JPH04119506U - パネル結合部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネル構成方式の建物のパネル結合部につい
て、平面上で側縁を接するパネル結合部、及び床パネル
と壁パネルとが交差する入り隅でのパネル結合部のいず
れに対しても、容易、確実にシールすることができるパ
ネル結合部構造を得る。 【構成】 平面上で側縁を接するパネル結合部２ａにつ
いては、隣接するパネルの両側縁間にまたがって気密性
粘着シート３を貼着し、床パネル１１と壁パネル１２の
交差する入り隅のパネル結合部２ｂについては、該パネ
ル結合部２ｂに沿って、略Ｌ字状に曲げて配置した帯状
プラスチックシート４の一方の側縁を壁パネル１２の面
に装着し、捨て張り石こうボード又は表面材５を配置
し、帯状プラスチックシート４の他方の側縁を床パネル
１１の面に係止して構成する。これで前記各パネル結合
部２ａ，２ｂは確実にシールされる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はパネル構成方式の建物のパネル結合部の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

パネル構成方式の建物は、現場工事の手間と時間が減少するため、近年多く採 用される。この場合、床パネルと壁パネルとを逐次配置して構成するが、各単位 パネル同志の側縁の結合部に隙間を生じないように、充分に注意して施工する必 要がある。もっとも、床パネル、壁パネルともに、これらの結合部を含んで各パ ネル面は表面仕上げ材や外装材等に大部分覆われるため、屋内、屋外とも、床下 、天井裏、軒裏等以外は、各パネル面がそのまま露出することはほとんどない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記パネルはその結合部のシールが、なお不完全になりやすい 難点がある。すなわち、各パネルの室内や屋外に露出する部分は何らかの表面仕 上げ材、外装材等に覆われて、パネル同志の結合部も直接には見えなくなる。こ のため、製作誤差や配設時の不手際による若干の隙間は、そのまま見逃されやす く、そして前記表面仕上げ材、外装材等がこれらの隙間を完全に塞がない場合も 多く、この隙間からの冷気侵入や温空気の漏洩を生ずる。温暖な地域ではあまり 問題にならないが、寒冷地では暖房効果に無視できない影響がある。パネル結合 部の隙間は、壁パネルと床パネルとの交差部に特に発生しやすいが、この直角に 交差した入り隅部に、例えば粘着テープを直角に折り曲げながら、正確に、皺を 作らないように貼着することは熟練を要し、面倒な作業である。 本考案は、以上のようなパネル構成方式の建物のパネル結合部について、平面 上で側縁を接するパネル結合部、及び床パネルと壁パネルとが交差する入り隅の パネル結合部のいずれに対しても容易、確実にシールすることができるパネル結 合部構造を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るパネル結合部構造は、パネル構成方式の建物のパネル結合部構造 であって、平面上でのパネル結合部については、隣接するパネルの両側縁間にま たがって気密性粘着シートを貼着し、床パネルと壁パネルとの交差する入り隅の パネル結合部については、該パネル結合部に沿って略Ｌ字状に曲げて配置した帯 状プラスチックシートの一方の側縁を壁パネルの面に装着して捨て張り石こうボ ード又は表面材を配置し、前記帯状プラスチックシートの他方の側縁を床パネル の面に係止して構成する。

【０００５】

【作用】

平面上で側縁を接するパネル結合部については、隣接するパネルの両側縁にま たがって貼着した気密性粘着シートによって確実にシールされる。又、床パネル と壁パネルとが交差する入り隅のパネル結合部については、このパネル結合部に 沿って略Ｌ字状に曲げて配置した帯状プラスチックシートに覆われる。そしてこ の帯状プラスチックシートの一方の側縁は壁パネルの面に装着され、更に捨て張 り石こうボード又は表面材とパネルとで挟持されて、壁パネル面に気密に密着す る。床パネルと壁パネルの交差した入り隅では帯状プラスチックシートが略Ｌ字 状に曲げられていて両パネル面に密着して、両パネルの結合部をシールする。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案のパネル結合部構造の一実施例を示す縦断面図、図２は図１の Ａ部の拡大斜視図、図３は図１のＢ部の拡大斜視図である。 図中、１１は床パネル、１２は壁パネル、２ａは平面上でのパネル結合部、２ ｂは交差部分でのパネル結合部、３は気密粘着シート、４は帯状プラスチックシ ート、５は捨て張り石こうボード又は表面材、６は粘着シートである。 図１に示すように、この場合の建物はパネル構成方式であり、床パネル１１と 壁パネル１２を結合して組み立てる。従って、床パネル１１、壁パネル１２とも に平面上に各パネル１の結合部が存在し、これらのうち、床パネル１１同志のパ ネル結合部２ａを図２に示す。又、床パネル１１と壁パネル１２とが直角に交差 する入り隅のパネル結合部２ｂも存在する。

