JPH04116887U - 表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表示板（１）を、表示面側から順次、黒色系
スモーク透明層（３）、ワインレッド色などの白色調整
層（４）、光拡散層（５）、透光表示部（７）を有する
遮光層（６）の積層をもって構成し、背後に緑色螢光発
光管（２）を設ける。光拡散層（５）は透明樹脂マトリ
ックス中に該樹脂と光屈折率を異にした透明粒子を均一
に分散させたものとする。 【効果】 螢光発光管の点灯により、黒色の表示面中
に、白色の表示を明るく顕現させることができると共
に、この表示の明るさを十分に明るいものとしながら、
ランプイメージを完全に隠蔽しうる。かつ非点灯時にお
ける表示の潜在化を一層確実なものとすることができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、表示板の内方に緑色螢光発光管が配設され、該発光管の点灯によ りそれまで潜在化していた文字、図形等の表示を顕示する内照式の表示装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば音響機器類や電子機器類の表示、エレベータの行先階表示、複写機やフ ァクシミリ等の操作表示、駅の列車案内表示等々に用いられる内照式表示装置に あっては、意匠性の観点から、光源の点灯時には表示をなるべく明るく鮮明に顕 示する一方、消灯時には表示部分を潜在化させて、外観されないかまたは外観し にくい態様のものとすることが求められることが多い。

【０００３】 従来、このような要請に対応するための表示装置として、例えば実開昭５２− １２２０７０号に示されるように、表示板の内方に光源を配置する一方、上記表 示板を、光源側に面する透光表示部分を形成した遮光層と、その外面側に配置し た乳白色半透明板からなる光拡散板と、更に最外側に配置した透光性着色板とで 構成し、点灯時には光源からの内光を透光性着色板側に透過せしめる一方、特に 消灯時において外部から入射する光は、これを上記光拡散板で内部拡散させるこ とにより、表示用遮光層に到達する光量を減じて、結果的に表示部分を外観され にくいものとした表示装置が提案されている。

【０００４】 そしてまた、昼間においては表示面の全体を黒色に外観させ、点灯時に表示部 を白色に顕現化させるものとして、光源に緑色螢光発光管を用い、表示板の外面 を黒色系スモーク透明層で形成し、その背後に緑色に対して補色をなすワインレ ッド色ないしアーバン色の白色調整層を積層状に形成した表示装置も知られてい る（例えば実開昭６３−３８１７９号公報）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の上記のような緑色螢光発光管を用いた表示装置の場合にあっ ては殊に、前述のような両要請、即ち点灯時の鮮明な表示の顕現化と、消灯時の 表示の潜在化との両要請を併せて十分に満足せしめ得るものではなかった。即ち 、従来の上記表示装置は、その光拡散板として透明合成樹脂に酸化チタンや硫酸 バリウムなどの白色系顔料を均一に分散混入して光拡散特性を付与した乳白色半 透明板が一般的に用いられているものであるが、消灯時の表示の確実な潜在化を はかるために、すなわち外光によって表示を見えにくいものとするために、白色 系顔料の分散量を増大して光拡散性を向上すると、全光線透過率が低下して、光 源点灯時における表示の明るい鮮明な顕示性が損われるものとなる一方、逆に、 表示特性を向上するために、光拡散板の全光線透過率を上げると、消灯時におい て外光により表示部分が薄く外観され表示の完全な隠蔽化、潜在化を達成し難い ものとなってしまうという、相対的なジレンマを生じるものであった。

【０００６】 この考案は、このような問題点を解決して、光源点灯時の鮮明で明るい表示の 顕現と、消灯時の表示の確実な潜在化との両要請に一層の満足を与え得る表示装 置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の目的を達成するため、光拡散板に改良を加えることによっ て、その全光線透過率を十分に高く保ちながら、光拡散特性を向上し得るように したものである。

