JP2541581Y2 - 合成スラブを構成するプレートの載架幅確認構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、合成スラブに関するも
のであり、特に、デッキプレートやＰＣ板を鉄骨梁のフ
ランジ面に載架する際の、デッキプレートなどの両側端
の載架幅を確認する構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】高層建築等においては、デッキプレート
などを用いる床工法が多く採用されている。この工法に
よる床は、鉄骨床梁の上にデッキプレートやＰＣ板を敷
き、その上にコンクリートを打設して、コンクリートと
デッキプレートなどが一体となった構造体を構成するも
のであり、この床を合成スラブともいう。デッキプレー
トなどを用いる床工法は、鉄骨床梁の上にデッキプレー
トなどを敷く場合の外に、デッキプレートやＰＣ板の両
側端を鉄骨梁のフランジ面に載架して、プレートを敷き
詰めその上にコンクリートを打設する構造の場合もあ
る。そして、デッキプレートなどの両側端を鉄骨梁のフ
ランジ面に載架する場合に、その側端の載架幅を充分に
採ることが必要であるが、規定によるとデッキプレート
では５０ｍｍ以上、ＰＣ板では４０ｍｍ以上の幅を採る
こととされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記のように、デッキ
プレートなどの両側端を鉄骨梁のフランジ面に載架して
プレートを敷き詰め、その上にコンクリートを打設する
工法においては、そのプレートの両側端の載架幅を充分
に採ることが必要であるため、デッキプレートで５０ｍ
ｍ以上、ＰＣ板で４０ｍｍ以上と規定されているが、実
際の工事の際は敷き込み作業時に、種々の作業の煩雑さ
などのために、その載架幅を確認することを見落とした
りして、確認不足で片寄りし、５０ｍｍまたは４０ｍｍ
の載架幅が確保されない場合がある。

【０００４】本考案は、デッキプレートなどの両側端を
鉄骨梁のフランジ面に載架して、プレートを敷き詰めそ
の上にコンクリートを打設する工法において、プレート
の両側端の載架幅を確保することに関する上記の問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、デッキプレ
ートやＰＣ板を用いる床工法において、プレートの両側
端を鉄骨梁のフランジ面に載架する場合の必要な載架幅
を、容易に確認することができる手段を提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段および作用】本考案者は、
上記の課題の解決について種々検討した結果、デッキプ
レートやＰＣ板の両側端を載架するフランジ面に目盛り
シールを設けることに着目した。

【０００６】本考案は上記の着想に基づくものであり、
その要旨は、デッキプレートまたはＰＣ板の両側端を鉄
骨梁のフランジ面に載架し、該デッキプレートまたはＰ
Ｃ板の上にコンクリートを打設して一体構造とする合成
スラブにおいて、該鉄骨梁のフランジ面に載架するデッ
キプレートまたはＰＣ板の両側端の載架幅を確認するこ
とができる目盛りシールを、該鉄骨梁のフランジ面に取
り付けたことを特徴とする合成スラブを構成するプレー
トの載架幅確認構造である。

【０００７】本考案に係る合成スラブを構成するプレー
トの載架幅確認構造は、鉄骨梁の上にデッキプレートや
ＰＣ板などを敷き、その上にコンクリートを打設して合
成スラブ構造体を構築する際に、プレートの両側端を載
架する鉄骨梁のフランジ面に、目盛りシールを取り付け
るものである。この目盛りシールは、例えばシール面を
適宜の幅をもたせて赤、黄、青の３色に色分けしたもの
を調製する。そしてこの色分け目盛りシールを、フラン
ジ面の側端辺にシールの赤色部分の端辺を合わせて張り
付けて用いる。

【０００８】そして、鉄骨梁のフランジ面に載架したデ
ッキプレートの側端辺が、色分け目盛りシールの赤色部
分にある場合は載架幅が大きく不足するので「不可」、
黄色部分にある場合は「注意」、青色部分にある場合は
「可」とするなどの手段で、載架幅が５０ｍｍ以上確保
されているか否かを容易に確認することができるのであ
る。

