JPH04119434U - 絞り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型化することなくより多角形のもしくはよ
り円形に近い開口形状が得られる絞り装置を提供する。 【構成】 羽根駆動レバーの回動により、光軸と直交す
る面上で同一直線上を相対的に平行移動するよう配設
し、かつ各々の端部に絞り形成用切欠を有する２枚の絞
り羽根を含む絞り装置において、上記絞り羽根が移動す
る同一面上に少なくとも１枚の補助的絞り羽根を移動自
在に設け、上記羽根駆動レバーの回動により前記補助的
絞り羽根を移動させる力が与えられたとき、該補助的絞
り羽根の一端側が、上記２枚の絞り羽根が移動する方向
に対してほぼ直交する向きに移動するよう、該補助的絞
り羽根にカム機構を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビデオカメラ等で使用する自動露出調整装置に用いる絞り装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

絞り装置としては、一般的に５枚の羽根で構成した虹彩絞り装置が用いられて いるが、この装置では５枚の羽根を連動して開閉するための絞りリングを必要と し、又、この絞りリングを駆動するのに大きなトルクを要するため撮影レンズの 軽量・小型化の障害となっていた。

【０００３】 そのため、図６に示すように、２枚の絞り羽根７、８を同一直線上で相反する 向きに移動させることにより、同絞り羽根７、８に設けた絞り形成用切欠７ａ、 ８ａにより形成される開口面積を変えるようにした絞り装置が用いられている。 この絞り装置は、構成が簡単となるものの開口部の形状は、絞りが開放状態の近 傍を除き、四角形あるいは細長い形となってしまい、そのために非合焦時におけ るボケ味が極めて悪く、又、ゴースト発生時のゴースト形状も好ましくないとい う欠点がある。

【０００４】 そこで、２枚の絞り羽根が同一直線上を移動する従来の絞り装置に、同一直線 上を移動するものの前記羽根とは異なる相対的変位量を持つ少なくとも一枚の補 助的絞り羽根を設けることにより、五角形以上の開口形状を得るようにした装置 が提案されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、この機構では、補助的絞り羽根は、２枚の主たる絞り羽根と同方向 に移動するため、この補助的絞り羽根に大きい変化量を与えなくてはならず、そ のためには、絞り羽根を駆動するための羽根駆動レバーが従来のものより大きく する必要があり、その結果、絞り装置自体も大型化するといった課題があった。 本考案は、上述した課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で かつ大型化することなく、好ましい開口形状が得られる絞り装置を提供すること を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、羽根駆動レバー(３)の回動により、光軸と直交する面上で同一直線 上を相反する向きに移動するよう配設し、かつ各々の端部に絞り形成用切欠(７ ａ、８ａ)を有する２枚の絞り羽根(７、８)を含む絞り装置において、 上記絞り羽根(７、８)が移動する同一面上で移動自在とした少なくとも１枚の 補助的絞り羽根(９)を設け、上記羽根駆動レバー(３)の回動により前記補助的絞 り羽根(９)を移動させる力が与えられたとき、該補助的絞り羽根(９)の一端側が 、上記２枚の絞り羽根(７、８)が移動する方向に対してほぼ直交する向きに移動 できるよう、該補助的絞り羽根(９)にカム機構(１５、１７)を備える。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、羽根駆動レバー(３)の回動により、２枚の絞り羽根(７、 ８)が互いに交錯するように平行移動することにより、両絞り羽根(７、８)に形 成した絞り形成用切欠(７ａ、８ａ)による開口部の大きさが変化する。この動作 に並行して、補助的絞り羽根(９)も駆動レバー(３)の回動によって移動するが、 このとき、補助的絞り羽根(９)に設けたカム機構(１５、１７)の作用により、該 補助的絞り羽根(９)の一端側が、２枚の絞り羽根(７、８)が移動する方向に対し てほぼ直交する向きに移動するので、補助的絞り羽根を１枚設けた時は、上記開 口部は結局３方向から絞り込まれるようになり、又、補助的絞り羽根を２枚設け たときは４方向から絞り込まれるので、開口形状を円もしくは多角形に近付ける ことができる。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１に示した本考案による絞り装置の分解斜視図において、地板１に対してメ ータ２がネジＹ１、Ｙ２によりネジ止めされる。メータ２の回転軸２ａには羽根 駆動レバー３が装着固定される。地板１の受光開口６を通る光量変化に伴い、電 気的制御でもってメータ２が駆動されメータ軸２ａが回転すると、羽根駆動レバ ー３も同軸で回動する。この羽根駆動レバー３の両端には駆動ピン３ａ、３ｂが 突設されており、これらの駆動ピン３ａ、３ｂは、地板１の駆動用孔４、５を貫 通して、地板１のメータ２取付け面とは反対側の面１ａより突出している。

【０００９】 地板１には円形の受光開口６があいており、この受光開口６を２枚の絞り羽根 ７、８及び補助的絞り羽根９、１０で開閉することにより、受光光量を調節する ようになっている。絞り羽根７および補助的絞り羽根９は、駆動ピン３ａに、又 、絞り羽根８および補助的絞り羽根１０は駆動ピン３ｂに、地板１の面１ａ側に てそれぞれ係合している。絞り羽根７、８は駆動ピン３ａ、３ｂの駆動に応じて 摺動自在に、又、補助的絞り羽根９、１０は駆動ピン３ａ、３ｂの駆動に応じて 回動自在とするために、絞り羽根７および８には、図中上下方向に向かうガイド 溝１１、１２および１３、１４があけられ、補助的絞り羽根９および１０には、 湾曲したカム溝１５および１６があけられており、そして、絞り羽根７のガイド 溝１１および補助的絞り羽根９のカム溝１５に係合するガイドピン１７、絞り羽 根７のガイド溝１２および絞り羽根８のガイド溝１４に係合するガイドピン１８ 、および絞り羽根８のガイド溝１３および補助的絞り羽根１０のカム溝１６に係 合するガイドピン１９が地板１の面１ａ上に突設している。又、同面１ａ上には 、絞り羽根７、８と地板１との間の摺動に伴う摩擦を軽減するためにリブ２０、 ２１、２２が設けられる。