【０００８】 即ち、この考案は、表示板が、外面側から順次積層状ないし重なり状に配置さ れた黒色系スモーク透明層と、緑色に対して補色をなすワインレッド色ないしア ンバー色の白色調整層と、光拡散層と、文字等の透光表示部を除いて形成された 遮光層とで構成され、かつ該表示板の内方に緑色螢光発光管が配設されると共に 、前記光拡散層が、透明合成樹脂をマトリックスとして、該マトリックス中に光 屈折率を前記透明合成樹脂と異にした透明粒子を均一に分散してなることを特徴 とする表示装置を要旨とする。

【０００９】 光拡散板に分散せしめる透明粒子は、その光屈折率がマトリックス樹脂に対し て０．０１〜０．２の範囲で異なるものを用いるのが最も好適である。

【００１０】

【作用】

表示板の光拡散層が、透明合成樹脂マトリックス中に屈折率を異にする透明粒 子を分散させたものとなされていることにより、それ自体光線透過率が優れてお り、従って、螢光発光管の点灯時には、透光表示部から入射される光を白色調整 層を介して十分に外面側の黒色系スモーク透明層側に到達せしめて鮮明で明るい 表示を顕わす。一方、上記光拡散層は、上記のように優れた光線透過率を保有し ながら、透明粒子の分散によって優れた光拡散性を有する。このため、螢光発光 管の非点灯時において、外部から表示板に入射される光は、表示部を有する遮光 層から外面方向に反射する過程で光拡散層内で大きく拡散し、結果的に遮光層と 透光表示部との区別を外面のスモーク透明層側からは著しく視覚しにくいものと して、表示を外観不能に潜在化せしめる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基いて説明する。

【００１２】 図に示す実施例において、（１）は表示板、（２）はその内方位置において図 示しない表示装置ケース体内に配設された光源としての緑色螢光発光管である。 表示板（１）は、表示面である外面側から順次に積層状ないしは重なり状に配 置された黒色系スモーク透明層（３）と、緑色に対して補色をなすワインレッド 色ないしアーバン色の白色調整層（４）と、光拡散層（５）と、文字等の表示部 （７）を除いて形成された表示用遮光層（６）とで構成されている。

【００１３】 黒色系スモーク透明層（３）は、黒系色材を混入して全光線透過率１０〜６０ ％、とくに好適には２５％程度に調整された合成樹脂シートからなるものである 。これの全光線透過率が１０％以下では、螢光発光管（２）からの透過色が暗く なり、鮮明で明るい表示を顕わすのに障害となる一方、６０％以上では、外部か らの光で白色調整層（４）の赤色系色調が外観され、美感上好ましくないものと なるおそれがある。

【００１４】 上記黒色系スモーク透明層（３）の背後の白色調整層（４）は、螢光発光管（ ２）からの緑色発光を白色の透過光に変化させ、スモーク透明層（３）に白色の 表示をあらわすものであり、赤系色材と紫系色材とで調色された全光線透過率１ ０〜６０％程度の合成樹脂シートが用いられるものである。

【００１５】 光拡散層（５）は、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリ レート樹脂等の透明合成樹脂をマトリックスとして、該マトリックス中に、光屈 折率をマトリックス樹脂と異にした異質材料からなる粒径１〜２０μ程度の透明 粒子を均一に分散混入したもので構成され、透明粒子の材質、粒径、配合分散量 等の調整によって、全光線透過率８０％以上、拡散光線透過率７０％以上となる ように製作されたものが用いられる。これの全光線透過率が８０％未満では、螢 光発光管（２）の点灯時の透過光による表示が暗くなり、明るい表示を顕わすこ とができない。また拡散光線透過率が７０％未満では、光源点灯時に、スモーク 透明層（３）側から螢光発光管（２）のランプイメージが外観されるおそれを生 じる。発光管点灯時に表示部（７）を明るく顕現させ、かつ非点灯時に表示部（ ７）の隠蔽効果を良好に実現するためには、透明粒子とマトリックスの透明合成 樹脂との間に、光屈折率において０．０１〜０．２の範囲の差異を有するものと することが好ましい。即ち、この光屈折率の差が０．０１未満では、光拡散層（ ５）の光拡散効果が少なく、表示部（７）の隠蔽効果、即ち非点灯時における表 示の潜在化を良好に達成することができない。逆に上記の差が０．２以上では、 光拡散層（５）自体の全光線透過率が低下し、前述の欠点が派生する。このよう な光屈折率の差異は、例えば透明なマトリックス樹脂に前記のように塩化ビニル 樹脂（屈折率１．５５）、ポリカーボネート樹脂（屈折率１．５８７）、メチル メタクリレート樹脂（屈折率１．４９）を用いる場合に於て、透明粒子に、屈折 率１．５０の架橋メチルメタクリレート樹脂、屈折率１．６０の架橋ポリスチレ ン樹脂等よりなるものを用いることによって容易に付与することができる。

