発行国がA国、B国およびC国の3国であり、金種がa金種、b金種およびc金種の3金種であって、包装単位枚数が3枚(実際には50枚)であると仮定し、a金種のみを説明すれば、制御装置100は、図17(ア)に示すようにA国のa金種の硬貨のみを、集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図17(イ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図17(ウ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および図17(エ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データを有している。
また、制御装置100は、A国のa金種の硬貨2枚とB国のa金種の硬貨1枚とをこの順に並べ、図18(ア)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図18(イ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図18(ウ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同方向一側を表、同方向逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および図18(エ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データを有している。
また、制御装置100は、A国のa金種の硬貨2枚とB国のa金種の硬貨1枚とを、A国、B国、A国の順に並べ、図19(ア)に示すように、集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および、図19(イ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図19(ウ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同方向一側を表、同方向逆側を裏とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および図18(エ)に示すように集積方向一側のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のB国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データを有している。
また、制御装置100は、A国のa金種の硬貨2枚とB国のa金種の硬貨1枚とを、B国、A国、A国の順に並べ、図20(ア)に示すように、集積方向一側のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および、図20(イ)に示すように集積方向一側のB国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、図20(ウ)に示すように集積方向一側のB国のa金種の硬貨が同方向一側を表、同方向逆側を裏とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データ、および図20(エ)に示すように集積方向一側のB国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を裏、同逆側を表とし、次のA国のa金種の硬貨が同一側を表、同逆側を裏としたときの集積硬貨の集積長である発行国混在基準集積長データを有している。
同様にして、制御装置100は、A国のa金種の硬貨2枚とC国のa金種の硬貨1枚とを集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、A国のa金種の硬貨1枚とB国のa金種の硬貨2枚とを集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、A国のa金種の硬貨1枚とC国のa金種の硬貨2枚とを集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、A国のa金種の硬貨1枚とB国のa金種の硬貨1枚とC国のa金種の硬貨1枚とを集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、B国のa金種の硬貨3枚を集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、B国のa金種の硬貨2枚とC国のa金種の硬貨1枚とを集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、C国のa金種の硬貨3枚を集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、C国のa金種の硬貨2枚とB国のa金種の硬貨1枚とを集積させたときのすべての配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データとを有している。勿論、b金種、c金種についても同様の発行国混在基準集積長データを有することになる。
以上の発行国混在基準集積長データは、反転させることで、集積順による配列表裏状態が完全に逆にパターンに対しても発行国混在基準集積長データとなる。
そして、制御装置100は、このときの処理が、操作部115で発行国混在包装形態が選択入力された状況下での処理であることから、集積方向長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積方向長と、処理開始時に設定した処理対象設定種の単一金種の国混在の集積硬貨の、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データとを比較して、これら実際の集積方向長と発行国混在基準集積長データとの差が許容範囲内である場合には、検出された集積硬貨が正常であると判断し、前記差が許容範囲外である場合には、検出された集積硬貨が過不足であると判断する。
以上に述べた第2実施形態の硬貨包装機によれば、操作部115で発行国別包装が選択入力された場合に、制御装置100が、集積硬貨を構成する各硬貨の各表裏状態毎に単一発行国基準集積長データを有しており、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の表裏状態に対応する単一発行国基準集積長データと、集積長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積長とを比較して集積硬貨の過不足を判断するため、表裏状態によって集積長に違いが生じる場合であっても、集積長から正確に集積枚数の過不足を判断することができる。
また、操作部115で発行国混在包装が選択入力された場合に、制御装置100が、各金種それぞれの発行国混在の集積硬貨の基準集積長である発行国混在基準集積長データを、集積硬貨を構成する各硬貨の各配列表裏状態(発行国の配列およびそれぞれの表裏状態)毎に有しており、識別部34の識別結果に基づいて割り出される集積硬貨を構成する各硬貨の配列表裏状態に対応する発行国混在基準集積長データと、集積長検出部132で検出された集積硬貨の実際の集積長とを比較して集積硬貨の過不足を判断するため、裏面に各発行国別の図柄が形成された硬貨を発行国毎の数の規定なく自由に発行国混在で包装する場合であっても、集積長から一層正確に集積枚数の過不足を判断することができる。
なお、以上の第1実施形態および第2実施形態においては、集積部71において硬貨を順に積み上げて集積させる場合を例にとり説明したが、硬貨を下側に順に挿入して集積させたり、硬貨を横に並べて集積させる場合にも勿論適用可能である。