【０００９】本考案によれば、デッキプレートなどを載
架する鉄骨梁のフランジ面に目盛りシールを取り付ける
ものであるから、そのデッキプレートなどの側端の載架
幅が所定寸法以上確保されているか否かを容易に確認す
ることができる。従って、デッキプレートなどを用いる
床工法による合成スラブの品質を確保することができ、
工事の能率を向上せしめることができる。

【００１０】

【実施例】以下実施例に基づいて本考案を説明する。図
１は、デッキプレートを鉄骨梁のフランジ面に載架する
状態を示す側面図である。即ちデッキプレート１、１の
両側端を、鉄骨梁２のフランジ面２ａに載架して、デッ
キプレートを敷き詰めるものである。そして、各々のデ
ッキプレート１の両側端を、鉄骨梁２のフランジ面２ａ
に載架する際の載架幅１ａは、それぞれ５０ｍｍ以上で
ある。

【００１１】次に図２(1)は、鉄骨梁２のフランジ面２
ａに本考案に係る色分け目盛りシール３を取り付けたと
ころに、デッキプレート１の側端１ａを載架した状態を
示す部分斜視図である。さらに図２(2)は、上記の色分
け目盛りシール３を拡大して示した平面図であり、３
ａ、３ｂ、３ｃはそれぞれ色分け目盛りシール３を赤、
黄、青の３色に色わけした部分を示すものである。そし
てこの赤、黄、青の３色に色わけした部分は、例えば３
０、２０、３０ｍｍの幅とし、デッキプレートの側端辺
が赤色の範囲にあれば「不可」、黄色の範囲にあれば
「注意」、青色の範囲にあれば「可」として確認する。

【００１２】

【考案の効果】本考案は、デッキプレートまたはＰＣ板
の両側端を鉄骨梁のフランジ面に載架し、該デッキプレ
ートまたはＰＣ板の上にコンクリートを打設して一体構
造とする合成スラブにおいて、該鉄骨梁のフランジ面に
載架するデッキプレートまたはＰＣ板の両側端の載架幅
を確認することができる目盛りシールを、該鉄骨梁のフ
ランジ面に取り付けたことからなる合成スラブを構成す
るプレートの載架幅確認構造であるが、本考案によれ
ば、デッキプレートなどを用いる床工法において、プレ
ートの両側端を鉄骨のフランジ面に載架する場合の必要
な載架幅を、容易に確認することができる。即ち、鉄骨
梁のフランジ面に載架したプレートの側端辺が、色分け
目盛りシールの赤色部分にある場合は「不可」、黄色部
分にある場合は「注意」、青色部分にある場合は「可」
とするなどの確認が容易であり、そのプレートの側端の
載架幅が所定寸法以上確保されているか否かを容易に確
認することができる。従って、デッキプレートやＰＣ板
を用いる床工法による合成スラブの品質を確保すること
ができ、工事の能率を向上せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、デッキプレートの側端を鉄骨梁のフラ
ンジ面に載架する状態を示す側面図である。

【図２】図２１(1)は鉄骨梁のフランジ面に色分け目盛
りシールを取り付けたところに、デッキプレートの側端
を載架した状態を示す部分斜視図、図２(2)は色分け目
盛りシールを拡大して示した平面図である。

【符号の説明】

１ デッキプレート １ａ デッキプレートの側端載架幅 ２ 鉄骨梁 ２ａ 鉄骨梁のフランジ面 ３ 色分け目盛りシール ３ａ シールの赤色部分 ３ｂ シールの黄色部分 ３ｃ シールの青色部分

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 デッキプレートまたはＰＣ板の両側端を
   鉄骨梁のフランジ面に載架し、該デッキプレートまたは
   ＰＣ板の上にコンクリートを打設して一体構造とする合
   成スラブにおいて、該鉄骨梁のフランジ面に載架するデ
   ッキプレートまたはＰＣ板の両側端の載架幅を確認する
   ことができる目盛りシールを、該鉄骨梁のフランジ面に
   取り付けたことを特徴とする合成スラブを構成するプレ
   ートの載架幅確認構造。