【００１６】 遮光層（６）は、不透明合成樹脂シートあるいは不透明インキ等で形成される ものであり、その一部を予め切除し、あるいは塗膜欠落部とすることによって透 光表示部（７）が形成されるものである。

【００１７】 上記実施例において、今光源の緑色螢光発光管（２）を点灯すると、該発光管 からの緑色光は透光表示部（７）から光拡散層（５）内を拡散しながら透過し、 そして白色調整層（４）で白色に調整されたのち、表面の黒色系スモーク透明層 （３）に、第２図に示すように表示部（７）に対応した文字、図形等の表示（７ ａ）を明るく鮮明に顕出せしめる。また、螢光発光管（２）の非点灯時にあって は、表示板（１）の外面が黒色系スモーク透明層（３）で覆われているため、全 面がほぼ均一な黒色状態に外観される。この場合外光の一部は、該スモーク透明 層（３）、白色調整層（４）、光拡散層（５）を拡散しながら透過して表示部（ ７）のある遮光層（６）にもある程度到達するが、そこから反射する僅かの光は 光拡散層（５）内で著しい拡散作用を受けて回帰することになるため、実際上、 外面のスモーク透明層（３）側からは表示部（７）の存在は全く視認できないも のとなる。従って、表示の完全な潜在化、隠蔽化がもたらされる。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は上述のような構成を有するものであるから、螢光発光管の非点灯時 にあっては表示面の全体を均一な黒色に外観させ、点灯時にあっては該黒色面の 中に白色の表示を明確なコントラストをもって顕わすことができるのはもとより 、表示板内部の光拡散層が、透明合成樹脂マトリックス中に、それと光屈折率を 異にする透明粒子を均一に分散されたものとなされていることにより、当該光拡 散層の優れた全光線透過率と光拡散効果とにより、螢光発光管の点灯時には表示 を十分に明るく鮮明に顕わし得るものとしながらランプイメージを外観させるこ とがなく、また、非点灯時には、外部からの光を受けても、表示を完全に潜在化 して外観されないものとすることができる。従って、優れた表示機能性を有しつ ゝ、外観意匠性に優れた表示装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す断面図である。

【図２】この考案の変形例の断面図である。

【符号の説明】

１…表示板 ２…緑色螢光発光管 ３…黒色系スモーク透明層 ４…白色調整層 ５…光拡散層 ６…遮光層 ７…透光表示部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示板が、外面側から順次積層状ないし
   重なり状に配置された黒色系スモーク透明層と、緑色に
   対して補色をなすワインレッド色ないしアンバー色の白
   色調整層と、光拡散層と、文字等の透光表示部を除いて
   形成された遮光層とで構成され、かつ該表示板の内方に
   緑色螢光発光管が配設されると共に、前記光拡散層が、
   透明合成樹脂をマトリックスとして、該マトリックス中
   に光屈折率を前記透明合成樹脂と異にした透明粒子を均
   一に分散してなることを特徴とする表示装置。
2. 【請求項２】 透明粒子は、マトリックス樹脂に対して
   光屈折率を０．０１〜０．２の範囲で異にする請求項
   （１）記載の表示装置。