【００１０】 以上のごとく組み立てられれば、最後に押え板２３が、絞り羽根７、８および 補助的絞り羽根９、１０を地板１との間に挟み込む形でネジＹ２、Ｙ３によって 地板１にネジ止めされることにより、絞り羽根７、８および補助的絞り羽根９、 １０が駆動ピン３ａ、３ｂおよびガイドピン１７、１８、１９から逸脱せずかつ 光軸方向への移動が規制される。

【００１１】 上記構成になる本考案の絞り装置における絞りの開口形状を図２から図５に従 って説明する。尚、これらの図において、図１と同一の部分については同一の符 号を付しており、又、押え板２３は外した状態となっている。 図２は、羽根駆動レバー３が反時計方向に回転して開口部が開放状態になって いる状態を示し、図５は、駆動レバー３が時計方向に回転して完全に絞り込まれ た状態を示し、図３および図４は、それらの中間の開口状態を示している。

【００１２】 羽根駆動レバー３が時計方向に回転したときの絞り羽根７及び８の動きについ ては図２ないし図５により説明する。羽根駆動レバー３の時計方向の回転を始め ると、絞り羽根７は、ガイド溝１１、１２およびこれらのガイド溝に係合するガ イドピン１７、１８の作用により、図上左方向に平行移動し、一方、絞り羽根８ はガイド溝１３、１４およびこれらのガイド溝に係合するガイドピン１９、１８ の作用により、右方向に平行移動し、その結果、両絞り羽根７、８における絞り 形成用切欠７ａ、８ａが互いに交錯してそれらによる開口領域Ｑが狭められ、絞 り込まれる。

【００１３】 他方、補助的絞り羽根９、１０の動きについては図２ないし図５により説明す る。羽根駆動レバー３が時計方向に回転すると、駆動ピン３ｂ、３ａにより、補 助的絞り羽根９および１０にはそれぞれ右方向および左方向への駆動力が与えら れるが、補助的絞り羽根９においては、湾曲したカム溝１５およびこれに係合す るガイドピン１７との作用によって、この補助的絞り羽根９はガイドピン１７を 支点として時計方向に回動し、一方、補助的絞り羽根１０においては、湾曲した カム溝１６およびこれに係合するガイドピン１９との作用によって、この補助的 絞り羽根１０はガイドピン１９を支点として反時計方向に回動し、その結果、開 口領域が上下方向からも絞り込まれ、２枚の絞り羽根７、８による開口形状が四 角形であれば、六角形の開口形状Ｑが得られる。 尚、２枚の絞り羽根による開口形成部が円弧またはこれに類する形状のときで も本考案の１枚もしくは２枚の補助的絞り羽根を用いることにより、開口形状を 改善できる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、互いに逆方向に移動する２枚の絞り羽根に加 えて、該絞り羽根を駆動する駆動レバーの回動に追従して、前記絞り羽根の移動 方向と直交する向きに移動する補助的絞り羽根を設けたので、開口形状を従来の ２枚羽根のものに比較してより多角形もくしはより円形に近付けることができ、 そのため、非合焦時のボケ味を良くすることができ、ゴースト発生時のゴースト の形状を改善できる。又、簡単な構成のため絞り装置を小型に構成できるので撮 影レンズの軽量・小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の絞り装置の一実施例を示す分解斜視
図

【図２】 図１の絞り装置の絞り羽根の動作により変化
する開口形状を示す平面図

【図３】 図１の絞り装置の絞り羽根の動作により変化
する開口形状を示す平面図

【図４】 図１の絞り装置の絞り羽根の動作により変化
する開口形状を示す平面図

【図５】 図１の絞り装置の絞り羽根の動作により変化
する開口形状を示す平面図

【図６】 従来の２枚羽根の絞り装置を示す平面図

【符号の説明】

１ 地板 ２ メータ ３ 羽根駆動レバー ４ 駆動用孔 ５ 駆動用孔 ６ 受光開口 ８ 絞り羽根 ９ 補助的絞り羽根 １０ 補助的絞り羽根 １１ ガイド溝 １２ ガイド溝 １３ ガイド溝 １４ ガイド溝 １５ カム溝 １６ カム溝 １７ ガイドピン １８ ガイドピン １９ ガイドピン ２０ リブ ２１ リブ ２２ リブ ２３ 押え板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 羽根駆動レバーの回動により、光軸と直
   交する面上で同一直線上を相反する向きに平行移動する
   よう配設し、かつ各々の端部に絞り形成用切欠を有する
   ２枚の絞り羽根を含む絞り装置において、上記絞り羽根
   が移動する同一面上で移動自在とした少なくとも１枚の
   補助的絞り羽根を設け、上記羽根駆動レバーの回動によ
   り前記補助的絞り羽根を移動させる力が与えられたと
   き、該補助的絞り羽根の一端側が、上記２枚の絞り羽根
   が移動する方向に対してほぼ直交する向きに移動できる
   よう、該補助的絞り羽根にカム機構を備えたことを特徴
   とする絞り装置。