JPH04119832U - 丁張り板用カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 擁壁構築時に使用される丁張り板を、風雨や
生コンクリートの侵食から防御して歪みや破損の生じる
ことをおさえると共に、コンクリートブロック構築時の
スケールとして役立つようにした。 【構成】 弾力性を有する合成樹脂材で形成された断面
コの字状の長尺のカバー部材(1)から成り、該カバー部
材(1)のコの字状の内面(2)は丁張り板(3)の外側面に密
に嵌合してその外面をカバーする寸法に形成されてお
り、且つ、カバー部材(1)の外側面には長さ方向に沿っ
て等間隔で赤、白等のごとき２色模様(4)が交互に色刷
りされている構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、垂直又は傾斜した土壌面への擁壁構築や、各種土留壁、囲壁等のコ ンクリートブロック積み工事に使用される丁張り板のカバーに関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、垂直又は傾斜した土壌面にコンクリートブロックで擁壁を施工する場 合、土壌面との間に適当な空間を隔てた位置に基準面を設定し、この基準面に沿 ってコンクリートブロックを適当段積み重ねた後、コンクリートブロックと土壌 面との間に礫石や生コンクリートを流し込んでコンクリートブロックを定着させ 、以後上段のコンクリートブロックを同様な手段により順次積み重ねて構築して いる。この時、前記基準面を設定するために長尺の丁張り板が使用されている。 この丁張り板は予め土壌面に仮設固定した支持柱に当がって角度や土壌面との間 隔を確認した後、支持柱に釘打ち等により固定して使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この丁張り板は、搬送や組み立て時の軽量化を図って、多くの場合木材で作ら れている。しかし現場での雨さらしや生コンクリートによって侵食を受けやすく て、歪みや弯曲及び破損の発生が早く、使用寿命が短い。このような丁張り板は 一施工現場で数多く使用されるため、トータルコストが高くつくという問題点が ある。

【０００４】 そこで本考案は、丁張り板を、風雨や生コンクリートの侵食から防御して歪み や破損の生じることをおさえると共に、コンクリートブロック構築時のスケール として役立ち、工事の管理や施工証拠写真のスケールとしても使用することので きるようにした丁張り板用カバーを提供することを主たる目的とするものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る丁張り板用カバーにあっては、弾力 性を有する合成樹脂材で形成された断面コの字状の長尺のカバー部材(1)から成 り、該カバー部材(1)のコの字状の内面(2)は丁張り板(3)の外側面に密に嵌合し てその外面をカバーする寸法に形成されており、且つ、カバー部材(1)の外側面 には長さ方向に沿って等間隔で赤、白等のごとき２色模様(4)が交互に色刷りさ れている構造としたものである。

【０００６】

【作用】

上記のごとく構成された丁張り板用カバーでは、カバー部材(1)のコの字状の 内面(2)に木製の丁張り板(3)を嵌め込んで使用される。これにより丁張り板(3) の大部分の外側面がカバー部材(1)によって被覆されて風雨や生コンクリート等 の侵食から保護されるので、歪みや破損の発生をおさえることができ、使用寿命 を長くすることができる。又、丁張り板自身の強度も高められるので、それだけ 丁張り板(3)を薄くでき、しかも端板等の安価な木材の使用も可能となってトー タルコストを下げることができる。更に、カバー部材(1)の外側面に形成された 等間隔の２色模様(4)の数を計測することによって、順次積み重ねて行くコンク リートブロックの高さや巾の寸法を容易に知ることができて施工管理に便利であ る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図１乃至図５を参照にして説明する。 図に於 いて、符号(1)はカバー部材であって、適度な弾力性を有する合成樹脂材で成型 された断面コの字状の長尺材で構成されている。このカバー部材(1)のコの字状 の内面(2)は、長尺の木製丁張り板(3)の外側面に密に嵌合してその外面をカバー する寸法に形成されている。又、カバー部材(1)の長さは、嵌め込むべき丁張り 板用(3)の長さに合わせて、例えば２０００mm，３０００mm或は４０００mm等の 長さに形成されている。又、カバー部材(1)の厚みは約15mm程度で、巾方向の寸 法が約75cm程度が良い。更に、カバー部材(1)の外側面には長さ方向に沿って等 間隔で赤、白等のごとき２色模様(4)が交互に色刷りされている。この各色部分 の間隔は、外部から計測しやすい長さ、例えば２０cm，或は３０cm等の寸法が好 ましい。