【０００７】 これらのパネル結合部２ａ、２ｂのうち、前者の例は図２に示すように、床パ ネル１１同志が平面上でその側縁を突き合わせ状態に接している。この平面上で のパネル結合部２ａに対して、左右の両側縁間にまたがる気密性粘着シート３を 貼着して、パネル結合部をシールする。気密性粘着シート３は本実施例の場合、 やや広幅の布ベースの粘着テープを用いたが、広幅の塩化ビニール製粘着テープ を用いてもよい。他方、床パネル１１と壁パネル１２とが直角に交差する入り隅 のパネル結合部２ｂについては、図２、及び図３に示すように、帯状プラスチッ クシート４を配置する。帯状プラスチックシート４は塩化ビニールシートを用い 、その一方の側縁を壁パネル１２にステップル止めで装着し、その上に従来のよ うに石こうボード８を捨て張りする。

【０００８】 帯状プラスチックシート４は壁パネル１２の下縁で直角に曲がり、床パネル１ １面に沿うが、その他方の側縁を粘着シート６で床パネル１１に係止する。これ で壁パネル１２と床パネル１１の交差したパネル結合部２ｂは完全にシールされ る。前記粘着シート６は気密性粘着シート３と同じ広幅の布ベース粘着テープを 用いた。しかし、この粘着シート６による係止を、前記一方の側縁と同様にステ ップル止めによる係止としてもよい。 なお、この建物の、壁パネル１２同志の平面上でのパネル結合部についても、 前記床パネル１１同志のパネル結合部２ａと同様に、気密性粘着シート３を貼着 する。更に、壁パネル１２のうち、外壁用壁パネル１２の外側面同志のパネル結 合部、及び外壁用壁パネル１２の外側面下縁と床パネル１１の外周の壁パネル支 持用横部材７との結合部についても、同様に気密性粘着シート３を貼着する。た だし、この場合の気密性粘着シート３は耐水性に考慮する。又、上方の天井板と 壁パネルとの交差部にも、天井裏で、天井板の野縁、又は野縁取り付け用横部材 との間に、前記に準じ、帯状プラスチックシート３を略Ｌ字状に曲げて配置して いる。

【０００９】 以上のように、床パネル１１、壁パネル１２の各パネル結合部２ａ，２ｂ、及 び前記外壁用壁パネル１２の外側の各所結合部についてシール処理することで、 この建物の気密性は格段に向上する。そして前記処理は気密性粘着シート３と帯 状プラスチックシート４等、わずかな材料で容易に、かつ、迅速に実施できる。 なお、気密性の向上は、建物全体、及び各室間に対して行われ、冷気侵入や温風 の放出が防止でき、空調設備の冷暖房効率が非常に向上する。

【００１０】 本実施例のパネル結合部構造は、前記実施例以外にも種々の変形が可能である 。例えば、床パネルと壁パネルの交差するパネル結合部に配置する帯状プラスチ ックシートの一方の側縁を、壁パネルに取り付ける捨て張り用石こうボードの側 縁裏面に予め貼着したものを用いて、帯状プラスチックシートの装着を簡便にす ることもできる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係るパネル結合部構造によれば、パネル構造方式の建物の各所のパネ ル結合部がきわめて容易、かつ、確実にシールでき、建物全体及び各室間での冷 暖房効率が非常に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すパネル結合部構造の縦
断面図である。

【図２】図１のＡ部の拡大斜視図である。

【図３】図１のＢ部の拡大斜視図である。

【符号の説明】

２ａ 平面上でのパネル結合部 ２ｂ 交差部分でのパネル結合部 ３ 気密粘着シート ４ 帯状プラスチックシート ５ 捨て張り石こうボード又は表面材 ６ 粘着シート １１ 床パネル １２ 壁パネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル構成方式の建物のパネル結合部構
   造であって、平面上でのパネル結合部については、隣接
   するパネルの両側縁間にまたがって気密性粘着シートを
   貼着し、床パネルと壁パネルとが交差する入り隅のパネ
   ル結合部については、該パネル結合部に沿って略Ｌ字状
   に曲げて配置した帯状プラスチックシートの一方の側縁
   を壁パネルの面に装着して捨て張り石こうボード又は表
   面材を配置し、前記帯状プラスチックシートの他方の側
   縁を床パネルの面に係止したことを特徴とするパネル結
   合構造。