【０００８】 上記カバー部材(1)は、図４で示すように、その左右側板(1a),(1a)を内寄りに 傾斜させて開口部が少し狭くなるようにしておくのが好ましい。これにより丁張 り板(3)に対して強く弾性嵌合させることができ、使用中に分離することをなく することができる。又、開口部を少し狭くする手段として図５で示すように、左 右側板(1a),(1a)の先端内縁に凸部(1b),(1b)を設けるようにしても良い。

【０００９】 上記のカバー部材(1)は別途作製された所定の丁張り板(3)に嵌め込んで使用さ れる。このカバー付き丁張り板(3A)は、図２並びに図３で示すように、予め土壌 面(5)に仮設固定した支持柱(6)に当がって角度や土壌面との間隔を確認した後、 支持柱(6)に釘打ち等により固定して使用される。そして、このカバー付き丁張 り板(3A)を基準面としてコンクリートブロックを適当段積み重ねた後、コンクリ ートブロックと土壌面との間に礫石や生コンクリートを流し込んでコンクリート ブロックを定着させ、以後上段のコンクリートブロックを同様な手段により順次 積み重ねて構築していくものである。

【００１０】 以上本考案の代表的な実施例について説明したが、本考案は必ずしも上記の実 施例構造のみに限定されるものでない。例えば、カバー部材(1)の表面に長さ方 向に沿って目盛り等を付設して正確な寸法を計測出来るようにしてもよい。又、 カバー部材(1)の外側面の形成される２色模様は、赤白に限らず、赤緑や、黄黒 その他、色分けが容易に判別できる組み合わせで形成することが可能である。そ の他、本考案ではその精神を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することが出 来るものである。

【００１１】

【考案の効果】 本考案は上記のごとく構成したものであるから、丁張り板の大部分の外側面が カバー部材によって被覆されて風雨や生コンクリート等の侵食から保護されるの で、歪みや破損の発生をおさえることがで、使用寿命を長くすることができると 共に、丁張り板自身の強度も高められるので、それだけ丁張り板を薄くでき、し かも端板等の安価な木材の使用も可能となるのでトータルコストを下げることが できる。更に、カバー部材の外側面に形成された等間隔の２色模様の数を計測す ることによって、順次積み重ねて行くコンクリートブロックの高さや巾を１目瞭 然に知ることができて施工管理に便利であり、加えて、施工証拠写真のスケール としても使用出来る等の種々顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る丁張り板用カバーの一実施例を示
す１部切欠斜視図である。

【図２】本考案のカバーを取り付けた丁張り板の使用例
を示す側面図である。

【図３】本考案のカバーを取り付けた丁張り板の使用例
を示す正面図である。

【図４】本考案に係る丁張り板用カバーとこれに嵌め込
む丁張り板を示す側面図である。

【図５】本考案の丁張り板用カバーの他の実施例を示す
側面図である。

【符号の説明】

(1) カバー部材 (2) コの字状内面 (3) 丁張り板 (4) ２色模様

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾力性を有する合成樹脂材で形成された
   断面コの字状の長尺のカバー部材(1)から成り、該カバ
   ー部材(1)のコの字状の内面(2)は丁張り板(3)の外側面
   に密に嵌合してその外面をカバーする寸法に形成されて
   おり、且つ、カバー部材(1)の外側面には長さ方向に沿
   って等間隔で赤、白等のごとき２色模様(4)が交互に色
   刷りされている丁張り板用カバー。